株式会社平山鉄筋 代表取締役 平山 勲 本社所在地 福島県郡山市静町 47-11 事 業 内 容 鉄筋工事業 平山 勲 社長 協力会社 訪問 皆が「ルールを守る意識」を共有する現場の雰囲気こそが、 安全を維持する大きなポイント 弊社は、もう40年以上も前になりますが、もともと たちから請われて始めた会社。ですから、社員と一緒に 歩んでいく、人材を大切にするということは常に意識し てきました。 とはいえ体力的に楽な業種ではなく、最近はこの仕事 に就きたいという若者も減って寂しいものを感じますね。 屋根のある環境と、全自動の 鉄筋加工設備を備えた工場 郡山市役所の建設工事に来ていた私が、同じ現場の仲間 特に震災後の福島は、これから復興を頑張っていかなけ ればいけない肝心な時に職人さんの多くを除染に取られ 史の中でも小さなものが1回のみですが、これもこうし てしまい、人材不足の深刻さを日々痛感しています。 た職長たちが目を光らせてくれているおかげです。その そこで弊社も「いかにこれからの人材を迎え、育てる 点で、彼らとの関係を大切にしながら、鉄筋業の魅力や か」を企業命題として、毎日知恵を絞る日々です。冬に 人材確保のこと、より良い職場環境などを共に考えてい は雪の多い福島ですから、せめて作業場くらいは快適な きたいと思います。 環境を整えたいと思い、5箇所の工場のうち4箇所を、雨 ●今の現場は、ルールを守れば事故は起こらない 雪をしのぐ屋根と、全自動で鉄筋を曲げ、切断する機械 東北支部担当部会長を拝命している関係で、安全パト を完備したものにしました。そうしたところ、鉄筋の加 ロールにもよく行きますが、最近の現場はずいぶん安全 工や保管など品質面も格段に向上し、生産性も上がるな 教育が浸透しているなと感じますね。昔のように多くの ど、高い評価をいただくようになったのですが、残念な 問題が指摘されることはなくなり、ごく数点の問題に参 がら肝心の人材確保には、まだ必ずしも結びついていま 加者の指摘が集中するようになってきました。 せん。さらに、この仕事で実力が試されるのは、工場の また足場などの設備も昔に比べれば、非常にしっかり 加工ではなく現場での力ですから、現場で勝負できる人 したものになり、現場運営も飛躍的に改善が進んでいる 間をどう確保し育てるかといった課題もあるわけです。 ので、最近では「規定どおりのプロセスで作業を行って ●今の社員たちに支えられて いれば、事故は起こらないのではないか」ということを、 新しい人材の確保は楽ではありませんが、一方で、今 現場での自然な感想として、よく感じるのです。 いる社員が辞める者もなく会社を支えてくれているのは、 ですから今の現場では 「当たり前のことを当たり前に」 、 大きな励みになっています。朝は玄関前で挨拶、また正 ルールを守って確実に作業を進める、またそれを維持し 月には餅つき大会などを行ってきましたので、そんなこ ていく、ということがとても大切なのではないでしょう とも多少は見てくれていたのでしょうかね。 最近では 「社 かね。何も難しいことをする必要はないので、考え抜か 長の言うのは昔の技術。今はもっと違うことを考えなき れた今の設備や教育を信じて、決められたルールをしっ ゃ」などと言っては、若手の職長たちがアイデアを出し かり守っていく、皆がそうした意識を共有するような現 てくれますが、嬉しいですね。その気構えでどんどん新 場の雰囲気を育てていくことが、安全を維持する大きな しいことに挑戦して欲しい。幸いにして事故は会社の歴 ポイントだと感じています。 16
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