伊勢崎市学校給食調理場 整備再編計画(案) 平成 28 年 2月 伊勢崎市教育委員会 目 次 はじめに ・・・1 Ⅰ. 本市の学校給食調理場の課題について 1. 施設の老朽化及び耐震性能について ・・・2 2. 設備機器の老朽化について ・・・2 3. 衛生管理基準の遵守について ・・・2 4. 食物アレルギーへの対応について ・・・3 5. 学校給食調理場における食育の機能について ・・・3 6. 調理・洗浄業務の運営方法について ・・・3 7. 配送校等の現状について ・・・3 Ⅱ.学校給食調理場の基本方針について 1. 調理場設置の方式について ・・・4 2. 食物アレルギー対応について ・・・5 3. 環境への取り組みについて ・・・5 4. 地場産農作物の利用について ・・・6 5. 施設整備の方針について ・・・6 6. 公立幼稚園の給食について ・・・6 Ⅲ.新学校給食調理場の基本計画(案)について 1. 安全性の確保について ・・・7 2. 食物アレルギー対応について ・・・7 3. 運営方式について ・・・8 4. 食育について ・・・8 5. 食器について ・・・9 6. 厨房設備について ・・・9 7. リサイクル等環境への取り組みについて ・・・9 8. 地球環境への配慮について ・・・10 9. 周辺環境への配慮について ・・・10 10. 敷地計画について ・・・10 11. 建物と設備について ・・・10 12. 建設用地について ・・・11 13. 建設等スケジュールについて ・・・12 14. 新調理場完成予想図(基本設計から) ・・・12 15. 配送区域の再編について ・・・13 おわりに ・・・14 Ⅳ.資料編 ・・・14 はじめに 本市では、小学校、中学校、幼稚園、特別支援学校に毎日約20,000食 の給食を6ヶ所の学校給食調理場で調理し提供しております。 まず、本市の学校給食調理場の建築後の経過年数は、次のとおり ・第一学校給食調理場 (施設開始昭和45年12月) 建設後45年 ・第二学校給食調理場 (施設開始平成 5年 9月) 建設後22年 ・赤堀学校給食調理場 (施設開始昭和57年 4月) 建設後33年 ・あずま学校給食調理場(施設開始昭和56年 4月) 建設後34年 ・境第一学校給食調理場(施設開始平成 9年 4月) 建設後18年 ・境第二学校給食調理場(施設開始平成10年 4月) 建設後17年 が、それぞれ経過しており、施設や調理機器の老朽化に伴い、維持管理に要 する経費が今後増加する見込みであります。特に第一、赤堀及びあずまの各調 理場は、既に建設後30年以上が経過している状況です。 国では、平成17年7月に食育基本法を施行し、「国民が生涯にわたって健 全な心身を培い、豊かな人間性を育むことができる食育を推進するため、施策 を総合的かつ計画的に推進する」としました。 また、平成23年3月には「学校給食に地場産物を使用し、食に関する指導の『生 きた教材』として活用することは、地域の自然や文化、産業等に関する理解を深めるとと もに、生産者の努力や、食に関する感謝の念を育む上で重要であるほか、地産地消の 有効な手段である」とした第2次食育推進計画を制定しました。 平成21年4月には新たな学校給食衛生管理基準が示され、HACCP※1 の 概念に基づく、食の安全に向けた施設整備の導入が必要となっていることや、 学校給食実施基準により、すべての児童生徒に学校給食を提供していくことを 基本に、食物アレルギー等のある児童生徒に対しては、保護者や学校、栄養教 諭及び学校栄養職員との連携を図り、可能な限り個々の状況に応じた対応が求 められております。 このような学校給食を取り巻く状況の変化に鑑み、本市では、教育委員会内 に学校給食あり方庁内検討委員会を設置し、今後の学校給食調理場の基本的な 整備再編方針及び計画を決定するための検討を行い、学校給食運営委員会の審 議を経て、新たな学校給食調理場の整備及び再編の基本方針と基本計画を定め たものであります。 1 Ⅰ 本市の学校給食調理場の課題について 1. 施設の老朽化及び耐震性能について 本市の学校給食調理場は、建設から第一学校給食調理場は45年、赤堀学校 給食調理場は33年、あずま学校給食調理場は34年、それぞれ経過しており、 耐用年数31年(減価償却資産の耐用年数等に関する省令別表第一における工 場とした場合)を超える状況で老朽化が進んでいます。また、第一、赤堀及び あずま学校給食調理場の建設(設計)時は、建築基準法が改正された昭和56 年以前であり、耐震性の面からも施設整備が急務であります。さらに、調理室 の床はウェット方式(ドライ運用)であり、衛生面や労働環境からもドライシ ステムの導入が求められます。一方、第二、境第一及び境第二学校給食調理場 も今後段階的に耐用年数を迎えることから、計画的な施設整備を検討する必要 があります。 2. 設備機器の老朽化について 各調理場における調理器具類や洗浄機等の不具合や故障等については、必要 に応じて修繕を行なっておりますが、調理機器等の耐用年数は概ね15年(部 品の製造中止)といわれており、建設(設置)時期から30年以上が経過して いる施設では抜本的な改修、改築の時期を既に迎えている状況であります。ま た、ボイラーや給排水及び電気設備なども老朽化が進んでおり、定期的な保守 点検や修繕等を行っていますが、故障箇所の増加に伴い修繕等に要する費用は 増加傾向をたどっています。 3. 衛生管理基準の遵守について 食の安全性への関心が高まるなか、学校給食法に位置づけられている衛生管 理基準は平成21年4月に新たな基準が示されましたが、汚染作業区域(下処 理室及び洗浄室等)と非汚染作業区域(調理室等)の作業区域として、施設の 衛生管理区分等を満たすことが、本市の既存施設では困難な状況にあります。 また、調理室内の温度は25℃以下、湿度は80%以下を保つよう努めるこ ととされていますが、空調設備が十分ではなく、特に、夏場は場内の温度・湿 度ともに基準を保つことも現状では困難になっています。 2 4. 食物アレルギーへの対応について 学校給食では、全ての児童生徒が安心して食べることが出来るための対応が 求められています。そのためには、食物アレルギーを持つ児童生徒への対応と して、除去食等のアレルギー対応食を調理し、提供することも検討課題となっ ています。そこで、学校給食調理場にアレルギー対応食の専用調理室設置につ いては、専門家の助言等をいただき、設置の有効性や他団体の稼動状況等を研 究し、本市としての対応について検討する必要があります。 5. 学校給食調理場における食育の機能について 児童生徒が毎日食べる給食が、どのような施設や工程で調理されているのか を学習することは、食育の重要な役割を担っています。しかし、現在の学校給 食調理場では、調理工程の一部を見る程度であり、調理工程など多様な食育に ついて学ぶ諸室もなく、食育に関する啓発活動が十分ではありません。 6. 調理・洗浄業務の運営方法について 現在、調理及び洗浄業務を行なう正規職員38人のうち、今後5年間で19 人が定年退職を迎えるため、調理業務に支障が生じるおそれがあります。今後、 アウトソーシングについても検討していかなければならない状況となってお ります。 7. 配送校等の現状について 各調理場の配送校は、現在次のとおり ・第一学校給食調理場 小学校 6 校、中学校 3 校、特別支援学校1校 ・第二学校給食調理場 小学校 7 校、中学校 3 校 ・赤堀学校給食調理場 小学校 3 校、中学校 1 校、幼稚園1園 ・あずま学校給食調理場 小学校 3 校、中学校 1 校、幼稚園1園 ・境第一学校給食調理場 小学校 3 校、中学校 1 校 ・境第二学校給食調理場 小学校 2 校、中学校 2 校の 計 38 箇所へ民間委託によって配送を行っております。また、引き続き給食 までの時間は、調理から児童生徒への給食まで2時間以内とするよう取り組ま なければなりません。 3 Ⅱ 学校給食調理場の基本方針について 調理場を取り巻くさまざまな課題の解決に向けて、平成22年度から教育委 員会内に学校給食あり方庁内検討委員会を設置し、さらに学校給食運営委員会 の審議を経て、新調理場建設をはじめ各調理場の整備、再編及び運営等につい て調査、検討を行い次のとおり基本方針をまとめました。 1.調理場設置の方式について 自校方式とセンター方式の比較 <メリット> ① 配送の必要がないため調理時間にゆとりができ、出来たて の給食の提供が可能である。 ② 児童生徒に調理従事者の顔が見えることから、食育に期待 ができる。 ③ 食材確保が学校毎になるので地場産農作物の購入がしや すく、生産者の顔が見える。 自校方式 <デメリット> ① 調理場が分散するため、衛生面などの統一的な指示・取扱 いの徹底が困難になる。また、小規模校では調理員の負担 が増える。 ② 学校毎に栄養士や調理員の配置が必要なため、調理従事職 員の大幅な増員が必要となる。 ③ 各学校に調理室を設置するための莫大な工事費と建設敷 地の確保、長期にわたり工事期間を要する。 ④ 市街地の学校については、周辺に住宅が密集していること から近隣住民への騒音や臭いなどの影響が懸念される。 <メリット> センター 方式 ① 食材の安全確認及び管理が一元化でき、給食の安全性が高 まる。 ② 調理従事職員の人事管理や衛生研修等が一元化できる。 ③ 食材の仕入れが一括でできるため給食費への価格転嫁が 最小限に抑えられ、子どもたちへ還元できる。 ④ 現行方式の継続になるので納入業者等への混乱等を最小 限に抑えられる。 ⑤ 本体建設費や用地購入等のコストを抑制できる。 <デメリット> ① 配送時間を考慮した調理を行う必要がある。 ② 建設場所が必要であり、建設場所が限られる。 ③ 万が一の食中毒発生の際に集団化するおそれがある。 以上のとおり、各方式のメリットとデメリットを比較検討した結果、学校給 食調理場の整備に当たっては、センター方式による整備を基本とします。 4 2.食物アレルギー対応について 文部科学省の食物アレルギー対応指針には、学校給食における食物アレル ギーの大原則は「食物アレルギーを有する児童生徒にも給食を提供する。そ のためには安全性を最優先する。」とあります。最優先するべきことは、安全 性であることから作業が煩雑にならず単純で軽いことが求められており、そ のためには、第一に対応する児童生徒数を減らすこと。第二に対応する食品 数を減らすこと。第三に複雑、過剰な対応をしないこと。第四に原因となる 食品を提供するか完全除去するかの二者択一にするなどの対応が必要であり ます。また、既往症のある児童生徒だけでなく新たに発症する事例(甲殻類 や運動誘発性など)や調味料又はだし等の対応が必要な重篤なアレルギーを 有する場合などがあり、いずれの場合においても安全性の確保ができなけれ ば給食の提供は難しくなります。 さらに、食物アレルギーの対応は、個人の努力や良心に任されるものではな く、組織で対応することが重要であります。給食の提供のためには、献立の工 夫、人員の確保、担当者の知識や技術の向上等細部にわたる準備とチェックが 必要であります。 以上を検討した結果、学校給食は食物アレルギーを有する児童生徒への給食 提供は、保護者との面談等により意思確認の統一を図り、親切丁寧な説明に心 がけ保護者と職員が相互に詳細献立を確認したうえで、給食を提供する対応を 基本とし、必要に応じては弁当の持参をする「レベル1※2及び2」の対応が 最も適切であると考えられますが、基本設計の中で検討します。 3.環境への取り組みについて 給食残渣(調理くず・食べ残し等)は、年間約 337t(1 日平均約 1,700 ㎏) を焼却処分しております。そこで、給食残渣の削減を目的に調理方法の改善、 献立の工夫等を行っておりますが、今後はリサイクル等についても積極的に 推進し、環境に配慮して取り組んでまいります。 5 4.地場産農作物の利用について 学校給食の食材の調達は、伊勢崎市学校給食センターの給食用物資調達要 綱に基づいて、本市登録業者による入札又は見本を検討した見積合わせによ り行っております。特に、地場産農作物については、児童生徒が郷土への理 解や関心を深め、地域の農業や食文化を学ぶなどの教育的観点から引き続き 積極的に活用したいと考えており、現在、米飯や一部の野菜について伊勢崎 市産を使用しています。食材の安全性の確保を第一としつつ、まずは伊勢崎 市産の食材で、次は群馬県産、国内産、という順位を基本として、JAや農 業者団体との連携を図りながら地場産農作物の活用の拡大を図ります。 5.施設整備の方針について 老朽化の著しい第一、赤堀及びあずまの3調理場に対応するため、調理能力 最大約 12,000 食規模の新調理場を建設する必要があります。また、第二、境 第一及び境第二調理場については、給食数の推移に注視をし、施設の統廃合等 を検討するなかで長期的な整備計画の策定が必要であります。 また、事業の実施に当たっては、調理終了から給食までに要する時間を厳 守し、全調理場において配送校の見直し等を行うこととします。(P.13) ○給食数の推移(1 日当たりの食数) 調理場 第一 第二 赤堀 あずま 境第一 境第二 平成 23 年度 5,941 6,905 2,655 2,736 1,197 1,453 20,887 平成 24 年度 5,827 6,878 2,695 2,688 1,150 1,442 20,680 平成 25 年度 5,775 6,801 2,723 2,776 1,142 1,420 20,637 平成 26 年度 5,673 6,785 2,691 2,762 1,126 1,378 20,415 平成 27 年度 5,587 6,600 2,706 2,759 1,113 1,341 20,106 年度 計 6.公立幼稚園の給食について 現在、あかぼり及びあずま幼稚園は、調理場から給食の提供を行っておりま すが、今後、施設の整備の状況や少子化に伴う子どもの推移を見極めながら、 公立幼稚園への給食提供について継続して検討します。 6 Ⅲ 新学校給食調理場の基本計画(案)について 1.安全性の確保について 第一、赤堀及びあずま調理場の再編に伴う新学校給食調理場の建設に当た っては、現在のセンター方式を基本とし「学校給食衛生管理基準」及び「大 量調理施設衛生管理マニュアル」など関係法令等に適合した施設整備を行い 完全ドライシステムとします。大規模な調理場になりますが、2500 食~3000 食を4献立で調理し、手作り感のある安心・安全な給食を提供します。 また、調理時間を充分に確保するとともに、作業動線を簡略化しメインの汁 物等の釜を小型化して複数設置することや、調理従事者と一般外来者のゾーン を区分することで衛生管理を徹底し、リスクの回避と分散化を図ります。 さらに食品検査室を設置して、現行の放射能測定をはじめとして、残留農 薬検査など食材検査体制を強化します。 2.食物アレルギー対応について 学校給食は食物アレルギーを有する児童生徒にとっても「食の大切さ」「食 の楽しさ」を理解する大きな役割を担っており、最近の学校給食調理場の建 設では、食物アレルギー専用対応室を整備するのは一般的となっております。 しかし、現在、アレルギーの要因となる食品は様々であり、子ども一人ひと りに対応したアレルギー対応食の提供は困難な状況にあります。また、他の地 方公共団体においては、調理場建設にあわせ食物アレルギー専用対応室を設け たものの未稼動の施設もあります。 本市としての給食における食物アレルギー対応については、個々の家庭にお いて対応していただくことを基本として、現行の「レベル1及び2」とし、的 確な実態把握と食物アレルギーに対する相談体制の充実を図ることに主眼を おき、食物アレルギー専用対応室については引き続き検討していきます。 7 3.運営方式について 調理及び洗浄業務については、現在全場とも市が雇用した調理員で行なって いますが、正規調理員の定年退職による減員等によって、運営が困難になるこ とが想定されます。調理・洗浄業務の民間委託や、新たな建設にあたっての PFI 事業※3 等を視野に入れ、関係部局等と協議を進め慎重に検討を進めました。 その結果、学校給食を実施するにあたって最も優先すべきことは安心・安全 で安定的な供給体制を維持することであるため、新調理場の運営方式について は、調理食数の半数以上を民営化するにはリスクが高く、責任の所在が曖昧に なり、民間事業者の能力・経営状態によっては調理(給食)業務に支障がでる ことも懸念され、安定的な供給が確保できないことも想定されることから、市 が責任をもって児童生徒へ給食を提供する直営で業務を行うこととします。 配送業務については他の調理場と同様に民間委託を継続します。米飯・パ ン・牛乳等についても、これまでと同様に民間事業者から購入し、各学校への 直送とします。 4.食育について 本市は、「健康いせさき21(第二次)(平成27年3月)」において、食の 大切さを理解し、食への感謝の気持ちと健康に生きるため「食べる力」を育て ることを目標としています。そのため、調理工程を見学できる通路や研修室等 を設けて、児童生徒をはじめ広く市民に対しても、食育に取り組める施設とし ます。栄養教諭及び学校栄養職員による各校への食育指導訪問も、これまでと 同様に継続します。 また、地場産農産物の利用をより促進するため、野菜の泥落とし室や野菜専 用冷蔵庫・冷凍庫等を整備します。 8 5.食器について 現在使用している食器の種類は、飯椀、汁椀、仕切り皿及びトレーであり、 新調理場でも同様の種類を基本とします。 材質については、第一・第二・赤堀・あずま学校給食調理場の配送校では合 成樹脂製の食器を使用し、境第一・境第二学校給食調理場の配送校では強化磁 器製の食器を使用しています。合成樹脂製は軽く・割れにくいという利点があ ります。一方、強化磁器製は重く割れやすいですが、物を大事にする心を育む という利点があります。それぞれを比較検討した結果、園児や低学年の児童の 使用を考慮し、運搬や洗浄での作業性の点から、新調理場で使用する食器の材 質は軽く・割れにくい合成樹脂製を基本に計画します。 6.厨房設備について 子ども達に栄養バランスに優れ、安心安全な給食を提供するために、多様な 献立に対応した機器を備え「調理後2時間以内に喫食」を可能にします。安全 な調理を行うため、後戻りのない一方向の動線を計画し、食材別に専用ライン を計画して交差汚染を防止します。 また、回転釜は輻射熱を低減し、火傷の防止や空調負荷の低減を考え低輻射 タイプとし、厨房・洗浄機器に必要となる蒸気ボイラーは、故障等に備えて複 数台の並列運転とするとともに、熱源についてはA重油を基本に計画します。 7.リサイクル等環境への取り組みについて 現在、ダンボールや廃油のリサイクル、食べ残しを減らすための調理方法の 改善及び献立の工夫等に取り組んでいますが、新調理場の建設の際には、さら に環境負荷への低減を図るため、省エネルギー設備の導入及び3R※4への取り 組みを強化し、給食残渣の有効活用等も検討し、環境に配慮した施設運営を基 本に整備していきます。また、現在使用している備品の再利用ができる施設整 備を行います。 9 8.地球環境への配慮について (ア)省エネルギー対策 ・空調設備はゾーン別とし、インバータ制御を行う。 ・厨房機器や衛生設備は省エネ型・節水型の機器を導入する。 ・照明機器は LED 照明や人感センサーを導入する。 (イ) 二酸化炭素排出量の抑制 ・ 二酸化炭素の排出量の抑制を考慮して熱源や設備機器等を選定します。 (ウ)ライフサイクルコストの縮減 ・ ライフサイクルコストを縮減するため、耐久性の高い建築部材を採用し、 設備機器はメンテナンスの容易なものとする。 9.周辺環境への配慮について 隣接する住宅地・グラウンドゴルフ場や、 「空っ風」を考慮した配置計画とし、 敷地周辺には緩衝緑地を設けます。樹種については、虫がつきにくく病害虫が 発生しにくいものを選定します。また施設の外観は、学校給食調理場として清 潔感を表現するとともに、周辺の緑と調和する落ち着いた雰囲気の建物としま す。 10.敷地計画について 配送・回収車両と一般車両、食材搬入車両の通行経路を区分し、構内を一方 通行とすることで、車両の交錯を防ぎ敷地内の安全を確保します。構内通路は 6.0m以上の幅員とし、食材搬入口やコンテナ集配口には13m以上の車両転回 スペースを確保します。また、来訪者の利便性に配慮して、車いす専用駐車場・ 来客者駐車場と駐輪場を配置します。 11.建物と設備について 建物は鉄骨造で地上2階建てとします。1階は調理・洗浄スペース及び事務 室等とし、2階には会議室や調理員休憩室・見学通路等を配置します。ユニバ ーサルデザインを取り入れエレベーターや多目的トイレ等を設置して、見学等 の利便性に配慮し市民に親しまれる建物とします。 10 12.建設用地について 1 日最大約 12,000 食規模の新調理場を建設するためには、10,000 ㎡以上の 土地が必要であります。そこで給食の配送区域見直しに伴う配送時間及び幹線 道路や上下水道の整備状況等を考慮した結果、市有地である西小保方沼公園を 候補地としました。 (位置図) 新調理場建設 予定地 あずま調理場 (現況写真) 11 13.建設等スケジュールについて 今後のスケジュールについては、平成28年度に実施設計、平成29年度~ 平成30年度に建設工事を行い、平成31年度の1学期を外溝や植栽工事、夏 休み期間を備品等の搬入及び調理員のシミュレーション期間として、平成31 年度の2学期を稼動開始の目標とします。その後、旧施設の解体等を予定して います。 内容 年度 平成28年度 平成29年度 平成30年度 平成31年度 実施設計 建設工事 準備期間 稼動開始 2 学期から 14.新調理場完成予想図(基本設計から) 12 15.配送区域の再編について 新しい調理場の配送区域は、市北部の小中学校を予定しています。併せて第 二学校給食調理場の区域を市南西部とします。境第一及び境第二学校給食調理 場は現状どおりとします。また、配送にあたっては、保温保冷機能の優れた容 器を使用し、引き続き調理後2時間以内の提供に努めます。 13 以上を本市の学校給食調理場整備及び再編の基本的な方針と計画とし、新学 校給食調理場建設をはじめ、順次、既存の調理場の整備及び再編等を実施して まいります。なお、新学校給食調理場の建設地は、配送区域を見直しすること で配送が可能であり、また、市有地でもあることから西小保方沼公園が適地で あると考え建設に取り組みます。 Ⅳ 資料編 用語説明 ※1 HACCP(ハサップ)とは、 食品の製造・加工工程のあらゆる段階で発生するおそれのある微生物汚染 等の 危害をあらかじめ分析( Hazard Analysis ) し、その結果に基づ いて、製造工程のどの段階でどのような対策を講じればより安全な製品を 得ることができるかという 重要管理点( Critical Control Point )を 定め、これを連続的に監視することにより製品の安全を確保する衛生管理 の手法です。 ※2 アレルギー対応のレベルについては、次のとおりです。 【レベル1】は、詳細献立による対応 【レベル2】は、一部弁当又は完全弁当の持参による対応 【レベル3】は、アレルギー食物の除去による対応 【レベル4】は、代替給食による対応 ※3 PFI(ピーエフアイ)事業とは、 Private Finance Initiative の略語で、公共施工等の設計、建設、維 持管理及び運営に、民間資金とノウハウを活用し、公共サービスの提供を 民間主導で行う事業手法のことをいう。 ※4 3R(スリーアール)とは、 循環型社会の形成に向けた三つのR。Reduce(リデュース) (ごみを減 らす) 、Reuse(リユース) (繰り返し使う)、Recycle(リサイクル) (再び 資源に使う)のことをいう。 14
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