社会保障法学会の 社会保障法学会 の社会的責任 木 下 秀 雄 （大 阪 市 立 大 学 ） 2004 年 6 月 に，社 会 保 障 法 学 会 事 務 局 が東 京 大 学 から大 阪 市 立 大 学 に移 転 した。それ以 来 学 会 事 務 局 の仕 事 に携 っているが，あれやこれや至 らぬことばかりで，各 方 面 にご迷 惑 をおかけし ている。毎 回 理 事 会 では，冒 頭 に事 務 局 の不 始 末 について陳 謝 の意 を表 することから始 まることが 続 いている。ただ，2004 年 7 月 理 事 会 で，いろいろな学 会 が学 会 費 の納 入 や会 報 発 送 事 務 などを 委 託 していた団 体 が破 綻 した，というニュースがひとしきり話 題 になった。社 会 保 障 法 学 会 も学 会 事 務 をその 団 体 に 委 託 して はどうか ，と 考 え始 め ていただ けに ，事 務 に ついて は素 人 の 教 員 や院 生 が学 会 事 務 を担 当 するの は，一 方 でミスも多 いが，他 方 で学 会 らしくていいのでは，と思 ったことで あった。 学 会 というのは，意 見 や見 識 は違 うが，同 じ学 問 領 域 で真 理 探 究 をするという点 で一 致 する人 た ちの 自 発 的 ・任 意 の 集 ま りであろう。事 務 局 というの は，そうした会 員 が 大 いに 意 見 を戦 わしつつ， 共 通 の問 題 関 心 で刺 激 しあうのを，裏 から支 えるという役 回 りだと思 う。この間 ，若 手 会 員 の個 別 報 告 などの機 会 を確 保 したり，49 回 大 会 に向 けて，地 域 を越 えた議 論 の場 が設 けられたり，企 画 委 員 会 を中 心 に努 力 されている。また，既 に立 ち上 がっているホームページの活 性 化 や，理 事 会 の連 絡 用 にメーリングリストを設 定 したり，少 しずつながら IT 化 （？）の努 力 もされている。 ただ，井 上 代 表 理 事 が社 会 保 障 法 学 会 会 報 19 号 に書 かれているように，学 会 は会 員 だけのも のではなく，他 方 で社 会 に対 する責 任 を負 っていることも忘 れてはならないであろう。個 々の会 員 が その研 究 を通 して社 会 に対 して責 任 を果 すとともに，学 会 としても，社 会 に対 して何 か発 言 すること で，あるいは何 も発 言 しないことで責 任 を問 われることになるだろう。50 回 大 会 では，社 会 保 障 法 学 会 の 枠 を超 えたシンポジストに よる幅 広 い議 論 が予 定 されている。グローバル化 という場 合 ，ともす ると経 済 的 側 面 が重 視 され，法 的 アプローチはないがしろにされがちである。しかし，個 々の人 間 に とって生 きやすい社 会 をグローバルに 創 造 していく上 で，法 的 コントロールの 必 要 性 は明 らかでは なかろうか。そうした点 で，社 会 保 障 法 学 会 としても，会 員 間 の意 見 交 換 にとどまらず社 会 に対 して 発 言 していくことが，さらには国 際 的 交 流 を進 めることが求 められているように思 える。 また 2004 年 は，ロースクールという制 度 が発 教 司 育 法制度 改革 という点 でも，社 会 保 障 法 研 究 ロースクールでの社 会 保 障 法 教 が あり，それはひいては社 会 保 障 や 関 を めた大 学 係 含 を の に とっての 大 きな ，という点 でも のあり方 は の を の法 す若 手 研 究 化 というだ けではなく，社 会 保 障 法 めて大 きな転 換 が生 じたと言 える。 の社 会 保 障 法 しか ルでの社 会 保 障 法 教 である。さらに ，社 会 保 障 法 研 究 を 関 した年 でもあった。 者 変 者 養成 極 育 今後 曹 争訟 今後 左右 ね レベ 育 今後 志 者 養成 という，法 学 を研 究 する 係 医療 係 含 足 認 識を ない。他 方 ，法 学 を， 部 げ どのように広 をどのように 規 定 する だ けでなく う，というのではいか ん なあと 反省 しきり。 改 位 好 の めてその責 任 の重 さを 関 していくか，ロースクールとの 甘 感 次第 意に 性 ていくのかも重 大 めて学 会 でも意 識 的 に議 論 をしていくことが必 要 だろう。 そうしたことを思 うと，学 会 事 務 局 の 仕 事 も，会 員 各 可能 福祉 えて多 少 のミスは じる 許 してもらお である。 社会保障法第 21 号（2006）
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