3 3 交 通 社 会 実 験 の 実 施 結 果 松島町交通社会実験結果について (1)交通状況について 1 1 交通社会実験の概要 背景 ・松島町は日本三景として有名な松島をはじめとする日本を代表する観光地で、年間約 300万人の観光客が訪 れます。 ・観光施設が集中し、松島町中心部を縦断する国道 4 5号は交通量が多く、観光シーズンをはじめ交通渋滞が著 しい状況にあります。 ・交通渋滞の悪化は、観光地へのアクセス性の低下を招くとともに、名勝・松島のイメージダウンにもつなが ります。 幹線道路における 交通量の変化 ・松島海岸地区の交通量は約1割減少、主要道路に対する国道45号の分担率は約2%減少 し、H25年12月の社会実験時とほぼ同程度の交通量の減少を確認(図 1) ・休日は交通量に変化は見られなかった。ただし、大型車交通量は減少(分担率は約 2%減 少)し、通過交通が分散されたことを確認。(図 1,4) 国道 45 号松島地区 における 旅行速度の変化 ・松島海岸地区は、交通量の減少に伴い、平日の平均旅行速度が4~8㎞/h 向上、H25年 12月の社会実験時とほぼ同程度の効果を確認(図 5) 国道 45 号主要交差 点における 渋滞の変化 ・平日は、松島海岸駅前交差点(国道45号(下り)流入部)、愛宕交差点(国道45号(下 り)流入部)で、交通量の減少により、渋滞が緩和(図 3) ・H25年12月の社会実験時に見られた愛宕交差点(国道45号(上り)流入部)の大渋 滞は発生せず、信号現示の見直しで改善されたことを確認(図 2) 松島海岸地区交通社会実験の実施 図 2信号現示調整前後の愛宕交差点における 平均旅行速度(7 ~1 9時)の変化 図 1断面交通量の変化(R 4 5 :松島海岸地区) 目的・狙い 国道 4 5号松島海岸地区の通過交通を分散し、観光シーズンにお ける交通環境の改善、名勝・松島のイメージアップにつなげます。 松島第一小学校前交差点 【H26年8月:平日】 (台/9h) 25,000 大型車 20,000 通過交通の分散 11,481 観光客で賑わう時期において、松島町に関連のない大型車等の通 過交通を他の路線へ誘導し、国道 4 5号松島海岸地区の渋滞緩和を 図ります。 松島海岸駅前交差点 5,000 L=1.2㎞ 10,205 2,305 10,000 0 (台/9h) 2,121 9,176 8,084 実験前 8/4(月) 実験中 8/26(火) 【H26年8月:休日】 25,000 20,000 11%減 (8%減) 15,000 実施内容 小型車 15,000 10,000 5,000 0 大型車 25,000 増減なし (13%減) 11,808 【H25年12月:社会実験時】 (台/9h) 小型車 大型車 628 544 11,180 11,298 実験前 8/3(日) 実験中 8/31(日) 11,599 15,000 11,842 【平日:上り(石巻→仙台方向)】 (㎞/h) 小型車 11%減 (7%減) 20,000 774 10,000 5,000 0 23.4 25 10,272 10,235 723 1,487 10,825 9,549 8,748 実験前 12/1(日) 実験中 12/8(日) 実験中 12/7(土) 20.4 20 3.0㎞/h 向上 15 10 ※社会実験時間帯:8 時~17 時(9時間)の断面交通量で算出 信号現示調整前 (H25.8.26-30) ( )内数値は大型車の増減率 2 2 交通社会実験の具体的な実施内容 信号 現示 直進 46秒 右折 16秒 平成 2 6年度も平成 2 5年度と同様、通過交通を他の路線へ誘導するための広報周知、通行誘導を実施した。平成 2 5 年度との大きな違いは観光ピーク時(8月)に平日を含めて 1週間実施し効果を検証した点にある。 ▼平成 2 5年度と平成 2 6年度の交通社会実験内容の違い 内容 相違点 情報の更新のみ 変更なし ラジオ広告 放送回数を短期集中型から中期分散型へ 道路情報板 交通情報板 横断幕 概ね変更なし 平成 25 年度のみ実施 運送事業者へはトラック協会加盟企業から 国道 45 号(松島町)利用企業へ(読取調 査より)配布方法を変更 町内広報誌 町内全世帯へはチラシの単独配布から広報 誌掲載へ変更 誘導員配置 告知内容・デザインを変更、看板配置はよ り広域的に設置 のぼり・ 横断幕の設置 荷捌き施設 ・土日の 2 日間、分岐交差点等 5 箇所に誘 導員を配置 - 平成 26 年度のみ実施 - ・平日 1 日(8/26(火))のみ、分岐交差 点 3 箇所に誘導員を配置 ・松島海岸地区のガードレールに横断幕を、 分岐交差点にのぼりを設置 ・実験期間中、荷捌き専用駐車場(2 箇所) を設置 交通分担率 検討断面 実験前 8/4(月) 20% 32.1% 40% 10.3% 60% 80% 41.2% 30.0% 10.2% 41.8% 実験前 8/3(日) 31.0% 10.8% 41.3% 10.9% (町)湯ノ原線 18.0% 33,980 台/9h 16.9% 38,056 台/9h 0.8%増 1.1%増 32.1% 35,727 台/9h 1.7%増 実験中 8/26(火) 実験中 8/31(日) 100% 16.4% 2.1%減 国道45号 39.3% 三陸道 総交通量比 (実験中/実験前) 0.95 0.97 36,919 台/9h 17.7% (主)仙台松島線 <うち大型車> 0% 最大渋滞長 < 実験前> < 実験中> 450m ⇒ 0m 調査実施日 実験前:H26 年 8 月 4 日(月) 実験中:H26 年 8 月 26 日(火) 渋滞解消 図 3渋滞ポイントにおける最大渋滞長の変化 【H 26年 8月(平日)】 (㎞/h) 【上り(石巻→仙台)】 50.0 40.0 30.0 22.2 25.8 (㎞/h) 50.0 50.0 40.0 40.0 20.0 10.0 0.0 実験中 8/26(火) 24.5 30.0 20.0 実験前 8/4(月) (㎞/h) 17.0 30.0 【上り(石巻→仙台)】 (㎞/h) 29.9 100% 総交通量比 (実験中/実験前) 実験中 8/26(火) 37.6% 実験前 8/3(日) 38.6% 7.5% 6.3% 18.2% 37.0% 国道45号 5.8% (町)湯ノ原線 0.98 4.3%増 32.3% 5,634 台/9h 22.5% 42.7% 12.5% 1.6%減 実験中 8/31(日) 5,741 台/9h 0.1%減 10.0 10.0 0.0 0.0 実験前 12/1(日) 実験中 12/8(日) 0.0 0% 17.5 実験前 12/1(日) 0.90 12.4% 1,471 44.8% 三陸道 1,627 台/9h 台/9h (主)仙台松島線 【H25年 12月:社会実験時】 25.5 30.0 10.0 交通の分散で平均速度が 4~8km/h 向上 80% 33.7% 2.5%減 【下り(仙台→石巻)】 40.0 25.9 20.0 実験中 8/26(火) 60% 20% 40% 60% 80% 100% 50.0 20.0 実験前 8/4(月) 40% 40.1% 【H 25年 12月(休日)】 【下り(仙台→石巻)】 20% 8.0% 実験前 8/4(月) 図 5社会実験対象区間における社会実験実施時間帯(8 1 7時)の 平均旅行速度の変化 実験中 12/8(日) 交通の分散で平均速度が 4~8km/h 向上 土曜 愛宕交差点にて実施 (平成 26 年度のみ) 土・日の 2 日間から平日 1 日のみに変更 その代替として分岐交差点にのぼり、ガー ドレールに横断幕を設置 渋滞緩和 休日 立て看板 (告知・ 誘導看板) 信号現示の 調整 0% 450m⇒170m 旅行速度集計対象区間 休日 チラシ・ ポスター <全車> < 実験前> < 実験中> 平日 ホームページ バナー広告 最大渋滞長 観光ピーク時(8 月)に実施 1 週間(8/25(月)~31(日) )実施 8 月上旬から 1 ヶ月間、周知キャンペーン期間として実施 (社会実験期間含む) 「迂回」ではなく「渋滞回避」などお得感を感じさせる表現 (チラシ・ポスターの表現) 松島町を通過される場合は三陸道(有料) ・利府街道が便利です! (立て看板の表現) 松島海岸 渋滞回避ルート 具体的な実施内容 平成 25 年度 平成 26 年度 ・社会実験の目的・実施内容等を紹介 ・平成 25 年度の実験結果等を追加更新 ・関係機関 HP にバナーリンクを貼り付け ・関係機関 HP にバナーリンクを貼り付け ・1 週間(12/1(日)~8(日))3~4 ・3 週間(8/11(月)~31(日))で 1 回/日放送 ~2 回/日放送 ・道路情報板(13 箇所)で告知、交通情報 ・道路情報板(14 箇所)で告知、交通情報 板は一時的に告知 板は一時的に告知 ・横断歩道橋(17 箇所)に横断幕を設置 - ・国道 45 号を利用する運送事業者を読取 ・トラック協会を通じ運送事業者へ配布 調査で特定、特定した運送事業者に対し郵 ・町内全世帯へ配布 送配布 ・高速 SA・PA、町内のコンビニ、GS、観 ・高速 SA・PA、町内のコンビニ、GS、観 光施設等へ配布 光施設等へ配布 ・町内全世帯へ配布する広報松島(8 月号) - に掲載 ・「迂回路」として誘導 ・「渋滞回避ルート」として誘導 ・告知板(11 箇所)、誘導看板(24 箇所) ・告知板(19 箇所)、誘導看板(20 箇所) を分岐交差点付近に設置 を分岐交差点付近に設置 ・愛宕交差点にて国道 45 号の上り(石巻 - →仙台)方向の青時間を増やした サイクル長 110 秒 【H26年 8月:社会実験時】 平成 26 年度 休日 広報の表現 直進 43秒 右折 24秒 図 4交通分担率の変化 平日 実施時期 実施日 広報周知 期間 平成 25 年度 観光オフピーク時(12 月)に実施 土・日の 2 日間(12/7(土) ・8(日))のみ実施 11 月下旬から 2 週間実施 (社会実験期間含む) 「迂回」を呼びかける直接的な表現 (チラシ・ポスターの表現) 松島町を通過する際には迂回路をご利用下さい (立て看板の表現) R45 松島通過 迂回路 サイクル長 100 秒 信号現示調整後 (H26.8.25-29) 実験前 12/1(日) 30.7% 実験中 12/8(日) 28.5% 11.8% 39.2% 20.5% 36,080 台/9h 実験中 12/7(土) 27.2% 12.6% 39.8% 20.5% 37,643 台/9h 11.0% 39.5% 2.2%減 国道45号 (町)湯ノ原線 18.8% 37,799 台/9h 0.95 1.7%増 三陸道 総交通量比 (実験中/実験前) (主)仙台松島線 ※社会実験時間帯:8 時~17 時の9時間交通量で分担率を算出 :社会実験期間中に実施した内容 1 図 9社会実験の評価(運送事業者) (2)アンケート・ヒアリング結果について 道路利用者・ 運送事業者 ・迂回協力者は、一般道路利用者・運送事業者とも昨年度に比べ増加、「迂回路」から「渋滞 回避ルート」へ表現を変更したことが有効的であることを確認。(図 6) ・回避ルートについて「混雑していない」と感じた利用者が多く、今後も継続的に回避ルート を利用する意向を確認。(図 6) ・回避ルートでは(町)湯ノ原線が最も時間短縮効果があり、利用継続意向も高い。(図 8) ・回避条件として、回避ルートの改良(愛宕・根廻周辺の改良、(主)仙台松島線の拡幅)、 運送事業者は三陸道の無料化を条件とする意見が多い。(図 9,10) 観光客・ 観光事業者 等 ・大型車の通行については、平日は約4割、休日は約2割の観光客が気にかけており、すれ違 い時に危険、松島の風景に違和感を与えるなどの意見が多い。(図 12,13) ・通行規制の実施については、事業者の大半が期間限定であれば協力する意向あり。(図 11) ・荷捌きスペースの設置は、路上荷捌き車両を減らすために今後も継続して取組むべきという 声が多い。(図 14) 図 6昨年度と今年度の認知・協力状況の比較(道路利用者) 社会実験の認知状況 今年度(H 26 回答数 343 年8月) 知らない 64.1% 回答数 60 55% 550×1,400 昨年度(H 松 島 海 岸 渋 渋滞 滞回 回避 避ルー ト 非常に混雑 7.6% 迂回した人 32.1% 知っている 41.7% 松島 混雑してい ない 40.3% 回答数 272 年 迂回しな かった人 67.9% 聞いたこと はある 9.8% 12 回答数 80 やや混雑 32.9% 広報の表現を 「迂回路」から 「渋滞回避ルー ト」へ変更し、 お得感を感じさ せる表現に変更 したことが協力 者の増加に結び ついたものと考 えられる。 石巻 月) たまに混雑 19.1% 32% 52% 松島海岸通過の方 左 折 実質協力者※は 17% 松 島 町 交 通 社 会 実 験協 議 会 ※実質協力者=認知率×協力率 【道路利用者】 ホームページ 10% 20% 40% 0% 50% ホームページ 1.9% (3) 27.3% (42) 道路情報板 新聞記事 11.0% (17) 実験 期間 のみ 3.9% (6) その他 8.1% (6) 33.8% (25) 5.4% (4) 12.2% (9) 現地誘導員 その他 ▼回避ルート利用時の通常ルート(R 45 )に対する 所要時間の実感 三陸道 (N=17) (主)仙台松島線 (N=21) (町)湯ノ原線 (N=18) 20% 11.8% 9.5% 40% 33.3% 50.0% 短縮した 80% 23.5% 28.6% 16.7% 変わらない 60% 41.2% やや長くなった 60% 80% 36.4% 100% 14.3% 16.7% 長くなった 14.3% 11.1%5.6% わからない 90.9% 《協力できない理由》 混雑がひどくなるとメーター料金で観光 客とトラブルになる (タクシー事業者) 図1 3大型車の通行で気になる点について(観光客) 0% 回答数 通行時・擦れ違い時に危険と 感じる 44 22.7% 59.6% 10% 20% 30% 40% 50% 30.8% (12) 47 あまり気にならない 排気ガスが多く気になる 気にならない 風光明媚な松島の風景に違和 感を与え、観光地のイメージダ ウンになる 17.9% (7) 20.5% (8) (観光事業者・宅配納品事業者) 《具体的な改善意見》 ・他県ナンバーの不法駐停車が目に余る (タクシー事業者) ・バスや身障者の乗降するスペースが減ってしまい、 二重駐車している時があり、かえって混雑している 時もある(観光バス事業者) ・時間帯の移動等の呼びかけ ・荷捌きスペース(レストハウス前)に一般乗用車が駐 車していてトラックを駐車出来なかった。案内人が必 要なのでは(配送業者) 実験当初の目的 に対する評価 評価項目 大型車の 問題 事業者へ直接郵送配布し 周知した効果を確認 5.4% (4) 1.4% (1) ▼渋滞回避ルートの利用継続意向 0% 100% 11.8% 11.8% 23.4% 少し気になる よい取組みであり、観光シーズンや週 末など期間限定であれば協力する 運送事業者が回避するためには、三陸 道の無料化、迂回路の改良(愛宕交差 点の改良・利府街道の拡幅等)を条件 とする意見が多い 図1 4荷捌きスペース設置の取組みについて 図 8利用経路別回避してみた時の感想(道路利用者・運送事業者) 0% 回答数 11 平日は約4割の観光客が大型車の通行を気にかけている すれ違い時に危険、松島の風景に違和感を与えるなどの意見が多い 4.1% (3) のぼり・横断幕 7.8% (12) 50% 16.2% (12) 立て看板 2.6% (4) 40% 13.5% (10) 町内広報誌 17.5% (27) のぼり・横断幕 30% ポスター・チラシ 立て看板 31.8% 9.1% 騒音がうるさく不快感を与える 7.7% (3) 非常によい取組みであり、 今後も継続すべき 非常によい取組みでは あるが、実施には改善 が必要 36.4% 18.2% 車の流れが悪くなり不快感を 与える 17.9% (7) 回答数 11 非常によい取組みである が、観光シーズンなど期間 限定でよい その他 5.1% (2) 45.5% 三陸道 (N=13) (主)仙台松島線 (N=15) 【目的】国道 4 5号松島海岸地区を通過する交通を分散し、観光シーズンにおける交通環境の改善、 名勝・松島のイメージアップにつなげる (0) 新聞記事 7.1% (11) 現地誘導員 0.0% 20% 道路情報板 3.9% (6) 町内広報誌 10% ラジオ 16.9% (26) ポスター・チラシ 実験 期間 のみ 【運送事業者】 30% ラジオ 40% 期間限定でも、業務に支障が でるため協力できない (3)効果検証のまとめ 図 7社会実験を知った広報媒体(道路利用者・運送事業者) 0% 20% とても気になる 混雑してい ない 66.7% 無回答 0.4% 25 具体的な改善内容 ・三陸道無料化(とくに大郷~松島北) ・大型車が 通行できる大きくシンプルな道路整備(バイパス 整備等)が必要 ・国道から右折になる交差点(愛宕・高城交差点 等)の改善が必要 ・利府街道の拡幅。大型車にとって利府街道は狭 すぎてすれ違いが危険なので出来るだけ通行さ せていない 休日8/31(日) 2.1%14.9% 実質協力者※は 20% 回答数 501 回答数 25 三陸道の 無料化も しくは割 引 60.0% 期間限定 でよい 42.3% 平日8/26(火) 9.1% 回答数 33 回避した 55.0% 36% 知らない 48.1% 回答数 26 図1 1国道 4 5号松島海岸地区の通 行規制実施のついて (観光事業者・宅配納品事業者) 期間限定 であれば 協力する 36.0% やや混雑 15.2% 回避して いない 45.0% 聞いたこと はある 6.1% 今後も継 続すべき 23.1% 改善が必 要 34.6% 0% 非常に混 雑 わからない 9.1% 9.1% 知っている 29.7% その他条 件 4.0% 図1 2R4 5松島海岸地区を通過する大型車について(観光客) 回避したルートにおける 混雑状況 R45 ルートの回避状況 図1 0社会実験の評価(運送事業者) 20% 40% 38.5% 80% 46.7% 85.7% 継続して回避する 100% 渋滞の 問題 61.5% 46.7% (町)湯ノ原線 (N=14) 60% できるときは回避する 目的に対する評価 啓蒙活動の実施によ り渋滞緩和につなが り、一定の効果を確認 更なる分散効果を図 るには代替路におけ る大型車の通行支障 箇所を解消すること が必要 今後の課題 効果を持続するための取 組み、運営側が負担となら ない実施方法の検討 大型車軽減に向けた取組 みは、別途ハード施策を中 心に検討が必要 通過交通の分散、信号 現示の改善で渋滞緩 和につながり一定の 効果を確認 駐車場・荷捌きの問題 は別途対策が必要 安全・円滑な迂回路の確保 ・歩道が狭く歩行者が渡る所が少ないなど、改善を求 める意見が多い ・観光ピーク時(お盆期間)は速度が著しく低下し観 光ピーク時の交通需要マネジメントの課題が明確に 通過交通の軽減で多 少改善されたが、抜本 的な対策は必要 沿道交通環境の改善に向 けた対策の検討 観光ピーク時の渋滞対策 の検討 6.7% 14.3% 回避しない 2 年間の社会実験からわかったこと ・啓蒙活動により、全交通の約1割が分散し、渋滞緩 和効果を確認 ・平日は大型車の流入が多く、渋滞を誘発する要因に ・運送事業者の多くは、三陸道の料金負担、 (主)仙台 松島線の通行支障箇所(幅員狭小等)がネックで、 経路変更ができないことを確認 ・啓蒙活動の取組みは、観光客・観光事業者側からは 好評で、取組みの継続を期待 ・大型車の通行は松島の風景を損ないイメージダウン につながる意見が多い ・愛宕交差点は信号現示の改善で渋滞緩和効果を確認、 迂回路の整備等を行えば、 さらに分散する可能性あり ・松島海岸地区は観光施設など駐車出入交通や荷捌き 車両の影響など、 交通負荷軽減のみでは解決できない 問題も わからない その他 観光地の 問題 駐車場出入・路上荷捌きに よる交通阻害を軽減する 対策の検討 2 4 4 今 後 の 方 向 性 に つ い ソフト施策の実施内容 て 交通社会実験の検討結果から明らかとなった課題を踏まえ、今後は以下の 4つの方向性で交通施策を進めていく。 評価項目 今後の課題 大型車の 問題 効果を持続するため の取組み、運営側 が負担とならない実 施方法の検討 大型車軽減に向け た取組みは、別途 ハード施策を中心に 検討が必要 渋滞の 問題 今後の進め方に対する方向性 当面はソフト面で効果持続に向け、以下の取組みの検討を進める 通過車両(乗用車含む)に対し、継続的に迂回協力を呼びかけ、効果を持続する ②観光車両の郊外部駐車場への誘導 ・社会実験時に広報周知効果の高かった広報を中心に継続的に実施、実施 規模の縮小を見据えて、観光シーズン等、実施時期を見計らい、継続的 に実施する。 ・さらに自発的に迂回誘導を促すための環境整備を実施し、人的負担を軽 減することで継続的な取組みを実現する。 ・観光車両を郊外の駐車場へ誘導することで、松島海岸地区の流入車両を 減少(渋滞緩和)させることを目的とする。 ・郊外駐車場への誘導実施にあたっては、有料駐車場を経営する民間事業 者との協力・理解を得た上で実施を検討する。 当面はソフト面で解決できる対策を、関係機関・地元関係者と調整し、検討を進める 沿道交通環境の改 善に向けた対策の 検討 観光ピーク時に限定し、渋滞と交通安全対策を兼ねた、以下の取組みの検討を 進める 国道45号松島海岸地区の交通阻害の軽減に向けた取組みを検討 【駐車場対策例】 誘導員の配置、郊外駐車場(無料)への誘導 【荷捌き対策例】 既存の民間駐車場を活用した荷捌き場の設置・運用 避難所・駐車場 (無料)整備中 歩いて楽しめる ウォーキングコース 郊外駐車場(無料) 誘導ルート 国道45号(浪打浜駐車場~松島 海岸間)は、平成15年度に松島 の景観を楽しみながら歩くことの できる国土交通省ウォーキングト レイル事業として歩道整備が行 われた 愛宕交差点から(主)仙台松島線へ円滑に誘導できる環境の整備 駐車場出入・路上荷 捌きによる交通阻害 を軽減する対策の 検討 郊外の無料駐車場へ誘導 する補助看板を設置 郊外駐車場への誘導実 施にあたっては、松島海 岸地区内の有料駐車場 を経営する民間事業者と の協力・理解を得た上で 実施を検討する 既存の交通情 報板で、松島 海岸地区の渋 滞情報を発信 仙台松島道路4車線拡幅後(H27.3末開通予定)の交通状況を踏まえ、以下の対策の検討を進 める ・大型車でも安全かつ円滑に通行できるよう、(主)仙台松島線の拡幅や愛宕交差点の 右折レーン延伸等、効果的なハード施策を完成時期(短期・中期・長期)を見据えて検 討を進める。 町営の無料駐車場(三十刈) ▼愛宕交差点(国道 45号) ▼松島町根廻字人筈(国道 45号) ・継続実施にあたっては、社会実験時のように誘導員の配置や広報物の作成等、人的・ 費用的負担がかからないよう、実施内容の縮減が必要 ・実施内容の縮減で効果が薄れないために、メリハリのある広報を実施するとともに、自 発的に迂回誘導を促す環境整備を検討 【対策例】 (主)仙台松島線・(町)湯ノ原線への誘導を促す補助看板の設置 安全・円滑な迂回路 の確保 その他 観光地の 問題 ①継続的な迂回協力の呼びかけ 立て看板は分岐交 差点前の目につき やすい場所に配置 (主)仙台松島線への誘導を促す補助 看板を設置 浪打浜 駐車場 ③既存の民間駐車場を活用した荷捌き場の確保 ④観光イベント時のゾーン規制(通行止め)の検討 ・路上荷捌きによる渋滞悪化を防止するため、既存の民間駐車場を荷捌き 場として確保する取組みを検討する。 ・地元業者の協力・理解を得た上で、実施を検討する。 ・本取組みは、国道 45号松島海岸地区の観光イベント時の歩行者(観光 客)の安全確保、松島町の観光産業の復興を目的に実施を検討する。 ・通行止め時期は観光ピークとなるイベント開催時、通過交通の少ない休 日・夜間で実施を検討する。 下り方向は駐車スペースがなく商店が 多いことから路上荷捌き車両が多い 【松島海岸地区の荷捌きの仕組みイメージ】 ▼イベント開催時の国道45号の状況 通行止め(歩行者天国) 区間(案) 通過車両は、通行止め区間 の手前から規制を実施 観光ピーク時の松島海岸地区への円滑な交通誘導及び交通安全対策の実施 観光ピーク時の渋滞 対策の検討 ・ゾーン規制の実施にあたっては、多くの観光客が訪れ、交通安全上危険を伴う観光イベ ント時、通過交通(大型車等の業務交通)が少ない時間帯で実施を検討 【対策例】 渋滞を回避するアクセスルートへの誘導 観光イベント時のゾーン規制(通行止め)の実施 レストハウス前のスペース(荷捌き実験 指定箇所)は一般の駐車(違反)が多く 事業者からは利用できない声もあった 海の盆 メイン会場 商店が並ぶ下り方向にある 民間駐車場の一部を荷捌き 場として活用する方法を検討 国道45号の車道は大渋滞、歩道は歩行 者(観光客)で溢れ危険な状態にある 観光車両は、通行止め区間の手前まで 出入り可とし、観光客用の駐車場をなる べく多く確保できるようにする ▼震災前後の月別観光入込み客数の推移(H22,H26) (万人) 100 松島海岸地区における今後の交通施策は以下の 7項目(うちソフト施策は 4項目)について実施の検討を進めてい く。短期的に取組める「継続的な迂回協力の呼びかけの実施」は次年度に実施を検討、その他ソフト施策の 3項目に ついては施策の実施可能性について検討を進めていく。 今後の方向性 通過車両(乗用車 含む)に対し、継続 的に迂回協力を呼 びかけ、効果を持 続する 愛宕交差点から (主)仙台松島線へ 円滑に誘導できる 環境の整備 国道45号松島海岸 地区の交通阻害の 軽減に向けた取組 みを検討 観光ピーク時の松 島海岸地区への円 滑な交通誘導及び 交通安全対策の実 施 :ソフト施策 国道45号沿いの風光明媚な 景観を活かし、郊外駐車場 から松島海岸地区までの ウォーキングコースをPRし、 郊外駐車場を利用するメリッ トを観光客へPRする 大観荘 交通施策(案) 施策実施 時期 短 期 中 期 長 期 期待される効果 施策実施にあたっての 留意点 ①継続的な迂回協 力の呼びかけの 実施 ○ ・通過交通(主に大型車)の分散に よる松島海岸地区の渋滞緩和・ 沿道環境(騒音等)の改善 ・取組み実施によるイメージアップ 効果を持続できるよう継 続的な広報周知体制の 確立、自発的に迂回誘導 を促す環境整備を実施 ②観光車両の郊外 駐車場への誘導 ○ ・観光流入車両減少による松島海 岸地区の渋滞緩和・走行性が向 上 郊外駐車場の確保 民間駐車場事業者の理 解・協力と連携が必要 ③既存の民間駐車 場を活用した 荷捌き場の確保 ○ ・路上荷捌き車両による通行阻害 が減少し、松島海岸地区の渋滞 緩和・走行性が向上 駐車場を貸す民間事業 者側の協力が必要 ④観光イベント時 のゾーン規制 (通行止め)の検討 ⑤国道45号: 松島海岸地区の 歩道拡幅整備 ⑥国道45号: 愛宕交差点の改良 (右折レーン延伸) ⑦初原バイパス(2期) (主)仙台松島線の 拡幅整備 ・松島海岸地区の安全な歩行空 間を確保、取組み実施によるイ メージアップ ○ 通行止めにあたり県警・ 道路管理者の協力、観光 客の郊外駐車場からの 円滑な誘導が必要不可 欠 ○ ・安全な歩行空間を確保 ○ ・愛宕交差点の渋滞が緩和し、迂 回路((主)仙台松島線)への誘 導が円滑 事業実施にあたり検討が 必要 ・通過交通の迂回路((主)仙台松 島線)への交通分散による渋滞 緩和 事業実施にあたり検討が 必要 ○ 平成27年度 の取組み (案) 実施を 検討 施策の 実施 可能性 を検討 荷捌き実験箇所 震災後の観光ピーク時 (8月)の観光入込客数 は、震災前の約6割に留 50 まっている 0 H22(震災前) H26(震災後) 71.4 13.8 21.7 18.4 19.2 33.7 28.7 38.5 30.3 34.2 28.1 43.4 18.8 28.5 25.3 27.4 28.1 36.6 21.8 17.9 18.2 14.9 14.0 17.0 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 ハード施策の実施内容 ⑦初原バイパス(2期)の整備 ⑥国道45号:愛宕交差点改良 (右折レーンの延伸) 愛宕交差点の渋滞緩和、国道45号から (主)仙台松島線へのアクセス向上を目的 に整備を図る。 愛宕交差点の渋滞緩和を目的に石巻→ 仙台方向流入部の右折レーンを延伸し、 (主)仙台松島線(右折)へのアクセス向 上を図る。 現状は右折待ち車両が多く、 右折レーン不足で渋滞が 発生、利府街道へアクセス しにくい状況 (主)仙台松島線は高さ制限のある箇所 があり、回避するルートの確保が必要 ⑦(主)仙台松島線の拡幅整備 ⑤国道45号:松島海岸地区の 歩道拡幅 (主)仙台松島線は大型車同士のすれ違 いが困難な区間が点在し、大型車が安全 に走行できる幅員を確保できるよう拡幅 整備を要望する。 多くの観光客が行き来する国道45号(松 島海岸駅~松島駅間)の歩道の早期拡 幅を要望する。 (主)仙台松島線 は大型車同士の すれ違いがギリ ギリな状況 観光イベント時の 歩道は人で溢れ 危険な状態に 渋滞方向 :ハード施策 3
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