FOMC~景気、物価を下方修正

ご参考資料(情報提供資料)
2016 年 3 月 17 日
アムンディ・マーケットレポート
アムンディ・ジャパン株式会社
FOMC~景気、物価を下方修正
① FF 金利は据え置きでした。底堅い国内経済に対し、世界経済や金融市場の動向を考慮した形です。
② 実質 GDP 成長率と物価上昇率について、長期予測は据え置きながら 16-17 年は下方修正しました。
③ 利上げ想定が年 2 回に減少しました。依然目標以下のインフレ率の動向に注視するスタンスです。
世界経済の減速傾向や金融市場の動向に影響受ける
3 月 15-16 日、FOMC(米連邦公開市場委員
会)が開かれました。今回の会合については、
利上げ見送りがコンセンサスで、FOMC メン
バーの経済予想と今後の利上げの想定の変
化が注目されていました。政策金利である
FF 金利の誘導水準は、事前のコンセンサス
通り 0.25~0.5%で据え置かれました。
16 年の経済予想については、失業率が前回
予想(15 年 12 月)の 4.8%から 4.7%へ引き
下げられ、雇用環境は堅調と見られています。
一方、実質 GDP 成長率は同じく+2.4%から
+2.2%へ、また、インフレ率も同じく+1.6%
から+1.2%へとそれぞれ下方修正され、景
気とインフレ率は慎重に見られています。
失業率(2016年予想、長期目標、実績)
(%)
7.0
※予想は、ここでは中心的傾向(全予想の上下3つを除いた
レンジ)の最大と最小の平均値を用いた
6.5
予想
長期目標
実績(四半期平均)
6.0
5.5
1-2月平均
5.0
4.5
14/3
6
9
12
15/3
6
9
12
16/3
(年/月)
出所:FRBのデータよりアムンディ・ジャパン作成
実質GDP成長率(2016年予想、長期目標、実績)
(%)
3.5
※予想は、ここでは中心的傾向(全予想の上下3つを除いた
レンジ)の最大と最小の平均値を用いた
予想
長期目標
実績(前年同期比)
3.0
2.5
2.0
ただし、実質 GDP 成長率とインフレ率の長
期的な目標はいずれも+2%で変えていませ
ん。そして、実質 GDP 成長率は、おおむね
長期的な目標以上の実績で推移しているの
に加え、インフレ率は 16 年の予想は下げた
ものの、足元では原油価格下落の影響が剥
落し始めて上昇してきています。
1.5
14/3
6
9
12
15/3
6
出所:FRBのデータよりアムンディ・ジャパン作成
(%)
2.5
9
12
16/3
(年/月期)
インフレ率☆(2016年予想、長期目標、実績)
※予想は、ここでは中心的傾向(全予想の上下3つを除いた
レンジ)の最大と最小の平均値を用いた
2.0
1.5
1月
景気、物価に対する長期的な見方から考え 1.0
予想
長期目標
ると、FOMC が、あくまでも景気拡大の持続 0.5
実績(総合・四半期平均)
実績(コア・四半期平均)
に応じて利上げしていく姿勢であることに変
☆インフレ率:PCE(個人消費支出)価格指数(総合)の前年同月比
0.0
わりはないと思われます。今回の FF 金利誘
14/3
6
9
12
15/3
6
9
12
16/3
(年/月)
出所:FRBのデータよりアムンディ・ジャパン作成
導水準を据え置いたのは、声明文にもあった
ように、世界経済の先行きに対する不安感が高まっていることや、年初からの金融市場の動揺に
よって、米国経済がマイナスの影響を受けるリスクを考慮したものと思われます。
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「デュアル・マンデート」の確実な達成を見届ける必要あり?
FOMC メンバーによる FF 金利誘導水準の予想(中央値)は 16 年末が 0.875%、17 年末が
1.875%と、前回予想からそれぞれ 0.5%下方修正されました。前回予想では、16 年は 0.25%の利
上げを年 4 回という想定でしたが、今回は同幅の利上げを年 2 回という想定になりました。
一方、FF 金利先物や国債利回りから算出した、市場が形成する今後の FF 金利誘導水準に対する
見方は、依然として FOMC メンバーの予想を下回っています。年末に 1 回利上げ程度というのが現
在のコンセンサスです。市場の見方がより慎重になっている分、今後の政策運営については、引き
続き慎重さを要することが示されたと思われます。
雇用環境が堅調な一方で、賃金の伸びが高まらない理由として、イエレン議長は「雇用のたるみ☆」
がまだ残っている部分があるとの見方を示しています。今後の政策スタンスについては、FRB(米
連邦準備理事会)に課された「物価安定と雇用最大化(デュアル・マンデート)」のうち、物価安定が
達成されていないことから、インフレ率を重視する方向です。また、雇用最大化はほぼ達成されて
いるものの、インフレ率上昇につながるような動きが明確に見られるかがカギと考えられます。
FF金利誘導水準の予想の推移
(%)
4.0
※ここでは全予想の中央値
市場が形成する今後のFF金利の予想
(%)
3.5
先物市場でのFF金利見通し
3年国債の利回り曲線から推計した3カ月フォワード金利
FOMC参加者のFF金利年末予想(単純平均、3月時点)
3.500
3.5
3.0
3.250
3.250
3.0
3.000
2.5
2.375
2.5
2.0
2.0
1.875
1.5
1.5
1.375
1.0
1.0
15年06月 時点の予想
15年12月 時点の予想
16年03月 時点の予想
0.875
0.5
0.0
15
16
17
出所:FRBのデータよりアムンディ・ジャパン作成
18 (年) 長期目標
0.5
0.0
16/3
17/3
18/3
出所:Bloomberg、FRBのデータよりアムンディ・ジャパン作成
19/3
(年/月)
☆雇用のたるみ:FRB(米連邦準備理事会)が利上げを判断する際に重視しているとされている概念。たるみは英語では”slack”。長期
失業者数やパートタイム労働者の割合、失業期間などが、少なくとも前回の景気後退期(07 年 12 月~09 年 6 月)
以前に戻る展望が描ける状態になることが、たるみ解消と見られている。
ドル・円相場、株価に対する見方
利上げの想定が下方修正されたことで、為替市場ではドル安が進行したものの、株価は金融引き
締めの度合いが弱まったことが好感されています。ドル・円相場については、これまで再利上げは
当分難しいとの見方がすでに織り込まれており、改めてドルが売り込まれるリスクは小さいと思わ
れます。また、株式市場にとっては、景気実態に見合った金融政策スタンスならば受け入れやすい
と見られ、下値リスクを縮小させる方向に働くと思われます。
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