集会決議と首相等に送ったFAX

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山口大学教職員組合気付
「平和安全法制に関する山口大学関係者の意見表明」呼びかけ人一同
私たち呼びかけ人は 6 月 23 日に「平和安全法制に関する山口大学関係者の意見表明」(別
紙付記)を発表し、この意見に賛同する署名を集めておりました。その結果本日 9 月 15 日現
在、山口大学教職員、学生、元教職員、およびこれらの家族・友人・知人から 394 名の署
名が集まりました。この署名者の意思を表明すべく、緊急学内集会を開催し、下記の決議を
採択しました。ここに安倍首相、菅官房長官、衆参両院議長、各政党、報道各社に送信しま
す。
記
集会声明
「安保法制法案」をただちに廃案とすることを求める
昨年 7 月 1 日、安倍内閣は、戦後 70 年近くの間日本国がとってきた平和・防衛方針を転換し、
「新三
要件」に合致する場合に集団的自衛権の行使を可能とするとの閣議決定を行った。このような変更は憲
法に違反するとの抗議の声がただちに上がったが、自公与党と安倍内閣は本年 5 月 14 日にこれを具体化
する「平和安全法制法案」を閣議決定し、翌 5 月 15 日、これを国会に上程した。
以後、衆議院では 7 月 15 日の特別委員会での強行採決、翌 16 日の本会議での採決強行を経て、現在、
参議院の特別委員会で審議されている。これまでの衆参の審議の中で、同法案の違憲性と危険性が明ら
かとなり、国民も大多数がこれに反対しているにもかかわらず、安倍内閣は同法案を今週中にも強行採
(注)
決しようとしている。
同法案は安倍内閣の主張とは逆に日本国民と自衛隊員の命を危険に追いやるものであり、私たちは断
じてこのような暴挙を認めることはできない。
私たちは、同法案の採決を強行することに断固反対するものであり、安部内閣が同法案の成立を断念
し、国会が同法案を廃案とすることを求めるものである。
2015 年 9 月 15 日
山口大学関係者「安保法制問題」緊急集会参加者一同
(注)
日本国憲法のもと、戦後長きにわたり、歴代内閣は、自国が攻撃されたときにのみこれに対抗するという個別的自衛権
のみを認め、自国が攻撃されていないにもかかわらず同盟国が攻撃されたときにともに戦争をするという集団的自衛権の
行使を認めてこなかった。安倍内閣がこのような日本の平和・防衛の方針を変えようとするならば、そもそも憲法改正を
国民に提起するのが筋である。また、この間の国会審議を通し、同法案の中身・問題点が明らかになってきた今、その是
非を国政選挙で国民に問うてしかるべきであろう。しかし安倍内閣はそれをせずに、一内閣の決定と民意を十分に反映し
ない選挙制度と争点隠しの下で得た多数議席を使ってこれを押し通そうとしている。これは国民主権と民主主義に反する
暴挙と言わざるを得ない。
また、安倍内閣は集団的自衛権の行使が必要であるとする根拠として、
「新しい情勢の変化」によって、他国への攻撃で
あってもそれが日本国民の生命と安全に対する根底的かつ明白な危険が生じうる事態が生まれたと述べている。しかしこ
れまでの審議を通じ、内閣が挙げてきたホルムズ海峡のケース、日本人母子輸送のケース、米イージス艦攻撃のケースの
いずれにおいても、その必要性の根拠は次々に崩れ、結局、その必要性については「時の内閣が総合的に判断する」とし
か答弁できない状態に陥っている。これは、まさに同法案は日本が米国等の他国とともに戦争を行うか否かを時の内閣に
一任する戦争白紙委任法案でしかないことを示していると言わざるを得ない。
また、重要影響事態法と国際平和支援法では、後方支援の活動範囲をこれまでの非戦闘地域から「現在戦闘が行われて
いない現場」まで拡げ、また重要影響事態法では弾薬の輸送と発進準備中の戦闘機への給油までを新たに含むものとして
いる。これは憲法が禁じている、自衛隊の海外における武力行使になると言わざるを得ない。
付記
「平和安全法制」に関する山口大学関係者の意見表明
安倍内閣は「平和安全法制」の諸法案を撤回すべきである
昨年の 7 月 1 日の閣議決定とそれに基づくとして今国会に付議した平和安全法制によって、安倍内閣
は日本が集団的自衛権の行使ができるようにすることを提案している。しかしこれは、戦後長きにわた
って私たちが日本国憲法のもとで自らに課してきた平和・防衛方針、他国を攻撃せず、自国が攻撃され
たときにのみ自衛のために武力を行使できるという考えを大きく変えることを求めるものである。した
がってこのような根本的な国家の方針の変更は国民全体による最大限の熟考・熟慮を経た上で慎重の上
にも慎重に行われるべきものである。すでに国会の参考人陳述において憲法学者や元法制局長官等から
憲法に反するという強い懸念が出ていることもこのことを示していると言えよう。
日本国民が敗戦の痛切な反省に基づいて、1946 年の憲法公布以降、一貫してその憲法が定めた内容で
あると信じてきた基本方針をもし変えようとするならば、憲法そのものの改正が必要である。そしてそ
のためには、憲政と議会制民主主義の王道として、安倍首相はまず国政選挙でこの方針を最重要な争点
として国民に訴えて国民の賛否を問い、その上で国会に提案し、十分に議論した上で、最後に国民投票
によって国民の判断を仰ぐという三つの手順を踏むべきであった。
しかし安倍氏と自民党が直近の国政選挙で争点として訴えたのは「消費税の引き上げを延期すること」
であったことは記憶に新しい。こうした別争点によって得た多数をもって、今国会において「安全法制」
の議論を進め、会期の延長と採決を図ろうとすることは、とうてい議会制民主主義の正しい姿と言える
ものではない。このことは本法制それ自体への賛否にかかわらず、国民大多数の感じるところであろう。
このように、現在行われている国会での議論は、そもそも、上の手続きの最初の重要段階、つまり国
政選挙で国民に争点を訴えるという段階を回避して始まったものである。まずこの点から安倍内閣はや
りなおすべきである。したがって安倍内閣はまず現法案を撤回すること、そして次の国政選挙において
それを訴え、その後の国会で十分な議論を行い、そして最後に国民投票によって国民の判断を仰ぐとい
う、議会政治の正しい手順に戻るべきである。
こうした正面からの憲法改正議論の中においてはじめて、国会で現在すでに論戦が行われている同法
案の是非、またその核心としての「情勢の変化」の内容、評価と、またそれに対応するために集団的自
衛権の行使がはたして真に必要なのか、それが是なのかの問題が、正しい議会制民主主義の手続きにの
っとったものとしてあらためて議論されうるであろう。
こうした憲政国家の正道に立ち帰ることなく、現行の「多数議席」に頼って同法案を強行しようとす
るならば、それは安倍政権と与党に対する国民の深刻な失望を生む以外のなにものをももたらさないで
あろう。
2015 年 6 月 23 日
署名呼びかけ人 20 名
池上 敏
添田建治郎
塚田広人
溝田忠人
賛同署名者
井手明雄
滝野正二郎
外山英昭
三原敏秀
394名(9月15日現在)
荊木康臣
田澤輝武
藤沢健太
宮川 勇
鴨崎義春
立山紘毅
藤原 勇
森下 徹
君波和雄
田中秀平
増山博行
山中 明