マイナス金利下での内外債券投資 - しんきんアセットマネジメント投信

しんきんアセットマネジメント投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
Sh inkin Asset Management Co., Ltd 加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会
〒104-0031東京都中央区京橋3丁目8番1号 URL:http:// www.skam.co.jp
投資環境
2016 年 2 月 4 日
マイナス金利下での内外債券投資
1.マイナス金利が長い期間の利回りに波及
日銀が 1 月 29 日にマイナス金利導入を決定したことを受け、国内の金利は軒並み低下し、国債の利回りは
残存期間が 9 年程度までマイナス圏に沈んでしまっています。プラスの利回りを狙うならこれより期間の長い
債券ということになります。今後は、まだ利回りがプラス圏にある長期債、超長期債などの期間の長い債券利
回りに下押し圧力がかかることが想定されます。
もっとも、日本に先んじてマイナス金利を導入したスイスやユーロ圏のイールドカーブ(利回り曲線)は全
体的に低下しているものの、マイナス金利導入前と比べ、大きくフラット化(平坦化)が進行しているわけで
はありません。一段の利下げ観測に加え、金利リスクに見合ったリスクプレミアム(上乗せ金利)や遠い将来
の金利上昇が反映されているとみられます(図表 1)
。
日本のイールドカーブをドイツと比較すると、残存期間 10 年までは既にドイツよりフラット化しています
(ほぼ横並び状態)
。10 年超の超長期ゾーンについては、ドイツの 10 年~20 年の利回り差は 0.48%程度に
対し、日本は 0.72%程度と、日本についてはまだ利回り差の縮小余地が残っています(3 日時点)
。20 年~
30 年の利回り差はほぼ同水準。10 年債利回りがゼロ%に近づく局面では、20 年債利回りが 0.5%程度の水
準まで低下することも想定されます。
1.0
(%)
図表1. マイナス金利下のイールドカーブ
2016/2/3
3.0
(%)
2016/2/3
米国債
日本国債
0.5
図表2. 日米欧のイールドカーブ
ドイツ国債
2.5
スペイン国債
スイス国債
2.0
仏国債
日本国債
0.0
1.5
1.0
-0.5
0.5
-1.0
0.0
-1.5
0
5
10
(年限)
15
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんきん投信作成
(%)
図表3. 国内債とフランス国債利回り
-0.5
0
20
5
10
(年限)
15
20
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんきん投信作成
2016/2/3
(%)
3.0
3.0
2.5
2.5
2.0
図表4. 国内債とスペイン国債利回り 2016/2/3
2.0
1.5
1.5
1.0
日本の20年債利回り水準 1.0
0.5
0.0
日本の10年債利回り水準 0.5
-0.5
0.0
-1.0
0
5
仏国債
10
15
20
25
仏国債(為替ヘッジ) 日本国債
(注)為替ヘッジコスト/プレミアムは3か月物の内外金利差として仮置き
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんきん投信作成
(年限)
30
-0.5
0
5
10
15
20
スペイン国債
スペイン国債(為替ヘッジ)
(年限)
25
30
日本国債
(注)為替ヘッジコスト/プレミアムは3か月物の内外金利差として仮置き
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんきん投信作成
※最終頁の「本資料に関してご留意していただきたい事項」を必ずご確認ください。
Shinkin Asset Management Co., Ltd
1
投資環境
2016 年 2 月 4 日
しんきんアセットマネジメント投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
Sh inkin Asset Management Co., Ltd 加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会
〒104-0031東京都中央区京橋3丁目8番1号 URL:http:// www.skam.co.jp
ただ、日銀が市中発行額に相当する規模の長期国債を買い入れているものの、2 日には 10 年国債入札への
警戒が高まるなど、入札ごとに不安定な動きが続くことも考えられます。相場の落ち着きを待って、超長期ゾ
ーンのブル・フラット化(利回り低下・平坦化)が進むことになりそうです。
2.20 年債利回りを基準に外債投資を検討すると
日米欧のイールドカーブを比較すると、追加緩和観測が広がっているユーロ圏では、ドイツ国債は利回りが
低く魅力は薄いものの、信用力でやや劣るフランス、イタリア、スペインなどは、利回り面では投資対象とな
りそうです(図表 2)
。また、米国も利上げ局面にあるものの、非常に緩やかな利上げが見込まれることや、
過去の利上げ局面でも、長期金利などは安定的に推移する傾向がみられることから、米国債も投資対象として
検討したいところです。
仏国債については、日本の 20 年国債利回りを上回るのは、10 年超の国債になります(図表 3)。もっとも、
ユーロ圏は短期金利の水準が日本より低いため、あらかじめ将来の為替レートを確定する為替ヘッジをする場
合には、短期金利差に相当する為替ヘッジコストを支払うのではなく、受け取ることができます(為替ヘッジ
プレミアム)。この分を上乗せすると、仏 10 年債の利回りが日本の 20 年国債の利回り水準を上回ることにな
ります(ヘッジコスト/プレミアムを 3 か月物の短期金利差で仮置き)
。スペイン国債では、為替ヘッジなしで
は 7 年債、為替ヘッジありでは 6 年債が日本の 20 年国債の利回り水準を上回ります(図表 4)
。
他方、米国債については利上げ局面にあることから、相対的に利回り水準が高く、3 年債で日本の 20 年国
債の利回り水準を上回ります(図表5)。ドル円の為替ヘッジについては、米国の方が金利が高いため、短期
の内外金利差に相当するコストがかかります。ドル安・円高を見込み、為替リスクを回避する場合には、ヘッ
ジコストを支払うことになります。為替ヘッジコストを差し引いた場合には、6 年超の米国債利回りが日本の
20 年国債の利回りを上回ります。積極的な米利上げやドル高・円安を見込むのであれば、為替ヘッジせずに
米短期債投資、慎重な米利上げを見込む場合や為替リスクを回避したい場合には、やや長めの米国債投資を検
討することになりそうです。
(%)
図表5. 国内債と米国債利回り
2016/2/3
3.0
6.0
(参考)日米欧の10年債利回り
(%)
5.0
2.5
2.0
4.0
1.5
3.0
1.0
米国
スペイン
2.0
0.5
0.0
フランス
ドイツ
1.0
日本
16/1
15/10
15/7
15/4
15/1
14/10
14/7
0.0
14/4
(注)為替ヘッジコスト/プレミアムは3か月物の内外金利差として仮置き
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんきん投信作成
(年限)
30
14/1
20
25
日本国債
13/7
10
15
米国債(為替ヘッジ)
13/10
5
米国債
13/4
0
13/1
-0.5
(年/月、日次)
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんきん投信作成
(注)為替ヘッジは短期的に為替予約を繰り返すため、ヘッジコスト/プレミアムはその都度で異なります。内外金
利差が拡大した場合には、支払うコストもしくは受け取るプレミアムが増えることになります。
(シニアストラテジスト 鈴木和仁)
※最終頁の「本資料に関してご留意していただきたい事項」を必ずご確認ください。
Shinkin Asset Management Co., Ltd
2
投資環境
2016 年 2 月 4 日
しんきんアセットマネジメント投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
Sh inkin Asset Management Co., Ltd 加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会
〒104-0031東京都中央区京橋3丁目8番1号 URL:http:// www.skam.co.jp
<本資料に関してご留意していただきたい事項>
※本資料は、ご投資家の皆様に投資判断の参考となる情報の提供を目的として、しんきんアセットマネジメント
投信株式会社が作成した資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。
※本資料は、信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、当社はその正確性、完全性を保証するも
のではありません。また、いかなるデータも過去のものであり、将来の投資成果を保証・示唆するものではあ
りません。
※本資料の内容は、当社の見解を示しているに過ぎず、将来の投資成果を保証・示唆するものではありません。
記載内容は作成時点のものですので、予告なく変更する場合があります。
※投資信託は、預金や保険契約とは異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の補償の対象ではありません。
また、金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象ではありません。
※投資信託は、値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替リスクもあります)に投資しますので、基準価額
は変動します。したがって、預金と異なり投資元本が保証されているものではありません。運用による損益は
すべて投資者の皆様に帰属します。
※特定ファンドの取得のお申込みに当たっては、販売会社より当該ファンドの投資信託説明書(交付目論見書)
をあらかじめ又は同時にお渡しいたしますので、必ず内容をご確認の上、ご自身でご判断ください。また、請
求目論見書については、販売会社にご請求いただければ、当該販売会社を通じて交付いたします。
【お申込みに際しての留意事項】
 投資信託に係るリスクについて
投資信託は、株式や債券等の値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替リスクもあります)
に投資しますので、基準価額は変動します。したがって、預金と異なり投資元本が保証されてい
るものではありません。運用による損益はすべて投資者の皆様に帰属します。
また、投資信託は、個別の投資信託ごとに投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対
象国等が異なることから、リスクの内容や性質が異なりますので、ご投資に当たっては交付目論
見書や契約締結前交付書面をよくご覧ください。
 投資信託に係る費用について
(お客様に直接ご負担いただく費用)
 ご購入時の費用・・・購入時手数料 上限 3.24%(税抜 3.0%)
 ご換金時の費用・・・信託財産留保額 上限 0.3%
(保有期間中に間接的にご負担いただく費用)
 運用管理費用(信託報酬)
・・・純資産総額に対して、上限年率 1.5984%(税抜年率 1.48%)
 その他の費用・・・監査費用、信託財産に関する租税、信託事務の処理に要する諸費用、有
価証券売買時の売買手数料等及び外貨建資産の保管等に要する費用は、ファンドより実費と
して間接的にご負担いただきます。また、運用状況等により変動するものであり、事前に料
率、上限額等を示すことができません。
投資信託に係る上記費用(手数料等)の合計額については、ご投資家の皆様がファンドを保有
される期間等に応じて異なりますので、表示することができません。
《ご注意》
上記に記載しているリスクや費用につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費
用の料率につきましては、しんきんアセットマネジメント投信が運用する全ての投資信託のう
ち、ご負担いただくそれぞれの費用における最高の料率を記載しております。投資信託に係るリ
スクや費用は、それぞれの投資信託により異なりますので、ご投資される際には、事前に交付目
論見書や契約締結前書面をよくお読みください。
※「日経平均株価」
(日経平均)に関する著作権、知的所有権その他一切の権利は日本経済新聞社に帰属します。
日本経済新聞社は日経平均株価を継続的に公表する義務を負うものではなく、その誤謬、遅延又は中断に関
して責任を負いません。
※東証株価指数(TOPIX)は、東京証券取引所の知的財産であり、この指数の算出、数値の公表、利用など株
価指数に関するすべての権利は東京証券取引所が有しています。東京証券取引所は、TOPIX の算出若しくは
公表の方法の変更、TOPIX の算出若しくは公表の停止又は TOPIX の商標の変更若しくは使用の停止を行う
権利を有しています。
※東証 REIT 指数は、東京証券取引所の知的財産であり、この指数の算出、数値の公表、利用など、東証 REIT
指数に関するすべての権利は、東京証券取引所が有しています。
Shinkin Asset Management Co., Ltd
3