教 育 研 究 業 績 書

教 育 研 究 業 績 書
藤尾 かの子 著書、学術論文などの名称
(修士論文)
モンテッソーリ教育における音
楽の基礎学習過程の特質
―〔音感ベル〕の活動に着目
して―
発行又 発行所、発行雑
単著、共著
は発表 誌等又は発行学
の区別
年月日
会等の名称
単著
平24. 9 エリザベト音楽大学
概 要
エリザベト音楽大学に提出した平成24年度の修士論文。
モンテッソーリ教育における基礎学習において用いられる音感ベルの学習
過程の特質を検討した。その結果,将来的に子どもが音楽を通して自己表
現することが目指されていた。特質として,日常的に生の演奏による質の
高い音楽に触れることや,教具や教材を用いて音楽活動を行うことを通し
て,音楽の諸要素を学ぶことが目指された活動内容が示されていることを
指摘した。
(学術論文)
モンテッソーリ教育における音
楽指導に関する研究―「動き」
に着目して―
単著
平26. 3 『教育学研究紀要
モンテッソーリ及びマッケローニによって発展された「動き」に関する活動内
(CD—ROM版』(中国 容を検討した。その結果,「動き」に関する活動では,子どもが様々な種類
の音楽の聴くことを通して,楽器を使用して拍子をとる,歌いながら動く等の
四国教育学会)
方法が用いられていた。特筆すべき点は,彼女らの指導法が,教師主導型
第59巻
ではなく,子どもが自分の力で音楽に合わせて動くことを通して,音楽の様
々な要素を感覚的に知覚する方法が重視されていることであった。pp.485-490。
モンテッソーリ教育における
音感ベルの学習過程の特徴
―アンナ・マリア・マッケローニ
の音楽指導に着目して―
単著
平26. 3 『音楽文化教育学
研究紀要』(広島大
学大学院教育学研
究科音楽文化教育
学講座)第26巻
モンテッソーリ教育法が実践され始めた当初から,音感ベルはモンテッソー
リ教育における音楽の活動において基礎的な教具として位置づけられてい
た。しかし,わが国におけるモンテッソーリ教育法を実践している保育施設
等では,音感ベルの使い方や活動内容が資料で明示されていないことによ
り,音感ベルはその他の教具と比較して軽視されている。そこで,音感ベル
の学習過程が明示されているマッケローニの著書を検討することによって,
その活動内容を明らかにした。
A.M.マッケローニの音楽指導
法に関する研究―Music Book
: The First Bookの検討を通し
て―
単著
平27. 3 『音楽学習研究』(音 6分冊から成るマッケローニの著作物,Music Book の中から,第1巻のThe
楽学習学会)第10巻 First Book を検討した。この冊子は,マッケローニの音楽指導法の最も基礎
的な内容が示されており,モンテッソーリ教具である「音感ベル」が主要な教
具として取り扱われている。マッケロー二は,子どもが自分の耳で音を感覚
的に聴き分ける指導法を基点としていることが明らかになった。さらに,子ど
もが活動を通して内的に蓄積した音に,音楽的なシンボル及び言語を一致さ
せ,記譜・読譜の能力を身につけさせる指導法までが含まれていた。pp.31-38。
A.M.マッケローニの音楽指導
法に関する研究―Music Book
: Value of Notesの検討を通し
て―
単著
平27. 3 『教育学研究紀要
6分冊から成るマッケローニの音楽指導書,Music Book の2冊目に位置する
(CD—ROM版)』(中国Value of Notes ,及び彼女の音楽教育観について言及されている
The Montessori Method を合わせて検討した。その結果,「歌う」及び「動く」
四国教育学会)
アプローチを通して,音の長さを体験させる→音符や,音符の名称を視覚的
第60巻
に提示する→音価に対する概念を形成させる,という指導方法の道筋が,ど
の活動においても一貫していること,音価を学ぶ活動における最終的な目
的として,基礎的な歌唱力や,作曲・音楽劇等の創作活動を行う力を身に付
けることが設定されていること等が特徴として明らかになった。pp.182-187。
モンテッソーリ教育におけるリ
ズム活動の特徴―史的変遷
の分析を通して―
単著
平27. 3 『モンテッソーリ教育』モンテッソーリ教育におけるリズム活動の際立った特徴として,線上歩行か
第47号(日本モンテ らリズム活動へ自然に移行する活動過程が示されていること,子どもの自由
な表現を重んじる方法が用いられていること,音楽的要素を概念化させる系
ッソーリ協会)
統的な活動過程が示されていること,という3点が明らかになった。
pp.113-127。
(学会発表)
マリア・モンテッソーリの初期
音楽教育について ―幼・小
のための音楽教育を『自動教
育』(1916)から探る―
単独
平24. 3 日本音楽教育学会 モンテッソーリの著作において最も音楽の活動内容が系統的に示されてい
中国四国地区例会 る L'autoeducazione (1916)を中心に取り扱い,1907年に開設された「子ど
もの家」における音楽の活動内容を検討した。
(於:高知大学)
検討の結果,当時の音楽の内容は,1)音階,2)楽譜の読み書き,3)長音
階,4)リズム運動,5)音楽を聴くこと,という5つの項目に分類されおり,
数多くの教具・教材を用いた自己教育の方法で実践されていた。
モンテッソーリ教育における
音楽の基礎学習過程の特質
単独
平25. 3 日本音楽教育学会 修士論文と同様。
中国四国地区例会
ー〔音感ベル〕の活動に着目
して―
モンテッソーリ教育におけるア
ンナ・マッケローニの音楽指導
の特質―音感ベルの学習過
程に着目して―
(於:広島大学)
単独
平25. 7 日本モンテッソーリ
モンテッソーリ教育法が実践され始めた当初から,音感ベルはモンテッソー
協会(学会)第46回 リ教育における音楽の活動において基礎的な教具として位置づけられてい
た。しかし,わが国におけるモンテッソーリ教育法を実践している保育施設
全国大会
等では,音感ベルの使い方や活動内容が資料で明示されていないことによ
り,音感ベルはその他の教具と比較して軽視されている。そこで,音感ベル
の学習過程が明示されているマッケローニの著書を検討することによって,
その活動内容を明らかにした。
モンテッソーリ教育における
アンア・マリア・マッケローニの
音楽指導に関する研究―「楽
譜を読むことを中心に」―
単独
平 25. 8 第9回音楽学習学会・マッケローニの音楽指導の中から,「楽譜を読む」活動内容及び学習過程に
第1回亜州芸術教育 焦点を当てた。その結果,静けさを感じ取る活動を基盤として,音感ベルを
用いる活動へと移行していた。音感ベルの活動では,音を聴くことを基点と
学会合同大会
して,後に音と音名を結びつけ,五線譜を用いる読譜の活動へと展開されて
いることが明らかになった。
モンテッソーリ教育における
「音階を構成する」学習過程の
特徴―アンナ・マリア・マッケロ
ーニの音楽指導に着目して―
単独
平25. 10 日本音楽教育学会
第44回大会
モンテッソーリ教育における音楽活動では,子どもが自分の力で音楽の要
素を知覚するために,教具を用いて「音階を構成する」ことの重要性が強調
されている。マッケローニは,音階を自由に構成することのできる教具である
音感ベルとトーンバーを用いて,子どもが音階を構成する活動や,移調の
学習などを段階的に示していることが明らかになった。
モンテッソーリ教育における
音楽指導に関する研究
―「動き」に着目して―
単独
モンテッソーリ教育におけるト
ーンバーの学習過程の特徴
単独
平25. 11 中国四国教育学会
学術論文『教育学研究紀要(CD—ROM版』(中国四国教育学会)第59巻と同様。
第65回大会
平25. 11 日本教科教育学会
第39回全国大会
モンテッソーリ教育における音感ベルの発展的な教具として位置づけられて
いるトーンバーは, C4を基点として2オクターブの音が鳴り,音感ベルの音
域よりも取り扱う音域が広い。マッケローニはこの教具を用いることによっ
て,子どもが聴覚及び視覚を用いて,移調の概念を形成させることを目指し
ていることが明らかになった。
モンテッソーリ教育におけるリ
ズム活動に関する研究―エリ
ス・ブラウン・バーネットの音楽
指導に着目して―
単独
モンテッソーリ教育の音楽活
動におけるmovementの特徴
―マリア・モンテッソーリによる
構想及び実践をもとに―
単独
モンテッソーリ教育における
A.M.マッケローニの音楽指導
法に関する研究
―Music Book: The First Book
の検討を通して―
単独
モンテッソーリ教育における
A.M.マッケローニの音楽指導
法に関する研究―Music Book
: Value of Notes の検討を通し
て―
単独
モンテッソーリ教育における
歌唱活動に関する一考察
―A.M.マッケローニの音楽指
導法に着目して―
単独
(公開講演・講座)
モンテッソーリ教育におけるリ
ズム活動
平26. 3 日本音楽教育学会 モンテッソーリ教育法を基盤としたリズム活動のアプローチ法を考案した人
中国四国地区例会 物に,バーネットが挙げられる。バーネットの音楽指導は,音楽を聴いて自発
(於:鳴門教育大学) 的に動く経験が基盤となって,後に,音楽用語や音符を結びつけて音楽的な
要素を概念化させる方法が採用されていた。
平26. 8 日本モンテッソーリ
学術論文『モンテッソーリ教育』第47号(日本モンテッソーリ協会)と同様。
協会(学会)第47回
全国大会
平26. 10 日本音楽教育学会
学術論文『音楽学習研究』(音楽学習学会)第10巻と同様。
第45回大会
平26. 11 中国四国教育学会
学術論文『教育学研究紀要(CD—ROM版)』(中国四国教育学会)第60巻と同様。
第66回大会
平26. 11 日本乳幼児教育学
会第24回大会
マッケローニの音楽指導法では,歌唱が,音楽の要素を概念化させるため
のアプローチの1つとして用いられていること,歌唱活動の導入部において,
歌うことそれ自体が,幼児の自発性に委ねられていることの,2点の特徴が
明らかになった。
共同
平26. 6 日本モンテッソーリ
本講演は,主にモンテッソーリ教師達に向けて開催された講演会である。本
協会(学会)中国支 講演の前半では,モンテッソーリらが考案した音楽分野について,史的な視
部2014年中国支部 座から活動内容および活動の過程を示した。さらに,その中でリズム活動の
位置づけをおこなった。後半では,バーネットによって考案されたリズム活動
研修会
の実演を行い,指導法や演奏法のポイントを解説した。