山口赤十字病院 総合診療専門医・家庭医育成プログラム 日本プライマリ・ケア連合学会認定後期研プログラム プログラム責任者 役職:副院長兼第一内科部長 氏名:末兼 浩史 専攻医定員 1 年あたり 2 名(×研修期間年数=総定員 6 名) プログラムの期間 3 年間 研修施設 主たる研修施設 ・山口赤十字病院【総合診療専門研修Ⅱ:内科(一般内科、神経内科、循環器内科の合同) 、小児科】 その他の研修病院等 ・山口県立総合医療センター【救急科】 ・津和野共存病院【総合診療専門研修Ⅰ】 プログラム概要 (1)はじめに 綜合病院山口赤十字病院は、山口県の県央部、県北部、島根県の西部を医療圏とする基幹病院として、 年間一万を超える救急症例があり、20 診療科にわたる幅の広い地域の急性期医療を担っている。また、地 域周産期母子医療センター、小児救急拠点病院として周産期医療にも力を入れている。 さらには地域がん診療連携拠点病院として癌診療に力を入れている。特筆すべきは地域で唯一の緩和ケ ア病棟を有していることであり、専門の医師と共に緩和医療に尽力している。 急性期病院としては珍しく以前より訪問看護ステーションを有し、年間 43000 回を越える訪問看護を提 供しており、その対象は小児から末期がん患者の訪問緩和ケアにまで広範である。 医療圏の山口市特に旧阿東町や萩市など県北部、島根県の西部は極めて少子高齢化が進行しており、ま た地域に根ざした医師も減少しており、我々の地域における家庭医としての役割は益々、重要視されてい くものと考える。 島根県西部の津和野町で、急性期から回復期、慢性期、在宅医療など地域に根ざした幅広い医療活動を 行っている津和野共存病院と恊働で、我々の地域のプライマリ・ケアを担ってゆける良質な家庭医を育成 したいと考える。 (2)理念・目標 幅の広い医療技術と強く、かつ、あたたかな志を持ち、特に、急性期病院との連携、緩和医療、在宅医 療に充実した家庭医として地域ケアを担うことの出来る医師の育成を目標とする。 (3)各ローテーション先で学べる内容や特色 山口赤十字病院では、総合診療専門研修Ⅱとして内科(一般内科、神経内科、循環器内科の合同)、小児 科の研修を行う。外来診療、救急部での診療とともに、内科、小児科では入院診療を主治医として担当す る。 救急は山口県立総合医療センターの救急救命センターにて研修を行う。 また、領域別研修として内科、緩和ケア科、外科、整形外科、産婦人科での外来および入院診療研修を行 う。 総合臨床研修Ⅰは、津和野共存病院にて、外来、入院診療、訪問診療、在宅ケア、グループホーム、特別 擁護人ホームへの訪問診療を行い、幅の広い地域包括ケアについて学ぶ。 (4)指導体制に関して 当院には、プライマリ・ケア連合学会の指導医 3 名、専門医 1 名が在籍しており、マンツーマンでの指 導が可能である。領域別研修にもそれぞれ専門医が複数勤務している。研修期間を通じて一貫した指導体 制が可能である。 総合研修Ⅰの津和野共存病院は、指導医とともに先行したプログラムを有している。 救急研修を依頼する山口県立医療センターには県内の三次医療を担う中核病院であり、救急救命センター に複数の専門医、指導医が勤務している。 (5)多職種・地域との関わりについて 山口赤十字病院では職種、職域を越えた多くのチーム医療の実践を行うため積極的なコミュニケーション を重視して診療を行っている。また、困難事例においては主治医と MSW(medical social worker)を中心に 退院前カンファレンスを行っており、かかりつけ医、保健・福祉関係者と患者についてのディスカッショ ンを行うようにしている。 山口市医師会の症例検討会等に出席するなどで、診療所医師との顔の見える 協働作業を学ぶ。 津和野共存病院には、同一敷地内に包括支援センター、訪問看護ステーションが存在し、保健師との月 1 回のカンファレンスを通じて学校医を含めた地域包括ケアの実践が可能である。また、予防・保険活動、 健診事業、地域での医療講演、月 1 回の健康教室を通して地域の医療および健康促進に献上する事を学ぶ。 (6)評価とフィードバック ポートフォリオ勉強会 月に 1 回、県内の他プログラムの後期研修医と指導医で集まる。研修医一名がポートフォリオ形 式で症例を報告し、Significant Case Analysis 形式でディスカッションを行う。適宜、フィー ドバックし、学習課題を明確にする。 MINI-CEX 月に 1 回、日常の外来診療を指導医が直接観察を行い、評価し、フィードバックを行う。 360°評価 半年に 1 回、文献のコンピテンシーに基づく自施設オリジナルの評価表を用いて、研修医、指導 医、看護師、ソーシャルワーカーによる評価を行う。評価の際にはフィードバックを重視するよ うにし、評価内容を指導医と研修医で供覧しながら振り返りを行う。 DOPS 適宜、特に救急センターでの研修や内視鏡研修など手技に特化した研修の際に必要に応じて用い る。 OSCE 年に 1 回、専門医試験の事例を参考にして、指導医が模擬患者として研修医と模擬診療を行う。 症例は禁煙外来やメンタルヘルスなどから 2-3 症例をピックアップする。1 症例毎に研修医が振 り返りを行い、指導医がフィードバックを行う。 ポートフォリオ発表会 年に 1 回、県内のプログラム関係者で集まって研修医のポートフォリオ事例について発表を行う。 モデルとなるローテーション例 4月 5月 6月 2 年目 5月 8月 9月 10 月 11 月 12 月 1月 2月 3月 必修 必修 必修 内科 小児科 救急 (山口赤十字病院) (山口赤十字病院) (総合医療センター) 1 年目 4月 7月 6月 7月 8月 9月 10 月 11 月 12 月 1月 2月 3月 7月 8月 9月 10 月 11 月 12 月 1月 2月 3月 総診Ⅰ(津和野共存病院) 4月 5月 6月 総診Ⅱ 3 年目 領域別研修 (山口赤十字病院) プログラムの全体構成 総合診療 専門研修 領域別 研修 総合診療専門研修Ⅰ ( 12 )カ月 ( 内科 6 )カ月 ( 小児科 3 )カ月 総合診療専門研修Ⅱ ( 6 )カ月 ( 救急科 3 )カ月 ( その他 6 )カ月
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