リモートセンシング分野における IDLの利用 − 私とIDL − 牛尾知雄(大阪大) 本日のOutline IDL(Interactive Data Language)とはどのようなものだ ろうか?私の研究経験を交えて紹介。 IDLは、強力なグラフィック機能を有するソフトウェア 同時に、高度なアルゴリズム開発やデータ処理、計算な どに極めて有効な計算言語 即ち、単なるグラフィックソフトではない。 CやFortranなどと同様な一種のソフトウェア言語 このようにグラフィック機能と計算機能が両立しているた め、Codingが極めて効率的 このようなことを実例を交えて紹介したい。 私とIDL 1998年大阪大学大学院修了 博士(工学) IDLは全く知らなかった。 とある有名な研究グループの論文中にIDL(Interactive Data Language)という語句を発見。これは何だ? 広帯域干渉計(於 ダーウィン) 放電路の電磁波計測による可視化 From NMT 私とIDL 1998年 米国航空宇宙局(NASA)博士研究員 IDLをまず学べ!米国では、CやFortranと並んで Defaultだった。 使ってみての感想 Codingが大変楽。Cに比して、実感では5分の1の効 率。 強力なグラフィック機能 TRMMプロジェクト Global Lightning Distribution NASAでの使用環境 LinuxもしくはSGI/UNIXベースでの使用 エディタはviもしくはemacsが主流。基本、コマンドライン での使用 しかし、私はIDLDEを使用。 グループ全体で、10ライセンスの集合ライセンス使用 数多くのライブラリがグループ内で流通 例えば、ポストスクリプト処理、緯度経度・直角座標変換など これらの幾つかは、現在でも研究室内で流通 研究室のデータ形式は、HDFファイルを扱っていた。 IDLを用いれば、極めて簡単にデータを読むことができた。 Global Lightning Annual Climatology From MSFC/NASA 衛星からみた雷放電 衛星データの可視化 地上で観測される雷放電 Lightning Mapping Array (New Mexico Tech) 地上からみた雷放電 From MSFC/NASA 私とIDL 2000年 大阪府立大学航空宇宙工学科 助手 これは良い、凄い!!日本でも、導入しよう! 研究室で少しづつライセンスを購入 衛星データの解析やレーダデータの可視化に利用 全球降水マップの作成 グラフィックだけではない!! 降水マップ作成アルゴリズムは、様々な関数や解析機 能を多用して開発 例えば、カルマンフィルタ、非線形最小二乗法 その他、画像処理機能、周波数解析機能 さらに、リアルタイム処理システムで実際に運用 GSMaP Structure Infrared (IR) Data 画像2次元相関処理 移動ベクトルの算出 平滑化・移動平均 11.4 μm Geo IR Present 1 hr Moving Vector 11.4 μm Geo IR 1 hour before Microwave Radiometer (MWR) Data Predicted GSMaP Kalmanカルマンフィルタ Filter for MVK 最小二乗近似 1 hr MWR Present ベイズ統計処理 Optimization using Gauge data GSMaP Data GSMaP_NRT or MVK GSMaP_Gauge_NRT 1 hour before Climatological calibration through the calibration on a daily basis GSMaP_NRT or MVK GSMaP_Gauge_NRT Present 24 hours Integration CPC Global Daily Gauge GSMaP_Gauge 赤外・マイクロ波放射計 複合アルゴリズムによる 降水量(1時間値・2005年7月8日) (緯度経度0.1×0.1度, hourly) (緯度経度0.1×0.1度, hourly) 雲移動ベクトルの利点:高水平分解能(0.036×0.036度)の雲移動ベクトル データによって、短い(~数十分)計算時間で時間方向に補間できる 台風に伴ってもたらされる雨 私とIDL 2006年 大阪大学に赴任 IDLは、研究室のDefaultになった。 レーダの研究への適用 画像化とレーダ数値シミュレーション こうした現象を観測し,現状把握に大きな威力を発揮するのが,レーダを代表 格とする電波リモートセンシング技術 RADAR=RAdio Detection And Ranging レーダの原理 「電波を使って目的物を探し,その距離を測る」もの レーダ観測イメージ図 レーダが 電磁波を照射 散乱体(雨粒)が 電磁波を反射・散乱 •送信アンテナから電磁波 を照射する。 •送信アンテナから照射された電磁波が, 物体に当たることで反射・散乱する。 散乱された 電磁波を観測 •反射・散乱された電磁波を受信 アンテナでキャッチすることにより, その到来⽅向・距離を測定する。 High Resolution RADAR System Broad Band Radar Network Phased Array Radar 2012年7月6日22時49分39秒~23時59分39秒 右図の赤い線に沿ったRHI 仰角4.35度におけるPPI プレスリリース等 • 見学および視察 例:総務省政務官,内閣府審議官,総務省審議官,国土交通省参事等政府関係者 ,自治体関係者,電機メーカ,国研,コンサルタント,国内外の大学等 計 500人以上(2012年9月から現在までの累計) TVニュース:NHK フジテレビなど多数 新聞: TV番組: ・TBS「夢の扉+」「世界最高性能 のレーダを駆使し竜巻を捉える!」 2013年12月15日 ・NHK for School,学ぼう防災 地 球の声を聞こう(小学高学年用) ・『中学理科教科書』(平成28年以 降用)啓林館,に本研究成果が,掲 載予定 報道機関向け説明会の様子 内閣府審議官のご訪問 日経(全国) 読売(大阪)など多数 読売新聞 2012.9.1 (1面掲載) Site map Osaka LF Coverage of PAR 60km LF LF BBR LF LF BBR VHF PAR LF LF BBR LF LF LF Observation coverage areas LF VHF Tokyo LF sensor station GPS USRP N200 Laptop LF sensor Data saver in Osaka Univ. WiMAX Specification Sampling rate 4MHz Resolution 14 bit Recording length 200 ms Time constant 200 μs CAPPI and LF locations 3D locations 19:00:27 19:00:06 3D locations 19:00:27 B B’ 19:00:04 3D locations Positive charge region (PCR) Negative charge region (NCR) 19:0:4 CC B’ • The altitude of initiation is 7km and above the core • Most sources are located 10 km in altitude • Some sources are located below the initiation B フェーズドアレイレーダの数値シミュレーション Truth Beam former コロラド州立大 CHILL National Radar Facility の実測データを利用 Capon MMSE Beam Forming 2 H ⎤⎤ J m = min ⎡ E ⎡ xm,l − w MMSE y l m ⎥⎦ ⎥⎦ w MMSE m ⎢ ⎣ ⎢⎣ ⇔ w MMSE m = E[ x(θ m ) ](SR x S H + R v ) −1 s(θ m ) 2 cMMSE Yoshikawa, E., et al, MMSE Beam Forming on Fast-Scanning Phased Array Weather Radar, IEEE Trans. Geosci. Remote Sens. JEM-GLIMS ¾ JEM-GLIMS is a space mission dedicated to observing lightning & TLEs with the nadir view from the ISS. ISS ¾ JEM-GLIMS started continuous observations since Nov. 2012. Normal operation is still ongoing. sprites © JAXA JEM © NHK JEM Exposed Facility OBJECTIVE 1. Nadir observations of lightning and TLEs from JEM-EF, 2. Identification of horizontal distribution and occurrence condition of sprites, 3. Identification of global distributions and occurrence rates of TLEs and their seasonal / LT dependences. MCE © JAXA GLIMS Launch H-IIB / HTV3 Launch July 21, 2012 02:06:28 UT ©JAXA GLIMS deliverly HTV3 Approach & Docking July 27, 2012 ©NASA, JAXA Attachment to MCE MCE Installation August 9, 2012 ©NASA, JAXA Attached to MCE Exposure Module MCE Installation August 9, 2012 ©NASA, JAXA VITF-E (VHF interferometer) / SOHLA-1 SHU / SPRITE-SAT lens & filter cover connector & cables housing PH (photometer) / TARANIS LSI (due to the safety requirem ent of ISS) VLFR (CMOS camera) / SPRITE-SAT (VLF receiver) / SPRITE-SAT GLIMS and MCE SIMPLE REX-J IMAP/VISI HDTV IMAP/EUVI GLIMS/VITF-ANT GLIMS/VLFR-ANT GLIMS/LSI GLIMS/PH Nadir GLIMS/VITF-ANT 定常運用での科学成果 Period : 2012/ 11/ 20 - 2014/ 01/ 31 3,131 events 2012/12/25 12:49:04UT 2013/01/30 04:20:58UT 2013/01/01 19:36:17UT 10km 10km 2013/01/18 17:04:59UT 2012/12/29 00:16:20UT 10km 2013/03/22 22:10:47UT 10km 2013/03/29 13:20:05UT 2013/02/11 02:45:02UT 10km 10km 10km Fig. JEM-GLIMSのLSIで観測された雷放電発光の例 数千例以上の雷放電イベントの検出に成功している 10km これからのIDL Codingが極めて楽なことから、今後も当研究室の主力 さらに楽な機能が、Ver.8以降に搭載されている模様 これは期待できる。 まとめ IDLは、高度なアルゴリズム開発やデータ処理、計算な どに極めて有効な計算言語 即ち、単なるグラフィックソフトではない。 CやFortranなどと同様な一種のソフトウェア言語 このようにグラフィック機能と計算機能が両立しているた め、Codingが極めて効率的 以上のことを、私の経験から実例を交えて紹介した。
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