事業計画書 - 公益社団法人 北海道馬鈴しょ生産安定基金協会

平成 27 年度事業計画書
平成 27 年 4 月 1 日から平成 28 年 3 月 31 日まで
1.事業運営方針
近年、北海道の馬鈴しょは、作付面積の減少や作柄不良により減産傾向に
あり、平成 26 年産作付面積は、51,500ha で前年より 900ha 減(前年比 98%)
の実績となっており、用途別の作付比率は、推定で生食・加工用 58%、でん
粉用 31%、その他 11%となっております。
農作業は、気温が高く降水量が少なかったことから、馬鈴しょの播種作業
は順調にスタートしました。
その後、天候は順調に推移し、馬鈴しょ総体では、品質を含め平年作以上
の生産を確保することが出来ました。
10a 当たり収量は 3,720kg(前年比 104%)、収穫量は 1,916,000 トン(前
年比 102%)となっております。
一方、馬鈴しょでん粉生産量につきましても、原料処理数量は概ね 848,000
トン、馬鈴しょでん粉生産量は 193,000 トン(前年比 105%)の見込みであり
ますが、国が定める計画生産数量 240,000 トンに対して大きく未達の状況に
あります。
このため、馬鈴しょ及びでん粉の安定生産に向けた対策としては、品種改
良、栽培技術、病虫害対策技術の開発を優先しており、特にシストセンチュ
ウ抵抗性で高収量を目標としたでん粉原料用専用品種の早期開発を取り進め
て参ります。
でん粉の流通、販売面においては、道産でん粉の生産量が減少しているこ
とにより、一部ユーザーは原料調達を外国産へ代替するなど、需給の逼迫は
深刻化しております。
また、TPPを始めとして国産でん粉に係る今後の国内外情勢も予断を許
さない状況にあります。
この様な情勢を踏まえ、馬鈴しょ及びでん粉の生産振興等、直面する課題
を解決すべく、関係機関・関係団体と連携をとった事業運営に努めて参りま
す。
(注)文中の計数は、農水省・中央会・ホクレン調べに基づく。
2.具体的事業計画
(1)研究助成事業
試験研究事業として馬鈴しょの安定生産を目的とした品種改良、病虫害
対策及び栽培技術の開発に向けて、また調査研究事業として馬鈴しょでん
粉の特性を活かした食品利用開発に向けて、それぞれ公募による助成事業
として実施し、直面する課題解決に向けた事業展開を図ります。
ア.試験研究事業
(ア)初期世代からの馬鈴しょ疫病抵抗性系統の選抜強化
(イ)でん粉原料用馬鈴しょにおける低離水率・低リン含量系統の選抜強
化
(ウ)DNA マーカーによる馬鈴しょ耐病虫性品種の開発強化
(エ)でん粉原料用馬鈴しょにおける多収品種の開発強化
(オ)でん粉原料用有望育成系統の主産地適応性検定試験
(カ)DNA マーカーなどを利用したバレイショ遺伝資源の特性評価
(キ)馬鈴しょ育成系統の早期肥大性検定試験
(ク)ジャガイモシストセンチュウ抵抗性育種素材の簡易検定法の改良
(ケ)健全種苗生産のためのジャガイモ黒あし病の発生要因の解明と種い
も汚染リスク低減対策
(コ)馬鈴しょに発生する重要ウィルスの病原性解明と検出技術の実用化
(サ)国内各地由来のジャガイモ粉状そうか病菌間の病原性の比較
(シ)でん粉原料用馬鈴しょの収量低減要因解析事業
(ス)ばれいしょ新品種「北育 20 号」の安定多収栽培法確立と現地実証
(セ)ばれいしょ新品種「コナヒメ(HP07)」の特性試験
(ソ)ジャガイモシストセンチュウ対抗植物のコムギ間作栽培法の開発
イ.調査研究事業
(ア)馬鈴しょでん粉のレジスタントスターチ含量の評価と食品中のレジ
スタントスターチ含量を高める調理・保存技術の開発
(2)普及啓発事業
道内馬鈴しょ及び馬鈴しょでん粉の安定的生産及び生産性向上に寄与す
るため、生産者、JA、道、市町村、澱粉工場、研究機関、大学などを対象
とした講習会の実施等により、馬鈴しょの栽培技術・新品種開発・流通動
向など各種情報に関する普及啓発を図ります。
ア.馬鈴しょ栽培講習会の開催
イ.各種試験成績集などの作成
ウ.「協会だより」の発行
エ.ホームページの運営
(3)需給調整事業
ア.平成 26 年産馬鈴しょでん粉の供給量が前年需要量を大幅に上回り、
需給に著しい不均衡が生じたことから、その需給を調整するために調整
保管事業を行っております。
イ.馬鈴しょでん粉の需給動向の把握と、調整保管事業の発動可否を判断
するため、平成 27 年産馬鈴しょ及び馬鈴しょでん粉の生産見込を立て、
それに基づき、馬鈴しょでん粉の需給調整に関する調査検討を行います。
3.財務及び総務
日本経済の動向並びに国内外の金融情勢を的確に把握し、資産運用規程に
基づき適正な運用管理に努めます。
また、公益法人の基準に則った効率的な事業運営を行い、経費の縮減にも
努めてまいります。