多発性骨髄腫患者への自家末梢血幹細胞採取における採取効率および

多発性骨髄腫患者への自家末梢血幹細胞採取における採取効率および予後に与
える影響の検討
仲宗根秀樹、神田善伸、上田智基、松本憲二、清水直美、南次郎、酒井りか、
荻原真紀、横田朗、大島久美、塚田唯子、立花崇孝、中世古知昭、藤澤信、矢
野真吾、藤田浩之、高橋聡、金森平和、岡本真一郎
【背景】多発性骨髄腫患者に対する自家末梢血幹細胞採取方法は施設間相違が
あり、骨髄抑制性化学療法から、非骨髄抑制性レジメンまで様々である。今回
採取レジメン別の採取効率および生存への影響を検討した。
【方法】KSGCT 参加施設において、2000 年 4 月から 2007 年 12 月までに有症候
性多発性骨髄腫に対し自家末梢血幹細胞採取を実施した症例を対象に後方視的
解析を行った。抄録では中間段階の解析結果を示す。
【結果】110 症例(男 66 例、女 44 例、年齢中央値 55 歳、観察中央期間 3 年)
を解析した。採取レジメンは CY31 例、ETP58 例、G-CSF7 例、その他 14 例であ
った。各郡の初診時病期、M 蛋白分類、前治療回数には差は認めなかった。採取
開始日(中央値)まで CY 群 15 日、ETP 群 18 日、G-CSF 群 4 日、その他 21 日で
あった。初日 CD34陽性細胞採取量(中央値)は、CY 群で 3.7x10^6/kg, ETP
群で 13.9x10^6/kg, G-CSF 群で 3.81x10^6/kg,その他群で 1.44x10^6/kg であり、
最終的に 2x10^6/kg までの到達率は CY 群 90%、ETP 群 96.6%、GCSF 群 85.7%、
その他群 100%で差は認めなかった。3 年無病増悪生存率は 50.4±5.9%であり、
採取レジメン群間に差は認めなかった。
【結語】CD34 陽性細胞採取効率は ETP 群が最も優れていたが、2x10^6/kg を目
標とする場合、達成率に採取レジメン差は認めなかった。今後、寛解率、PFS に
ついても詳細な解析を加える。