情報メディア演習B 先行研究と文献レビュー 1 15年7月27日月曜日 論文間の関係の整理 2 15年7月27日月曜日 集めた文献をどう整理すべきか?→ 知のフロント(前線)を浮かび上がらせるレ ビュー・マトリクスという方法 http://readingmonkey.blog45.fc2.com/blogentry-684.html 3 15年7月27日月曜日 ジュディス・ガラード. 看護研究のための文献レビュー: マトリックス方式. 医学書院, 2012, 160p. 4 15年7月27日月曜日 レビュー・マトリクス 「看護研究のための文献レビュー:マトリックス方式」p.95より 5 15年7月27日月曜日 レビュー・マトリックス例 トピック1 トピック2 トピック3 トピック4 (著者,表題,雑誌) (発行年) (目的) (方法論的デザイン) ブラウン, C. J. 一般的な感冒の治療. 感冒の治療として 1987 薬物Xをプラセボと 無作為化比較試験 科学の不思議雑誌 比較 ホワイト, R.M. より優れた感冒の 一般的な感冒のよりより治療. 1989 治療として薬物Yを 無作為化比較試験 よりよい科学雑誌 薬物Xと比較 6 15年7月27日月曜日 レビュー・マトリクスの作成 • 文献を収集し整理する • トピックを決定する • 文献を要約する(マトリクスにメモ) 7 15年7月27日月曜日 トピックの設定 • • • • • • • マトリクスを作る目的に依存する 【必須】表題,著者,雑誌名(=書誌情報) 【必須】年(=書誌情報) 【必須】目的(仮説/リサーチクエスチョンとして) 研究デザイン 対象(数,単位,年代,各種の属性…) 手法(独立変数,従属変数,統計的手法,実装方法, アルゴリズム,評価手法…) • 自分の判断やコメント 8 15年7月27日月曜日 レビュー・マトリクスの要約(1) 4分割マトリクスの作成 • トピックを参考に注目する2つの軸を設定する テーマ:読み聞かせの子どもへの影響 調査 読み聞かせの子どもへの影響 絵本を用いた保育に関する調査 子どもの絵本に関する好み 個人 集団 子どもの配置と読み聞かせの効果の関係性 子どもの反応と絵本の主題の関係 読み聞かせ人数の違いによる理解度の違い 読み聞かせ時の子どもの反応 実験 9 15年7月27日月曜日 レビュー・マトリクスの要約(1) 4分割マトリクスの作成 • トピックを参考に注目する2つの軸を設定する テーマ:読み聞かせの子どもへの影響 読み手に着目 個人 集団 絵本に着目 10 15年7月27日月曜日 レビュー・マトリクスの要約(1) 4分割マトリクスの作成 • トピックを参考に注目する2つの軸を設定する テーマ:読み聞かせの子どもへの影響 調査 公共図書館 幼稚園/保育園 実験 11 15年7月27日月曜日 レビュー・マトリクスの要約(1) 4分割マトリクスの作成 • トピックを参考に注目する2つの軸を設定する テーマ:読み聞かせの子どもへの影響 調査 外国(米) 日本 実験 12 15年7月27日月曜日 レビュー・マトリクスの要約(1) 4分割マトリクスの作成 • テーマを探している時 • なるべく穴が空くような切り口, なるべく偏るような切り口,が必要 • テーマが決まっている時 • なるべくテーマが特徴付けられる様な 切り口が必要 13 15年7月27日月曜日 レビュー・マトリクスの要約(2) 文章化 • 表形式からストーリーへ • 文章化=>選択的に情報を抜き取る • 論理的に関係付ける必要がある • レビュー・マトリクスの再編成/再確認 14 15年7月27日月曜日 15 15年7月27日月曜日 16 15年7月27日月曜日 NAKAHARA-LAB.NET 東京大学 中原淳研究 室 - 大人の学びを科学する: 先行研究をまと める5つのプロセス、陥りやすい3つの罠 <http://www.nakahara-lab.net/blog/2011/10/ post_1803.html> 17 15年7月27日月曜日 3つの罠 18 15年7月27日月曜日 ケースNo.1 :「食い散らかし型」 • 「あれもあります,これもあります,こっちは,こんなこと」 的 • • いろいろな先行研究が脈絡なく「並べられてる」 頻出接続詞:「ちなみに」「ところで」「さて」 • Aは∼と言っている.ちなみに,Bは∼と言っている.とこ ろで,Cは∼と言っている.さて,Dは∼と言っている… • • 「接続詞がなく先行研究が羅列されている状態」 • Aは∼と言っている.Bは∼と言っている.Cは∼と… 解決策=>「意味的連関」をつければよい • Aは∼と言っている.Aの言う∼は∼だが,それに対してB は∼と言っている.これに類似しているのがCである.C は∼と言っている 19 15年7月27日月曜日 ケースNo.2:「カオス型」 • • • 結局,どんどん問題が発散していくタイプ • 本来は,少しずつ少しずつ問題がフォーカスされる 勉強していることのアピール? 全然関係ないものまで引用されている場合もある べき • 読み込んだ複数の先行研究をつなげて一つのストー リーにして,最後の最後1点においてリサーチクエ スチョンにつながる 20 15年7月27日月曜日 ケースNo.2:「カオス型」 • • 解決策 • • 先行研究同士の共通点,違いなどを見つける グルーピングしたり対照させたりする 先行研究を概観し大別すると,2つの異なるアプロ ーチが見いだせる. 第1のアプローチは∼である.例えばA,Bは∼. 共通点は∼である. 第2のアプローチは∼である.例えばC,D∼ 第1のアプローチ,第2のアプローチの差異は∼で ある.しかし,∼においては共通である. そこで,本研究では,ここに焦点をあてて∼ 21 15年7月27日月曜日 ケースNo.2:「カオス型」 • 先行研究の共通点,差異点をみつけて, 「構造」をつくる • 少しずつ少しずつ問題領域を絞っていく • 自分が解かなくてもいい問題,もう既に 解決されている問題を省く • 究極の「1点」に問題を絞り込む 22 15年7月27日月曜日 ケースNo.3: 「みんな違って,みんないい型」 • 「あれもいいよね,これもいいよね」的に,先行研究がと りあげられており,きちんとした批判がなされていない • • きちんとした「批判」を一つひとつ丁寧にしていく必要性 「批判」:よい点を評価し,きちんと課題を見つけること • こういうところは注力できるが,ここを見逃している, と,先行研究をリスペクトしつつ,きちんと評価する • 他人の研究の「重箱の隅」をつつくだけの批判はだめ.文 章に「知性」が感じられない 23 15年7月27日月曜日
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