平成27年度 中国経済産業局長表彰受賞者 功労賞〈組合役員等〉 ● 組合役員としての功績のみならず、輝かしい実績を上げた作陶活動を通じても産地振興に貢献 氏 名:柴岡 正志(しばおか まさし) 現 職:協同組合岡山県備前焼陶友会 監事 連絡先:柴岡陶泉堂(0869)64-2162 功 績: 組合役員としての功績 協同組合岡山県備前焼陶友会の役員として9年間以上 にわたり尽力。平成22年には、理事として、産地を取 り巻く環境の変化をとらえ、組合事業を推進することの 必要性を訴えるなど、組合創生期以来となる伝統的工芸 品産業の振興に関する法律に定める産地振興のための事 業計画(第2次振興計画)策定に貢献するとともに、事 業の実施に貢献。 また、平成18年5月からは、協同組合岡山県備前焼 陶友会原材料委員会役員(委員長、副委員長)を歴任。 原材料確保に向けた対策会議を主催するなどし、枯渇が 懸念されるひよせ粘土及び松割木の確保に貢献している。 更には、備前焼まつりの開催において、特に協賛金の 集金に尽力し、財政面から備前焼まつりの運営を支え、 県下有数のイベントとして定着させるとともに、まつり を通じた備前焼の消費者への普及に貢献した。 その他の功績 昭和40年高校卒業後、陶芸家を志し、京都市立工芸指導所にて学ぶ。昭和41年からは父二代 目柴岡香山のもとで研鑽を積む。昭和43年に岡山県美術展に初入選すると、以後入選を重ね、そ の地位を確立した。平成10年に三代目柴岡香山を襲名、平成19年に伝統工芸士として認定を受 け、平成20年、23年には全国伝統的工芸品公募展に入選、平成22年には日本伝統工芸士会作 品展奨励賞を受賞。今日に至るまで、技術・技法の継承及び向上に努めている。平成27年6月か らは、備前焼伝統工芸士会の会長も勤めている。 後継者の確保・育成にあたっては、陶芸家を志した弟に始まり、長男、二男に技術を指導し、彼 らを備前焼作家として育成した。また、これまでに陶工4名を一人前の備前焼作家へと育てあげる など、大いに貢献した。 功労賞〈伝統工芸士〉 ● 熊野筆製造に従事し31年、筆づくりへの模範的姿勢を通じ、技術継承に貢献 氏 名:沖本 信子(おきもと のぶこ) 現 職:株式会社一休園 嘱託職人 連絡先:株式会社一休園(082)854-0019 功 績: 昭和55年株式会社一休園に入社し、 中川敏朗氏に師事し、毛筆穗首製造に従 事。60歳定年退職後も現在にいたるま で職人として伝統的技術・技法の継承及 び向上に努めている。平成25年に伝統 工芸士に認定されてからは特注の書家用 筆の作成に従事。 勤務先において、後輩の従業員に対し て、積極的に技術指導を行い、5名以上 の後継者の確保及び育成に貢献している。 また、伝統工芸士に認定され、体験教 師としての要件を満たして以来、欠かす ことなく、児童・生徒に対する伝統的工 芸品教育事業に体験教師として参加。児童・生徒が伝統的工芸品に慣れ親しむことを通じ、日本固 有の歴史や文化に対する関心・理解を高めることにより、伝統工芸品産業の振興に貢献している。 職人として優れた技術及び産業の振興に寄与し、衆人の模範と認められる業績を上げたことから、 平成23年熊野町商工業優秀従事者表彰を、平成25年には全国書道用品生産連盟優秀技術者表彰 を受賞している。 ● ロクロを回して70年、御年85歳の現在も現役を貫き、技術の向上、継承に尽⼒ 氏 名:佐藤 満(さとう みつる) 現 職:佐藤ろくろ木工所 代表 連絡先:佐藤ろくろ木工所(0829)74-2349 功 績: 父がロクロ職人であった影響もあり、昭 和19年学徒勤労動員で、鳥取へ赴いた際 にも、木工所でロクロ成形に携わる。昭和 21年宮島へ戻り、父から指導を受けつつ、 木工所へ勤め、本格的に宮島細工の技法を 習得し、昭和35年父の跡を継ぐ。 平成2年、木材の需要拡大を目指した旧 比和町の要請を受け、いざなみ工房にてロ クロ士育成のため、地元の住民などに技術 指導を行うとともに、観光客との交流の中 で、宮島細工を含む、木材工芸品の需要開 拓と消費者への普及に貢献した。 写真提供 株式会社SISコンサルティング 平成6年に旧佐伯町玖島へ拠点を移した 後にも、従業員や、他の木材・木製品製造業従事者を指導、継承し、延べ20人以上の後継者の確 保及び育成に貢献している。平成17年の市町村合併により、事業所の所在地が宮島細工の指定産 地となったことで、平成23年に産地組合に加入し、翌年2月に伝統工芸士に認定された。 これまで手がけた作品は、昭和52年に第3回宮島産業品振興大会宮島産業振興会長賞を受賞し たほか、厳島神社1400年祭記念品(湯呑み、茶托等2,000点以上)や、武者小路千家生誕 記念品(なつめ1,000点以上)に採用されており、職人として確固とした地位を築いている。 85歳となる今日に至るまでロクロを回し、伝統的技術・技法の継承及び向上に貢献している。 ● 作陶活動を通じた技術の向上、継承のみならず、組合役員としても産地振興に貢献 氏 名:福郷 惣作(ふくごう そうさく) 現 職:雪舟窯 代表 連絡先:石見陶器工業協同組合(0855)57-0155 功 績: 昭和30年、中学卒業後、父に師事し作陶を始 めた。昭和51年に島根県総合美術展銀賞の受 賞を皮切りに、昭和53年新日本美術協会展の 新人賞を受賞するなど、受賞多数。昭和55年 雪舟窯の代表となった。平成12年に伝統工芸 士として認定され、翌年から今日に至るまで、 長男に技術を指導し、後継者の確保及び育成に も貢献するとともに、伝統的技術・技法の継承 及び向上に努めている。 また、伝統的な技法にとらわれることなく、 耐火粘土を用いた製造技法による商品の開発を 行うなど、新たな需要の開拓にも貢献した。平 成23年からは石見焼伝統工芸士会会長を勤めている。 その他の功績 石見陶器工業組合の役員としても産地振興に貢献しており、平成17年からの5年間は組合の理 事長として尽力。特筆すべきは、地元で開催される「大もの研修会」にて、需要の減少や作製に要 する労力から、石見焼のシンボルでありながらも、作製機会が減少し、その技法の継承が危ぶまれ ているハンドウについて、希望者が組合員であるかを問わずその作製技法について指導を受けられ るよう門戸を開き、技法の継承に貢献したことが挙げられる。ほかにも、今日に至るまで続く「陶 器祭り」を企画実施し、まつりを通じた需要の開拓及び消費者への普及に貢献するとともに、伝統 的工芸品石見焼検査委員会の検査を経て、統一マークである証紙を交付された作品のみを対象とし た展示会の開催を企画し、適正な情報提供にも貢献している。
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