資源・環境システム工学G 安田研究室(L10) 資源利用・環境浄化の技術革新 地球規模の問題 環境の浄化・修復 (有害化学物質、細菌) 新エネルギーの実用化 (メタンハイドレート、地熱発電) 有価物質のリサイクル (レアメタル、油) 新技術の活用 超音波、 流動キャビテーション、 マイクロバブルなど 気泡を利用した 新技術を開発・実用化 研究テーマ ・超音波キャビテーションによる排水中の有害物質の分解 ・超音波霧化による水中の有価物質の分離 ・流動キャビテーションによる水耕栽培培養液の殺菌 ・ファインバブルによるメタンハイドレートの生成技術 ・地熱発電におけるスケールによる配管閉塞の防止 など 1 Yasuda Lab, Resources & Environment, Chem. Eng., Nagoya-U., Japan 超音波による有害物質の分解 周波数が20 kHzを越える音波 超音波 キャビ テーション 周囲 常温・常圧 + 音 0 圧 時間 - 5,000 K 100 MPa 熱分解 OHラジカル 高速流動 キャビ ティ 形成 膨張 収縮 膨張 崩壊 崩壊時のキャビティ 液体に超音波を照射すると音圧の低いときに気泡が発生し、その後、 膨張、収縮を繰り返したのち、断熱的に圧壊する。この際に高温・高 圧の反応場が生成する。 特徴 ほとんどすべての有害物質を無害化できる。 装置が簡単で、操作が安全である。 2 Yasuda Lab, Resources & Environment, Chem. Eng., Nagoya-U., Japan 超音波霧化による溶質の分離 超音波を液面に向かって照射すると表面 波の破断によって、微細液滴ができる。 アルコール水溶液を霧化すると液滴の中 にアルコールが濃縮される。これはアル コールのクラスターが液滴に入りやすいた めである。 排水から有害物質の分離 有効物質のリサイクルへ応用 3 Yasuda Lab, Resources & Environment, Chem. Eng., Nagoya-U., Japan 流体力学的キャビテーションの工学的応用 微細気泡発生 流速 UP 圧力 DOWN キャビテーションにより 腐食したスクリュー 微細気泡圧壊 流速 DOWN 圧力 UP 液流れ方向 空気が飽和した水を用い、流路を狭めた際の流速上昇による減 圧効果で微細気泡を生成し、その後、流路を広げ急激に大気圧 に戻すことにより、圧壊を起こす。 特徴 ポンプがあれば、殺菌、化学反応、木粉の破砕が可能。 スケールアップが容易。 4 Yasuda Lab, Resources & Environment, Chem. Eng., Nagoya-U., Japan マイクロバブルとは 水中での直径が1-100 mmの気泡 1) 気液界面積の増大 (直径10 mmでは、10 mmの1000倍) 2) 低い上昇速度 (直径10 mmでは、3 mm/分) マイクロバブル水 3) 強い帯電性 (pH=7;電位≒-30 mV、pH<4;電位>0) 4) 自己加圧効果 (直径10 mmでは、気泡内圧力 + 30 kPa) など 10 mm マイクロバブルの顕微鏡写真 5 Yasuda Lab, Resources & Environment, Chem. Eng., Nagoya-U., Japan 空気マイクロバブル 油滴の凝集 エマルションからの油水分離 空気マイクロバブル表面の親油性、帯 電性、低い上昇速度を利用し、 エマルション中の油滴を付着して上昇 させ、液面で凝集・回収 油相 回収 マイクロ バブル 油滴 ゆっくり 上昇 親油性 静電引力 オゾンマイクロバブル 発生コストの高く、有害であるオゾンをマイクロバブルにして 効率的に水に溶解 バイオエタノール製造時の着色排水の処理 (通常のオゾン処理では 6 時間必要) ジオキサン、染料、 DMSOの分解でも 高効率化 0 6 5 10 15 20 30 40 60 (min) Yasuda Lab, Resources & Environment, Chem. Eng., Nagoya-U., Japan メタンハイドレートの生成と回収技術の開発 ・氷に包まれたメタンで海底数100 m の砂利の中に存在 ・現在の日本の天然ガス消費量の30年分が採掘可能 ・実用化には、掘削法、分解法、輸送法など回収技術の 開発が不可欠 マイクロバブル発生器を利用してメタンハイドレートを高速製造し、 ガス分離などの技術開発を行う。 地熱発電におけるスケールによる配管閉塞の防止 ・日本の地熱資源は世界3位(原発20基分) ・しかし、地熱発電量は世界6位 ・地熱水温度低下:シリカが配管に析出・閉塞 → 定期的なメンテナンスが必要 地熱水に超音波を照射して、事前にシリカ重合を促進し、配管 でのシリカスケールの析出防止の技術開発を行う。 7 研究・教育など 自ら考え・実行し、社会を先導する研究者・技術者を輩出する。 学部・大学院で研究と発表を積極的に行い、国際会議での発表がで きるように育成する。 (2013年度 学会発表:14件、学生の奨励賞受賞:8回(2010-2014)) 国や公的機関からの支援(補助金)研究、および企業と共同研究も 実施中 研究報告会(全員)、専門書の輪読(小グループ)、英文論文の紹介 2014年度 M2:2名、M1:1名、B4:2名、研究生:1名(ベトナム) 8 Yasuda Lab, Resources & Environment, Chem. Eng., Nagoya-U., Japan
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