演習問題 問. SO2が加水分解し,S(自然硫黄)とSO42‐が生じる 不均化反応を記述せよ 答. 3S4+ → S + 2S6+ 3SO2 + 2H2O → S + 2SO42‐ + 4H+ 地球化学 CCS(CO2捕獲と貯蔵) 理学部化学科 大場武 ヴュルム氷期:15000–70000 リス氷期:130000–180000 ミンデル氷期:23000–300000 赤線:地球の平均気温(現在との差) 青線:大気CO2濃度(ppm) ヴュルム,ウイスコンシン氷期(最終氷期):15000–70000 リス氷期:130000–180000 ミンデル氷期:23000–300000 セメント:CaCO3 → CaO + CO2 一人あたりの(per capita)年放出量:日本 2.5 tonC/year (2011) 大気中のCO2が作り出す酸性度について 汚染されていない雨水はpH=5.6程度の酸性度を示す. pHが5.6よりも低い雨水が酸性雨 (KH,K1は25℃における値) 大気CO2と平衡状態の水のpHの計算方法(400ppmの場合) Step‐1:H2CO3*濃度の計算 ∗ = PCO2 = 1.013(bar)×400×10‐6=4.052×10‐4 (bar) KH = 10‐1.5 = 0.0316 ∗ =1.28×10‐5 (mol/L) Step‐2: H+の計算 酸性領域で,CO32‐は無視してよい.よって[H+] = [HCO3‐]が成立. ∗ , K1 = 10‐6.3 = 5.01×10‐7 [H+] = 2.53×10‐6 pH = 5.60 ∗ 演習問題 問1.CO2を400ppmで含む大気と平衡にある水のpHは5.60である. 仮に,人類がCO2を大気へ排出し続け,23世紀に大気CO2の濃度が2000ppmになったとし たら,大気と平衡にある水のpHはどこまで上昇するか? 少数第三位を四捨五入してpHを計算せよ. 問2.以下の表に示されるように,実際の大気に含まれるCO2は1956年から1988年にかけ て濃度が増加し,同位体比は低下した. CO2濃度の増加と同位体比の低下が化石燃料から生じたCO2だけに原因すると仮定し,化 石燃料から生じるCO2の同位体比(δ13C)を‐27‰とした場合,1988年の大気中のCO2の同位 体比(δ13C)いくらになると考えられるか?その値が実際の値と異なる場合,何が原因と考 えられるか? ヒント: δ13Cについて以下の保存の式を適用する. δ13C(1988)×C(1988) = δ13C(1956)×C(1956) + δ13C(化石燃料)×{C(1988) – C(1956)} ここで,Cは1956,1988年の大気CO2濃度とする. 大気中の濃度(ppm)* δ13CPDB(‰) 1956年 314 -6.8 1988年 351 -7.6
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