【全日制】学校新聞「薫風」第10号を掲載しました。

学校新聞
平成 26 年度
「薫風」第10号
3月25日(水)
薫 風
~緑新たに風も薫れり~
発行元 東京都立大崎高等学校全日制課程 〒142‐0042 品川区豊町 2‐1‐7
校長 牛来 峯聡
~ 大崎生に期待する さらなる変化と成長 ~
今年度は残すところ、後、僅かです。この3学期は授業を大切にした学習活動、部活動、学校行
事などに真剣に取り組んできたでしょうか。真剣な取り組みが、必ずや進路実現にも結びつき、夢
が実現することを機会がある度に話をしてきたところです
今回は、沢山の練習や訓練が「自信」につながると言うことについて触れます。
皆さんが、学校で真剣に取り組まないとならないことは、これも何度も話をしているとおり、
「知・徳・体+志」に向けた取り組みです。
「知」とは基礎学力です。
基礎学力がなければ、今だけではなく、将来に渡って、学習や仕事を行うために、或いは、資格
取得に向けて受験するために自信がなくなっていきます。多くの人は、基礎学力を身に付けるため
に、家庭学習時間を増やして家庭学習習慣を身に付けようと、賢明に努力をしています。普段から
教科書を音読し、教科書の意味を調べ、授業で学習したことを復習し、ノートにまとめ、問題を解
くなど、最低でも2時間以上は学習することが必要です(目標は2時間+学年)
。この練習や訓練
で、だんだんと学習に対する自信がついてきます。春休み中もしっかりと学習することです。
次に、
「徳」ですが、徳は、いじめや暴言・暴力行為などをなくし、相手を思いやること。また、
やってはいけない社会のルールや学校のルールをしっかりと守り、規範意識をもつことです。いわ
ゆる、道徳心をしっかりともち、これからも明るい楽しい学校生活を築いてほしいと思います。本
校は、
「時を守り、場を清め、礼を正し、公共を意識する」ことを生活指導の原則として力をいれ
ています。このことを普段から実践することにより、皆さんは、生活リズムが定着し、社会に出て
も評価される人となれるのです。学校は、そうしたことを訓練する場です。こうした練習や訓練を
通して、自然と自信が付いていきます。
次に、
「体」は体育活動、部活動、学校行事などを通して、心と体を鍛え、折れない心、健康な
体をつくることです。平成25年度から実施している強歩遠足には、そうした意味合いがあります。
この強歩遠足で辛かったけれど、最後までやり遂げたことで達成感を味わえたはずです。そうした
経験が心と体を強くしていきます。これも練習や訓練と言えるでしょう。
次に、
「志」は将来の進路目標を設定し、その実現に向けて毎日コツコツと積み重ねて自ら取り
組んで行くことです。目標を設定することで、人はその実現に向けて行動しようとします。そして、
志も高まります。
残された学校生活は、
「知・徳・体+志」の実践、また「時を守り、場を清め、礼を正し、公共
を意識する」ことの実践にしっかりと取り組んでいきましょう。毎日、毎日の練習や訓練が皆さん
を変化させ、さらに大きく成長させるのです。
「ライフプランの発表を終えて」
1学年担任 北岡
先日、一年生の各クラス 2 名の代表がライフプランの発表を行いました。司会もクラスの仲間。
緊張した面持ちながらも温かい雰囲気の中で自分の将来について語りました。
ライフプランは、今年度の進路学習の集大成として一年生全員が取り組んだものです。10 年後の
自分を想定し、その目標の自分を実現するために今、何をすべきか、この後 10 年間に何を学び、
どのような力を身に着けるべきかを具体的に文章にしていく作業でした。
11 月から取り組みを始めましたが、その中で様々なことを考え、悩み、自分探しをしたことと思
います。目標を定めること自体が難しかった人、前向きな 10 年後を思い描くことが困難だった人、
思いはあっても何をすればいいかイメージするのに苦労した人などもいました。
「こんなの書けな
い」
「書きたくない」などと思った時もあったことでしょう。
でも自分と向き合う中で、16 歳なりのライフプランをすべての人が形にしました。私たち担任は、
皆さんの思いの詰まった作品を一つずつ大切に読みました。一年間見守ってきた生徒が自分の言葉
で目標を語っていることが私たちを感動させてくれました。そしてその目標に向かう歩みの途中に
あって頑張っている日々の姿と重ね合わせて読むと、皆さんの「夢」という宝物を手にしている気
持ちになりました。
その中から二人分だけ代表に選ぶことは簡単ではありませんでしたが、内容の充実度だけでなく、
書いた人の人間性や考え方がしっかりと表れていて、ぜひ他の生徒の皆さんにも聞いてほしい、参
考にしてほしいと思った人たちに発表してもらうことにしました。
発表も大変立派でしたが、聞いている皆さんもとても真剣だったことが印象的です。その両方の
姿を見て、一年間の確かな成長を感じました。
発表者・・・大竹紗彩、山内歩武、大野拓実、小山未有希、石下貴浩、永友里奈、岩丸拓徳、
古城杏実、鈴木夢可、谷田部龍也、邢金浩、平林万弥、奥本奈美、萩原大輝
「第3回防災フォーラム in 大崎を終えて」
1学年担任 小野寺
3月13日(金)に本校1学年全生徒と地域の方々を対象とした「第3回防災フォーラム in 大
崎」が開催されました。秋川消防署の渡辺司令補の講演では救助活動の実体験や被災地である福島
の現状などを語っていただき、戸越5丁目町会の新宅会長の講演では町会の防災活動の現状と周辺
地域が大崎高校に期待する役割についてお話をいただきました。また、防災活動支援隊の1年生の
隊員が本校の防災活動の取り組みを発表しました。その一部を紹介します。
本校周辺は木造密集地域であることから大地震が起きれば建物の倒壊や大規模火災が予想され、
品川区の中でも5段階で上から2番目に危険な地域であると指定されています。震災が起きれば、
本校は周辺住人の避難所として利用されることになり、周辺地域との連携が必要となることから、
防災活動支援隊は年間を通して地域の防災訓練に参加しており、学校と地域を結ぶ役割を担ってい
ます。戸越5丁目町会長からは、
「町会には若い人がおらず、防災活動支援隊が防災訓練に参加す
ることで活気が出てきた。大崎高校の生徒には大変感謝している」というお言葉を頂戴しました。
また、昨年11月に行われた1年生対象宿泊防災訓練の様子を東京 MX テレビが取材しており、テ
レビ放映された番組を上映しました。自分たちが参加した訓練だからこそ、生徒たちは真剣な眼差
しで映像を見ていました。生徒からは「宿泊防災訓練が成功したのは防災活動支援隊のかげの支え
あったからだと思います」
、
「同じ学年の人が地域のために色々やっていてすごいと思った」
、
「自分
たちが支えることになるので頑張ろうと思った」
、
「これからも地域に貢献していきたい」などの声
が多数上がり、これから先の時代を担っていく若い世代の防災意識がより一層向上したとともに、
地域貢献、社会貢献の心が着実に育成されていると感じました。
「いじめ防止フォーラム報告」
2学年担任 外川 寛
3月16日(月)5・6時間目、2年生を対象に視聴覚室において「いじめ防止フォーラム」が、
講師に東京第二弁護士会・平尾潔氏をお迎えして開催されました。
まず、いじめの実態と防止について、イギリス(イングランド)と日本とのいじめの傾向や年齢別
の増減傾向・男女別内容などとの比較が提示され、イギリスでは年齢(学齢)が進むとともにいじめ
の件数が減少する「右肩下がり」の傾向を示すのに対して、日本では14歳(中学2年)をピークに
「山型」の傾向を示すことなどが紹介されました。続いて、いじめはなぜ「絶対に」許されないの
か、といった人権的観点から、いじめの早期発見につながる被害児童・生徒の言動や行動の観察、
いじめに該当する行為の認識の相違やその解決方法などについて、非常に含蓄ある講演をいただき
ました。長い講義時間であったのにもかかわらず、生徒達は真剣かつ興味を持って耳を傾けていま
した。
そして途中休憩をはさみ6時間目には、A組からG組まで7クラスの生活委員が中心となって取
り組んできた、各クラス毎の「いじめ撲滅のための標語」についての発表と投票が行われました。
修学旅行後の短期間の中で、各クラスともいかにしたら校内からいじめを完全に撲滅できるのか、
という真剣な気持ちが伝わってくる標語案が次々と発表され、それを受けて、生徒たちは新3学年
として掲げる標語を選ぶため真剣に投票していました。そして最後に、生徒会長・岡田朋也君(2 年
E 組)が学年を代表して校長と7名の学年担任団に対していじめ撲滅を宣誓し、より明るい学校生活
を誓うことができました。
「マナー講座報告」
2学年担任 武藤衣美
3 月 19 日(木)の 3、4 時間目に 2 年生を対象に江上いずみ先生をお招きして「マナー講座」が
行われました。江上先生は日本航空で 30 年にわたり客室乗務員を務め、現在は筑波大学・大学院
で「おもてなし講座」の講師をなさっています。講座の最初に生徒の心を大きく動かしたのはJA
Lの御巣鷹山墜落の犠牲者の最後の遺書の数々です。あと数分で命が尽きるというときに家族に残
した言葉の数々に涙を流す生徒もいました。江上先生とスライドが「あと数分であなたの命がつき
るとしたら誰に何を伝えますか」と生徒に投げかけたとき、おそらくはその場の全員がはっとさせ
られたのではないでしょうか。そして、江上先生は、犠牲者の全ての遺族に写経をプレゼントして
非常に喜ばれたという体験を通して「人に何かをして差し上げることが喜びとなる」という実感を
得たそうです。
2020 年は東京オリンピックが開催されます。それに向けて来年度から大崎高校はオリンピック教
育推進校になります。大崎高校の生徒がボランティアスタッフとして活躍したり、または訪れる外
国の方々に英語で挨拶したりするときに、良い印象を残す挨拶の仕方、握手の仕方、姿勢や目線に
ついてお話いただきました。生徒たちは実際に立ち上がりペアとなって印象のよい英語の挨拶の練
習をしました。また、相手の印象に残る言葉かけや、世界で異なるマナーについてなどのお話を伺
いました。江上先生の客室乗務員としての実体験に基づいたおもてなしのお話の数々は時に笑いが
起き、時に「そんなことで怒る客がいるのか」と驚きもあり、あっという間の 2 時間でした。講座
は江上先生の飛行機の機内アナウンスで締めくくられました。
「当機は、大崎航空 001 便、機長牛
来、2020 年東京オリンピック行、飛行高度は生徒の熱気でぐんぐん上昇中、未来に向かってテイク
オフ!」
次年度に向けて
2学年主任 鈴木 勝雄
2年生も残りわずかで終わりです。この1年間、皆さんにとってどうだったでしょうか。長く感
じた人、あっという間に過ぎ去ってしまったという人など、人それぞれによって感じ方は違うでし
ょう。勉強に部活動に、それ以外でも何か目標を持ってこの1年間取り組み努力してきた人にとっ
ては、短く感じたのではないでしょうか。
4月からはいよいよ3年生です。1年生、2年生で取り組んできたいろいろな活動の成果を発揮
する集大成の学年であり、特に卒業後の進路に向けた取り組みを高校生活のまとめとしてしっかり
行っていかなければなりません。2年生までは何となくいろいろな進路行事に参加して、漠然と考
え取り組んできた人も多いのではないでしょうか。まだまだ先のことであり、真剣に自分のことと
して受け止め、考えてこなかった生徒も多いのではないかと思います。4月からはそうはいきませ
ん。3年生では自分の進路を具体的に決め、その自己実現に向けた努力を前向きに行っていくこと
が大切になります。まだ卒業後の進路で迷っている人は、この春休みに自分の進路希望を決められ
るようにしましょう。そのためには、大学や専門学校への進学を希望するなら、オープンキャンパ
スや学校見学に行ってみて学校の雰囲気を味わってみるのもよいと思います。また、就職希望の場
合、自分のやりたいことや性格などをしっかりと見極め、自分の適性に合う仕事が何なのかを保護
者と一緒に考えてみるのもよいでしょう。
いずれにしろ、目標をしっかりと定めることが大切です。そして一旦、目標が定まったらその実
現のために必要なものは何かをよく考え、4月の3年のスタートからすぐに実行に移していけるよ
うにしていきましょう。
次年度に向けて
1 学年主任 小島 弘之
本校は創立百周年を大きな節目として、新たなる大きなステージに立っています。
平成24年度には重点支援校、防災支援校に指定され、さらに25年度にはスポーツ教育推進校
の指定を受け、大きく変化、成長しています。1学年はこの大きなうねりの中にあって、学力向上、
進路の実現に向けてさまざまな取り組みをしてきました。
電子辞書を用いた学習、大学の一般受験を考えている生徒を対象とした夏休みの学習合宿は本年
度はじめての取組でしたが、ともに成果をあげることができました。
次年度は、電子辞書については朝の読書活動にも大いに役立て有効活用することを考えています。
電子辞書に収められている青空文庫中の文学作品を読むことも推奨していきます。また、夏休みの
勉強合宿については、さらに生徒の背中を後押しして参加者を増やしていきます。
進路に関しては10年後の自分をイメージしてライフプランを作成しましたが、これも大きな成
果をあげることができました。生徒たちは、総合学習・
「在り方・生き方」の授業では自己実現に
ついて考え、上級学校説明会では、進路についての正しい知識を吸収しました。次年度は、これら
を踏まえて、卒業後の進路を早期に明確にさせ、可能性を伸ばし、希望をかなえる指導に取り組ん
でいきます。
1学年の生徒たちは、穏やかで真面目です。教員の指導にも素直に従っています。しかし、自
ら主体的に動いていくという点においては、まだ不十分です。自宅での学習時間も不足しています。
生徒の意欲を高めることが次年度の課題です。
学年集会では、自己の人生の主人公になろうと語りかけましたが、自ら考え、意志し、行動する
生徒を育成していきたいと考えています。