加入者のための協会けんぽ 届出ガイド 追補 健康保険法が改正され,平成 28 年4月から, 「入院時の食費の負担額」と「傷病手当金・出産手当金の計算方 法」が変わることになりました。このため,本書の一部を次のとおり追補します。 平成 28 年3月 社会保険研究所 頁・段・行 現行 2頁 入院中の食事代も健康保険から給付されます。ただし, 本文 患者負担分は3割などの定率ではなく,1食あたり260円 下から3行 (1日3食まで)の定額です(標準負担額) 。 目以降 改正後(平成 28 年4月1日から) 入院中の食事代も健康保険から給付されます。ただし, 患者負担分は3割などの定率ではなく,1食あたり360円 (1日3食まで)の定額です(標準負担額) 。なお,平成30 年4月1日からは,1食あたり460円(1日3食まで)と なります。 2頁 ※2 1食260円 1食360円(平成30年4月から460円)※2 標準負担額1食260円 標準負担額1食360円(平成30年4月から460円) 260円 360円(平成30年4月から460円) 「①~③ 共通」の図 の中 4頁 図の中 11頁 右下の表の ※減額後の金額に変更はありません (減額前の 額) 22頁 右段 1行目~ ■支給額はおおよそ給料の3分の2 傷病手当金の支給額は,1日につき標準報酬日額の3分 の2に相当する額です。標準報酬日額は,標準報酬月額の 30分の1に相当する額です(→32頁参照) 。 (以下略) ■支給額はおおよそ給料の3分の2 傷病手当金の支給額は,1日につき,次の計算式で算出 される額です。 [支給開始日以前の継続した12ヵ月間の各月の標準報 酬月額を平均した額]÷30日×2/3 (以下略) 22頁 ■他の給付や年金との調整 ■他の給付や年金との調整 右段 ⑴出産手当金を同時に受けられる場合は,その間,傷病手 ⑴出産手当金を同時に受けられる場合は,その間,傷病手 下から14 行目~ 当金は支給されません。 (以下略) 当金は支給されません。ただし,傷病手当金の額が出産 手当金よりも多ければ,その差額が支給されます。 (以下略) 32頁 左段 ■支給額はおおよそ給料の3分の2 出産手当金の支給額は,1日につき標準報酬日額の3分 下から8行 の2に相当する額です。標準報酬日額は,標準報酬月額の 目以降 30分の1に相当する額です。 給料の支払いがあっても,出産手当金の額より少ない場 合は,その差額が支給されます。 ※出産手当金の支給期間中に傷病手当金も受けられる場合は,出 産手当金が優先し,傷病手当金は支給されません。 ■支給額はおおよそ給料の3分の2 出産手当金の支給額は,1日につき,次の計算式で算出 される額です。 [支給開始日以前の継続した12ヵ月間の各月の標準報 酬月額を平均した額]÷30日×2/3 給料の支払いがあっても,出産手当金の額より少ない場 合は,その差額が支給されます。 ※出産手当金の支給期間中に傷病手当金も受けられる場合は,出 産手当金が優先し,傷病手当金は支給されません。ただし,傷 病手当金の額が出産手当金よりも多ければ,その差額が支給さ れます。 32頁 表 ●傷病手当金・出産手当金の支給日額 (表全体を削除) 裏面に今回の改正のポイントを説明しています。ご覧ください。 平成28年4月からの健康保険の改正点のあらまし 1.入院時の食費負担の見直し(2・4・11頁関連) 入院時の患者の食費負担について,入院と在宅療養の負担の公平等を図る観点から,食材料費相当額に加え,調理費 相当額の負担を加えることになり,標準負担額が段階的に引き上げられることになりました。 ただし,低所得者や指定難病患者,小児慢性特定疾病の対象患者などは従来通りの標準負担額となります。 標準負担額(1食あたり) 現行 H28.4.1~ A B,C,Dのいずれにも該当しない患者 260円 B ・C,Dのいずれにも該当しない指定難病患者・小児慢性特定疾病児童等 低所得者(70歳未満) 210円(長期入院160円) 低所得者Ⅱ(70歳以上) D 460円 260円 ・H27.4.1以前からH28.4.1まで継続して精神病床に入院中の一般所得区分の患者の退院まで C 360円 H30.4.1~ 低所得者Ⅰ(70歳以上) 100円 2.傷病手当金・出産手当金の支給額の計算方法の見直し(22・32頁関連) 現行の傷病手当金・出産手当金は,休業前の標準報酬日額を基礎として支給額が決定されるため,休業直前に標準報 酬を高額に改めて,高額な傷病手当金・出産手当金を受給することが可能となっていました。こうした不適切な受給を 防止する観点から,支給額の算定の基礎となる標準報酬の算定方法が,直近のものから1年間の平均をとったものに改 められます。 平成28年3月31日までの1日あたりの支給額 平成28年4月1日からの1日あたりの支給額 直近の標準報酬月額÷30日×2/3 [支給開始日以前の継続した12ヵ月間の各月の標準報酬月額の平 均額]÷30日×2/3 なお,被保険者期間が12ヵ月に満たない人は,次のいずれか少ない額を上表右段の[ ]内にあてはめて支給額を算 出します。 ①支給開始日以前の継続した各月の標準報酬月額の平均額 ②協会けんぽの全被保険者の標準報酬月額の平均額(現在は28万円) また,平成28年3月31日時点で傷病手当金・出産手当金を受給していた人については,平成28年4月1日支給分から は,新しい計算方法で支給金額を計算します。 3.紹介状なしの大病院受診時の定額負担の義務化(3頁関連) 医療の機能分化を進める観点から,紹介状なしで特定機能病院等の大病院を外来受診する場合には,原則として,初 診時5,000円以上・再診時2,500円以上(歯科については初診時3,000円以上・再診時1,500円以上)で病院が定める額を, 一部負担金(自己負担額)とは別に,特別料金(定額負担)として支払うことが義務化されました。 これまでは,200床以上の病院が個々の判断で特別料金(定額負担)の設定の有無・額を決めていましたが,今回の改 正では,200床以上の病院のうち, 「特定機能病院」と「500床以上の地域医療支援病院」はすべてこのしくみを導入する ことになりました。なお,緊急の場合や,公費負担医療の対象患者などは定額負担を求められません。 4.患者申出療養の創設(3頁関連) 国内未承認の医薬品等を迅速に使用したいという患者の思いに応えるため,患者からの申出を起点とする新たなしく みとして,患者申出療養が創設されます。 患者申出療養は,その基礎的な医療の部分は健康保険で給付され,そのうえで患者申出療養部分の費用を患者が全額 自費負担します。 5.標準報酬月額上限・標準賞与額年間上限の引上げ 健康保険の標準報酬月額の上限が3等級引き上げられ,全部で50等級となります。これに伴い,標準賞与額の年間上 限も見直され,540万円から573万円に引き上げられます。 標準報酬月額等級 標準報酬月額 報酬月額 参考 平成28年10月からは,厚生年金保険の 第 47 級 1,210,000 円 1,175,000 円以上 1,235,000 円未満 標準報酬月額の下限(第1級)が引き下げら 第 48 級(新設) 1,270,000 円 1,235,000 円以上 1,295,000 円未満 れ,88,000円(報酬月額83,000円以上93,000 第 49 級(新設) 1,330,000 円 1,295,000 円以上 1,355,000 円未満 円未満=健康保険の第4級相当)となり,そ 第 50 級(新設) 1,390,000 円 1,355,000 円以上 の結果,全30等級→31等級となります。
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