ビジネスロージャーナル2014年1月号

国際訴訟 および
規制当局調査 における
eディスカバリ
エピックシステムズ 日本支社代表 カリフォルニア州弁護士
スコット・ウォーレン
米国民事訴訟制度における
じるコンセプトが共有されていま
の規定を盛り込んだ改正連邦民事
いた2006 年 月、
電子証拠関連
︵木︶
、
六本木
2013 年 月 日
アカデミーヒルズにて﹁国際訴訟お
訴訟規則が施行された。
株式会社に籍を置き、
ソフトウエア
式会社セガや日本マイクロソフト
格を取得後、1993 年に来日。株
ン氏。カリフォルニア州弁護士の資
日本支社代表のスコット・ウォーレ
リ企業である。講演を行ったのは、
ズ社。米国を代表するeディスカバ
﹁米国の法制度では、たとえ自分た
情報に関しても例外ではない。
て義務づけられており、
内部の機密
るシステムのこと。開示は法によっ
を開示するよう相手方に要求でき
も被告も共に、
訴訟に関係する証拠
に基づいている。この制度は、原告
米国の
eディスカバリの概念は、
法制度である﹁ディスカバリ制度﹂
た時代に比較して爆発的に増大し、
なる情報量が紙媒体が主流であっ
展とともに、
ディスカバリの対象と
1990 年代からの情報
加えて、
技術、
コンピュータ技術の急速な発
熟知しておく必要があるでしょう﹂
ディスカバリ制度とは何なのかを
しているいま、
ビジネスパーソンは
もしれませんが、
企業活動が国際化
とは、いくぶん相容れない考え方か
提供を受ける日本企業は、いずれも
あるいは、
商品の購入やサービスの
商品の販売やサー
米国やEUで、
ビスの提供を行っている日本企業、
eディスカバリの対象に
となるのです﹂
る全ての電子データも開示の対象
で訴えられた場合には、その保管す
﹁つまり、もしも日本の企業が米国
催された。主催はエピックシステム
の海賊版やサイバー攻撃といった
ちに不利になるような情報であっ
電子情報への対応が急務となって
訴訟だけでなく、
規制当局による調
動車パーツ業界や電気機器業界に
﹁EUでも事態は変わりません。自
の補足説明が行われた。第 段階の
おける実務上の注意点等について
元悦子氏によるe ディスカバリに
計 億4800万ドル︵約419億
に違反したとして、
米司法省から合
一例を挙げると、2012 年、矢
崎総業とデンソーが反トラスト法
はないのです﹂
利に扱われるケースもある。
れることはないばかりか、
訴訟上不
収集、
処理しなければ証拠とみなさ
しかも法的に有効な手段を用いて
e ディスカバリにおいて最大の
問題となるのが膨大な量のデータ。
の操作方法についてのデモなどが、
る﹁ DocuMatrix ﹂の実際
ズ独自のディスカバリツールであ
についての解説、
エピックシステム
ビューワーを選抜するシステム等
容に応じて適切なスキルを持つレ
ファーム、日本のローファーム、そ
ん、本社である日本法人、米国ロー
た と え ば 、米 国 で 日 本 企 業 が 訴
え ら れ た 場 合 、米 国 法 人 は も ち ろ
す﹂
しっかりと連携する必要がありま
にはいきません。支社や部署同士が
円︶という、過去最高額の罰金を科
せられている。あわせて、矢崎総業
法務部に任せるのではなく
れていることが大前提となる。
コミュニケーションが円滑にとら
してディスカバリベンダーの間で
速に的確に、そして効率よく処理し
トップ直属のチーム結成を
﹁重要なのは、
責任者から指示を出
ウォーレン氏の概要説明のあと
はエピックシステムズでドキュメ
である。
を関与させることが重要となるの
使し、
早期に業務に精通した専門家
ては、
法務部におまかせというわけ
分、eディスカバリへの対応に関し
の 全 領 域 に 広 が っ て い ま す 。そ の
るまで、
対象となる事案は企業活動
﹁知的財産権から製造物責任に至
再びウォーレン氏が登壇
その後、
し、
セミナー全体を締めくくった。
と思います﹂
ストとして活用していただければ
カバリ技術に精通するスペシャリ
我 々 の よ う な ベ ン ダ ー をe デ ィ ス
国際的な経験をもつ弁護士に加え、
ジェクトチームを結成したうえで、
してもらうこと。トップ直属のプロ
ントレビューマネージャーを務め
確かつ適正に進めるため、
技術を駆
メントレビュー業務を効率よく、
正
なければならない。従って、ドキュ
解するには、
大量の電子データを迅
豊富な事例を交えつつ展開された。
る ベ ス ト プ ラ ク テ ィ ス 、案 件 の 内
ドキュメントレビュー業務におけ
メントの優先順位をつけるなどの
合わせを行い、
レビューするドキュ
た上でキーワードの再調整や組み
結 果 の サ ン プ リ ン グ 、分 析 を 行 っ
キーワード検索に加えてその検索
1
ディスカバリを優位
こうした中、
に進めて最終的に有利な条件で和
す。
eディスカバリは対岸の火事で
うち、
日本企業が 社を占めていま
14
海外事業を展開する企業は
問題を中心に、
多くの案件に対処し
て も 、す べ て 開 示 す べ し と い う 姿
査にも適用されるため、
価格カルテ
おいて、
時には収益の パーセント
電子データの扱いは
いるのです﹂
際カルテルに対し、
規制当局がペナ
正式な手続きに則って
10
ルティを課したのは、
トップ 社の
﹁米国の場合を見てみましょう。国
する。
ルから贈賄、M&Aから株主に対す
サービスマネージャーを務める秋
︵ウォーレン氏、
以下同︶
た実績を持つ。
る 伊 藤 恵 美 子 氏 と 、ク ラ イ ア ン ト
年
ヶ月か
名は
の日本人幹部
3
ら 年の禁固刑に処せられた。
1
に達する多額の罰金を科せられて
性がある。e ディスカバリは、民事
4
る開示まで、さまざまな事例が存在
2
e ディスカバリの対象となる可能
スカバリ﹂
をテーマにセミナーが開
す。もしかすると、日本の企業風土
勢、つまり法の下での公平性を重ん
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電子データの証拠開示
10
よ び 規 制 当 局 調 査 に お け るe デ ィ
10
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伊藤恵美子
エピックシステムズ ドキュメントレビューサービスマネージャー
ニューヨーク州弁護士
124
2014.1
2014.1
125
5
秋元悦子
エピックシステムズ クライアントサービスマネージャー
ニューヨーク州弁護士