次の米利上げは6月か7月に - しんきんアセットマネジメント投信

しんきんアセットマネジメント投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
Sh inkin Asset Management Co., Ltd 加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会
〒104-0031東京都中央区京橋3丁目8番1号 URL:http:// www.skam.co.jp
投資環境
2016 年 3 月 18 日
次の米利上げは 6 月か 7 月に
1.政策金利見通しを市場の見方にさや寄せ
米連邦準備制度理事会(FRB)は 3 月 15-16 日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で金融政策の現状
維持を決めました。あわせて公表された経済見通しでは、2016~18 年の経済成長率や物価見通しを下方修正
するとともに、政策金利見通しを大幅に引き下げました(図表 1)。事前予想より、利上げに慎重な姿勢であ
ったことから、米株式市場、債券市場には買い安心感が広がりました。ドルについては、早期の利上げ観測が
後退したことから、軟調な動きになりました。
FOMC委員の今年の政策金利見通しについては、年 4 回の利上げから年 2 回に大きく引き下げられ、市
場の織り込み(年内 1~2 回の利上げ)にさや寄せした格好となりました。もっとも、今年 1 回の利上げを見
込む委員が 17 人中 1 人に対し、3 回以上の利上げを見込む委員は 17 人中 7 人と、利上げに前向きな委員が
多い状況。また、2017 年、2018 年についは、利上げペースは変わっていません。むしろ、2018 年につい
ては利上げペースがやや速まっています。2017 年については年 4 回、2018 年については 4~5 回の利上げ
見通しとなっており、足元は原油安などの影響により、低インフレが続くものの、来年以降はこの影響が後退
し、労働市場が引き続き力強さを増せば、インフレ率が加速するとの見方のようです。
図表1. FOMCの米国経済見通し(2016年3月)
(%)
中央値
実質GDP成長率
失業率
12月の見通し
12月の見通し
個人消費支出(PCE)価格指数
12月の見通し
コアPCE価格指数
12月の見通し
政策金利
12月の見通し
中心レンジ
2016
2017
2018
長期見通し
2016
2017
2018
長期見通し
2.2
2.1
2.0
2.0
2.1 - 2.3
2.0 - 2.3
1.8 - 2.1
1.8 - 2.1
2.4
4.7
4.7
1.2
1.6
1.6
2.2
4.6
4.7
1.9
1.9
1.8
2.0
4.5
4.7
2.0
2.0
2.0
2.0
4.8
4.9
2.0
2.0
2.3
4.6
4.6
1.0
1.2
1.4
2.0
4.5
4.6
1.7
1.8
1.7
1.8
4.5
4.6
1.9
1.9
1.9
1.8 - 2.2
4.7 - 5.0
4.8 - 5.0
2.0
2.0
-
2.5
4.8
4.8
1.6
1.7
1.7
1.5 - 1.7
-
2.3
4.7
4.8
2.0
2.0
2.0
1.6
1.9
2.0
0.875
1.875
3.000
3.250
0.875 - 1.375 1.625 - 2.375
1.375
2.375
3.250
3.500
0.875 - 1.375
※国内総生産(GDP)とPCE価格指数は第4四半期の前年同期比。失業率は第4四半期中の平均値
1.7 - 2.0
1.875 - 3.00
-
2.2
5.0
5.0
2.0
2.0
2.0
1.9 - 2.0
2.50 - 3.25
3.00 - 3.50
2.875 - 3.50 3.25 - 3.50
(出所)FRBの資料を基に、しんきん投信作成
図表2. 6月の米政策金利の予想確率
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
図表3. 年内の利上げ回数の予想確率
45%
40%
35%
30%
25%
20%
15%
10%
5%
(政策金利水準)
0%
(注)FF(フェデラル・ファンド)金利先物レートが織り込む予想確率
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんきん投信作成
※最終頁の「本資料に関してご留意していただきたい事項」を必ずご確認ください。
(注)FF(フェデラル・ファンド)金利先物レートが織り込む予想確率
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんきん投信作成
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2.6 月もしくは 7 月に利上げなら、以降の着実な利上げペースを意識
今後は次の利上げの時期が注目されます。イエレンFRB議長は、4 月のFOMCでも利上げを実施する可
能性があるとしていますが、確度が高いのは 6 月もしくは 7 月とみられます。市場の政策金利の織り込みは、
今年1~2 回の利上げで、FOMC委員の年 2 回より若干少ない状況です(図表 2、3)
。6 月もしくは 7 月に
利上げが実施されると、今回とは逆に、市場の織り込みがFOMC見通しに若干ながらもさや寄せすることに
なり、その後の利上げについての意識も強まる可能性があります(図表 4)
。
6 月は 23 日に欧州連合(EU)離脱の是非を問う英国の国民投票を控えるため、利上げを見送る可能性があ
るものの、その場合には 7 月の利上げの有無が注目されることになります。しばらくは、原油など資源価格の
動向、米労働市場の改善度合いや賃金動向などを確認しながら、利上げのペースを占うことになります。
図表4. FOMC委員の政策金利見通しと
FF金利先物レート
(%)
4.0
(参考)2016年のFOMC予定
長期見通し
3.5
3.0
2.5
2.0
1.5
1.0
2016年1月
3月
4月
6月
7月
9月
11月
12月
26-27日
15-16日*
26-27日
14-15日*
26-27日
20-21日*
1-2日
13-14日*
*経済見通し、議長の会見あり
0.5
(出所)FRBの資料を基に、しんきん投信作成
見通し(中心レンジ)
見通し(中央値)
19/6
(限月)
19/3
18/12
18/9
18/6
18/3
17/12
17/9
17/6
17/3
16/12
16/9
16/6
16/3
0.0
3/17の金利先物レート
(注)FF(フェデラル・ファンド)金利先物レートの対象は、限月におけるFF実効レートの平均値
(出所)Bloomberg、FRBより、しんきん投信作成
(参考) FOMC 声明文の主な変更点
<2016 年 1 月 26─27 日>
<2016 年 3 月 15─16 日>
昨年末に経済成長が鈍化したにもかかわらず、労働市場
ここ数カ月間の世界経済や金融動向にもかかわらず、経
の状況は一段と改善
済活動が緩やかなペースで拡大し続けている。
労働市場
労働資源の活用不足がさらにいくらか減少
一段と力強さを増した
インフレ期待
将来のインフレを示す市場ベースの指標は一段と低下
将来のインフレを示す市場ベースの指標は低いままで、調
し、調査に基づいた長期的なインフレ期待の指標はここ
査に基づいた長期的なインフレ期待の指標はここ数カ
数カ月、総じてあまり変わっていない。
月、総じてあまり変わっていない。
経済活動と労働市場の見通し
委員会は世界経済と金融動向を注意深く監視し、労働
世界経済と金融動向は引き続きリスクをもたらす。
に対するリスク
市場やインフレ、そして見通しに対するリスクバランスに与
委員会はインフレの動向を引き続き注意深く監視する。
経済活動全般
える影響を評価する。
(出所)FRB の資料等を基に、しんきん投信作成
(シニアストラテジスト 鈴木和仁)
※最終頁の「本資料に関してご留意していただきたい事項」を必ずご確認ください。
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