サブミクロン精度の高精度計測をインラインで 超高速干渉計測3次元センサ 「heliInspectシリーズ」 株式会社リンクス/富田康幸 近年、高精度かつ高速に3次元データを取得できるデバイスが市場に増えてきており、3次元情 報を用いた検査やピッキングが盛り上がりを見せている。光切断方式の3次元センサは比較的早 くから技術が確立され、リーズナブルな価格帯で高速に広い視野の3次元データを取得できるこ の手法は、その特性からインラインで広く活用されるまで実用化されてきた。しかしながら、三角 測量を原理とした本手法は、最も高精度なものでも数µmオーダーでの測定精度となり、サブミク ロンの高精度計測には原理的に無理がある。サブミクロンオーダーでの計測には、白色干渉方式 などが用いられるが、これらは非常に計測時間のかかる手法として知られており、インラインでの 実用という意味で難があった。 本稿では、われわれリンクスが取り扱う超高速干渉計測3次元センサ「heliInspectシリーズ」が、 上記の課題に対してどのように寄与することができるのかを中心に紹介する。 超高速干渉計測3次元センサ 1 「heliInspect」 している。 通常の画像処理では困難であった透明な液面や ガラス、反射率の高い金属などの形状計測も、正 対象物の 3 次元形状を計測する手法は様々だが、 確に計測することを可能としており、極小はんだ サブミクロンオーダーで計測可能な手法として、 ボールの形状検査、コプラナリティ検査、レンズ 光干渉法がある。リンクスでは、2013 年初頭より 表面形状検査、膜厚検査など、これまで困難とさ heliotis社 (スイス) の光干渉断層 3 次元計測センサ れてきたアプリケーションへの適用が期待される。 「heliInspect シリーズ」の取扱いを開始し た(図1) 。heliotis 社の光干渉断層計測 3 次元センサは、対象物の 3 次元形状をサ ブミクロンの高精度で計測することを可 能としている。従来はその計測タクトゆ えインライン用途には適用が難しかった 干渉計であるが、スイス政府の支援のも と CMOS ベースの専用 ASIC を研究開発 し、素子内で超高速データ処理を行うセ ンサ「heliSens3」により、計測時間の劇 的な短縮と超高精度を高いレベルで両立 図 1 heliInspect シリーズ eizojoho industrial October 2015︱55
© Copyright 2024 ExpyDoc