合理的非協力者と非合理的非協力者

2 種類の非協力者:合理的非協力者と非合理的非協力者
Yamagishi, T., Li, Y., Takagishi, H., Matsumoto, Y., & Kiyonari, T. (2014). In search of Homo economicus.
Psychologhical Science, 25(9), 1699-1711. (The graphs presented here include additional data.)
Frequency of participants
社会的ジレンマ実験、特に 1 回限りの匿名状況においては、合理的自己利益追求者は、自分
自身の利益だけを目的とした向自己的な選択をするはずである。我々は、7 回の独裁者ゲーム(毎
回相手は変わる)においても、2 回の順序付きの囚人のジレンマゲーム(これも、毎回相手が変わ
る)においても、相手に利益を与える行動を全くとらなかった参加者(n=31)を、合理的非協力者(ホ
モエコノミカス Homoeconomicus:HE)として定義した。さらに HE よりもわずかに協力的だが、協力
度が極めて低い参加者たちを準ホモエコノミカス Quasi-Homoeconomicus:qHE)として定義した。
我々は当初、qHE は、HE ほど徹底していない合理的自己利益追求者だと考えていた。しかしなが
ら、彼らは非合理的非協力者であった!
1
300
SAINT: Always cooperated
250
ORD: Ordinary; middle range of
cooperation
qHE: Quasi-Homoeconomicus
whose cooperation levels were
very low.
200
150
HE: Homoeconomicus who never
cooperated
100
HE も qHE も他者の
利益のことを考えな
い自己利益的な人
である。
0.75
0.5
0.25
50
0
SAINT ORD
qHE
0
HE
SVO Pro-self
しかし、2つのグループの非協力者は、多くの点で異なっていた。その一部を下の図に示す。
84
163
157
0
-0.5
151
145
Male
Female
-1
40
Life Satisfaction
92
169
0.5
45
0.5
General Trust
100
Physical Height
IQ
108
175
Big 5 Neuroticism
116
0
-0.5
-1
35
本研究の参加者の約 7%は、知能が高く、純粋に自己利益のみ
を追求するホモエコノミカスタイプの参加者である。彼らは、他の人
よりも背が高い。
さらに 9%の人々は、協力行動の欠如という点ではホモエコノミカ
スと似ているが、別の点ではホモエコノミカスとは全く異なる人々で
あった。彼らは、信頼の低さと不安の高さにより特徴づけられる。
Impulsivity (no control)
2.6
2.4
2.2
2