不当労働行為救済申立書 - 大阪府理容生活衛生同業組合 労働組合

不当労働行為救済申立書
2015年12月7日
大阪府労働委員会
会長
播磨
〒540-0031
政明
殿
大阪市中央区北浜東1-17-8F
申
立
人
大阪府理容生活衛生同業組合
代表者執行委員長
〒530-0042
白
田
伸
労働組合
樹
大阪市北区天満橋3-4-28
被申立人
大阪府理容生活衛生同業組合
代表者理事長
都
原
茂
人
申立人に対する被申立人の行為は、下記理由により労働組合法第7条に該当する不
当労働行為があるので、労働委員会規則第32条の規定により申し立てる。
救済を求める内容
1
被申立人は,申立人が2015年7月14日付「第4回団体交渉申入書」で申
し入れた同年4月24日付の和解協定書の履行についての団体交渉に誠実に応じ
なければならない。
2
被申立人は,従業員の労働条件の変更について,当該変更がやむを得ないと経
営判断した具体的な根拠を,事前に申立人に示し説明を行うとともに,申立人と
誠実に協議を行うことなく,職員会議等の場において,組合員および非組合員に
-1-
対し,説明をしたり,同意を求めたりしてはならない。
3
被申立人は,組合員に対し,申立人との団体交渉の内容について,組合員およ
び非組合員がいる面前で,報告を求めたり,批判や叱責を行ってはならない。
4
被申立人は,本命例受領後速やかに下記文書を申立人に手交するとともに,役
員・支部長合同会議を開催して,同合同会議において,下記の文書を交付した事
実を報告しなければならない。
記
大阪府理容生活衛生同業組合 労働組合
代表者
執行委員長
白田
伸樹
殿
当同業組合が行った下記の行為は,大阪府労働委員会において,労働組合法
第7条に該当する不当労働行為であると認められました。当同業組合はここに
深く反省し,貴組合に対して謝罪するとともに,今後はこのような行為を行わ
ないことを誓約いたします。
記
(1)貴組合との間に2015年4月24日付で交わした和解協定書の第1項およ
び第2項について,履行をしなかったこと(3号)
(2)貴組合が,2015年7月14日付「第4回団体交渉申入書」で申し入れた
同年4月24日付和解協定書の履行についての団体交渉に対し,当同業組合が
誠実に応じなかったこと(2号)
(3)貴組合の白田伸樹執行委員長に対し,2015年10月2日に,貴組合との
間で同月1日に行われた団体交渉の内容について,組合員および非組合員がい
る面前で,報告を求めたり,批判や叱責を行ったりしたこと。
(4)貴組合が大阪府労働委員会に対して2015年4月1日付で不当労働行為の
救済申立を行ったことに関し,同業組合の常務理事であった西村朝雄(当時)
が,貴組合の白田伸樹執行委員長に対して叱責を行ったこと(4号)
(5)貴組合の白田伸樹書記長(当時)が2014年11月21日付で,大阪市北
-2-
消防署長宛に行った報告に関して,当同業組合の常務理事であった西村朝雄
(当時)が,白田書記長に対して叱責したこと(1号および3号)
不当労働行為を構成する具体的事実
第1
当事者
1
申立人
申立人は,被申立人の職員が2012年12月20日に結成した労働組合
である。現在の組合員数は2名であり,直接上部団体は,全国労働組合連絡協
議会大阪府協議会である。
なお,申立人の執行委員長の白田伸樹は,2015年3月17日までは書
記長であったが,同日から執行委員長に就任した。
2
被申立人
被申立人は,「生活衛生営業の運営の適正化及び振興に関する法律」(以
下「生衛法」という)に基づく大阪府の認可団体であり,具体的には大阪府下
で任意で加盟している理容店に対して,団体共済,貸付相談,技能向上,福祉
利用の推進等,理容業の社会的地位向上,発展のために活動している。加盟店
舗は,2015年3月31日時点で3092名である。
現時点の被申立人の職員は,本部の職員5名および,被申立人が設置して
いる大阪中央理容美容専門学校の教職員9名である。
被申立人の理事は,同年5月25日以前は,石井勝理事長,都原茂人副理
事長,西山昭二副理事長その他13名であったが,同日以後は,都原茂人理事
長,西山昭二副理事長,中村成揮副理事長その他11名に改選された。
なお,後述する西村朝雄学校長は同日の改選前は,被申立人の常務理事で
あり,かつ同学校の学校長の地位にあった。もっとも,同日の改選により,常
務理事から外れた上,学校長でもなくなった。
-3-
第2
1
本件申立に至った経緯
2014年のあっせん申請
申立人が結成されてから約3年が経過しており,その間,申立人は,被申
立人と団体交渉や事務折衝を行いながら,円滑な労使関係を目指してきた。
2014年の春闘においては,定期昇給を要求し,これに対して被申立人は
事実上のゼロ回答をしてきた。しかし,申立人は争議行為等に解決を求めず,
同年3月に貴委員会へあっせん申請を行い(貴委員会平成26年(調)第6
号,甲1),同あっせんの場で,和解することができた(甲2)。
2
過去の不当労働行為救済申立事件(平成27年(不)第19号)
(1)申立
ア
申立人書記長に対するパワーハラスメント
しかしながら,2015年の春闘においては,春闘交渉期間中にもか
かわらず,被申立人が白田書記長に対して,後述するとおり,消防法1
7条の3の3に基づいて所轄消防署長に適正に報告を行ったことに関し
てパワーハラスメント行為がなされ,しかも理事会がそれに対して具体
的な対策をとらないということがあった。これに対して,白田書記長は,
同人の代理人である弁護士藤原航を介して,被申立人および西村学校長
に対し,同年2月26日付で,抗議の内容証明郵便を提出したものの(甲
3),被申立人らは申立人が求めた措置を何ら講じることがなかった。
イ
「協定書」締結の拒否
また申立人は,同年2月20日付で,定期昇給,年間一時金,就業規
則改定,上記パワーハラスメントに関して,「第2回団体交渉申入書」
を被申立人に提出した(甲4)。同年3月4日,第2回団体交渉が開催
され,申立人が提案した「協定書」の内容について協議を行った(甲5
-以下「本件協定書」という)。最終的に,申立人および被申立人間で,
-4-
本件協定書の1~5項および8項については合意,6項および7項につ
いては合意するか否かを,被申立人の両副理事長が精査していくことが
確認された。
ところが,同年3月12日,本件協定書締結に向けての事務折衝を開
催した際,被申立人の当時の石井理事長,都原副理事長,西山副理事長
は,同月3月4日の団体交渉で合意に至った内容を翻し,本件協定書の
4項~7項については締結する必要がないなどの発言を行った。
これに対して,申立人は団体交渉での合意を踏まえていないなどと異
議を述べたが,頑として正副理事長が譲らなかったため,4項および5
項の締結は,あっせん申請等をせざるを得ないと判断し,1~3項およ
び8項についての同月12日付協定書を締結した。
ウ
申立
以上の経緯により,申立人は,上記の2点の解決を求めて,同年3月1
7日付で貴委員会のあっせんの申請をしたが,被申立人はあっせんに応じる
必要性は無いなどと述べ,強制力をもった第三者機関での解決を望んだた
め,同あっせんは開催しないことが確認された。
そのため,申立人は貴委員会に対し,消防法17条の3の3に基づく報
告の立会業務に関して,西村学校長が申立人に対してパワーハラスメントを
し,被申立人も何らの対策を講じなかったという不利益取扱いおよび支配介
入,被申立人が団体交渉で合意した事項について労働協約として締結するこ
とを拒否したという不誠実団交および支配介入の点について,不当労働行為
救済の申し立てを行った(平成27年(不)第19号-以下「前件救済申立
事件」という)。
(2)和解協定
前件救済申立事件において,被申立人は,被申立人が労働条件の変更を行
う際には,当該変更がやむを得ないと経営判断した具体的な根拠を,申立人
-5-
に属していない労働者に対して説明を行う前に,申立人に対して事前に具体
的な根拠に基づいた協議を誠実に行わなければならないこと,白田書記長の
代理人である弁護士藤原航から,被申立人等に対して差し出した2015年
2月26日付の内容証明郵便(甲3)の内容について,申立人と誠実に協議
をし,解決を目指すものとすることを約束した。そのため,申立人と被申立
人は同年4月24日付で,下記内容の和解協定を行い,貴委員会からの確認
を受けた(甲6-以下「本件和解協定」という)。
記
①
被申立人は,従業員の労働条件の変更を行う際には,当該変更がやむ
を得ないと経営判断した具体的な根拠を,事前に組合に示し説明を行う
とともに,組合と誠実に協議を行うものとする。
②
被申立人は,当時の組合書記長の代理人である弁護士藤原航から,理
事長石井勝等に差し出された,平成27年2月26日付けの内容証明郵
便の内容について,組合と誠実に協議を行い,解決を目指すものとする。
第3
1
本件不当労働行為
前件救済申立事件に対する被申立人からの圧力について
前述したとおり,申立人は貴委員会に対し,2015年4月1日付で前件救
済申立事件の申立を行ったところ,同月6日付で前件救済申立事件の調査開始
通知書が石井理事長に到達した。同理事長は和解による解決の意向を示し,事
務折衝を行ったものの,西村学校長は,申立人が前件救済申立事件の申立をし
たことについて,叱責をした。
かかる西村学校長の所為は,申立人が貴委員会に対して,不当労働行為の申
立をしたことを理由として叱責という不利益な取扱いをしたのであって,労組
法7条4号に該当する不当労働行為であることは明らかである。
2
本件和解協定違反および不誠実団交
-6-
(1)事実経過
ア
前述したとおり,申立人と被申立人とは,前件救済申立事件において,
2015年4月24日付で本件和解協定を締結し,そのため同日付で申
立人は前件救済申立事件を取り下げた。
イ
それにもかかわらず,同年4月27日,被申立人の理事会において,西
村学校長は,同人が消防法17条の3の3に基づいて所轄消防署長に適
正に報告を行ったことについて,蒸し返して,申立人の白田執行委員長
に対して一方的に批判・叱責を行った。また被申立人はこれを制止しな
かった。これに対して,白田執行委員長は,同人の代理人である弁護士
藤原航を通じて,西村学校長に対し,同年5月7日付で通告書を送付し
た(甲7)。
ウ
被申立人から本件和解協定に従い,誠実な協議をしようとしないため,
申立人は,2015年6月16日に「第3回団体交渉申入書」を交付し,
協議事項として本件和解協定の履行を求めた(甲8)。同月30日に第
3回団体交渉を開催したが,本件和解協定の第1項については,就業規
則の不利益変更が必要な具体的な根拠は作成中であるし,本件和解協定
書の第2項については,被申立人は次回の団体交渉において回答する旨
述べ,実質的な協議が行われなかった。
そのため,申立人は,本件和解協定の履行を求めて,同月7月14日付
で「第4回団体交渉申入書」を交付し(甲9),同年8月4日に第4回
団体交渉の開催の申し入れをしたが,被申立人が回答しなかったため,
団体交渉を延期し,第4回団体交渉に向けての事務折衝を行った。
さらに,申立人は,本件和解協定の履行を求めて,同年8月31日付で
「第4回団体交渉申入書」を交付し(甲10),同年9月3日までに文
書にて回答することを求めたが,同年9月1日に被申立人から申立人に
対し,第4回団体交渉日程延期の申出がされた。
-7-
申立人は,同年9月7日付で「第4回団体交渉申入書」を再度交付し(甲
11),本件和解協定の履行を求め,同年9月11日までに文書にて回
答することを求めたが,被申立人から回答されることはなかった。
エ
上記のような経緯で,ようやく同年10月1日に第4回団体交渉が開催
されることが決定したが,同日の団体交渉までに,被申立人は,労働組
合に属していない労働者に対して,就業規則の不利益について説明し,
そのうえで同意を取得していた事実が発覚した。
オ
同年10月1日,第4回団体交渉において,本件和解協定第1項につい
て,被申立人から申立人に対し,「退職金規定の改定に伴う退職金支給
額回答書」,「退職金支給率表」等が提出された。しかしながら,被申
立人が本件和解協定第1項に違反して,非組合員に対して申立人より先
に就業規則の不利益変更の説明をし,かつ同意を得た事実を指摘すると,
被申立人は,「和解協定書の文言は十分に精査せずに署名,押印したの
で内容はよく理解していない」などの開き直りの態度を示し,さらにそ
の態度を申立人が抗議すると激昂する等,誠実な協議が行えなかった。
もっとも,同条項に関する交渉について,今後も申立人との間で交渉を
継続するということが確認された。
また本件和解協定の第2項については,同日の団体交渉においては,被
申立人から何らの具体的な回答が行われなかった。
カ
同年10月2日,朝礼時に,西山および中村両副理事長から,白田執行
委員長に対して,他の労働者の面前で,「昨日の団体交渉の内容を白田
君から報告するように」などと突然申し向けたうえで,「
が辞
めるということで,それまで労組に相談しないといけないみたいですわ」
とか,「同意書をどこで知ったんや」とか,「普段も理事長の机の引き
出しを勝手にあけたりとか,ファイルをあけたりとかしているんやろ」
などと一方的に非難する発言を繰り返した。
-8-
キ
同年11月5日,職員会議において,申立人との協議が終了していない
にもかかわらず,被申立人の職員全員に正副理事長から「退職金規程改
定の件」,「退職金支給率表」,「就業規則変更に関する同意書」が配
付されるとともに,これらの文書の説明および同意書への署名,押印す
ることが要求された。
(2)不当労働行為に該当すること
上記のとおり,被申立人は,西村学校長から白田執行委員長に対して,
本件和解協定違反の内容の叱責が行われたことを制止することをしなかっ
た。また,申立人が幾度となく本件和解協定に基づいて履行を求めたにもか
かわらず,度々延期にしておきながら,本件和解協定の第1項の趣旨に反し
て,団体交渉を行う前に,少なくとも一人の非組合員に対して就業規則の不
利益変更の説明をし,同意を得ていたものである。さらに,2015年10
月1日に行われた団体交渉においては,本件和解協定の履行について誠実に
協議をすることなく,しかも同第1項について,今後申立人との交渉を継続
していくことが確認されたにもかかわらず,それを反故にして,突然,組合
員および被組合員に対して,職員会議の場で,就業規則の不利益変更の説明
をし,同意書への署名,押印を求めたものである。また同年10月1日に行
われた団体交渉の内容について,翌2日の朝礼において,報告を求め,白田
執行委員長に対して叱責,批判を繰り返した行為も看過できない。
被申立人によるかかる所為は,労働組合および組合活動に対して,不利
益に取扱うばかりか,誠実団交義務に違反するものであるし,組合および組
合活動を不当に軽視するものであって,労組法7条1号ないし3号に違反す
る不当労働行為であることは明らかである。
3
パワーハラスメントにかかる支配介入
(1)事実経過
ア
2014年10月11日,被申立人が設置している大阪理容会館にお
-9-
いては,消防法17条の3の3に基づいて,所轄消防署長に消防設備の
点検結果を報告する必要があるところ,同会館の管理を委託している株
式会社ビルネット(以下「ビルネット」という)が,申立人の白田書記
長を立会者として,消防用設備等(特殊消防用設備等)点検が行われた。
イ
同年11月21日,ビルネットから大阪市北消防署長に対し,被申立
人名義で,屋内消防線設備,誘導灯および誘導標識,非常電源専用受電
設備が不良である旨の報告が行われた(以下「本件報告立会業務」とい
う)。
ウ
2015年1月13日,白田書記長が事務局として出席した被申立人
の役員・支部長合同会議において,西村学校長が,役員・支部長59名
が出席する中で,本件報告立会業務について激しく批判・叱責するとと
もに,不当に貶める行動をとった。
エ
同年1月26日,白田書記長が事務局として出席した常務会の会議の
席上で,本件報告立会業務について,西村学校長が,突如として「消防
設備等点検結果報告書は理事会の承認を経てから所轄消防署長に報告し
なければならない」とか,「消防署長に大阪理容会館の消防設備の不備
をタレこんだ」などとして厳しく批判・叱責を行い,白田書記長からの
説明にも耳を傾ける姿勢を示さなかった。
オ
同年2月26日,白田書記長は,同人の代理人である弁護士藤原航を
介して,上記批判・叱責を行った行為について,被申立人および西村学
校長に対し,抗議する趣旨の内容証明郵便を送付した(甲3)。
カ
被申立人らから,何ら誠実な対応がみられないため,前述したとおり,
申立人は,同年4月1日付で,前件救済申立事件を申し立て,本件和解
協定が交わされたため,前件救済申立事件について取り下げるに至った。
しかしながら,前述したとおり,西村学校長は,同年4月27日付の
被申立人の理事会において,蒸し返して,申立人の白田執行委員長に対
- 10 -
して一方的に批判・叱責を行った。また被申立人はこれを制止しなかっ
た。これに対して,白田執行委員長は,同人の代理人である弁護士藤原
航を通じて,西村学校長に対し,同年5月7日付で通告書を送付した(甲
7)。
(2)不当労働行為に該当すること
本来,本件報告立会業務は,白田書記長が消防法を遵守または誠実に職
務に専念したものであり,西村学校長から何ら批判や叱責を受けるいわれ
はない正当な業務である。かかる正当な業務に関して,白田書記長を批判
・叱責したり,役員・支部長の面前で暴言を吐いたりした西村学校長の所
為は,職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に,業務の適
正な範囲を超えて,精神的苦痛を与える又は人間関係などの職場環境を悪
化させる行為であり,パワーハラスメントである。また被申立人の他の理
事者においても,西村学校長のパワハラを放置し,西村学校長が白田書記
長を徒らに批判・叱責するに任せ,何らの対策を講じることがなかった。
このような白田書記長の正当な業務に対して,西村学校長がおこなった
パワハラ行為およびそれをするに任せた他の理事者の行為は,白田書記長
が申立人の組合員(書記長)であることおよび白田書記長の労働組合活動
を嫌悪していたからにほかならず,労組法第7条1号の不利益取扱いに該
当すると同時に,同条3号に該当する支配介入である。
第4
結語
以上述べたところにより,申立人は貴委員会に対し,前記「救済を求める内
容」記載の申立を行う次第である。
以
- 11 -
上