Oil Sands Industry Quarterly Update Fall 2015

ALBERTA
OIL SANDS
INDUSTRY
QUARTERLY UPDATE
カナダ・アルバータ州
オイルサンド産業の最新動向
1
オイルサンドについて
重要なグローバル資源の背景
目次
TABLE OF CONTENTS
03
オイルサンドの分布地図
04
政府の最新動向
06
労働市場の最新動向
07
オイルサンド業界の
最新動向:ビジネス
08
オイルサンド業界の
最新動向:テクノロジー
09
オイルサンドの
生産データと技術凡例
10
プロジェクト一覧
16
オイルサンド関連用語集
18
お問合せ先
Unless otherwise stated, all photos copyright
JuneWarren-Nicle’s Energy Group ©2012
カナダ・アルバータ州は、サウジアラビア
とベネズエラに次ぐ世界第三位の石油埋
蔵量を誇っています。カナダの石油埋蔵
量は 1,740 億バレル。うち 1,700 億バレル
がアルバータ州に賦存します。そして約
1,690 億バレルがビチュメンから回収でき
ます。ビチュメンの開発は何十年も前か
ら進められてきましたが、在来型資源―
いわゆる「生産が容易な」石油―が枯渇
しつつある今、この資源に対する世界の
関心はますます高まっています。ビチュメ
ン 1,690 億バレルは現在の技術で回収し
て採算がとれると考えられる量であり、新
技術を導入すれば推定埋蔵量は大幅に
増加する可能性があります。実際のとこ
ろ、賦存するオイルサンド資源の総量は
1 兆 8,000 億バレルに達すると推定されま
す。
アルバータ州には 3 地域に主要なビチュ
メン(オイルサンド)地層があります。最も
大規模なのは Athabasca 地域で、州の北
東部にある Wood Buffalo という地方都市
にあります。Athabasca 地域で、人口が
集中している地域は Fort McMurray で
す。二番目に規模が大きいのは、
Athabasca のすぐ南に位置する Cold
Lake 地域で、Cold Lake 市に人口が集中
しています。最も規模が小さいオイルサ
ンド地層は Peace River で、中央アルバ
ータの北西部に位置しています。
Wabasca という 4 つ目の地域は
Athabasca に隣接しており、通常
Athabasca 地域一帯とみなします。
アルバータ州にビチュメンが貯留してい
ることは、昔から知られていました。カナ
ダの歴史に最初に登場したのは 1719 年
で、Wapasu と名のる Cree 族の一人が
「粘土状」のサンプルをハドソン湾会社の
交易所に持ち込んだという記録が残って
います。現在 Wood Buffalo 地区となって
いる地域に住んでいた先住民は、
Athabasca 川沿いの鉱脈表面に染み出
しているビチュメンをカヌーの防水加工用
として伝統的に利用していました。
現在、ビチュメンはエネルギー資源とし
て、露天掘りと地層内回収の 2 つの方法
で生産されています。2011 年の時点でオ
イルサンド生産量の 51%が露天掘りでし
たが、2015 年には地層内回収(In-situ)
によるビチュメン生産が露天掘り生産を
上回ることが予想されます。アルバータ
州は、将来的に地層内回収(In-situ)へ
の依存度を高める必要があります。これ
は州の確認埋蔵量の 80%が地中の非常
に深い場所に賦存し、露天掘りでは回収
できないからです。
2
現時点で商業的に使われている地層内
回収法(In-situ = ラテン語で「本来の場
所で」。原則として、トラックとシャベルを
使う代わりに坑井を利用する方法を意
味します)には基本的に 2 種類ありま
す。一つは Cyclic Steam Stimulation
(CSS)法で、高圧水蒸気をパッドから掘
削された傾斜井に一定期間圧入し、
その後その水蒸気は一定期間貯留層
内に浸潤状態で放置されてビチュメンを
溶解し、それから、同坑井は生産モード
に転換され、地上にビチュメンを運び出
します。
もう一つの Steam Assisted Gravity
Drainage (SAGD)法では、平行な水平坑
井ペアが地上の坑井パッドから掘削さ
れます。1 坑は目標とする貯留層の上部
付近に掘削され、一方もう1坑はその底
部付近に掘削されます。蒸気が上部坑
井に圧入され、蒸気チャンバーが形成さ
れ、その溶解ビチュメンは重力を介して
下部坑井に流出し、その後人工リフトを
介して地上に汲み上げられまする。
Cold Lake および Peace River 油田で
は、SAGD と CSS の両方式を採用してい
ますが、Athabasca 油田では地層内回
収(In-situ)法の 1 種である SAGD 法の
みを採用しています。どの方式を採用す
るかは、地質状況を含む複数の要因に
基づいて選択されています。現在、技術
を組み合わせることにより、日量 100 万
バレルのビチュメンが生産されていま
す。
このほかにも、溶剤助成型 SAGD 及び
CSS の変形型、電気および地層内燃焼
法による回収など、生産の最適化を目
的とした多数の生産技術に関する研究
が進行中です。
未処理またはいわゆるアップグレードさ
れていないビチュメンは、そのままアス
ファルトに使用することが可能です。パ
イプラインで輸送するためには、ビチュメ
ンを希釈する必要があります。ビチュメ
ンに付加価値をつけ、精製原料である
合成原油(SCO)にアップグレードする生
産者もいます。これらの精製所では、ビ
チュメンは輸送燃料その他の製品に姿
を変えます。
推定されるオイル
サンド油田
オイルサンドの
分布地図
国立公園
カ ナダの オイルサ ン ド資源は 、
「技術がもたらした油」と表現され
ることが少なくありません。集約
的生産技術が進歩していなかっ
たら、現在のような産業は実現し
なかったでしょう。これらの技術
は、回収率を改善し環境への負
荷を軽減しながら、今もなお発展
し、最適化されています。
アルバータ州の産業中心地(Industrial Heartland)の面積は
143,815 エーカー(約 582km2)あり、アルバータ州の中心にある
州都 Edmonton の北東に位置しています。
この地域は、アルバータ州のオイルサンド資源を高品質の精製
石油製品および石油化学製品に変える付加価値処理を行う中心
地域です。
3
表面可採地区
州立公園
Grosmont
炭酸三角地帯
オイルサンド油田
アルバータ州都
政府の最新動向
GOVERNMENT UPDATE
気候変動諮問パネルがアルバータ州民の意見を募集
アルバータ州の石油・ガス・ロイヤルティ見直しが進行中
パネルが州民の意見を募集
アルバータ州の気候変動諮問パネルは、気候変動という全地
球的な問題への取組みの中で州がその責務を果たすために
はどうすればよいかについて州民の意見を募っています。8月
末から9月半ばにかけてオンライン・アンケートを受け付け、カ
ルガリーとエドモントンで公聴会が開催されました。パネルは、
業界、市町村、学会、ファーストネーションとメティスのコミュニ
ティからも意見を募集します。オンラインで配布しているディス
カッション・ガイドに、パネルが調査と検討を行う主なテーマと分
野の概要が記載されています。
この「気候変動リーダーシップ・ディスカッション」で集められた
意見は、気候変動対策に向けたアルバータ州の新しい計画案
を作成するための叩き台になります。この計画は、12月にパリ
で開催されるCOP 21世界会議に間に合うように実施されます。
「気候変動は我々全員が直面する脅威であり、我々の健康、
食料生産、飲料水から生物多様性や経済まであらゆることに
影響を及ぼしている。アルバータ州政府は、環境と気候変動に
対して本当のリーダーシップを発揮することを約束する。この全
地球的な問題に地元で取り組むアルバータ州の新計画に貢献
する機会が、これから数週間にわたって全州民に与えられる」
Shannon Phillips環境・公園管理大臣はこのように述べました。
Phillips大臣が選任し、Andrew Leach氏が議長を務めるこのパ
ネルには、確かな技能と貴重なネットワークを持ち、アルバータ
州独自の経済的、環境的、社会的状況を深く理解するメンバー
が参加しています。
パネルのメンバーは以下の通りです。
・Andrew Leach(アルバータ大学経営大学院 准教授、エネル
ギー・プログラム アカデミック・ディレクター)
・Gord Lambert(GRL Collaboration for Sustainability社の社長
兼チーフ・コラボレーション・オフィサー、元Suncor Energy社役
員)
・Linda Coady(Enbridge社、チーフ・サステナビリティ・オフィサ
ー)
・Stephanie Cairns(Wrangellia Consulting社社長、Pembina
Institute役員、International Institute for Sustainable
Development役員)
・Angela Adams(カナダ民間労働組合(Unifor)教育担当ディレ
クター、Fort McMurray Public School District理事)
「公聴会でもオンラインでも構わない。アルバータ州民の意見を
待っている。確かなのは、気候変動という難題に簡単な解決法
はないということだ。今後の政策選択の参考になるように、理
に適った助言を政府に与える必要がある」Leach氏はこのよう
に述べました。
ロイヤルティ見直し諮問パネルは、州の非再生可能資源ロイヤ
ルティ枠組み見直しにあたり、アルバータ州民の意見を聴くため
の活動を開始します。
エネルギー・エコノミストのPeter Tertzakian氏、アルバータ州の
元財務副大臣Annette Trimbee氏、ビーバーロッジ市長のLeona
Hanson氏が、パネルの議長を務めるATB Financial社長Dave
Mowat氏とともに活動を進めます。グループはこの秋、ミーティン
グ、公開会議、ウェブ形式の対話式ディスカッションを通じて、ア
ルバータ州民、エネルギー関連業界、主な利害関係者と接触し
ます。
「州民は、信頼できるロイヤルティ制度を選ぶ権利がある。我々
は今回の見直しを適正に行わなければならない。適正に行うと
は、ロイヤルティ制度がアルバータ州民と業界、そして業界が次
世代のために創出する質の高い雇用により大きく貢献するため
にはどうすればよいかについて、開かれた、率直な話し合いを行
うことを意味する」Margaret McCuaig-Boydエネルギー大臣はこ
のように述べました。
パネルの活動指針は、以下の事項を最適化する方法を特定す
るための指令です。
・資源の所有者であるアルバータ州民が受ける利益
・産業投資
・多様化の機会(付加価値の高い処理、その他のイノベーション
など)
・アルバータ州の資源の責任ある開発
さらに政府は、2016年12月末までは現在のロイヤルティ枠組み
を継続する考えを示しました。変更が加えられた時点で、増加し
た歳入はアルバータ・ヘリテージ・ファンドに組み入れられます。
「この業務を実行するために我々が招集したパネルに期待して
いる。我々は全員が能力を持つ協力的な人間だ。アルバータ州
と州民の利益を常に最念頭におきながら、この手続きに取り組
むつもりだ。いくつかの重要な質問を問いかけ、市民の言うこと
に耳を傾けたいと考えている」とMowat氏は語りました。
アルバータ州民の皆さんは「letstalkroyalties.ca」をぜひ開いてく
ださい。意見を提出し、パネルに参加することができます。パネ
ルは、4回のコミュニティ・エンゲージメント会議でも州民の意見を
集めます。このイベントは、9月15日にグランド・プレーリー、9月
17日にフォートマクマレーで開催され、さらにカルガリーでは10月
5日、エドモントンでも10月6日に開かれます。州民の皆さんはま
ず以下の2つの質問を検討してください。
・アルバータ州の現在のロイヤルティ枠組みをどう思いますか。
あるいは、ロイヤルティ枠組みのどの部分を理解したいですか。
・このレビューにどのような成果を望みますか。
このフィードバックは手続きの道筋を定め、パネルが所見に含め
るべき問題を特定するために役立ちます。ロイヤルティ見直し諮
問パネルは2015年末に作業を完了し、現行ロイヤルティ体系変
更に関する決定の前に政府がパネルの助言を検討します。詳し
くは「letstalkroyalties.ca」をご覧ください。
4
最新の大気質調査結果に警鐘。求められる対策
アルバータ州とミズーリ州の経済関係を強化
9月に発表されたカナダ環境大気基準(CAAQS)結果報告書に
よれば、レッドディア地区で国の基準値を超えたほか、その他4
地区も上限値に近付いていることがわかりました。
CAAQSは、微粒子物質とオゾン被ばくに関する国家基準で
す。すべての州と準州が年次報告を行うのは今年が初めてで
す。
「心配な結果だ。同じ轍を踏みながら違う結果を期待するわけ
にはいかない。アルバータ州政府には、あらゆる汚染源による
大気汚染に対処することによって州民の健康を守る責任があ
る。対策を講じなければ、アルバータ州は近い将来、カナダで
最も大気質が悪い州になってしまう」アルバータ州のPhillips環
境・公園管理大臣はこのようにコメントしました。
CAAQSに基づき、レッドディア大気ゾーンは、汚染レベルを大
気基準以下に下げるための強制的な対応行動計画を求めら
れることになりました。南北アサバスカと南北サスカチュワンの
各地域では、将来的な基準超過の可能性から地域を守るため
の管理計画が必要です。
アルバータ州は、国家大気ゾーン管理枠組みのもとで立案さ
れた行動計画を直ちに実施します。枠組みには4つのレベルが
あり、必要とされる管理活動と計画立案の度合いがそれぞれ
異なります。
アルバータ州政府は、産業界を対象とした基準の厳格化や自
動車排出基準、大気モニタリングの強化など、大気汚染物質
排出低減に向けて考えられる選択肢を多数検討中です。
2012年10月、カナダ環境閣僚会議は、微粒子物質とオゾンに
関する新CAAQSについて合意しました。CAAQSは、州・準州の
連携による全国大気質管理システムの一環として実施されて
います。人体の健康と環境の保護を強化することが大気質管
理システムの目的です。大気監視所で取った年間、24時間、8
時間の濃度について3年間の平均を求め、結果を算出します。
ある地域に複数の監視所がある場合には、超過値が最も高い
監視所を大気ゾーン全体のデータとして使用します。
アルバータ州とミズーリ州は、経済開発と貿易の促進に焦点を
当てた覚書に署名しました。
ミズーリ州のJay Nixon知事のアルバータ州訪問中に交わされた
この覚書には、農業、環境政策、研究・イノベーションなどの分野
における経済開発活動で連携するための枠組みが定められて
います。今回の合意は、両州の経済開発、雇用拡大、競争力強
化、障壁のない貿易を促進することに重点を置いています。
「今回の合意によって、アルバータ州と重要な貿易パートナーの
関係が強化される。貿易と投資の促進、新しい研究結果と情報
の共有は両州にとって互いに有益だ」と、アルバータ州Rachel
Notley首相は話しています。
アルバータ州とミズーリ州の間には、強固な経済的つながりの歴
史があります。2010年から14年にかけて、アルバータ州からミズ
ーリ州への輸出額は年間平均598億5,000万円に達しました。
アルバータ州からミズーリ州への主要輸出産品は、エネルギー、
木製品、プラスチック、化学製品です。
5
労働市場の最新動向
LABOUR UPDATE
今後も続く賃金・給与の再均衡
ますます高まる交代制労働とワークキャンプの重要性
ATB Financial社のチーフエコノミストTodd Hirsch氏は、この10年
間でアルバータ州の石油・ガス部門の週平均所得は56%上昇し
たと指摘しました。ちなみにアルバータ州の全業種の上昇率は
48%、カナダの全業種は29%となっています。
「現実的には石油部門におけるコスト抑制は非常に困難だ。特
にアルバータ州ではそれが言える。プロジェクトを進行し、人員を
リグに乗せ、人材を見つけて呼び込むためには、魅力に感じる
だけの報酬を支払わなければならないと企業は感じている。
コスト削減の必要性に直面した石油会社側は、長年の懸案だっ
た賃金・給与の再均衡に向けた取組みを進めている。賃金・給
与は平均して企業のコストの70%を占める」Hirsch氏はこのように
説明しました。その結果、特に高給、高技能の専門的、技術的な
職種で人員削減が起きました。
Hirsh氏は次のように続けます。「人員削減は進行したが、アル
バータ州の雇用は前年比で約4万人増加した。これは、エネルギ
ー部門以外の企業が従業員を取り込んだためだ。ただし、給与
ははるかに低い。雇用が増加している部門の代表はトラック輸
送業と倉庫業だ。1年半前まで、これらの業種は労働者の獲得
が難しかったが、今は(これらの企業も)競争力を持つようになっ
た」
経済の再均衡を図るためには、石油業界だけでなく、アルバータ
州全体の業種でアルバータ州の賃金・賞与・給与その他のコスト
も引き下げる必要があるとの意見が昼食会で出されました。この
動きはすでに1年ほど前から進んでいます。アルバータ州では、
今後数カ月以内にさらに大きな動きが見られるとHirsch氏は予
想しました。
「アルバータ州の交代制労働は一時的な業務上の選択ではな
く、業界の成長とカナダの経済的福利を支える業務上の継続的
要件である」最近発表されたPetroleum Labour Market
Information(PetroLMI)の報告書はこのように指摘しました。報告
書は、この件についてさらなる調査が必要だとしています。
「Rotating, Not Relocating: Alberta’s Oil and Gas Rotational
Workforce(移転ではなく交代を:アルバータ州石油・ガス業界の
交代労働)」と題された報告書によれば、この10年間で交代制労
働の取決めが増加し、エネルギー部門や関連する建設・保守プ
ロジェクトでは常態的かつ必須になっているということです。この
機敏な労働力は、業務の要件や商品価格の動向に応じて増やし
たり減らしたりできます。
PetroLMIは決定的な数字を挙げていませんが、ディレクターの
Carol Howes氏は次のように説明しています。「最新の全国世帯
調査によれば、2011年の時点で3万人のアルバータ州民を含む
約4万2,000人のカナダ人が交代制労働者となっている。この数
は非常に少なめの見積りであり、その後、交代制労働者が増加
していることは間違いない。ウッドバッファロー地方行政区が
2012年に行った電話調査によれば、地域には3万9,000人の交代
制労働者がいると推定される。2014年の追跡調査では、地域の
収容施設に約4万7,000人の労働者がいることが判明した。これら
の労働者の継続的調査は非常に役立つ。労働の場所と住居の
場所を比較した定期報告書も有用だ。言い換えれば、この種の
データの継続的、定期的な報告が手元にあれば、(例えば)ある
人がニューファンドランドで生活し、アルバータ州で働いているか
どうかを判断できるということだ」
6
オイルサンド業界の最新動向
BUSINESS
■アルバータ州エネルギー監督庁(AER)は、最新の年次需給
展望において、オイルサンド総生産量が日量約230万バレル
(2014年)から日量約400万バレル(2024年)に増加するとの見通
しを示しました。ちなみにカナダ石油生産者協会が発行した最新
の年次原油生産予測は、オイルサンド生産量が2025年に日量
350万バレル、2030年に日量400万バレルに達すると予想してい
ます。
AERは最新の年次需給展望において、2014年も引き続き地層
内回収プロジェクトの生産量が露天掘り生産量を上回り、今後も
この状況が継続する見通しだとしています。
■油価下落の現状と発電所の停止を受け、Baytex Energy社の
Gemini SAGDパイロットプロジェクトは運転停止となります。操業
開始は1年以上前なので、同社はその間にパイロットプロジェクト
の目的に関係する主要データを把握できたとしています。
同社は、日量5,000バレルの施設に関して承認を取得しています
が、これに変更を加えるための申請を2014年12月に提出しまし
た。当局の承認を取得後、物価上昇環境におけるプロジェクトの
経済性を念頭に置きながら、その後の社内裁可の決定を検討す
るとのことです。
■Tech Resources社は、Frontierオイルサンド貯留層開発を5年
間延期し、プロジェクトを4段階ではなく2段階に分けて建設する
計画です。環境かく乱面積は若干狭まり、生産速度は若干遅くな
ります。
プロジェクトの最新情報に、第1A期(日量8万5,000バレル)、第
1B期(日量8万5,000バレル)、第2期(日量9万バレル)の説明が
あります。石油の初生産は2026年第1四半期になる見込みです。
全面開発の資本コストは約1兆9,570億円と推定されます。
■Imperial Oil社は、プロジェクトの概要表と作業要綱案をAERに
提出し、Cold Lakeで日量4万5,000バレルの新規熱攻プロジェク
ト(Midzaghe)を開発するための第一歩を正式に踏み出しまし
た。 資源の境界策定、環境アセスメントその他の作業が進行中
です。プロジェクトの裁可と着工は2020年までに、操業開始は早
ければ2022年になる可能性があります。
■Shell Canada社は、Peace River地区で実施中のCarmon
Creek熱攻法オイルサンドプロジェクトのスケジュールを調整す
ることにしました。施設の設計を最適化し、一部契約の再入札を
行うためです。現時点では、2019年に石油生産が開始される見
込みです。ちなみに、このプロジェクトは2017年に生産開始と見
られていました。昨今の市場低迷がコスト削減のチャンスを生ん
だとShell Canada社は説明しています。
■Nexen社は、Long Lake SAGDプロジェクトのアップグレーダー2
の着工日を2020年12月31日に延期するための要請書をアルバ
ータ州エネルギー監督庁(AER)に提出しました。アップグレーダ
ー2は今でも長期総合戦略の重要な要素だとしながらも、Long
Lakeプロジェクトの現在の生産量はアップグレーダー1の能力の
範囲内だと説明しました。さらにNexen社は、現在の市況を挙げ、
新規アップグレード能力の開発に好都合な市況とは言い難いと
しています。
■Husky Energy社のSunrise SAGDプロジェクトでは、2015年3月
中旬に初めての生産が開始されました。55の坑井ペアのうち34
で蒸気圧入が進行し、施設の良好なパフォーマンスが報告され
ています。現在の生産量は平均日量2,500~3,000バレルです
が、2016年末前後に日量約6万バレルのフル生産という目標に
向けて徐々に増産が行われる見通しです。システムが充足さ
れ、輸送が進行中です。
■裁判所が指名したモニターの報告書によれば、Laricina
Energy社は、Saleskiカーボネート・パイロットプロジェクトを閉鎖す
る計画です。2015年6月末、アルバータ州女王座裁判所の裁判
官に提出した報告書の中で、PricewaterhouseCoopers社は、
Luricina社が、十分なデータを入手した後、8月末または9月末ま
でにパイロットプロジェクトを閉鎖する計画だとOsum社(Saleskiプ
ロジェクトで40%の権益を持つパートナー)に通告したとしていま
す。
■Southern Pacific Resource社のSTP-McKay SAGDプロジェク
トは休眠中です。休眠計画は完璧であり、必要に応じて資産を
長期間保全できると同社はコメントしました。原油市場では価格
の低迷が続き、この資産のキャッシュフローがマイナスになって
いるため、「資本保全のため今回の措置が必要と思われた」と同
社は説明しています。
*1カナダドル=95円
7
オイルサンド業界の最新動向
TECHNOLOGY
■カナダのオイルサンド・イノベーション・アライアンス(COSIA)
は、一つの節目として2015年イノベーション・サミットで第2次実
績目標を発表しました。
「COSIAのメンバー企業は、アサバスカ川とその支流からの取水
強度を2022年までに30%低減することを全体で約束する」COSIA
はこのようにコメントしました。
COSIAのメンバー企業は、「すべての採掘現場で『Reduce(減ら
す)、Reuse(再使用)、Return(戻す)』の持続可能な水管理原則
を順守しながら」この目標を達成する計画です。具体的な対策に
は以下のことが含まれます。
・水使用量削減と再生利用の機会を最大限に利用する。
・尾鉱に含まれる水の量を減らす。アサバスカ川への処理水再
放流の技術的根拠を確認する。
・アサバスカ川流域への累積的影響を理解し、管理する。
2014年11月に発表されたCOSIAの第1次実績目標は、地層内回
収プロジェクトでの真水使用強度を2022年までに50%低減するこ
とです。
しかし、他の4つのシナリオすべてにおいてオイルサンド生産量
は日量455万バレルまで増加し続けます。特に、エネルギー効率
向上シナリオでは、エネルギー効率向上によって、累積エネルギ
ー消費量は現状放置シナリオより29.5%削減され、その後、累積
GHG排出量は28.7%低減します。
■世界的な水処理事業者IDE Technologies社は、年内にオイル
サンド施設に設置される水平管型蒸発器2基の組立てを完了し
ました。
IDE社はプロジェクト所有者と協力し、イスラエル政府および
Alberta Innovates—Technology Futures and Alberta
Innovates—Energy(AITF)とEnvironment Solutions (AI-EES)の支
援を受けながら、アルバータ州のために水平管型蒸発器の改造
を進めています。AI-EESは次回実地試験のために1億9,000万円
を寄付しました。
AI-EESの水・環境担当マネージャーVicki Lightbown氏は、操業
中の商業規模SAGDプロジェクトにIDE社のユニット2基を設置す
ると説明しています。
IDE社は、この技術により水処理に必要なエネルギーを30%削減
できるとしています。
■最新調査の結果、どのような温室効果ガス(GHG)排出目標
が設定されていたとしても、それを達成すると同時にオイルサン
ドの生産と増産を持続させるための鍵を握るのがテクノロジーで
あることがわかりました。
カナダエネルギー研究所(CERI)が作成した報告書は、環境政
策によって業界の成長が必ずしも抑制されるわけではないとして
います。オイルサンド部門の成長を持続させながらこれらの政策
を実現するための解決策が存在するというのがその理由です。
「我々は、ポンプ、モーターなどのテクノロジー、溶剤抽出法への
移行などのプロセスの効率を改善することを考えている。部門全
体でこれらの多様な高効率のテクノロジーとプロセスを多数実地
投入することによって、エネルギー消費が大幅に削減され、結果
的に温室効果ガス排出が減少するだろう」CERIのプレジデント兼
CEO、Allan Fogwill氏はこのようにコメントしました。
「Oil Sands Industry Energy Requirements And Greenhouse Gas
Emissions Outlook(2015~2050)(2015~2050年のオイルサンド
業界エネルギー所要量および温室効果ガス排出量見通し)」と
題された調査に関して、CERIは6つのシナリオを考え、さまざまな
パラメータの影響を調査しました。現状放置シナリオでは、2050
年までに生産量は日量455万バレルに増加します。
成長抑制シナリオでは、2015年から2050年にかけてのオイルサ
ンドの累積生産量は現状放置シナリオより32.8%減少します。ま
た、累積エネルギー消費量は32%、累積GHG排出量は31.7%削減
されます。
■Suncor Energy社とパートナー企業は、Dover開発現場で
Enhanced Solvent Extraction Incorporating Electromagnetic
Heating(電磁加熱による溶剤抽出増進回収法)(ESEIEH)パイロ
ットプロジェクトの運転を開始しました。
この技術は電磁波を使って貯留層を熱し、溶剤を添加するという
もので、溶剤によりビチュメンの地表への移動を促進します。
ESEIEHプロジェクトのパートナー企業はDevon社、Nexen Energy
社、Suncor社、Harris社です。また、Climate Change and
Emissions Management公社が一部の資金を拠出します。
この組織は、2011年からこの技術に協力しています。2012年に
は、Suncor社のSteepbank貯留層で最初の物理試験が実施され
ました。Doverパイロットプロジェクトは、およそ2年間にわたって
稼働する予定です。
8
9
プロジェクト一覧
カナダ・アルバータ州のオイルサンドプロジェクトの最新動向 2015 年 9 月現在
プロジェクト名
生産能力
生産開始年
申請の有無
プロジェクト名
採取法
生産能力
生産開始年
申請の有無
採取法
NORTH ATHABASCA 地域 – 露天掘り
Voyageur South
CANADIAN NATURAL RESOURCES LIMITED
Suncor Energy社はVoyageur Southプロジェクトを「長期」プロジェクトと位置付け、着工日を確定
していない。
Horizon
第1期
Canadian Natural 社は、必要な基礎工事に対応するため、2015 年第 2 四半期に予定されて
いた定期修理を 10~15 日延期すると発表。操業開始が予想より遅れたことも理由の一つ。
2015 年第 2 四半期の時点で、全体の 2/3 期の拡張は 67%完了。
SYNCRUDE CANADA LTD.
第1期
135,000
2008
操業中
露天掘り
Reliability - Tranche 2
5,000
2014
操業中
露天掘り
8月29日、Mildred Lakeアップグレーダーの水素処理装置と環境設備の間の接続パイプで火災が
発生。合成原油生産が一時的にストップした。Syncrude社は、2015年年初にMLXプロジェクトの
認可を当局に申請。同社は油価下落環境の中で収益を維持するため、コスト削減に注力する。
第2期A
12,000
2014
操業中
露天掘り
基礎露天掘り第 1 & 2 期 拡張
290,700
1978
操業中
露天掘り
第2期B
45,000
2016
建設中
露天掘り
ステージ 3 拡張
116,300
2006
操業中
露天掘り
第3期
80,000
2017
建設中
露天掘り
120,000
未定
申請済み
露天掘り
Mildred Lake/Aurora
遠心分離尾鉱管理
未定
未定
操業中
露天掘り
IMPERIAL OIL LIMITED
Aurora South トレイン 1
100,000
未定
認可済み
露天掘り
Kearl
Aurora South トレイン 2
100,000
未定
認可済み
露天掘り
Mildred Lake Mine 拡張(MLX)
184,000
2023
申請済み
露天掘り
Imperial 社は、Kearl 拡張プロジェクトの操業開始を発表。全 3 基の浮鉱トレインが稼働した。
第1期
110,000
2013
操業中
露天掘り
第2期
110,000
2015
操業中
露天掘り
第3期
80,000
未定
保留
露天掘り
第 4 期 デボトルネック
45,000
未定
保留
露天掘り
TECK RESOURCES LIMITED
Frontier
Teck 社は、Frontier 採掘開発のプロジェクト最新報告書を提出。資本コストは 1 兆 9,570 億円に
上昇し、総生産能力は日量 26 万バレルとなった。アルバータ州環境・公園管理省は、Frontier の
申請/環境影響評価に関する補足情報回答書を現在審査中。
SHELL ALBIAN SANDS
Jackpine
プロジェクトのパートナーMarathon Oil社によれば、ベースアップグレーダーとMuskeg River貯
留層の計画的定期修理は、第2四半期に予定通り予算内で完了。拡張アップグレーダーで
は予定外のダウンタイムが生じた。
第1期a
85,000
2026
申請済み
露天掘り
第1期b
85,000
2027
申請済み
露天掘り
第2期
90,000
2037
申請済み
露天掘り
TOTAL E&P CANADA LTD.
第1期A
100,000
2010
操業中
露天掘り
Joslyn North Mine
第1期B
100,000
未定
認可済み
露天掘り
Total社は、当局に提出していたJoslyn North Mineの認可申請を取り下げた。
拡張
100,000
未定
認可済み
露天掘り
第1期
100,000
未定
保留
露天掘り
NORTH ATHABASCA 地域 – 地層内回収法 (IN SITU)
Muskeg River
プロジェクトのパートナーMarathon Oil社によれば、ベースアップグレーダーとMuskeg River貯
留層の計画的定期修理は、第2四半期に予定通り予算内で完了。拡張アップグレーダーでは
予定外のダウンタイムが生じた。
商業
155,000
2002
操業中
露天掘り
拡張とデボトルネック
115,000
未定
認可済み
露天掘り
ATHABASCA OIL CORPORATION
Birch
Athabasca Oil 社は Birch を長期資産として位置づけ。
第1期
Pierre River
12,000
未定
公表済み
SAGD
Shell Albian Sands 社は、Pierre River プロジェクトの認可申請を取り下げ。既存のオイルサン
ド・オペレーションに集中したいとしている。Pierre River リース鉱区は引き続き保持。将来的
に再申請の可能性あり。
Dover West Carbonates (Leduc)
第1期
100,000
未定
中止
露天掘り
第 1 期 デモンストレーション
6,000
未定
認可済み
SAGD
第2期
100,000
未定
中止
露天掘り
第 2 期 デモンストレーション
6,000
未定
申請済み
SAGD
Athabasca Oil 社は Dover West を長期資産として位置づけ。
SUNCOR ENERGY INC.
Dover West Sands & Clastics
Base Operations
Athabasca Oil 社は Dover West を長期資産として位置づけ。
Suncor社によれば、第2四半期のオイルサンド生産量は前年同期より日量約4万5,000バレル
増加。主因は予定外の保守が最小限に抑えられたことによる操業の安定。アップグレーダー
1の計画的保守は第2四半期中に完了。
第1期
12,000
未定
申請済み
SAGD
第2期
35,000
2019
公表済み
SAGD
露天掘り
第3期
35,000
2020
公表済み
SAGD
35,000
2022
公表済み
SAGD
35,000
2024
公表済み
SAGD
10,000
未定
認可済み
SAGD
ミレニアム 露天掘り
294,000
1967
操業中
Steepbank デボトルネック第 3 期
4,000
2007
操業中
露天掘り
第4期
ミレニアム デボトルネック
23,000
2008
操業中
露天掘り
第5期
露天掘り
BP P.L.C.
Steepbank 北部工区拡張工
事
180,000
2012
操業中
Terre de Grace
Fort Hills
Suncor 社によれば、第 2 四半期末の時点で詳細設計は 89%、建設活動は 34%完了。第 2 四半
期中の支出には、設計、調達、モジュール組立、現場建設が含まれる。
第1期
160,000
2017
建設中
露天掘り
デボトルネック
20,000
未定
認可済み
露天掘り
10
BP 社は評価活動を継続中。
パイロット
プロジェクト名
生産能力
生産開始年
申請の有無
プロジェクト名
採取法
BRION ENERGY CORPORATION
生産能力
生産開始年
申請の有無
採取法
IMPERIAL OIL LIMITED
Dover
Aspen
2,000
2017
認可済み
Dover North 第 1 期
50,000
未定
認可済み
SAGD
アルバータ州環境・公園管理省は、2月19日にプロジェクトの申請/環境影響評価に関する補足
情報提出要請をImperial社に送付。同社は4月15日、6月19日、6月30日に情報を提出した。環
境・公園管理省が現在これらの情報を審査中。
Dover North 第 2 期
50,000
未定
認可済み
SAGD
第1期
45,000
2020
申請済み
SAGD
45,000
未定
申請済み
SAGD
45,000
未定
申請済み
SAGD
Dover 試験パイロット
SAGD
Dover South 第 3 期
50,000
2021
認可済み
SAGD
第2期
Dover South 第 4 期
50,000
2023
認可済み
SAGD
第3期
Dover South 第 5 期
50,000
2025
認可済み
SAGD
IVANHOE ENERGY INC.
Tamarack
Mackay River
MacKay River に設置されるスキムタンク屋根の動画は https://goo.gl/P4rM06 で視聴できる。
Ivanhoe社は、会社、管財人、主要債権者の懸命の努力にもかかわらず破産・支払不能法に基
づく実現可能な再建案について合意を形成できなかったと発表。同社は、山岳部夏時間(MDT)
の6月1日午後11時59分をもって倒産したと見なされた。
第1期
35,000
2015
建設中
SAGD
第2期
40,000
未定
認可済み
SAGD
第3期
40,000
2020
認可済み
SAGD
第1期
20,000
未定
申請済み
SAGD
第4期
35,000
2022
認可済み
SAGD
第2期
20,000
未定
申請済み
SAGD
CANADIAN NATURAL RESOURCES LIMITED
KOCH EXPLORATION CANADA, L.P.
Birch Mountain
Dunkirk
Canadian Natural Resources 社によれば、Birch プロジェクトは計画段階。
第1期
60,000
2019
公表済み
SAGD
Koch Exploration Canada社は計画中のDunkirk SAGDプロジェクトの認可を当局に申請。
第2期
60,000
2023
公表済み
SAGD
商業デモンストレーション
2,000
2017
申請済み
SAGD
CENOVUS ENERGY INC.
第1期
30,000
2018
公表済み
SAGD
East McMurray
第2期
30,000
TBD
公表済み
SAGD
Cenovus Energy 社によれば、このプロジェクトは現在も同社の長期開発機会ポートフォリオの一
部を構成。
MARATHON OIL CORPORATION
第1期
Birchwood
30,000
未定
公表済み
SAGD
Steepbank
Marathon Oil 社は、Birchwood プロジェクトに関する当局の承認が 2014 年年末までに下りると予
想。承認が下り次第、開発計画をさらに細かく検討する。
Cenovus Energy 社によれば、このプロジェクトは現在も同社の長期開発機会ポートフォリオの一
部を構成。
デモンストレーション
第1期
OAK POINT ENERGY LTD.
30,000
未定
公表済み
SAGD
Telephone Lake
Lewis
Cenovus社は、2014年末に当局の承認を取得後、Telephone Lakeの開発に関する選択肢を引
き続き検討中。
12,000
2017
申請済み
SAGD
第A期
45,000
未定
保留
SAGD
Oak Point Energy社によれば、Lewisプロジェクトは油価が回復した時点で生産を開始できる態勢
にある(追加工事は不要)。
パイロット
未定
認可済み
1,720
SAGD
第B期
45,000
未定
認可済み
SAGD
PROSPER PETROLEUM LTD.
E-T Energy Ltd.
Rigel
Poplar Creek
Prosper Petroleum社は、2013年11月にRigel SAGDプロジェクトの申請を当局に提出。当局の承
認は2015年下半期に下される見通し。
Bayshore Petroleum社は、2016年下半期中のPoplar Creekビチュメン生産再開に向けて資本を
調達し、建設計画を実行するため、E-T Energy社と契約を締結。E-T社のET-DSP技術、
Bayshore社の触媒ベース地層内常温触媒分解(CCC)改質技術、超音波技術を使用する。パー
トナー企業は、ビチュメンを超低硫黄民生用ディーゼル燃料に直接転換するためのCCCアップグ
レーダーの建設を併せて計画中。
試験パイロット
1,000
2012
一時停止
ET-DSP
GRIZZLY OIL SANDS ULC
第1期
アルバータ州エネルギー監督庁(AER)は、正式な規制要件を立案するまで、Athabasca 地区
の新「高温浅層」での地層内回収オイルサンド・プロジェクト申請に関する決定を延期すると発
表。Grizzly Oil Sands 社の Thickwood プロジェクトは影響を受ける 5 つのプロジェクトの 1 つ。
第1期
6,000
未定
申請済み
SC-SAGD
第2期
6,000
未定
申請済み
SC-SAGD
HUSKY ENERGY INC.
2017
申請済み
SAGD
SOUTHERN PACIFIC RESOURCE CORP.
STP McKay
Southern Pacific Resource社と一部子会社は、企業債権者調整法に基づく債権者保護を獲得。
資本保全のため、STP McKayは石油価格が回復するまで停止される。
第1期
Thickwood
10,000
12,000
2012
一時停止
SAGD
SUNCOR ENERGY INC.
Dover
N-Solv社のパイロットプロジェクトは、2015年年初に累積4万バレルの石油生産を達成。
ベストパイロット
300
2014
操業中
BEST
ESEIEH パイロット
N/Q
2015
操業中
ESEOEH
Firebag
Saleski
Husky Energy 社は、2013 年 5 月初旬に Saleski パイロットプロジェクトの申請を当局に提出。
Suncor社によれば、Firebagプロジェクトの計画的保守は第2四半期に完了。
第 1 段階
35,000
2004
操業中
SAGD
Sunrise
第 2 段階
35,000
2006
操業中
SAGD
Husky社によれば、Sunrise Energyプロジェクトの増産は2016年末前後の日量生産能力約6万バ
レル(Husky社の正味持分は日量3万バレル)達成に向けて順調に進行中。プラント1Bでは蒸気
圧入がスタート。生産は2015年末の予定。
熱電併給と拡張
25,000
2007
操業中
SAGD
第 3 段階
42,500
2011
操業中
SAGD
第 4 段階
42,500
2012
操業中
SAGD
第 5 段階
62,500
未定
認可済み
SAGD
第 6 段階
62,500
未定
認可済み
SAGD
第 3-6 段階 デボトルネック
23,000
未定
申請済み
SAGD
カーボネイトパイロット
3,000
未定
申請済み
SC-SAGD
第1期A
30,000
2015
操業中
SAGD
第1期B
30,000
2015
建設中
SAGD
第2期A
35,000
未定
保留
SAGD
第2期B
35,000
未定
認可済み
SAGD
将来期
70,000
未定
認可済み
SAGD
11
プロジェクト名
プロジェクト名
生産能力
生産開始年
申請の有無
採取法
第1期
40,000
未定
公表済み
IN SITU
第2期
40,000
未定
公表済み
IN SITU
Lewis
生産能力
生産開始年
申請の有無
採取法
Kirby
同社は、油価が回復するまでKirby North 第1期への支出を延期すると発表。Cold Lake地区
で起きた森林火災の影響で、Kirby Southの生産量は、5月下旬から6月上旬にかけて日量1
万2,000バレルに減少。
Mackay River
KS 第 1 期 – Kirby South
40,000
2013
操業中
SAGD
Suncor社の支出の中心は、現行生産水準を維持するための水平坑井建設の継続。
第1期
操業中
33,000
2002
SAGD
デボトルネック
操業中
5,000
2014
SAGD
未定
保留
MR2
20,000
SAGD
KN 第 1 期 – Kirby North
40,000
未定
保留
SAGD
KN 第 2 期 – Kirby North
60,000
未定
許可済み
SAGD
CAVALIER ENERGY INC.
SUNSHINE OILSANDS LTD.
Hoole
Legend Lake
第1期
10,000
未定
申請済み
SAGD
第 A2 期
30,000
未定
公表済み
SAGD
第 B1 期
30,000
未定
公表済み
SAGD
第 B2 期
30,000
未定
公表済み
SAGD
監督機関が2014年6月にHooleプロジェクト第1期を承認。この開発は、Cavalier Energy社によ
る資金確保と取締役会の裁可にかかっている。Cavalier社は、2014年7月にHooleプロジェクト
用地に隣接する未開発の土地23区画を19億円で取得。
Thickwood
第1期
10,000
未定
許可済み
SAGD
第2期A
35,000
未定
公表済み
SAGD
第2期B
35,000
未定
公表済み
SAGD
CENOVUS ENERGY INC.
第 A1 期
10,000
未定
認可済み
SAGD
第 A2 期
30,000
未定
公表済み
SAGD
第B期
30,000
2021
公表済み
SAGD
Christina Lake
Cenovus社によれば、Christina Lakeのプラント最適化はほぼ完了。今後12カ月がかりで増産
を行う。第F期の建設が継続し、CPFは2015年末に完成の見通し。
West Ells
Sunshine Oilsands社の現取締役会が承認したWest Ellsの操業開始スケジュールによれば、
目標は2015年9月の初期蒸気圧入開始、2015年12月の石油生産開始。
第 A1 期
5,000
2015
建設中
SAGD
第 A2 期
5,000
未定
認可済み
SAGD
第1期A
10,000
2002
操業中
SAGD
第1期B
8,800
2008
操業中
SAGD
第C期
40,000
2011
操業中
SAGD
第D期
40,000
2012
操業中
SAGD
40,000
2013
操業中
SAGD
第 A3 期
30,000
未定
公表済み
SAGD
第E期
第B期
20,000
未定
公表済み
SAGD
最適化 (第 C, D, E 期)
22,000
2015
建設中
SAGD
第 C1 期
30,000
未定
公表済み
SAGD
第 C2 期
30,000
未定
公表済み
SAGD
第F期
50,000
2016
建設中
SAGD
第G期
50,000
未定
保留
SAGD
第H期
50,000
未定
申請済み
SAGD
Value Creation Inc.
Audet
Foster Creek
Value Creation社がSilverWillow Energy社と同社のAudetプロジェクトを買収。
パイロット
12,000
未定
申請済み
SAGD
Cenovus社によれば、第G期の建設は継続中で約4分の3が完了。生産開始は2016年上半期
の見通し。
SOUTH ATHABASCA 地域 – 地層内回収法 (IN SITU)
ATHABASCA OIL CORPORATION
Hangingstone
Athabasca Oil社によれば、第2四半期の第1期坑井への蒸気圧入は予定どおり進行。蒸気圧
入は3月下旬に開始された。循環段階が4~6カ月継続するものとみられる。アルバータ州環
境・公園管理省は、Hangingstone拡張プロジェクトの申請に関する補足情報要請に対する
Athabasca Oil社からの回答を待っている。
HS-1
12,000
2015
操業中
SAGD
HS-2A デボトルネック(1 と 2)
8,000
2017
申請済み
SAGD
HS-2B 拡張
32,000
2019
申請済み
SAGD
HS-3
30,000
2021
申請済み
SAGD
BLACKPEARL RESOURCES INC.
Blackrod
BlackPearl社によれば、第2次パイロットSAGD坑井ペアの結果は引き続き好調で、生産量は
日量550バレルを超える。水蒸気/油比は2.6。日量8万バレルの商業化は現在アルバータ州
エネルギー監督庁(AER)が審査中。状況についての新情報はなし。
パイロット
800
2011
操業中
SAGD
第1期
20,000
未定
申請済み
SAGD
第2期
30,000
未定
申請済み
SAGD
第3期
30,000
未定
申請済み
SAGD
CANADIAN NATURAL RESOURCES LIMITED
Gregoire Lake
Canadian Natural Resources 社によれば、Gregoire Lake プロジェクトは計画段階。
第1期
第2期
60,000
60,000
未定
未定
公表済み
公表済み
SAGD
SAGD
Grouse
Grouseプロジェクトの環境影響評価報告書は2015年3月6日に完了。審査には148週を要した。
商業
40,000
2020
申請済み
SAGD
12
第A期
24,000
2001
操業中
SAGD
第 B 期 デボトルネック
6,000
2003
操業中
SAGD
第 C 期 第 1 段階
10,000
2005
操業中
SAGD
第 C 期 第 2 段階
20,000
2007
操業中
SAGD
第D期
30,000
2009
操業中
SAGD
第E期
30,000
2009
操業中
SAGD
第F期
30,000
2014
操業中
SAGD
第G期
30,000
2016
建設中
SAGD
第H期
30,000
2017
保留
SAGD
将来最適化 (第 F,G,H 期)
35,000
未定
公表済み
SAGD
第J期
50,000
未定
認可済み
SAGD
将来最適化
15,000
未定
公表済み
SAGD
Grand Rapids
Cenovus社は、2014年に購入した既存SAGD施設の解体・格納を完了。開発計画が最終決定
された時点で、Grand Rapidsの現場に移転する予定。状況が好転した場合にプロジェクトへ
の投資を開始することが決まっている。
Pelican Lake パイロット
操業中
600
2011
SAGD
Pelican Upper
Rapids 第 A 期
Pelican Upper
Rapids 第 B 期
Pelican Upper
Rapids 第 C 期
Pelican Upper
Rapids 第 D 期
Pelican Upper
Rapids 第 E 期
Pelican Upper
Rapids 第 F 期
Pelican Upper
Rapids 第 G 期
Grand
Grand
Grand
Grand
Grand
Grand
Grand
10,000
未定
保留
SAGD
32,000
未定
認可済み
SAGD
29,000
未定
認可済み
SAGD
29,000
未定
認可済み
SAGD
32,000
未定
認可済み
SAGD
29,000
未定
認可済み
SAGD
19,000
未定
認可済み
SAGD
プロジェクト名
生産能力
生産開始年
申請の有無
プロジェクト名
採取法
CENOVUS ENERGY INC.
GRIZZLY OIL SANDS ULC
Narrows Lake
Algar Lake
Cenovus社は第2四半期に約8億5,500万円を支出。すでに着工済みの収容施設を完成させるた
めの初期調達契約、設計継続、工事が主な使途である。
生産能力
生産開始年
申請の有無
採取法
一時停止
認可済み
SAGD
SAGD
第A期
45,000
未定
保留
SAP
Grizzly社は物価下落を受け、Algartの操業を一時中止。
第1期
6,000
2014
第2期
未定
6,000
第B期
45,000
未定
認可済み
SAP
May River
第C期
40,000
未定
認可済み
SAP
Grizzly社は、3月初旬に提出したMay River認可申請に関する第3回補足情報要求に回答。2015
年中に当局の承認が下りる見通し。
第1期
未定
申請済み
6,000
SAGD
第2期
未定
申請済み
6,000
SAGD
West Kirby
Cenovus Energy 社によれば、このプロジェクトは現在も同社の長期開発機会ポートフォリオの一
部を構成。
第1期
30,000
未定
公表済み
SAGD
BlackGold
Winefred Lake
Cenovus Energy社によれば、このプロジェクトは現在も同社の長期開発機会ポートフォリオの一
部を構成。
第1期
30,000
未定
公表済み
HARVEST OPERATIONS CORP.
SAGD
CNOOC LIMITED
Harvest社によれば、中央処理施設(CPF)は2015年年初に機械の面では完成している。年間を
通じて小規模な試運転前の活動が一定のペースで進行するが、重質油価格が好ましい水準に
回復するまで初回蒸気圧入は保留する。
第1期
未定
保留
10,000
SAGD
第2期
未定
許可済み
20,000
SAGD
JAPAN CANADA OIL SANDS LIMITED
Long Lake
アルバータ州エネルギー監督庁(AER)の命令により、Nexen社はLong Lakeの操業を中止して
いる。7月に大規模な漏出を起こした同社は、パイプラインの保守とモニタリングに関する法令
不遵守を自発的に開示した。9月2日の同社発表によれば、操業中止は約2週間継続する。
AERは、Long Lakeパイプラインを安全に運転できることをNexen社が証明できるまで操業中止
は継続するとしている。
Hangingstone
Hangingstone拡張プロジェクトは、Inter Pipeline社.のPolarisパイプラインで希釈剤の供給を受け
る。さらに、OTSGブローダウン水処理のための蒸発器技術をAquatech社に発注。2016年に生産
開始の見通し。
拡張
建設中
20,000
2016
SAGD
第1期
72,000
2008
一時停止
SAGD
Hangingstone Pilot
Kinosis (K1A)
20,000
2014
一時停止
SAGD
パイロット
Kinosis (K1B)
37,500
未定
認可済み
SAGD
KOCH EXPLORATION CANADA CORPORATION
CONNACHER OIL AND GAS LIMITED
11,000
1999
操業中
SAGD
許可済み
SAGD
Muskwa
Great Divide
Connacher社は資本再構成の手続きを完了したが、世界の原油価格に関する現在の景気見通
しは暗く、また必要な資金の調達も困難であるため、継続企業体として操業を続けられるかどう
かはかなり疑わしいとしている。
2014年6月に当局の承認を受けた。
パイロット
10,000
未定
LARICINA ENERGY LTD.
Pod 1
10,000
2007
操業中
SAGD
Germain
Alger
10,000
2010
操業中
SAGD
拡張 第 1A 期
12,000
未定
認可済み
SAGD
拡張 第 1B 期
12,000
未定
認可済み
SAGD
Laricina Energy社は、資本支出と操業費を削減するため、Germain SAGDプロジェクトの操業を停
止。資金面と戦略面で引き続き別の選択肢を探る。
第 1 期 CDP
一時停止
5,000
2013
SC-SAGD
第2期
未定
申請済み
30,000
SC-SAGD
第3期
未定
申請済み
60,000
SC-SAGD
第4期
未定
申請済み
60,000
SC-SAGD
CONOCOPHILLIPS CANADA LIMITED
Surmont
Saleski
ConocoPhillips社は、Surmont 2プロジェクトで初の生産を達成。2017年にかけて増産を進める予
定。アルバータ州環境・公園管理省はSurmont 3プロジェクトの申請/環境影響評価に関する補
足情報の要請書を3月と6月に送付し、ConocoPhillips社は情報を提出した。現在、提出された情
報の審査が進行中。
裁判所が任命したモニター、PricewaterhouseCoopers社の報告書によれば、Laricina Energy社
は、コスト削減のため2015年9月までにSaleskiパイロットプロジェクトを閉鎖する計画という。同社
は3月から債権者保護の適用対象となっている。
パイロット
1,200
1997
操業中
SAGD
試験パイロット
1,800
2011
操業中
Cyclic and
SC-SAGD
第1期
30,000
2007
操業中
SAGD
第1期
10,700
未定
保留
Cyclic SAGD
第2期
118,000
2015
操業中
SAGD
第2期
30,000
未定
保留
IN SITU
第 2 期 デボトルネッキング
57,000
未定
申請済み
SAGD
第3期
60,000
未定
公表済み
IN SITU
第 3 期 Tranche1
45,000
2020
申請済み
SAGD
第4期
60,000
2023
公表済み
IN SITU
第 3 期 Tranche2
45,000
2021
申請済み
SAGD
第5期
60,000
2026
公表済み
IN SITU
第 3 期 Tranche3
45,000
2023
申請済み
SAGD
第6期
60,000
未定
公表済み
IN SITU
DEVON CANADA CORPORATION
MEG ENERGY CORPORATION
Jackfish
Devon社が第2四半期中も蒸気効率と坑井の生産性を最大化するための取組みを進めたため、
5四半期連続で生産能力利用率が100%を突破。Jackfish2プロジェクトでは、新規坑井パッドへの
蒸気圧入を第4四半期に計画。蒸気圧入は、2016年中のピーク能力達成に貢献すると思われ
る。Jackfish3プロジェクトは、年末前後に公表生産能力に達する見込み。
第1期
35,000
2007
操業中
SAGD
第2期
35,000
2011
操業中
SAGD
第3期
35,000
2014
操業中
SAGD
Jackfish East
拡張
20,000
2018
公表済み
SAGD
Pike
Devon社は、Pikeプロジェクトの総生産能力を日量10万5,000バレルから7万バレルに変更する
ための申請を提出。52の水平坑井と12の貫流蒸気発生器を使用する。基本設計(FEED)はコ
スト構造とともに2015年中に完了の見通し。
第1A 期
35,000
2019
許可済み
SAGD
第1B 期
35,000
2020
許可済み
SAGD
第1C 期
35,000
未定
取消
SAGD
13
Christina Lake
第2四半期のMEG社の生産量は、第1、2、2B期施設における大規模な計画的定期修理、および
アルバータ州北部の山火事による予定外の工事スケジュール遅延の影響を受けた。これらの影
響にもかかわらず、第2四半期の生産量は日量平均7万1,376バレルで、定期修理活動が比較的
小規模だった前年同期の日量6万8,984バレルを上回った。
第 1 期 パイロット
操業中
3,000
2008
SAGD
第2期A
22,000
2009
操業中
SAGD
第2期B
35,000
2013
操業中
SAGD
第3期A
50,000
未定
認可済み
SAGD
第3期B
50,000
未定
認可済み
SAGD
第3期C
50,000
未定
認可済み
SAGD
プロジェクト名
生産能力
生産開始年
申請の有無
プロジェクト名
採取法
Surmont
生産能力
生産開始
年
申請の有
無
採取法
BIRCHWOOD RESOURCES INC.
環境アセスメントディレクターは、MEG Energy社のSurmontプロジェクトに関する環境影響評
価報告書を完全と判断した。
第1期
未定
申請済み
40,000
SAGD
第2期
未定
申請済み
40,000
SAGD
第3期
未定
申請済み
40,000
SAGD
OSUM OIL SANDS CORP.
Sage
Birchwood 社は、当局への Sage プロジェクト認可申請に関する補足情報要求への回答を 2015
年 9 月 30 日までに提出しなければならない。
パイロット
5,000
未定
申請済み
低圧 SAGD
CANADIAN NATURAL RESOURCES LIMITED
Sepiko Kesik
Osum Oil Sands社は、当局によるSepiko Kesikプロジェクトの承認を2015年と予想。環境影響
評価報告書は完了。審査には91週を要した。
Primrose & Wolf Lake
第1期
30,000
2018
申請済み
CSS-SAGD
Canadian Natural社は、Primrose East地区1での低圧蒸気圧入オペレーションと、Primrose East
地区 2での低圧CSSオペレーションを継続。Primrose East地区のオペレーションは予想以上の
成果を上げている
第2期
30,000
2020
申請済み
CSS-SAGD
Wolf Lake
13,000
1985
操業中
CSS
Primrose South
45,000
1985
操業中
CSS
Primrose North
30,000
2006
操業中
CSS
Primrose East
32,000
2008
操業中
CSS
9,000
未定
申請済み
SAGD
10,000
未定
認可済み
SAGD
PTT EXPLORATION AND PRODUCTION OLC
Mariana - Thornbury
PTTEP 社によれば、プロジェクトは FEED 活動の準備中。
第1期
20,000
2021
申請済み
DEVON CANADA CORPORATION
SAGD
Walleye
RENERGY PETROLEUM (CANADA) CO., LTD.
DevonCanada 社は Walleye プロジェクトを保留中。
Muskwa
第1期
Renergy Petroleum社は1月に当局の承認を取得。
試験パイロット
2015
未定
認可済み
Steam
co-injection
HUSKY ENERGY INC.
STATOIL CANADA LTD.
Caribou
Leismer
デモンストレーション
地域内で森林火災が発生したため、Statoil社は5月下旬にLeismerプロジェクトから労働者150
人を一時避難させた。
Tucker
デモンストレーション
10,000
2010
操業中
SAGD
商業
10,000
2011
操業中
SAGD
2015年第3四半期に保守定期修理を予定。2014年12月に貫流蒸気発生器および高圧ボイラ給
水ポンプの追加に関する認可申請を提出。
第1期
拡張
20,000
未定
認可済み
SAGD
IMPERIAL OIL LIMITED
Northwest
20,000
未定
公表済み
SAGD
Cold Lake
Chard
操業中
SAGD
第 1-10 期
110,000
1985
操業中
CSS
第 11-13 期
30,000
2002
操業中
CSS
試験 SA-SAGD
未定
2013
操業中
SA-SAGD
SAGD
第 14-16 期
40,000
2015
操業中
CSS
SAGD
Midzaghe
45,000
未定
公表済み
SA-SAGD
40,000
未定
公表済み
IN SITU
第1期
20,000
2020
認可済み
SAGD
第2期
30,000
2022
認可済み
第3期
30,000
未定
認可済み
Meadow Creek East
SURMONT ENERGY LTD.
OSUM OIL SANDS CORP.
Wildwood
Orion
Surmont社はWildwoodプロジェクトを開発するため、現在も資金を調達中。
第1期
2006
Imperial社によれば、Nabiye新規プロジェクトは第1四半期の稼働後、増産が持続。同社は、
LASER処理施設の拡張を2017年に実施するための申請を、アルバータ州エネルギー監督庁
(AER)に提出した。
SUNCOR ENERGY INC.
第1期
30,000
12,000
未定
申請済み
OSUM社は、承認された日量2万バレルへの増産を図るため、Orionプロジェクトにおいて承認済
み坑井パッドの開発順序を変更し、当初予定していた2基のパッドの開発を延期。新規支持パッ
ドと3基の新規パッドを開発する。
SAGD
VALUE CREATION INC.
Advanced TriStar
アルバータ州環境・公園管理省は、5 月に ATS プロジェクトの申請/環境影響評価に関する
補足情報の要請書を送付。現在回答を待っている。
第1期
10,000
2007
操業中
SAGD
第2期
10,000
未定
認可済み
SAGD
Taiga
ATS-1
15,000
未定
申請済み
SAGD
ATS-2
30,000
未定
申請済み
SAGD
Osum Oil Sands 社によれば、Taiga プロジェクト第 1 期の実施は、資金調達を条件として 2015~
16 年になる。
ATS-3
30,000
未定
申請済み
SAGD
第1期
12,500
未定
認可済み
CSS&SAGD
DOEx (Demonstration of Excellence)
第2期
12,500
未定
認可済み
CSS&SAGD
Value Creation 社は、生産能力を日量 1,000 バレルから 6,000 バレルに増強するため、当局に
変更認可を申請。
第3期
20,000
未定
認可済み
CSS&SAGD
パイロット
6,000
2018
申請済み
SAGD/ADC
PENGROWTH CORPORATION
Lindbergh
COLD LAKE 地域 – 地層内回収法 (IN SITU)
BAYTEX ENERGY CORP.
Gemini
Baytex社は油価下落を受け、Gemini SAGDパイロットプロジェクトの運転停止を決定。操業開
始は昨年なので、パイロットプロジェクトの目的に関係する主要データは十分に把握できたと
同社はコメント。貯留層に商業規模のプロジェクトを支えるだけの生産能力があるかどうかを
確認することが主眼だった。商業プロジェクトに関する当局の承認を取得後、物価上昇環境
におけるプロジェクトの経済性を念頭に置きながら、その後の社内裁可の決定を検討する。
パイロット
1,200
2014
一時停止
SAGD
商業
5,000
未定
認可済み
SAGD
14
Pengrowth社は、Husky Energy社が運営する販売パイプラインで、Lindberghから初回生産物を
出荷。Pengrowth社には、生産物を鉄道で市場に輸送し、収入とネットバックを最大化するという
選択肢もある。同社は年末までに日量1万6,000バレルへの増産を期待。アルバータ州環境・公
園管理省は、7月にLindbergh拡張プロジェクトの申請/環境影響評価に関する補足情報の要
請書を送付。現在回答を待っている。
パイロット
1,260
2012
操業中
SAGD
第1期
11,240
2015
操業中
SAGD
第 1 期最適化
3,500
2015
建設中
SAGD
第 2 期拡張
34,000
未定
保留
SAGD
プロジェクト名
生産能力
生産開始
年
申請の有
無
プロジェクト名
採取法
PEACE RIVER 地域 – 地層内回収法 (IN SITU)
IVANHOE ENERGY INC.
ANDORA ENERGY CORPORATION
Tamarack
Sawn Lake
プロジェクトのパートナー企業Deep Well Oil & Gas社によれば、チャンバーは9月末までに
Bluesky貯留層の最上部に到達する見込み。11月末までに最大石油生産量に達することが期
待される。
デモンストレーション
操業中
1,400
2014
SAGD
生産能力
生産開始年
申請の有無
採取法
Ivanhoe社は、会社、管財人、主要債権者の懸命の努力にもかかわらず、破産・支払不能法に基
づく実現可能な再建案について合意を形成できなかったと発表。同社は、山岳部夏時間(MDT)
の6月1日午後11時59分をもって倒産したと見なされた。
第1期
34,784
未定
申請済み
UPG
SUNCORE ENERGY INC.
BAYTEX ENERGY CORP.
Base Operations
Cliffdale
Suncor社によれば、第2四半期のオイルサンド生産量は前年同期より日量約4万5,000バレル増
加。主因は予定外の保守が最小限に抑えられたことによる操業の安定。アップグレーダー1の計
画的保守は第2四半期中に完了。
パイロット
2,000
2011
操業中
CSS
Dawson
U1 & U2
225,000
1967
操業中
UPG
Touchstone Exploration社は、アルバータ州ドーソン地区の権益を現金対価2億425万円で売却。
試験デモンストレーション
未定
操業中
2014
CSS
Millenium 真空蒸留装置
35,000
2005
操業中
UPG
Millenium コーカー装置
97,000
2008
操業中
UPG
Harmon Valley
パイロット
未定
2011
操業中
SYNCRUDE CANADA LTD.
CSS
Mildred Lake/Aurora North & South
MURPHY OIL COMPANY LTD.
Seal/Cadotte
Seal では、日量約 250 バレルの生産が現在停止中。Murphy 社によれば、最悪のシナリオでは
最大 80 坑の坑井が閉鎖の可能性。
パイロット
未定
未定
操業中
CSS
デモンストレーション
12,450
2019
申請済み
CSS
NORTHERN ALBERTA OIL LTD.
700
未定
認可済み
Horizontal
CSS
100,000
2006
操業中
UPG
第 3 段階デボトルネック
75,000
未定
公表済み
UPG
Harmon Valley South
Penn West社はパートナー企業と協力し、2015年下半期および2016年上半期の地域の開発
計画予算を最終決定した。Penn West社の経営陣は、パートナーの全面的支援を得て、計画
に第2リグを追加し、同プレイでの開発を加速できることは喜ばしいとしている。第2リグは9月
に始動し、年末まで継続稼働の予定。Penn West社の支出の約90%は、PROPジョイントベン
チャーのパートナーが引き続き負担する。
未定
CNOOC LIMITED
Long Lake
PENN WEST PETROLEUM LTD.
パイロット
第 3 段階拡張(UE-1)
SOUTH ATHABASCA 地域– UPGRADER
Sawn Lake
パイロット
8月29日、Mildred Lakeアップグレーダーの水素処理装置と環境設備の間の接続パイプで火災が
発生。合成原油生産が一時的にストップした。Syncrude社は、2015年年初にMLXプロジェクトの
認可を当局に申請。同社は油価下落環境の中で収益を維持するため、コスト削減に注力する。
Base Plant 第 1 と 2 段階
操業中
250,000
1978
UPG
デボトルネック
2014
操業中
Horizontal
CSS
Seal Main
Penn West社はパートナー企業と協力し、2015年下半期および2016年上半期の地域の開発
計画予算を最終決定した。Penn West社の経営陣は、パートナーの全面的支援を得て、計画
に第2リグを追加し、同プレイでの開発を加速できることは喜ばしいとしている。第2リグは9月
に始動し、年末まで継続稼働の予定。Penn West社の支出の約90%は、PROPジョイントベンチ
ャーのパートナーが引き続き負担する。
パイロット
75
2011
操業中
商業
10,000
未定
申請済み
Horizontal
CSS
Horizontal
CSS
ROYAL DUTCH SHELL PLC
Peace River
アルバータ州エネルギー監督庁(AER)の命令により、Nexen社はLong Lakeの操業を中止してい
る。7月に大規模な漏出を起こした同社は、パイプラインの保守とモニタリングに関する法令不遵
守を自発的に開示した。9月2日の同社発表によれば、操業中止は約2週間継続する。AERは、
Long Lakeパイプラインを安全に運転できることをNexen社が証明できるまで操業中止は継続す
るとしている。
第1期
一時停止
58,500
2009
UPG
VALUE CREATION INC.
Advanced Tristar
アルバータ州環境・公園管理省は、5月にATSプロジェクトの申請/環境影響評価に関する補足
情報の要請書を送付。現在回答を待っている。
ATS-1
12,750
未定
申請済み
UPG
ATS-2
25,500
未定
申請済み
UPG
ATS-3
25,500
未定
申請済み
UPG
DOEx (Demonstration of Excellence)
Value Creation 社は、生産能力を日量 1,000 バレルから 6,000 バレルに増強するため、当局に認
可の変更を申請。
パイロット
申請済み
12,000
2018
UPG
Shell社はコスト削減のため、Carmon Creek第1期の始動を2017年から2019年に延期。
INDUSTRIAL HEATLAND 地域– UPGRADER
Cadotte Lake
12,500
1986
操業中
CSS
NORTH WEST UPGRADING INC.
Carmon Creek 第 1 期
40,000
2019
建設中
VSD
Carmon Creek 第 2 期
40,000
未定
認可済み
VSD
Redwater Upgrader
North West Redwaterパートナーシップは、土木・基礎工事が継続する一方で、現場での最も目
覚ましい進展は引き続き「アンカーボルトより上」だとしている。現在、建物、パイプラック、ベセ
ル、設備が空に向かって建設されている。8月26日の時点で、350超のモジュールが現場に搬入
されるか、または地域のモジュールヤードで組立ての各段階に入っている。主なプロセス機器の
基礎への設置が継続。最新の縦型重量貨物はLC清澄ユニットに設置される完全にドレッシング
された減圧塔である。
NORTH ATHABASCA 地域– UPGRADER
BP P.L.C.
Terre de Grace
BP 社は評価活動を継続中。
パイロット
8,400
未定
認可済み
CSS
CANADIAN NATURAL RESOURCES LIMITED
Horizon
Canadian Natural社は、必要な基礎工事に対応するため、2015年第2四半期に予定されていた
定期修理を10~15日延期すると発表。操業開始が予想より遅れたことも理由の一つ。2015年第
2四半期の時点で、全体の2/3期の拡張は67%完了。
第1期
50,000
2017
建設中
UPG
第2期
50,000
未定
認可済み
UPG
第3期
50,000
未定
認可済み
UPG
SHELL ALBIAN SANDS
Scotford Upgrader
Shell社はHCUデボトルネック・プロジェクトの最終投資決定を下した。同プロジェクトにより水素化
分解能力が約20%向上することが期待される。プロジェクトのパートナーMarathon Oil社によれ
ば、ベースアップグレーダーとMuskeg River貯留層の計画的定期修理は、第2四半期に予定通り
予算内で完了。拡張アップグレーダーでは予定外のダウンタイムが生じた。
第1期
110,000
2009
操業中
UPG
Riliability – Tranche2
5,000
2014
操業中
UPG
第2期A
12,000
2014
操業中
UPG
商業
155,000
2003
操業中
UPG
第2期B
45,000
2016
建設中
UPG
拡張
100,000
2011
操業中
UPG
第3期
80,000
2017
建設中
UPG
Scotford HCU デボトルネッキン
14,000
未定
公表済み
UPG
グ
15
オイルサンド関連用語集
Asphaltenes アスファルテン
ビチュメンに含まれる芳香族炭化水素の中で
最も重質で高濃度のもの。
API
米国石油協会(American Petroleum
Institute)が定めた液体比重の単位。水を
10 度 API とし、典型的な軽質原油は 35~
40、ビチュメンは 7.5~8.5。
Barrel バレル
原油量を測定する伝統的な単位。1 バレルは
42 ガロン(約 159 リットル)です。1 立法メート
ルは 6.29 バレルに相当。
Bitumen ビチュメン
自然発生した、高レベルの硫黄および窒素化
合物を含む炭化水素の粘性混合物。自然状
態では、粘度が高く流動性がないことから、坑
井を通して商業的に回収することは不可能。
通常ビチュメンは重量比でオイルサンドの
10%を占めるが、飽和度は異なる。
Cogeneration コージェネレーション
電力と蒸気の同時生産。多くのオイルサンド
プロジェクトのオペレーションの一部。
Coking コーキング
炭素をコークスとして除外することにより、ビ
チュメン中の重質物質を軽質の炭化水素に
転換するために用いられるアップグレード/
精製プロセス。コーキングは、ディレード・コー
キング法(セミバッチ)またはフルード・コーキ
ング法(連続)によって行うことができる。
Condensate コンデンセート
ガス貯留層から回収可能な、特に軽質な炭化
水素の混合物。コンデンセートは液体天然ガ
スとみなされることもあり、パイプライン輸送
するためにビチュメンの粘度を低下させる希
釈剤としても使用。
Conventional Crude Oil 在来型原油
主に地下貯留層の坑井で回収可能なペンタ
ンと重質炭化水素の混合物。大気圧、常温で
は液体。ビチュメンとは異なり、刺激を加える
ことなく坑井内を流動する。また、加工または
希釈しなくてもパイプラインで輸送できる。
Cracking クラッキング
重質の大きな分子を小さな分子に転換するア
ップグレード/精製プロセス。クラッキング・プ
ロセスには流動分解と水素化分解がある。
Cyclic Steam Stimulation (CSS)
地層に、数週間高圧水蒸気を圧入してオイル
サンドを軟らかくし、その後地表に汲み上げて
分離させる。地下環境に圧力を加えることで、
地層に亀裂が生じ、ビチュメンが生産井に流
入するのを促進。水蒸気は、貯留層に飽和し
たところで圧入を停止し、数週間浸潤させ、そ
の後生産段階でビチュメンを地表に汲み上げ
る。
Density 密度
原油の重さは、炭素を豊富に含む大型分子
の割合によって決まり、通常 1 立方メートル
当たりのキログラム数(Kg/m3)または米国
石油協会(API)の比重尺度で表示。カナダ
西部では、900kg/m3 までの原油は軽質か
ら中等質原油とみなされる。
この密度を上回る原油は重質油またはビチ
ュメンとなる。
Hydrocracking 水素化分解
水素と触媒を使って重質炭化水素を軽質に転
換する精製プロセス。ビチュメンのアップグレー
ドに使用できる。
Dilbit ディルビット
コンデンセートやナフサなどの希釈剤を添加
することにより粘土を低くしたビチュメン。
Hydrotreater 水素化処理装置
触媒として水素を添加することにより、原油に含
まれる硫黄と窒素のレベルを下げるアップグレ
ード/精製プロセス装置。
Diluent 希釈剤
コンデンセートの項を参照。
Established Recoverable Reserves 確
定可採埋蔵量
最新技術、現在および今後予測される経済
状況の下で回収可能な埋蔵量に、地質状
況、地球物理学、またはそれに準ずる情報
に基づき、妥当な確実性をもって存在すると
考えられる回収可能埋蔵量を加えた総量。
Established Reserves 確定埋蔵量
最新技術、現在および今後予測される経済
状況で、具体的に言うと掘削、試験、または
生産によって確認された回収可能な埋蔵量
に、地質状況、地球物理学、またはそれに準
ずる情報に基づき、妥当な確実性をもって存
在すると考えられる、隣接する回収可能な埋
蔵量を加えた総量。
Extraction 抽出
オイルサンド産業に特有の処理過程で、熱
湯、水蒸気および苛性ソーダを用いてオイル
サンドからビチュメンを分離させること。
Froth Treatment 泡沫処理
(露天掘り回収において)熱湯抽出時に産出
される水、ビチュメン、固形物の混合物から
ビチュメンを回収する方法。
Gasfication 気化
重い残留物の典型であるである炭化水素
を、部分的に酸化し、水素と一酸化炭素を混
合する処理過程。水素およびさまざまなエネ
ルギー副産物の生産にも利用可能。
Greenhouse Gases 温室効果ガス
一般的に気候変動および地球温暖化につな
がると考えられているガス。CO2 は最も一般
的な温室効果ガスですが、その他にも軽い
炭化水素(例えばメタンなど)や亜酸化窒素
などが含まれる。
Grandwater 地下水
地表下に溜まった水。井戸や泉に真水を供
給する。
Heavy Crude Oil 重質原油
API度22未満の油。重質原油をパイプライン
で出荷するためには、コンデンセートとブレン
ドまたはミックスしなければならない。
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Hydrotransport 水力輸送
採掘プラントに置かれた一次分離器までパイプ
ラインで水とオイルサンドを輸送するスラリー輸
送プロセス。
Initial Established Reserves
初期確定埋蔵量
生産量を全く差し引かない確認埋蔵量。
Initial volume in place
初期原始埋蔵量
生産前に計算或いは評価によって貯留層に存
在する埋蔵量。
In-situ 地層内回収法
ラテン語で「本来の場所で」を意味する。地層内
回収法は、深層に埋蔵されたビチュメン貯留層
を回収するのに用いられるさまざまな方法を総
称したもの。
In-situ Combustion 地層内燃焼法
置換型原油増進回収法。坑底に燃焼ガス(主に
CO および CO2)を発生させ、その後に原油を回
収井に「押し出す」方法。
Lease リース(賃貸契約)
アルバータ州が発行する法的文書で、これによ
り特定のリース地域に埋蔵するオイルサンドか
らビチュメンを抽出する権利が付与される。その
土地は、操業が終了した時点で返還要求され、
政府に返還しなければならない。
Light Crude Oil 軽質原油
API度28以上の液体原油。高品質の軽質原油
のAPI度は40前後。オイルサンドからアップグ
レードされた原油のAPI度は30~33(アラビア
ンライトは32~34、ウェストテキサスインターミ
ディエイト(WTI)は37~40)。
Mature Fine Tailings 熟成微細尾鉱
オイルサンドに含まれる粘土細粒を処理する際
に生じるゲル状の物質。
Muskeg 湿地
植物性物質が腐食してできる、水分を多量に含
む 1~3 メートルの厚さの表土の上部にある層
のこと。
Oil Sands オイルサンド
ビチュメンを含んだ砂で、地質学的に分類する
とアルバータに Athabasca、Wabasca、Cold
Lake、Peace River の 4 地域。Athabasca 鉱
区が最大規模で、面積は 42,340km2 以上。ア
ルバータ州のビチュメン貯留量の合計は、推定
1.7~2.5 兆バレル。
Overburden 表土
地表と、下部オイルサンドとの間に存在する、
砂、グラベルおよびシェールの層。オイルサン
ドを露天掘りするには、これを取り除く必要が
ある。湿地の下層にある表土は、さまざまな
場所に存在。
Pilot Plant パイロット・プラント
現実の生産条件のもとで、プロセスを試験す
るための小規模なモデルプラント。
Permeability 透過性
ある物質(岩石など)が原油、天然ガス、水な
どの液体をどれだけ通しやすいか。透過率
は、岩石およびその接続部の孔と割れ目(ま
たはそのどちらか)の数、大きさ、形状によっ
て変化する。標準的な粘度の液体が一定の
距離を移動するのに必要な時間で測定され
る。透過率の単位はダルシーである。
Petroleum Coke石油コークス
ビチュメンを加熱して高温にすることにより、
高価値の炭化水素を取り除いた後に残渣とし
て残る固形・黒色の炭化水素。
Primary Production 一次生産
貯留層の自然エネルギー(ガス押し、水押し、
重力排水など)を利用して炭化水素を貯留層
から坑井へ、地表へと移動させる地層内回収
法。一次生産では生産に伴って貯留層の圧
力が低下するので、坑底圧を抑えるため、ま
たは差圧を高めるために人工採油システムを
使用し、炭化水素回収を維持する。
Proven Rcoverable Reserves
確認可採埋蔵量
既存の技術を用いて、現在の経済状況の下
で、生産、或いはテストを通して回収可能ある
と証明された埋蔵量。
Reclamation 再生
分与された土地を安定し、生物的繁殖状態に
回復すること。再生した土地は操業が終了し
た時点でアルバータ州に返還される。
Remaining Established Reserves
残存確認埋蔵量
初期の埋蔵量から累積生産量を差し引いた
埋蔵量。
Royalty ロイヤルティ
政府の生産量または収入の取り分。カナダの
原油の 4 分の 3 は、オイルサンドも含め陸地
で生産され、政府はそれらの土地にミネラル
権を保有。開発業者と政府の間で、リースま
たは許可に関する契約が交わされ、リスクお
よび利益の持ち分について定めている。
Steam Assisted Gravity
Drainage(SAGD) スチーム補助重力排油
法
近接に配備された 2 坑の水平井を使用する
地層内生産プロセス。2 坑のうち、1 坑は水
蒸気圧入に使用し、もう 1 坑はビチュメン/
水エマルジョンの生産に使用。
Surface Mining 露天採掘
トラックやショベルを使って露天掘りでオイル
サンドを回収する作業。アルバータ州のオイ
ルサンド資源で、地表に近く(75メートル以内
で)露天採掘で採算が取れるものは20%未
満である。
Synthetic Crude Oil (SCO) 合成原油
ナフタ、蒸留液、ガス油の沸点材料から製造
された原油。高品質な、軽質スイートやボト
ムレス(白油)などの軽質原油から、サワーブ
レンドなどの重質なものまで様々な種類があ
る。
Tailings 尾鉱
オイルサンドからビチュメンを取り除く際の副
産物で、水、砂、シルト、および微量の微細
粘土を組み合わせたもの。
Tailings Settling Basin 尾鉱沈殿池
尾鉱沈殿池の主な目的は、尾鉱水が浄化
し、シルトおよび粘土が沈殿する時間を得る
ためのプロセス容器として使われることであ
り、それによって水を抽出に再利用すること
が可能。また、沈殿池は最終的な再生のた
めに成熟した微細の鉱さいを調整する、濃縮
槽としての役割も果たす。
Thermal Recovery 熱回収法
地層内回収を促進するため、ビチュメンの粘
度を低下するために熱エネルギーを利用す
るあらゆる方式。
THAI (Toe-to-Heal Air Injection)
重質油およびオイルサンドを生産する地層
内燃焼法。この方法では、「1坑の垂直井か
ら燃焼が開始し、一方でその空気圧入垂直
井に近接しているトーを有する水平井から原
油を生産する。」。この生産方法は、垂直坑
井から発する火炎前面が原油をもう一方の
坑井から生産できるよう押し出す方式である
従来の火攻法の技術を改良したもの。
Truck-and Shovel Mining
トラックとシャベルを用いた露天掘り
オイルサンドを除去し超大型トラックに積み
込むため、大型の電動または水圧シャベル
を使用。トラックは、オイルサンドを抽出プラ
ントまで輸送またはパイプラインで流すため
の収集所まで運びます。トラックとシャベル
は、かつてオイルサンド鉱区で設置していた
バケットホール掘削機や引き綱を使うより、
経済的に操業できる。
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Upgrading アップグレーディング
炭素除去(コーキング)または水素付加(水素変
換)のいずれかの方法を用い、重油やビチュメ
ンを合成原油に変換するプロセス。
VAPEX (Vapour Extraction)
熱を使わない回収方法で、ガスを含む炭化水
素溶剤を貯留層に圧入すると、そこで泥状の原
油に溶け出して粘度を下げ(流動性を増し)、原
油は下位にある水平坑井の中に流出し抽出さ
れる。
Viscosity 粘度
流体の流れにくさを測る性質。粘度が低いほ
ど、流体は流れやすい。
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