第26回放射性同位元素研究連絡会 市民セミナー 放射性同位元素を利用した 環境放射能分析のアプローチ 日時:平成27年3月13日(金)13:30~16:00 場所:自然科学大講義棟 レクチャーホール ― プログラム ― 司会 放射性同位元素委員会委員長 横山 明彦 13:30 開会の挨拶 柴 和弘(学際科学実験センター長) 13:40 講演1 「福島第一原発周辺の土壌粘土鉱物に保持された放射性 セシウムの溶出挙動」 福士 圭介(環日本海域環境研究センター 准教授) ――――――――― 14:40 休憩(10分) ―――――――― 講演2 「環境放射能研究-低レベル放射能実験施設での研究を 振り返りつつ」 山本 政儀(環日本海域環境研究センター 教授) 15:50 閉会の挨拶 横山 明彦(放射性同位元素委員会委員長) 主催:金沢大学 放射性同位元素委員会、学際科学実験センター 「福島第一原発周辺の土壌粘土鉱物に保持された放射性セシウムの溶出挙動」 福士 圭介(環日本海域環境研究センター 准教授) 2011年3月の東日本大震災以降、福島第一原子力発電所(福島第一原 発)周辺では、放射性Cs(セシウム)が土壌表層の細粒物質に濃集していること が確認されており、これは、土壌に普遍的に含まれている層状の粘土鉱物がセシウム の取り込み媒体になったためと指摘されています。セシウムイオンはこれら粘土鉱物へ の親和性が特に高く、層状粘土鉱物の層間に強固に保持されていると予想されてい ます。しかし、溶液中の陽イオン濃度が高い場合、強固に保持されたセシウムイオンで あっても溶脱しセシウムが再び土中に溶け出して流出する可能性があり、環日本海 域環境研究センターにおいて、土壌粘土鉱物によるセシウムの溶出についての研究 を行っています。 本講演では、福島第一原発周辺に分布する土壌粘土を用いて行った、セシウムの 溶出挙動の検討について、わかりやすくお話しします。 「環境放射能研究 ―低レベル放射能実験施設での研究を振り返りつつ」 山本 政儀(環日本海域環境研究センター 低レベル放射能実験施設 教授) 1945年の広島・長崎への原爆投下、1954年のビキニ環礁水爆実験による被災 事件を受けて、1975年に金沢大学理学部に環境放射能研究を行う附属施設とし て、低レベル放射能実験施設が設置されました。それ以来、放射性核種・放射線の 精密測定を基礎として、環境放射能学、宇宙科学、自然界の物質動態・循環など の地球・環境化学に関する教育・研究を行なってきました。 本講演では、設置から40年を迎える低レベル放射能実験施設での研究、特に環 境放射能研究を中心にその歩みを振り返ります。
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