ALBERTA OIL SANDS INDUSTRY QUARTERLY UPDATE カナダ・アルバータ州 オイルサンド産業の最新動向 1 オイルサンドについて 重要なグローバル資源の背景 表紙について Fort McMurray の南方で実施中の Conoco Phillips Canada 社 Surmont 2 SAGD プロジェクトは年内に操業開始。 生産能力日量 11 万 8,000 バレルのこのプロジ ェクトは、単一の SAGD フェーズとしては過去 最大規模。 表紙写真提供:CONOCOPHILLIPS CANADA 社 目次 TABLE OF CONTENTS 03 オイルサンドの分布地図 04 政府の最新動向 06 労働市場の最新動向 07 オイルサンド業界の 最新動向:ビジネス 08 オイルサンド業界の 最新動向:テクノロジー 09 10 オイルサンドの 生産データと技術凡例 プロジェクト一覧 16 オイルサンド関連用語集 17 お問合せ先 Unless otherwise stated, all photos copyright JuneWarren-Nicle’s Energy Group ©2012 カナダ・アルバータ州は、サウジアラビア とベネズエラに次ぐ世界第三位の石油埋 蔵量を誇っています。カナダの石油埋蔵 量は 1,740 億バレル。うち 1,700 億バレル がアルバータ州に賦存します。そして約 1,690 億バレルがビチュメンから回収でき ます。ビチュメンの開発は何十年も前か ら進められてきましたが、在来型資源― いわゆる「生産が容易な」石油―が枯渇 しつつある今、この資源に対する世界の 関心はますます高まっています。ビチュメ ン 1,690 億バレルは現在の技術で回収し て採算がとれると考えられる量であり、新 技術を導入すれば推定埋蔵量は大幅に 増加する可能性があります。実際のとこ ろ、賦存するオイルサンド資源の総量は 1 兆 8,000 億バレルに達すると推定されま す。 アルバータ州には 3 地域に主要なビチュ メン(オイルサンド)地層があります。最も 大規模なのは Athabasca 地域で、州の北 東部にある Wood Buffalo という地方都市 にあります。Athabasca 地域で、人口が 集中している地域は Fort McMurray で す。二番目に規模が大きいのは、 Athabasca のすぐ南に位置する Cold Lake 地域で、Cold Lake 市に人口が集中 しています。最も規模が小さいオイルサ ンド地層は Peace River で、中央アルバ ータの北西部に位置しています。 Wabasca という 4 つ目の地域は Athabasca に隣接しており、通常 Athabasca 地域一帯とみなします。 アルバータ州にビチュメンが貯留してい ることは、昔から知られていました。カナ ダの歴史に最初に登場したのは 1719 年 で、Wapasu と名のる Cree 族の一人が 「粘土状」のサンプルをハドソン湾会社の 交易所に持ち込んだという記録が残って います。現在 Wood Buffalo 地区となって いる地域に住んでいた先住民は、 Athabasca 川沿いの鉱脈表面に染み出 しているビチュメンをカヌーの防水加工用 として伝統的に利用していました。 現在、ビチュメンはエネルギー資源とし て、露天掘りと地層内回収の 2 つの方法 で生産されています。2011 年の時点でオ イルサンド生産量の 51%が露天掘りでし たが、2015 年には地層内回収(In-situ) によるビチュメン生産が露天掘り生産を 上回ることが予想されます。アルバータ 州は、将来的に地層内回収(In-situ)へ の依存度を高める必要があります。これ は州の確認埋蔵量の 80%が地中の非常 に深い場所に賦存し、露天掘りでは回収 できないからです。 2 現時点で商業的に使われている地層内 回収法(In-situ = ラテン語で「本来の場 所で」。原則として、トラックとシャベルを 使う代わりに坑井を利用する方法を意 味します)には基本的に 2 種類ありま す。一つは Cyclic Steam Stimulation (CSS)法で、高圧水蒸気をパッドから掘 削された傾斜井に一定期間圧入し、 その後その水蒸気は一定期間貯留層 内に浸潤状態で放置されてビチュメンを 溶解し、それから、同坑井は生産モード に転換され、地上にビチュメンを運び出 します。 もう一つの Steam Assisted Gravity Drainage (SAGD)法では、平行な水平坑 井ペアが地上の坑井パッドから掘削さ れます。1 坑は目標とする貯留層の上部 付近に掘削され、一方もう1坑はその底 部付近に掘削されます。蒸気が上部坑 井に圧入され、蒸気チャンバーが形成さ れ、その溶解ビチュメンは重力を介して 下部坑井に流出し、その後人工リフトを 介して地上に汲み上げられまする。 Cold Lake および Peace River 油田で は、SAGD と CSS の両方式を採用してい ますが、Athabasca 油田では地層内回 収(In-situ)法の 1 種である SAGD 法の みを採用しています。どの方式を採用す るかは、地質状況を含む複数の要因に 基づいて選択されています。現在、技術 を組み合わせることにより、日量 100 万 バレルのビチュメンが生産されていま す。 このほかにも、溶剤助成型 SAGD 及び CSS の変形型、電気および地層内燃焼 法による回収など、生産の最適化を目 的とした多数の生産技術に関する研究 が進行中です。 未処理またはいわゆるアップグレードさ れていないビチュメンは、そのままアス ファルトに使用することが可能です。パ イプラインで輸送するためには、ビチュメ ンを希釈する必要があります。ビチュメ ンに付加価値をつけ、精製原料である 合成原油(SCO)にアップグレードする生 産者もいます。これらの精製所では、ビ チュメンは輸送燃料その他の製品に姿 を変えます。 推定されるオイル サンド油田 オイルサンドの 分布地図 国立公園 カ ナ ダ のオ イ ル サ ンド 資 源 は 、 「技術がもたらした油」と表現され ることが少なくありません。集約 的生産技術が進歩していなかっ たら、現在のような産業は実現し なかったでしょう。これらの技術 は、回収率を改善し環境への負 荷を軽減しながら、今もなお発展 し、最適化されています。 アルバータ州の産業中心地(Industrial Heartland)の面積は 143,815 エーカー(約 582km2)あり、アルバータ州の中心にある 州都 Edmonton の北東に位置しています。 この地域は、アルバータ州のオイルサンド資源を高品質の精製 石油製品および石油化学製品に変える付加価値処理を行う中心 地域です。 3 表面可採地区 州立公園 Grosmont 炭酸三角地帯 オイルサンド油田 アルバータ州都 政府の最新動向 GOVERNMENT UPDATE アルバータ州、オイルサンドの環境保護を強化 アルバータ州政府は石油業界、先住民グループ、非政府の環境 保護団体その他の利害関係者と協力し、上記の枠組みを立案し ました。これらの枠組みは、オイルサンド開発における環境問題 への取組みを導く役割を果たします。 アルバータ州はオイルサンド開発の環境影響軽減に向けた継 続的取組みの一環として、尾鉱沈殿池を減らすとともに Athabasca River からの取水を規制する新たな対策を導入しま した。 「Athabasca 採掘可能オイルサンドの尾鉱管理枠組み(Tailings Management Framework For The Minable Athabasca Oil Sands)」 と「Lower Athabasca River の地表水水量管理枠組み(Surface Water Quantity Management Framework For The Lower Athabasca River)」は、アルバータ州の「Lower Athabasca 地域計 画」のもとで提案されました。地表水水量枠組みは、「Water Conversation」政策が掲げる工業用取水管理というテーマにも併 せて取り組んでいます。 尾鉱管理枠組みは尾鉱沈殿池の修復を早め、尾鉱沈殿池の 拡大を抑えることを重視しています。 現在、尾鉱はアルバータ 州エネルギー監督庁の指令第 074 号に基づいて管理されてい ますが、この指令は既存尾鉱池の修復期限を定めていませ ん。 地表水水量管理枠組みは、現在および将来の採掘可能オイル サンド事業者について、厳格な取水要件を定めています。現 在、オイルサンド業界は毎年、この川の水を 1%使用していま す。 アルバータ州の Kyle Fawcett 環境・資源維持開発大臣は次に ように説明しています。「アルバータ州のオイルサンド生産地 は、すでに世界で最も厳しい保護と規制がかけられたエネルギ ー開発地域の一つとなっている。保護レベルを強化するために は、イノベーションを常に促すシステムが必要だ。オイルサンド 業界は、尾鉱などの廃棄物の管理を継続的に改善し、地域に 存在するあらゆる水管理の機会を尊重しなければならない」 尾鉱管理枠組みの骨子は以下の通りです。 • 堆積可能な尾鉱の量を制限する。 • これらの制約の範囲内で活動するための技術に投資 するよう企業に働きかける。 • 環境への害を防止するために、企業がどの時点で対策 を講じなければならないかを明確にするための厳格な 限界値を定める。 • 「保全および埋立規則」を通じて、起こりうる修復の問 題に対処するための追加的な資金保障を公表するよう 企業に義務付ける。プロジェクトのライフサイクル全体 を通じて尾鉱を漸次処理し埋め立てる。そのプロジェク トの鉱山寿命が終わってから 10 年以内に尾鉱を埋め 立てられるようにする。 地表水水量管理枠組みの骨子は以下の通りです。 • 渇水期に既存事業者の取水の大部分、および新規事 業者の全取水を停止することを義務付ける。 • 全ての取水の停止が技術的に不可能である古い事業 者については、渇水期の取水を最小限に制限する。 • 毎週のトリガーを定め、制限に達する前の早期警告点 とする。最善の科学を導入する全ての採掘可能オイル サンド事業者の取水上限を設定する。 • 先住民の河川舟運と伝統的活動の遂行のために十分 な量の水を維持する。 4 Keystone XL 法案に拒否権を発動したオバマ大統領の決定に アルバータ州政府、会計検査院長官の報告書に対応 関するアルバータ州 Prentice 首相のコメント 新体制のもとで、アルバータ州政府が州会計検査院長官の勧 告にどう対応するかが注目されています。 会計検査院長官が 2 月に発表した報告書には、パイプラインの安全性と信頼性に関 する勧告が含まれていました。エネルギー大臣 Frank Oberle は、この報告書について次のようなコメントを発表しています。 アルバータ州 Jim Prentice 首相は、Keystone XL パイプライン を承認する法案に対して米国のバラク・オバマ大統領が拒否 権を発動したことについて、以下のコメントを発表しました。 「会計検査院長官はアルバータ州エネルギー監督庁に対し、 『パイプラインの安全性・信頼性』プログラムの改善に関する 6 項目の勧告を出した。勧告事項には、資源割振りにおけるリス ク管理の導入、業界の業績評価基準の改善、主原因を超えた 事故分析範囲の拡大、業界との教訓の共有などが含まれる。 「オバマ大統領が Keystone XL パイプラインを承認する超党派 的法案に拒否権を発動することを選択したのは、残念だが驚 いてはいない。 (今回の)決定は予想がついていたが、Keystone XL が、近し い同盟国であり友人であるカナダで責任を持って開発された エネルギーへのアクセスを米国に提供しながら北米のエネル ギー安全保障と繁栄を推進するという事実に代わりはない。 パイプラインの安全性はアルバータ州民にとって重要なことだ。 我が州には有効な監督と執行のもとで適切に機能するシステ ムがあると会計検査院長官が認めたのは喜ばしいことだ。 我が州のパイプライン規制システムをさらに改善するための会 計検査院長官の勧告を歓迎する。アルバータ州エネルギー監 督庁は、これらの勧告を実施するための措置を講じる」 責任あるエネルギー開発に対する我々の熱意は揺るがない。 また、我が州の環境基準は、米国市場に毎日石油を供給する 諸外国よりはるかに厳しい。アルバータ州は、炭素に価格を つけている唯一の対米国石油供給者だ。 カナダと米国の生産者は長い時間をかけて計画を調整し、他 のパイプラインや鉄道という手段を使って米国市場により多く の石油を供給することに成功した。 その結果、我が州から米 国への原油輸出は今年も増加することが予想される。 議論は今後も続くだろう。最近のワシントン訪問時と同様に、 私は、安全で確実で信頼できるエネルギー供給者としてのア ルバータ州の実績と、Keystone XL プロジェクトおよびエネル ギーに関する北米の利益を増進するその他全てのインフラプ ロジェクトへの確固たる支持を伝え続けていく」 5 労働市場の最新動向 LABOUR UPDATE カナダ石油(業界)人材審議会: 価格下落が労働市場に与える 影響は短期的 双方に機会を提供する先住民建設業界キャリア支援プログラム アルバータ州政府、ボウ・バレー大学、ノークエスト大学、産業 界、先住民団体が共同で後援する 2 年間の実験プログラムによ り、600 人を超える先住民の皆さんの建設業界でのキャリア教育 を支援します。 カナダ石油(業界)人材審議会(PHR=Petroleum Human Resources Council of Canada)は、西部諸州では石油価格下落 の影響が強く見られるが、石油業界で直接的または間接的に雇 用される全国 55 万人のカナダ人が感じ始める物価下落の影響 には程度の差があるとの見解を示しました。 アルバータ州先住民建設業界キャリアセンター実験プロジェクト は、職業キャリア形成の分野で先住民の皆さんの教育訓練と雇 用を支援する他の既存プログラムを補完するものです。 「石油・ガス業界で直接的・間接的に雇用される労働者への影響 は短期的なものとみている」PHR の Carol Howes 新委員長は、 同審議会の 4 部構成の報告書「石油価格が石油業界の労働者 に与える影響(Petro Prices to Petro People)」の第 1 部の中でこ のように述べました。 PHR は、こうした見通しは、カナダの石油 産業は今年「軽度で一時的な」不況に見舞われるというカナダ帝 国商業銀行の予想と一致するとしています。 カルガリーのボウ・バレー大学とエドモントンのノークエスト大学 の各校が、新設のアルバータ州先住民建設業界キャリアセンタ ー・プログラムをメインキャンパスで主催します。このプログラム のもとで 2 つのセンターは、建設業に重点を置きながら、各校に つき 300 人以上の先住民の皆さんに就職のための教育訓練、職 業訓練、カウンセリングを提供します。このプログラムは 2 年間の 実施期間中、最大 300 人の登録者に建設関係の就職を斡旋す ることを目指します。 「確かに石油業界の拡大活動と雇用には陰りが見えるが、実際 には、それによって業界を長い間悩ませている労働力と技能の 不足が一時的に和らぐだろう。企業は、現在の生産を継続する ために中核的な事業活動に集中するようになるが、これは現在 の労働力を維持しなければならないことを意味する」Howes 氏は こう話します。 アルバータ州の Jim Prentice 首相は、「このプログラムは、我々 のパートナーが次世代のためになる機会を探し、そこに向かって 行動を起こした結果だ。州の成長に不可欠な業界において、これ らのキャリアセンターは先住民の皆さんに機会の扉を開き、技能 労働者を求める業界のニーズに応えるだろう」と述べました。 一方で、長期プロジェクトが延期されたり中止されたりしているた め、特に下請/臨時雇用の労働者、派遣労働者やプロジェクト ベースの労働者についてはレイオフが発生していると PHR は指 摘しています。 ノークエスト大学の学長兼CEOの Jodi L. Abbott 氏は次のように 話しています。「ボウ・バレー大学とノークエスト大学は、都市部と 地方の先住民社会との間に相互の尊重と協力に基づく連携を築 くことを約束する。このプログラムの目的は、建設業界において 雇用成果を上げることを目指す既存のコミュニティ・リソースに力 を貸すことだ」 アルバータ州政府はこのプロジェクトに 1 億円を支援します。さら に 2 つの大学が 5,250 万円、産業界と先住民利害関係者が 7,500 万円を拠出します。 6 オイルサンド業界の最新動向 BUSINESS ■カナダ石油生産者協会(CAPP=Canadian Association of Petroleum Producers)は、最近、油価が急落し、資本支出意欲 が低下しているが、石油・ガス市場の多様化と、これらの製品を 市場に送るためのインフラ構築を実現する長期的な必要性は相 変わらず高いとの認識を示しました。 ■CNOOC社は、Fort McMurrayの南側で実施中のKinosis 1A SAGDプロジェクトでビチュメン生産を開始したと発表しました。 Kinosis第1期Aで生産されたビチュメンは、約12キロメートル離れ たLong Lakeのアップグレーダーで処理されるとのことです。 Kinosis 第 1 期 A はビチュメン日量 2 万バレルを生産できる設計 となっており、Long Lake プラントの能力活用に向けて「重要な役 割」を果たすと同社は期待しています。アップグレーダーは日量 6 万バレルの合成原油を生産する能力がありますが、生産量は長 期にわたって日量約 4 万バレルにとどまっています。 CAPP の見解によれば、カナダ西部の 2015 年資本投資はオイル サンドを含めて 4 兆 6,000 億円で、2014 年の 6 兆 9,000 億円より 33%減少します。オイルサンドに関しては、2015 年の資本投資は 前年の 3 兆 3,000 億円に対して 2 兆 5,000 億円にとどまる見通し です。 価格が引き続き下落した場合には、さらに修正が生じる可 能性があると CAPP は予想しています。 ■Syncrude 社は、Mildred Lake 拡張プロジェクトの認可をアルバ ータ州エネルギー監督庁に申請しました。このプロジェクトによっ て、現在認可を受けているエリアの資源が枯渇したときに、近隣 の 2 カ所でビチュメン生産を維持することができます。 ■Suncor Energy 社は、最近、業界全体でプロジェクト支出が縮 小傾向にあるため、Fort Hills オイルサンド鉱山(投資総額 1 兆 5,000 億円)でコストが減少したことを明らかにしました。Fort Hills プロジェクトは現在建設中で、2017 年末に操業開始が予定され ています。 認可が下りた場合、東西 2 カ所の坑井では、9 年間(2018~2026 年)の建設段階において 3,000 億円の生産前資本支出が必要と 推定されます。 Suncor Energy 社の Steve Williams 社長兼CEOは、「燃料コスト が下がった上に、近隣に住む質の高い労働力によって生産性が 高まり、遠くから労働者を呼びよせる必要がなくなったお陰で、プ ロジェクトにデフレが起きている」と話しています。 ■Imperial Oil 社は、現在進行中のオイルサンド拡張プロジェクト 2 件(Cold Lake の Kearl 第 2 期と Nabiye サーマル拡張)が基本 的に完了し、同社の資産に日量 15 万バレルのビチュメン生産能 力が加わったことを明らかにしました。 ■Husky Energy社が、Sunrise SAGDプロジェクトで蒸気圧入オ ペレーションを開始しました。Fort McMurrayの北方に位置する Suncor Energy社のFirebag SAGDプロジェクトに隣接する日量6 万バレルのプロジェクトは、2つの中央処理施設とともに現在開 発中です。 ■欧州連合(EU)の新燃料品質指令が、カナダのオイルサンド生 産を全世界の他の石油供給源と同様に取り扱うことで新たなエ ネルギー輸出機会が生まれ、カナダは世界市場でさらに自由に 競争力を発揮できるようになると CAPP はみています。 CAPP の Tim McMillan 会長兼 CEO は次のように話しています。 「我が国の石油が欧州で差別されないことを意味するものであ り、カナダにとって重要な前兆だ。欧州と海外の新市場において 対等な条件で競うための扉がカナダ企業の前に大きく開かれる」 処理能力日量3万バレルの第1プラント(推定工費3,200億円) は、2015年第1四半期末を目途に生産開始の予定です。また、 処理能力日量3万バレルの第2プラントは2015年半ばに蒸気圧 入を開始し、その数カ月後に生産開始の見通しです。生産量 は、2年がかりで能力一杯まで拡大されることが予想されます。 ■Pengrowth Energy社は、Cold Lake地域で実施中のLindbergh SAGDプロジェクト(日量1万2,500バレル)で蒸気圧入オペレーシ ョンを開始したと発表しました。 Pengrowth Energy社は、34カ月にわたってLindberghで2組の坑 井ペアによるパイロットプロジェクトを実施中です。このプロジェク トではこれまでに約160万バレルが生産され、蒸気と油の累積比 率は2.1:1となっています。パイロットプロジェクトの11月の生産 量は日量平均約1,760バレルで、蒸気と油の瞬間比率は2.3:1で した。 *1カナダドル=100円 *1アメリカドル=110円 7 オイルサンド業界の最新動向 TECHNOLOGY ■Syncrude 社が 3,900 億円を投じて実施中の Mildred Lake Mine Replacement(MLMR)プロジェクトが操業を開始しました。新湿式 粉砕技術は早くも成功の兆しをみせている模様です。同社によれ ば湿式粉砕は MLMR プロジェクトの要です。同プロジェクトでは 10 月にオイルサンド・スラリーの採取が開始されました。湿式粉 砕の目的は、抽出プロセスでリジェクトの量を減らし、オイルサン ドから採掘されるビチュメンの回収率を高めることです。 COSIA は、層流(層間の混合のない直線流)の中で大径のスラリ ー・パイプラインを円滑に運用するために必要な条件を判断する ための信頼性の高いモデルを開発すべく、サスカチュワン研究 委員会と契約を結びました。 ・温室効果ガス EPA - 地域漏出排出物の衛星監視 主体: Imperial Oil 社 承認待ちとなっているこのプロジェクトでは、尾鉱沈殿池や鉱山 表面からの温室効果ガス(GHG)排出を正確に測定するための 衛星利用を研究します。GHGSat とのパートナーシップであるこ のプロジェクトには、Sustainable Development Technology Canada、Boeing 、LOOKNorth が出資しています。COSIA は、既 存の測定方法は不確かさ(20~50%)が大きく、コストが高い上に 安全面でのリスクも大きいとしています。 ■カナダ・オイルサンド・イノベーション・アライアンス(COSIA= Canada’s Oil Sands Innovation Alliance)の加盟企業 13 社は、具 体的なパフォーマンス目標を初めて発表しました。2022 年までに 地層内回収での淡水利用強度を 50%低減するという目標です。 COSIA が第 2 回年次パフォーマンス・アップデートで発表した目 標は、加盟企業がビチュメン 1 バレルの生産に使用する淡水の 量を 0.4 バレルから 0.2 バレルに削減するという予想のもとにはじ き出された数字です。 COSIA はさらに、このパフォーマンス・アップデートにおいて COSIA が抱える課題と、イノベーションが必要な分野を発表しま した。 課題は、考えられる解決策を狭めないよう意図的に広範 囲に設定されています。 GHG ファイルの課題には以下のことが含まれます。 ・坑内の蒸気発生 ・エンリッチガス燃焼用空気 ・天然ガスの炭素除去 ・水とエネルギーの回収 ・新型熱交換器 ・減圧 COSIA の水環境優先エリア(EPA)担当ディレクターJohn Brogly 氏は次のように説明します。「淡水から半塩水への切替えと水質 処理の改良を組み合わせて目標を達成する。 半塩水は決して扱いやすいプロセス水とは言えない。 特効薬は ないが、特に水の分野ではこの目標の実現を後押しする、非常 に有望な将来性のある技術が数多く存在する」 COSIA は、2014 年に 4 つの EPA 全体で 68 件の新規プロジェク トをスタートさせました。投資総額は 200 億円を超えます。これら は 238 件にのぼる活動中のプロジェクト・ポートフォリオの一部で す。COSIA の加盟企業は、950 億円を投じて開発した技術を 777 種以上共有しています。 新規プロジェクトには以下のものが含まれます。 水ファイルの課題には以下のことが含まれます。 ・耐汚染貫流式蒸気発生器 ・耐汚染熱交換器チューブ ・高温膜分離 ・代替脱珪技術 ・水 EPA - デモンストレーション・ピットレイク・プロジェクト 主体: Shell 社 操業中のオイルサンド鉱山サイトに置かれたデモンストレーショ ン・スケールのピットレイク研究施設。2014 年にビジネスモデル、 長期資金調達、監督機関との調整、サイト選定、エンジニアリン グの検証のための資金が確保されました。 2017 年に操業開始の予定です。 ・尾鉱 EPA - サスカチュワン研究委員会層流 主体: Canadian Natural Resources 社 新肥厚尾鉱技術は水消費の節減と尾鉱貯蔵の必要性低減に大 きく役立ちますが、オイルサンド・サイト間で材料を輸送しなけれ ばならないパイプラインでは問題が大きいことがわかっていま す。 8 9 プロジェクト一覧 カナダ・アルバータ州のオイルサンドプロジェクトの最新動向 2015 年 3 月現在 プロジェクト名 生産能力 生産開始年 申請の有無 プロジェクト名 採取法 生産能力 生産開始年 申請の有無 採取法 NORTH ATHABASCA 地域 – 露天掘り Voyageur South CANADIAN NATURAL RESOURCES LIMITED Suncor Energy社はVoyageur Southプロジェクトを「長期」プロジェクトと位置付け、着工日を確 定していない。 Horizon 第1期 Canadian Natural Resources 社は、地層内回収プロジェクトへの 2015 年度資本支出を大幅に 削減。ただし、Horizon 第 2、3 期の拡張は予定通りだとしている。第 3 四半期に大規模な定期 修理を予定。 SYNCRUDE CANADA LTD. 第1期 135,000 2008 操業中 露天掘り Reliability - Tranche 2 5,000 2014 操業中 露天掘り 第2期A 12,000 2014 操業中 露天掘り 第2期B 45,000 2016 建設中 露天掘り 第3期 80,000 2017 建設中 露天掘り 120,000 未定 申請済み 露天掘り Mildred Lake/Aurora Syncrude 社は MLX プロジェクトの認可を当局に申請。 IMPERIAL OIL LIMITED Kearl Imperial Oil 社は、砕鉱機に過度な振動が起きたため 11 月に Kearl の操業を予防的に停止した ことを除き、四半期の生産量は日量平均 8 万 7,000 バレルと発表。Kearl 拡張プロジェクトは基 本的に完了。当初 2015 年年末を目指していた始動を 2015 年第 3 四半期に前倒しすることを検 討。 基礎露天掘り第 1 & 2 期 拡張 290,700 1978 操業中 露天掘り ステージ 3 拡張 116,300 2006 操業中 露天掘り 遠心分離尾鉱管理 未定 未定 建設中 露天掘り Aurora South トレイン 1 100,000 未定 認可済み 露天掘り Aurora South トレイン 2 100,000 未定 認可済み 露天掘り Mildred Lake Mine 拡張(MLX) 184,000 2023 申請済み 露天掘り TECK RESOURCES LIMITED Frontier 第1期 110,000 2013 操業中 露天掘り 第2期 110,000 2015 建設中 露天掘り Tech Resources 社は、Frontier プロジェクトに関する当局の審査が 2015 年も継続すると予想。 認可の決定が下され、必要な許可が取得できるのは最短で 2015 年末または 2016 年になる見 込み。 第3期 80,000 2020 認可済み 露天掘り 第1期 74,600 2021 申請済み 露天掘り 露天掘り 第2期 84,000 2024 申請済み 露天掘り 第3期 79,300 2027 申請済み 露天掘り 第 4 期 Equinox 39,400 2030 申請済み 露天掘り 第 4 期 デボトルネック 45,000 未定 認可済み SHELL ALBIAN SANDS Jackpine TOTAL E&P CANADA LTD. 第1期A 100,000 2010 操業中 露天掘り 第1期B 100,000 未定 認可済み 露天掘り Joslyn North Mine 拡張 100,000 2017 認可済み 露天掘り Total E&P Canada 社は Joslyn 鉱山プロジェクトの延期を発表。プロジェクト所有者はコスト削 減策を模索中。 Muskeg River 第1期 Marathon Oil 社は、2014 年第 4 四半期に Athabasca オイルサンド・プロジェクトで起きた減益 は、純販売量の増加によって部分的に相殺されたと発表。 NORTH ATHABASCA 地域 – 地層内回収法 (IN SITU) 商業 155,000 2002 操業中 露天掘り 拡張とデボトルネック 115,000 未定 認可済み 露天掘り 100,000 未定 保留 露天掘り ATHABASCA OIL CORPORATION Birch Pierre River Athabasca Oil 社は Birch を長期資産として位置づけ。 Shell Albian Sands 社は、Pierre River プロジェクトの認可申請を取り下げ。既存のオイルサンド・ オペレーションに集中したいとしている。Pierre River リース鉱区は引き続き保持。将来的に再 申請の可能性あり。 第1期 第1期 100,000 未定 中止 露天掘り Athabasca Oil 社は Dover West を長期資産として位置づけ。 第2期 100,000 未定 中止 露天掘り 12,000 未定 公表済み SAGD Dover West Carbonates (Leduc) 第 1 期 デモンストレーション 6,000 2016 認可済み SAGD SUNCOR ENERGY INC. 第 2 期 デモンストレーション 6,000 未定 申請済み SAGD Base Operations Dover West Sands & Clastics Suncor Energy 社は、2014 年第 4 四半期のオイルサンド生産量が前年同期より減少したと発 表。アップグレーダー2 の予定外の保守が主因としている。同社は 2014 年第 4 四半期にアップ グレーダー1 の計画的コーカー保守を完了した。 Athabasca Oil 社は Dover West を長期資産として位置づけ。 第1期 12,000 未定 申請済み SAGD ミレニアム 露天掘り 294,000 1967 操業中 露天掘り 第2期 35,000 2019 公表済み SAGD Steepbank デボトルネック第 3 期 4,000 2007 操業中 露天掘り 第3期 35,000 2020 公表済み SAGD ミレニアム デボトルネック 23,000 2008 操業中 露天掘り 第4期 35,000 2022 公表済み SAGD Steepbank 北部工区拡張工事 180,000 2012 操業中 露天掘り 第5期 35,000 2024 公表済み SAGD 10,000 未定 認可済み SAGD Fort Hills BP P.L.C. Suncor Energy 社は、2014 年第 4 四半期も MacKay River 施設デボトルネック・プロジェクトに 関わる坑井パッド開発を継続。 Terre de Grace 第1期 160,000 2017 建設中 露天掘り デボトルネック 20,000 未定 認可済み 露天掘り BP 社は評価活動を継続中。 パイロット 10 プロジェクト名 生産能力 生産開始年 申請の有無 プロジェクト名 採取法 BRION ENERGY CORPORATION Dover North 第 1 期 生産開始年 申請の有無 採取法 IMPERIAL OIL LIMITED Dover Dover 試験パイロット 生産能力 Aspen 2,000 50,000 2017 認可済み SAGD 未定 認可済み SAGD Dover North 第 2 期 50,000 未定 認可済み SAGD Dover South 第 3 期 50,000 2021 認可済み SAGD Dover South 第 4 期 50,000 2023 認可済み SAGD Dover South 第 5 期 50,000 2025 認可済み SAGD アルバータ州は、Imperial Oil 社の Aspen プロジェクトに関する最終作業要綱を交付。 第1期 45,000 2020 申請済み SAGD 第2期 45,000 未定 申請済み SAGD 第3期 45,000 未定 申請済み SAGD IVANHOE ENERGY Tamarack Ivanhoe Energy社は会社の資本構成を変更するため、各方面の利害関係者との話合いを継続。 Mackay River 第1期 35,000 2015 建設中 SAGD 第2期 40,000 2018 認可済み SAGD 第3期 40,000 2020 認可済み SAGD 第4期 35,000 2022 認可済み SAGD 第1期 20,000 未定 申請済み SAGD 第2期 20,000 未定 申請済み SAGD KOCH EXPLORATION CANADA, L.P. Dunkirk Koch Exploration Canada社は計画中のDunkirk SAGDプロジェクトの認可を当局に申請。 CANADIAN NATURAL RESOURCES LIMITED 商業デモンストレーション 2,000 2017 申請済み SAGD Birch Mountain 第1期 30,000 2018 公表済み SAGD Canadian Natural Resources 社によれば、Birch プロジェクトは計画段階。 第2期 30,000 TBD 公表済み SAGD 第1期 60,000 2019 公表済み SAGD 第2期 60,000 2023 公表済み SAGD MARATHON OIL CORPORATION Birchwood CENOVUS ENERGY INC. Marathon Oil 社は、Birchwood プロジェクトに関する当局の承認が 2014 年年末までに下りると予 想。承認が下り次第、開発計画をさらに細かく検討する。 East McMurray Cenovus Energy 社によれば、このプロジェクトは現在も同社の長期開発機会ポートフォリオの一 部を構成。 第1期 30,000 未定 公表済み SAGD デモンストレーション 12,000 2017 申請済み SAGD 1,720 未定 認可済み SAGD OAK POINT ENERGY LTD. Lewis Steepbank パイロット Cenovus Energy 社によれば、このプロジェクトは現在も同社の長期開発機会ポートフォリオの一 部を構成。 PROSPER PETROLEUM LTD. 第1期 Rigel 30,000 未定 公表済み SAGD Telephone Lake Prosper Petroleum社は、2013年11月にRigel SAGDプロジェクトの申請を当局に提出。 Cenovus Energy社は、Telephone Lakeを含む新オイルサンド資産への2015年度支出を大幅に 削減する。2015年の開発スケジュールを決定する予定。 第1期 第A期 45,000 未定 認可済み SAGD 第B期 45,000 未定 認可済み SAGD Poplar Creek E-T Energy社は、オイルサンド・リース鉱区売却のためSayer Advisorsと契約。同社は技術開発 にあらためて時間と予算の両方を集中させている。 1,000 2012 一時停止 SAGD 第1期 10,000 未定 保留 SAGD 第2期 40,000 未定 保留 SAGD 2017 申請済み SAGD SILVERWILLOW ENERGY CORPORATION Audet E-T ENERGY LTD. 試験パイロット 10,000 SilverWillow Energy社は戦略的プロセスを推進中。業界関係者や石油部門で活動する投資家と の協働を継続する。同社は、業界が浅層SAGDプロジェクトの新規則に関して進めるアルバータ 州エネルギー監督庁とのコンサルテーションにも積極的に参加。浅層SAGD部門に有利な結論 が出るとの楽観的見通しを持っているが、新規則の施行時期や内容は未だに不明。 パイロット 申請済み 12,000 2018 SAGD SOUTHERN PACIFIC RESOURCE CORP. STP McKay Southern Pacific Resource社と一部子会社は、企業債権者調整法に基づく債権者保護を獲得。 第1期 12,000 2012 操業中 SAGD GRIZZLY OIL SANDS ULC 第 1 期 拡張 6,000 2016 申請済み SAGD Thickwood 第2期A 12,000 2018 申請済み SAGD アルバータ州エネルギー監督庁(AER)は、正式な規制要件を立案するまで、Athabasca 地区の 新「高温浅層」での地層内回収オイルサンド・プロジェクト申請に関する決定を延期すると発表。 Grizzly Oil Sands 社の Thickwood プロジェクトは影響を受ける 5 つのプロジェクトの 1 つ。 第2期B 6,000 2018 申請済み SAGD 第1期 6,000 未定 申請済み SC-SAGD Dover 第2期 6,000 未定 申請済み SC-SAGD N-Solv社は、Doverパイロットプロジェクトで2014年春の操業開始後、目標としていたビチュメン 日量2万5,000バレルの生産を初めて達成したと発表。 SUNCOR ENERGY INC. HUSKY ENERGY INC. デモンストレーションプラント Saleski Firebag Husky Energy 社は、2013 年 5 月初旬に Saleski パイロットプロジェクトの申請を当局に提出。 カーボネイトパイロット 3,000 2017 申請済み 500 2014 操業中 SAGD Suncor Energy社は2014年第4四半期にFirebagプロジェクトで過去最高の生産量を記録。生産量 はプラントの公称生産能力である日量18万バレルを突破。 SC-SAGD 第 1 段階 35,000 2004 操業中 SAGD Husky Energy社はSunriseプロジェクトで蒸気圧入を開始。第1四半期末までに生産開始の予定。 第 2 段階 35,000 2006 操業中 SAGD 第1期A SAGD 熱電併給と拡張 25,000 2007 操業中 SAGD 42,500 2011 操業中 SAGD Sunrise 30,000 2015 操業中 第1期B 30,000 2015 建設中 SAGD 第 3 段階 第2期A 35,000 未定 認可済み SAGD 第 4 段階 42,500 2012 操業中 SAGD 第 5 段階 62,500 2018 認可済み SAGD 第 6 段階 62,500 2019 認可済み SAGD 第 3-6 段階 デボトルネック 23,000 未定 申請済み SAGD 第2期B 将来期 35,000 70,000 未定 未定 認可済み 認可済み SAGD SAGD 11 プロジェクト名 生産能力 生産開始年 申請の有無 プロジェクト名 採取法 生産能力 生産開始年 申請の有無 採取法 Kirby Lewis 第1期 40,000 未定 公表済み IN SITU Canadian Natural Resources社は、2015年中にKirbyで新たな生産井3抗を掘削する計画。油価 が回復するまでKN1-Kirby Northへの支出は延期する。 第2期 40,000 未定 公表済み IN SITU KS1 – Kirby South 40,000 2013 操業中 SAGD Mackay River KN1 – Kirby North 40,000 2017 保留 SAGD Suncor Energy社はMacKay River拡張プロジェクトの社内裁可を延期すると発表。 KN2 – Kirby North 60,000 2022 許可済み SAGD 2002 操業中 SAGD CAVALIER ENERGY INC. 2014 操業中 SAGD Hoole 未定 認可済み SAGD SUNSHINE OILSANDS LTD. 監督機関が2014年6月にHooleプロジェクト第1期を承認。この開発は、Cavalier Energy社による 資金確保と取締役会の裁可にかかっている。Cavalier社は、2014年7月にHooleプロジェクト用地 に隣接する未開発の土地23区画を20億円で取得。 Legend Lake 第1期 10,000 2017 許可済み SAGD 第2期A 35,000 未定 公表済み SAGD 第2期B 35,000 未定 公表済み SAGD 第1期 デボトルネック MR2 第 A1 期 33,000 5,000 20,000 10,000 2016 申請済み SAGD 第 A2 期 30,000 未定 公表済み SAGD 第 B1 期 30,000 未定 公表済み SAGD CENOVUS ENERGY INC. 第 B2 期 30,000 未定 公表済み SAGD Christina Lake Cenovus Energy社は、2015年にChristina Lakeで800億~860億円を投資する計画 Thickwood アルバータ州は、Sunshine Oilsands社のThickwood拡張プロジェクトに関する最終作業要綱を交 付。 第 A1 期 10,000 未定 認可済み SAGD 第 A2 期 30,000 2017 公表済み SAGD 第B期 30,000 2021 公表済み SAGD West Ells Sunshine Oilsands社は計画通り、2015年第1四半期末に第1回蒸気圧入を行い、2015年第3四半 期に生産を開始する。West Ellsの承認済みフェーズを成功させることに注力するとしている。 第1期A 10,000 2002 操業中 SAGD 第1期B 8,800 2008 操業中 SAGD 第C期 40,000 2011 操業中 SAGD 第D期 40,000 2012 操業中 SAGD 第E期 40,000 2013 操業中 SAGD 最適化 (第 C, D, E 期) 22,000 2015 建設中 SAGD 第F期 SAGD 50,000 2016 建設中 第 A1 期 5,000 2015 建設中 SAGD 第G期 50,000 2017 認可済み SAGD 第 A2 期 5,000 未定 認可済み SAGD 第H期 50,000 未定 申請済み SAGD 第 A3 期 30,000 未定 公表済み SAGD Foster Creek 第B期 20,000 未定 公表済み SAGD 第 C1 期 30,000 未定 公表済み SAGD Cenovus Energy社は現在の低価格環境に対応するため、資本投資を長期的に拡散する。2015 年にはFoster Creekに700億~750億円を支出する計画。第G、H期の生産開始を1~2四半期遅 らせる。 第 C2 期 30,000 未定 公表済み SAGD 第A期 24,000 2001 操業中 SAGD 第 B 期 デボトルネック 6,000 2003 操業中 SAGD 第 C 期 第 1 段階 10,000 2005 操業中 SAGD 第 C 期 第 2 段階 20,000 2007 操業中 SAGD 第D期 30,000 2009 操業中 SAGD 第E期 30,000 2009 操業中 SAGD 第F期 30,000 2014 操業中 SAGD 第G期 30,000 2016 建設中 SAGD 第H期 30,000 2017 建設中 SAGD 将来最適化 (第 F,G,H 期) 35,000 未定 公表済み SAGD BLACKPEARL RESOURCES INC. 第J期 50,000 未定 申請済み SAGD Blackrod 将来最適化 15,000 未定 公表済み SAGD SOUTH ATHABASCA 地域 – 地層内回収法 (IN SITU) ATHABASCA OIL CORPORATION Hangingstone Athabasca Oil社は、Hangingstone第1期で計画通り2015年第1四半期末に第1回蒸気圧入を予 定。 HS-1 12,000 2015 建設中 SAGD HS-2 デボトルネック (1 と 2) 8,000 2017 申請済み SAGD HS-2B 拡張 32,000 2019 申請済み SAGD HS-3 30,000 2021 申請済み SAGD BlackPearl Resources社によれば、BlackRodパイロットプロジェクトは2014年も引き続き良好な成 果を達成。2組目の坑井ペアでは第4四半期に日量400バレルを生産。蒸気と油の比率は約3: 1。坑井は現在も増産段階。日量8万バレルの商業プロジェクトに関する当局の認可は2015年春 になる見通し。 パイロット 800 2011 操業中 SAGD 第1期 20,000 未定 申請済み SAGD 第2期 30,000 2018 申請済み SAGD 第3期 30,000 2021 申請済み SAGD Gregoire Lake Canadian Natural Resources 社によれば、Gregoire Lake プロジェクトは計画段階。 第2期 60,000 60,000 未定 未定 公表済み 公表済み SAGD SAGD Grouse 商業 40,000 2020 申請済み Cenovus Energy社は、Grand Rapidsを含む新オイルサンド資産への2015年度支出を削減。第1 四半期には操業中のパイロットプロジェクトで第3の坑井ペアの掘削を計画。これらの坑井ペア のデータを参考に今後のGrand Rapids開発のペースを決定する。 Pelican Lake パイロット 操業中 600 2011 SAGD Pelican Upper Rapids 第 A 期 Pelican Upper Rapids 第 B 期 Pelican Upper Rapids 第 C 期 Pelican Upper Rapids 第 D 期 Pelican Upper Rapids 第 E 期 Pelican Upper Rapids 第 F 期 Pelican Upper Rapids 第 G 期 CANADIAN NATURAL RESOURCES LIMITED 第1期 Grand Rapids SAGD 12 Grand Grand Grand Grand Grand Grand Grand 10,000 未定 認可済み SAGD 32,000 未定 認可済み SAGD 29,000 未定 認可済み SAGD 29,000 未定 認可済み SAGD 32,000 未定 認可済み SAGD 29,000 未定 認可済み SAGD 19,000 未定 認可済み SAGD プロジェクト名 生産能力 生産開始年 申請の有無 プロジェクト名 採取法 生産能力 生産開始年 申請の有無 採取法 CENOVUS ENERGY INC. May River Narrows Lake Grizzly Oil Sands社は、2012年12月にMay Riverプロジェクト第1、2期の申請を当局に提出。2016 年12月までに日量9万バレルの貯留層全面開発申請を当局に提出する計画。 Cenovus Energy社は、現金を保持し、価値創成に集中するため、Narrows Lakeプロジェクトの開発を 第1期 6,000 2016 申請済み SAGD SAP 第2期 6,000 未定 申請済み SAGD 大幅にペースダウンすると発表。 同社は2015年にNarrows Lakeで60億円~75億円を支出。 第A期 45,000 未定 建設中 第B期 45,000 未定 認可済み SAP HARVEST OPERATIONS CORP. 第C期 40,000 未定 認可済み SAP BlackGold West Kirby Cenovus Energy 社によれば、このプロジェクトは現在も同社の長期開発機会ポートフォリオの一 部を構成。 第1期 30,000 未定 公表済み SAGD Winefred Lake Cenovus Energy社によれば、このプロジェクトは現在も同社の長期開発機会ポートフォリオの一 部を構成。 第1期 30,000 未定 公表済み SAGD Harvest Operations社は、2014年9月30日の段階で、BlackGoldプロジェクトの第1期が約97%完了 したと発表。2015年第1四半期に第1期の完成、CPFのコミッショニング、初の蒸気圧入が予定さ れる。 第1期 10,000 2015 操業中 SAGD 第2期 20,000 未定 許可済み SAGD JAPAN CANADA OIL SANDS LIMITED Hangingstone Hangingstone拡張プロジェクトは、Inter Pipeline社.のPolarisパイプラインで希釈剤の供給を受け る。さらに、OTSGブローダウン水処理のための蒸発器技術をAquatech社に発注。 CNOOC LIMITED 拡張 Long Lake 20,000 2016 建設中 SAGD 11,000 1999 操業中 SAGD 許可済み SAGD Hangingstone Pilot CNOOC社は、Kinosis 1Aプロジェクトで初生産に成功したと発表。 第1期 72,000 2008 操業中 SAGD パイロット Kinosis (K1A) 20,000 2014 操業中 SAGD KOCH EXPLORATION CANADA CORPORATION Kinosis (K1B) 40,000 未定 認可済み SAGD Muskwa CONNACHER OIL AND GAS LIMITED 2014年6月に当局の承認を受けた。 Great Divide パイロット 10,000 未定 Connacher Oil and Gas社は資本構成変更計画を発表し、2015年の資本予算を減額。蒸気圧入 小規模拡張プロジェクトとSAGD+技術商業化の両方で作業停止を計画。 LARICINA ENERGY LTD. Pod 1 10,000 2007 操業中 SAGD Germain Alger 10,000 2010 操業中 SAGD 拡張 第 1A 期 12,000 未定 認可済み SAGD Laricina Energy社は、資本支出と操業費を削減するため、Germain SAGDプロジェクトの操業を 停止。資金面と戦略面で引き続き別の選択肢を探る。 拡張 第 1B 期 12,000 未定 認可済み SAGD 第 1 期 CDP 5,000 2013 一時停止 SC-SAGD 第2期 30,000 2018 申請済み SC-SAGD 第3期 60,000 未定 申請済み SC-SAGD 第4期 60,000 未定 申請済み SC-SAGD CONOCOPHILLIPS CANADA LIMITED Surmont ConocoPhillips社は第3四半期にSurmont第1期で大規模な定期修理を完了。Surmont第2期は、 2015年半ばの第1回蒸気圧入に向けて順調に進行中。 パイロット 1,200 1997 操業中 SAGD 第1期 30,000 2007 操業中 SAGD 第2期 118,000 2015 建設中 SAGD 第 3 期 Tranche1 45,000 2020 申請済み SAGD 第 3 期 Tranche2 45,000 2021 申請済み SAGD 第 3 期 Tranche3 45,000 2023 申請済み SAGD Saleski Laricina Energy社は、Saleskiパイロットプロジェクトの操業を継続する一方で、将来期の開発活 動を停止したと発表。同社とそのパートナーは、最小限に縮小された資本支出計画の枠内で代 替的な資金調達方法とビジネスチャンスを引き続き評価する。 試験パイロット 1,800 2011 操業中 Cyclic and SC-SAGD 第1期 10,700 未定 認可済み Cyclic SAGD 第2期 30,000 未定 保留 IN SITU DEVON CANADA CORPORATION 第3期 60,000 未定 公表済み IN SITU Jackfish 第4期 60,000 2023 公表済み IN SITU Devon Canada社は、Jackfish第3期の増産が予想以上に進んでいると発表。 第5期 60,000 2026 公表済み IN SITU 第6期 60,000 未定 公表済み IN SITU 第1期 35,000 2007 操業中 SAGD 第2期 35,000 2011 操業中 SAGD 第3期 35,000 2014 操業中 SAGD MEG ENERGY CORPORATION Christina Lake Jackfish East 拡張 20,000 2018 公表済み MEG Energy社は資本予算を大幅にカットする一方で、Christina Lakeプロジェクトの2015年度増 産目標を日量最大8万2,000バレルで据え置く。同社は、既存施設をベースに一連の第2期B拡張 を検討。 SAGD Pike Devon Canada社は、プロジェクトとそのコストを正確に調査するため、2015年中を通してPikeプロ ジェクトの追加エンジニアリング作業を実施。 プロジェクト進行が決定された場合には大幅なコ スト削減が期待される。 第1A 期 35,000 2016 許可済み SAGD 第1B 期 35,000 2017 許可済み SAGD 第 1C 期 35,000 2018 許可済み SAGD GRIZZLY OIL SANDS ULC Grizzly Oil Sands社の株主の一つであるGulfport Energy社によれば、2014年第4四半期中、Algar Lakeの生産は予想を下回った。これは蒸気生産プラントの定期修理に予想外の時間がかかったため。 Grizzly Oil Sands社は、操業中のプロジェクトが2015年第4四半期に生産のピークを迎えると予想。 第2期 3,000 2008 操業中 SAGD 第2期A 22,000 2009 操業中 SAGD 第2期B 55,000 2013 操業中 SAGD 第3期A 50,000 未定 認可済み SAGD 第3期B 50,000 2018 認可済み SAGD 第3期C 50,000 2020 認可済み SAGD Surmont Algar Lake 第1期 第 1 期 パイロット 6,000 6,000 2014 未定 操業中 認可済み 環境アセスメントディレクターは、MEG Energy社のSurmontプロジェクトに関する環境影響評価報 告書を完全と判断した。 第1期 40,000 未定 申請済み SAGD SAGD 第2期 40,000 未定 申請済み SAGD SAGD 第3期 40,000 未定 申請済み SAGD 13 プロジェクト名 生産能力 生産開始年 申請の有無 プロジェクト名 採取法 生産能力 生産開始年 申請の有無 採取法 OSUM OIL SANDS CORP. COLD LAKE 地域 – 地層内回収法 (IN SITU) Sepiko Kesik BAYTEX ENERGY CORP. Osum Oil Sands社は、当局によるSepiko Kesikプロジェクトの承認を2015年と予想。 Gemini 第1期 30,000 2018 申請済み CSS-SAGD 第2期 30,000 2020 申請済み CSS-SAGD Baytex Energy社は、2014年第4四半期にSAGDプロジェクトにおいて認可済みの日量1万バレル を日量5,000バレルとする計画修正を当局に申請。修正事項には、採掘井掘削用地の追加と各 種の施設変更が含まれる。この申請手続きはプロジェクト推進のために必要だが、 Baytex Energy社は、最終的な投資決定は、資金面での全体的な検討と、現在進行中の初期設計調査 の結果次第だとしている。 PTT EXPLORATION AND PRODUCTION OLC Mariana - Hangingstone PTTEP社は、油価急落の影響でMariana SAGDプロジェクトおよびPTTEP Australasiaプロジェクト の資産価値を再評価せざるをえなくなり、両プロジェクトに関して一時的な減損損失を計上。 Marianaプロジェクトでは冬季採掘井掘削を実施中。 第1期 20,000 未定 保留 2014 操業中 SAGD 商業 5,000 2017 認可済み SAGD BIRCHWOOD RESOURCES INC. Sage Birchwood Resources 社は、戦略レビュープロセスに Sayer Energy Advisors 社を加えた。 20,000 未定 保留 SAGD パイロット Mariana - Thornbury 5,000 未定 申請済み 低圧 SAGD CANADIAN NATURAL RESOURCES LIMITED PTTEP社は、Thornbury第1期の事前FEED活動と開発オプション調査を実施中。 Primrose & Wolf Lake 第1期 40,000 未定 許可済み SAGD 拡張 20,000 未定 保留 SAGD Canadian Natural Resources社は、緩和戦略強化によるPrimroseプロジェクト蒸気圧入オペレー ションの段階的復帰計画を実施中。Primroseイーストエリア1で低圧蒸気圧入が稼働し、期待通 りの成果を上げている。Primroseサウスは、2014年9月に4つのパッドでCSS追加の承認を受け た。2015年の増産を目指す。さらに2014年第3四半期には、Primroseイーストエリア2に関する低 圧CSSの承認申請をアルバータ州エネルギー監督庁に提出。同社はPrimrose では2015年中、 新規生産井掘削を予定していない。 RENERGY PETROLEUM CANADA CO.,LTD. Muskwa Changjiang Investment Group Co 社の関係会社 Renergy Petroleum Canada 社は、既存の坑井 現場で 1 年間のパイロットプロジェクトを建設・運営するための申請を提出。自社独自の蒸気・ CO2 併給・並行圧入スキームをテストする。 試験パイロット 1,200 SAGD Mariana - South Leismer 第1期 パイロット 未定 2015 申請済み Steam co-injection Wolf Lake 13,000 1985 操業中 CSS Primrose South 45,000 1985 操業中 CSS Primrose North 30,000 2006 操業中 CSS STATOIL CANADA LTD. Primrose East 32,000 2008 操業中 CSS Corner DEVON CANADA CORPORATION Statoil社は、Cornerプロジェクトを少なくとも3年間延期すると発表。理由としてコスト上昇と市場 アクセスの問題を挙げている。 Walleye 第1期 DevonCanada 社は Walleye プロジェクトを保留中。 9,000 2016 申請済み SAGD 10,000 未定 認可済み SAGD 2006 操業中 SAGD 40,000 未定 保留 SAGD デモンストレーション 10,000 2010 操業中 SAGD HUSKY ENERGY INC. 商業 10,000 2011 操業中 SAGD Caribou 拡張 20,000 未定 認可済み SAGD デモンストレーション Northwest 20,000 未定 公開済み SAGD Tucker 第1期 Leismer SUNCOR ENERGY INC. 2015年第3四半期に保守定期修理を予定。 Chard 第1期 第1期 IMPERIAL OIL LIMITED 40,000 未定 公表済み IN SITU Meadow Creek East 30,000 Cold Lake 第1期 20,000 2020 認可済み SAGD 第2期 30,000 2022 認可済み SAGD 第3期 30,000 未定 認可済み SAGD Imperial Oil社は、Nabiye拡張プロジェクトの蒸気圧入を1月に開始。第1四半期のビチュメン生産 を目指す。 第 1-10 期 110,000 1985 操業中 CSS 第 11-13 期 30,000 2002 操業中 CSS SURMONT ENERGY LTD. 試験 SA-SAGD 未定 2013 操業中 SA-SAGD Wildwood 第 14-16 期 40,000 2015 操業中 CSS Wildwood プロジェクトは、アルバータ州エネルギー監督庁(AER)の承認待ち。Surmont Energy 社 は、現時点で資金調達は行っていないが、ジョイントベンチャーまたは直接投資の形での出資に 関心を示している企業がアジアと国内に数社あるとしている。 OSUM OIL SANDS CORP. 第1期 12,000 未定 申請済み SAGD Orion Osum Oil Sands社は、生産量を日量10,000バレルに漸次引き上げるためのオペレーション改善 を2014~16年に実施。資金はキャッシュフローから支出する。 VALUE CREATION INC. 第1期 10,000 2007 操業中 SAGD アルバータ州エネルギー監督庁(AER)は、正式な規制要件を立案するまで、Athabasca 地区の 新「高温浅層」での地層内回収オイルサンド・プロジェクト申請に関する決定を延期すると発表。 Advanced TriStar プロジェクトは影響を受ける 5 つのプロジェクトの 1 つ。 第2期 10,000 未定 認可済み SAGD ATS-1 15,000 2016 申請済み SAGD ATS-2 30,000 2018 申請済み SAGD Osum Oil Sands 社によれば、Taiga プロジェクト第 1 期の実施は、資金調達を条件として 2015~ 16 年になる。 ATS-3 30,000 2020 申請済み SAGD Advanced TriStar TriStar Value Creation 社は TriStar プロジェクトの資金調達を完了したが、建設スケジュールは未定。 パイロット 1,000 未定 許可済み SAGD 14 Taiga 第1期 12,500 未定 認可済み CSS&SAGD 第2期 12,500 未定 認可済み CSS&SAGD 第3期 20,000 未定 認可済み CSS&SAGD プロジェクト名 生産能力 生産開始年 申請の有無 プロジェクト名 採取法 生産能力 生産開始年 申請の有無 採取法 PENGROWTH CORPORATION IVANHOE ENERGY INC. Lindbergh Tamarack Pengrowth Energy社はLindberghプロジェクトの開発計画を修正し、当初の第3期から第2期に最 適化。同社は、新手法の導入で総額約800億円の資本コスト削減を見込む。 Ivanhoe Energy社は会社の資本構成を変更するため、各方面の利害関係者との話合いを継続。 パイロット 1,260 2012 操業中 SAGD 第1期 11,240 2015 操業中 SAGD 第 1 期最適化 3,500 未定 建設中 SAGD 第 2 期拡張 34,000 2017 申請済み SAGD 第1期 34,784 2017 申請済み UPG SUNCORE ENERGY INC. Base Operations Suncor Energy社は、2014年第4四半期のオイルサンド生産量が前年同期より減少したと発表。ア ップグレーダー2の計画外の保守が主因としている。同社は2014年第4四半期にアップグレーダ ー1の計画的コーカー保守を完了した。 PEACE RIVER 地域 – 地層内回収法 (IN SITU) U1 & U2 225,000 1967 操業中 UPG ANDORA ENERGY CORPORATION Millenium 真空蒸留装置 35,000 2005 操業中 UPG Sawn Lake Millenium コーカー装置 97,000 2008 操業中 UPG 操業中 UPG Andora Energy社の支配株主であるPan Orient Energy社は、類似の地層タイプで他社が操業す るデモンストレーションプロジェクトを比較のための参考として観察したところ、初期段階の生産量 は類似の地層より優れていたとしている。 デモンストレーション 操業中 1,400 2014 SAGD BAYTEX ENERGY CORP. Cliffdale パイロット 2,000 2011 操業中 CSS Harmon Valley パイロット 未定 2011 操業中 第 3 段階拡張(UE-1) 100,000 2006 操業中 UPG 第 3 段階デボトルネック 75,000 未定 公表済み UPG Long Lake 未定 未定 操業中 CNOOC社は、Kinosis第1期Aプロジェクトで初生産に成功したと発表。 CSS 第1期 NORTHERN ALBERTA OIL LTD. 700 未定 認可済み Horizontal CSS PENN WEST PETROLEUM LTD. Harmon Valley South 未定 58,500 2009 操業中 UPG VALUE CREATION INC. Sawn Lake パイロット Syncrude Canada社はMLXプロジェクトの認可を当局に申請。 Base Plant 第 1 と 2 段階 250,000 1978 デボトルネック CNOOC LIMITED Seal/Cadotte パイロット Mildred Lake/Aurora North & South SOUTH ATHABASCA 地域– UPGRADER CSS MURPHY OIL COMPANY LTD. パイロット SYNCRUDE CANADA LTD. 2014 操業中 Horizontal CSS Seal Main パイロット 75 2011 操業中 Horizontal CSS 商業 10,000 未定 申請済み Horizontal CSS ROYAL DUTCH SHELL PLC Advanced Tristar アルバータ州エネルギー監督庁(AER)は、正式な規制要件を立案するまで、Athabasca 地区の 新「高温浅層」での地層内回収オイルサンド・プロジェクト申請に関する決定を延期すると発表。 Advanced TriStar プロジェクトは影響を受ける 5 つのプロジェクトの 1 つ。 ATS-1 12,750 2016 申請済み UPG ATS-2 25,500 2018 申請済み UPG ATS-3 25,500 2020 申請済み UPG Tristar Value Creation 社は TriStar プロジェクトの資金調達を完了したが、建設スケジュールは未定。 パイロット Peace River 820 未定 認可済み UPG INDUSTRIAL HEATLAND 地域– UPGRADER Royal Dutch Shell社は、Carmon Creekプロジェクト第3期の投資延期を発表。 Cadotte Lake 12,500 1986 操業中 CSS NORTH WEST UPGRADING INC. Carmon Creek 第 1 期 40,000 2017 建設中 VSD Carmon Creek 第 2 期 40,000 2018 認可済み VSD Redwater Upgrader North West Upgrading社によれば、冬の寒さが和らいだため、現在約1,800人が働く建設現場で は順調に作業が進んだ。大型反応装置容器の溶接とテストが完了。このほか大型容器数基が 現地に搬入された。 TOUCHSTONE EXPLORATION INC. Dawson 試験デモンストレーション 未定 2014 操業中 CSS 第2期 10,000 未定 公表済み CSS 第1期 50,000 2017 建設中 UPG 第2期 50,000 未定 認可済み UPG 第3期 50,000 未定 認可済み UPG SHELL ALBIAN SANDS NORTH ATHABASCA 地域– UPGRADER Scotford Upgrader Marathon Oil社は、2014年第4四半期にAthabascaオイルサンド・プロジェクトで起きた減益は、純 販売量の増加によって部分的に相殺されたと発表。 BP P.L.C. Terre de Grace 商業 155,000 2003 操業中 UPG 拡張 100,000 2011 操業中 UPG BP 社は評価活動を継続中。 パイロット 8,400 未定 認可済み UPG CANADIAN NATURAL RESOURCES LIMITED VALUE CREATION INC. Horizon Heartland Canadian Natural Resources社は、地層内回収プロジェクトへの2015年度資本支出を大幅に削減。ただ し、Horizon第2期と第3期の拡張は予定通りだとしている。第3四半期に大規模な定期修理を予定。 Value Creation社は、プロジェクト裁可から18カ月以内に稼働の可能性があるが、資金調達の可 否が依然として不透明。 第1期 UPG 第1期 46,300 未定 保留 UPG 46,300 未定 認可済み UPG 46,300 未定 認可済み UPG 110,000 2009 操業中 Riliability – Tranche2 5,000 2014 操業中 UPG 第2期 第2期A 12,000 2014 操業中 UPG 第3期 第2期B 45,000 2016 建設中 UPG 第3期 80,000 2017 建設中 UPG 15 オイルサンド関連用語集 API 米国石油協会(American Petroleum Institute)が定めた液体比重の単位。水を 10 度 API とし、典型的な軽質原油は 35~40、ビチ ュメンは 7.5~8.5。 Barrel バレル 原油量を測定する伝統的な単位。1 バレルは 42 ガロン(約 159 リットル)です。1 立法メートルは 6.29 バレルに相当。 Bitumen ビチュメン 自然発生した、高レベルの硫黄および窒素化合 物を含む炭化水素の粘性混合物。自然状態で は、粘度が高く流動性がないことから、坑井を通 して商業的に回収することは不可能。通常ビチュ メンは重量比でオイルサンドの 10%を占める が、飽和度は異なる。 Condensate コンデンセート ガス貯留層から回収可能な、特に軽質な炭化水 素の混合物。コンデンセートは液体天然ガスとみ なされることもあり、パイプライン輸送するために ビチュメンの粘度を低下させる希釈剤としても使 用。 Cyclic Steam Stimulation (CSS) 地層に、数週間高圧水蒸気を圧入してオイルサ ンドを軟らかくし、その後地表に汲み上げて分離 させる。地下環境に圧力を加えることで、地層に 亀裂が生じ、ビチュメンが生産井に流入するのを 促進。水蒸気は、貯留層に飽和したところで圧入 を停止し、数週間浸潤させ、その後生産段階で ビチュメンを地表に汲み上げる。 Density 密度 原油の重さは、炭素を豊富に含む大型分子の割合 によって決まり、通常 1 立方メートル当たりのキログラ ム数(Kg/m3)または米国石油協会(API)の比重 尺度で表示。カナダ西部では、900kg/m3 までの 原油は軽質から中等質原油とみなされる。 この密度を上回る原油は重質油またはビチュメンと なる。 Diluent 希釈剤 コンデンセートの項を参照。 Established Recoverable Reserves 確定可採埋蔵量 最新技術、現在および今後予測される経済状況の 下で回収可能な埋蔵量に、地質状況、地球物理 学、またはそれに準ずる情報に基づき、妥当な確実 性をもって存在すると考えられる回収可能埋蔵量を 加えた総量。 Established Reserves 確定埋蔵量 最新技術、現在および今後予測される経済状況 で、具体的に言うと掘削、試験、または生産によって 確認された回収可能な埋蔵量に、地質状況、地球 物理学、またはそれに準ずる情報に基づき、妥当な 確実性をもって存在すると考えられる、隣接する回 収可能な埋蔵量を加えた総量。 Extraction 抽出 オイルサンド産業に特有の処理過程で、熱湯、水蒸 気および苛性ソーダを用いてオイルサンドからビチュ メンを分離させること。 Froth Treatment 泡沫処理 (露天掘り回収において)熱湯抽出時に産出される 水、ビチュメン、固形物の混合物からビチュメ ンを回収する方法。 Gasfication 気化 Royalty ロイヤルティ 重い残留物の典型であるである炭化水素を、部分 的に酸化し、水素と一酸化炭素を混合する処理 過程。水素およびさまざまなエネルギー副産物の生 産にも利用可能。 政府の生産量または収入の取り分。カナダの原油の 4 分の 3 は、オイルサンドも含め陸地で生産され、政府 はそれらの土地にミネラル権を保有。開発業者と政府 の間で、リースまたは許可に関する契約が交わされ、リ スクおよび利益の持ち分について定めている。 Greenhouse Gases 温室効果ガス 一般的に気候変動および地球温暖化につながると 考えられているガス。CO2 は最も一般的な温室効 果ガスですが、その他にも軽い炭化水素(例えばメ タンなど)や亜酸化窒素などが含まれる。 Initial Established Reserves 初期確定埋蔵量 生産量を全く差し引かない確認埋蔵量。 Initial volume in place 初期原始埋蔵量 生産前に計算或いは評価によって貯留層に存在 する埋蔵量。 In-situ 地層内回収法 ラテン語で「本来の場所で」を意味する。地層内回 収法は、深層に埋蔵されたビチュメン貯留層を回収 するのに用いられるさまざまな方法を総称したもの。 In-situ Combustion 地層内燃焼法 置換型原油増進回収法。坑底に燃焼ガス(主に CO および CO2)を発生させ、その後に原油を回収 井に「押し出す」方法。 Lease リース(賃貸契約) アルバータ州が発行する法的文書で、これにより特 定のリース地域に埋蔵するオイルサンドからビチュメ ンを抽出する権利が付与される。その土地は、操 業が終了した時点で返還要求され、政府に返還し なければならない。 Muskeg 湿地 植物性物質が腐食してできる、水分を多量に含む 1~3 メートルの厚さの表土の上部にある層のこと。 Oil Sands オイルサンド ビチュメンを含んだ砂で、地質学的に分類するとアル バータに Athabasca、Wabasca、Cold Lake、 Peace River の 4 地域。Athabasca 鉱区が最 大規模で、面積は 42,340km2 以上。アルバータ 州のビチュメン貯留量の合計は、推定 1.7~2.5 兆バレル。 Overburden 表土 地表と、下部オイルサンドとの間に存在する、砂、グ ラベルおよびシェールの層。オイルサンドを露天掘り するには、これを取り除く必要がある。湿地の下層 にある表土は、さまざまな場所に存在。 Pilot Plant パイロット・プラント 現実の生産条件のもとで、プロセスを試験するため の小規模なモデルプラント。 Proven Rcoverable Reserves 確認可採埋蔵量 既存の技術を用いて、現在の経済状況の下で、生 産、或いはテストを通して回収可能あると証明され た埋蔵量。 Reclamation 再生 分与された土地を安定し、生物的繁殖状態に回 復すること。再生した土地は操業が終了した時点 でアルバータ州に返還される。 Remaining Established Reserves 残存確認埋蔵量 初期の埋蔵量から累積生産量を差し引いた埋蔵 量。 16 SAGD (Steam Assisted Gravity Drainage)スチーム補助重力排油法 近接に配備された 2 坑の水平井を使用する地層内生 産プロセス。2 坑のうち、1 坑は水蒸気圧入に使用し、 もう 1 坑はビチュメン/水エマルジョンの生産に使用。 Synthetic Crude Oil (SCO) 合成原油 ナフタ、蒸留液、ガス油の沸点材料から製造された原 油。高品質な、軽質スイートやボトムレス(白油)など の軽質原油から、サワーブレンドなどの重質なものまで 様々な種類がある。 Tailings 尾鉱 オイルサンドからビチュメンを取り除く際の副産物で、 水、砂、シルト、および微量の微細粘土を組み合わせ たもの。 Tailings Settling Basin 尾鉱沈殿池 尾鉱沈殿池の主な目的は、尾鉱水が浄化し、シルト および粘土が沈殿する時間を得るためのプロセス容器 として使われることであり、それによって水を抽出に再利 用することが可能。また、沈殿池は最終的な再生のた めに成熟した微細の鉱さいを調整する、濃縮槽として の役割も果たす。 Thermal Recovery 熱回収法 地層内回収を促進するため、ビチュメンの粘度を低下 するために熱エネルギーを利用するあらゆる方式。 THAI (Toe-to-Heal Air Injection) 重質油およびオイルサンドを生産する地層内燃焼法。 この方法では、「1坑の垂直井から燃焼が開始し、一 方でその空気圧入垂直井に近接しているトーを有する 水平井から原油を生産する。」。この生産方法は、垂 直坑井から発する火炎前面が原油をもう一方の坑井 から生産できるよう押し出す方式である従来の火攻法 の技術を改良したもの。 Truck-and Shovel Mining トラックとシャベルを用いた露天掘り オイルサンドを除去し超大型トラックに積み込むため、 大型の電動または水圧シャベルを使用。トラックは、オ イルサンドを抽出プラントまで輸送またはパイプラインで 流すための収集所まで運びます。トラックとシャベルは、 かつてオイルサンド鉱区で設置していたバケットホール 掘削機や引き綱を使うより、経済的に操業できる。 Upgrading アップグレーディング 炭素除去(コーキング)または水素付加(水素変換)の いずれかの方法を用い、重油やビチュメンを合成原油 に変換するプロセス。 VAPEX (Vapour Extraction) 熱を使わない回収方法で、ガスを含む炭化水素溶剤 を貯留層に圧入すると、そこで泥状の原油に溶け出し て粘度を下げ(流動性を増し)、原油は下位にある水 平坑井の中に流出し抽出される。 Viscosity 粘度 流体の流れにくさを測る性質。粘度が低いほど、流体 は流れやすい。 17
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