日消外会誌 18(3):730,1985年 研 究速報 と の 光感受性物質 としての e o s i n y e l l o w悪性腫瘍内蓄積性 に る 急性毒性 関す 実験的検討 高瀬 靖 広 目 的 渋 谷 進 岩崎 洋 治 :Eosin ye1low(以下 ,cosin Y)を 光感受 性物質 とす る,悪 性腫瘍 の phOtoradiation therapyの 可能性 を検討す る 目的で,eOsin Yの 腫瘍 内蓄 積 性 と 急性毒性 を実験 的 に検討 した。 検 討 方 法 !Eosin Yは 波 長 460nmお よび518nmの 光線 に よ り励起 され,536nmを ピー ク とす る賞光 を発 す る色 素 で あ る。 1)Eosin Yの 悪性腫瘍 内蓄積性 の 齢)の 側腹部皮 検討 :マ ウス (ICR,female,5-8週 180を 5×106/mOuSe注 入 した。 そ し 下 に移 植 腫 瘍 S‐ て,移 植腫瘍 が直径5∼7nmmに 成長 した 時点 で,各 マ ウス腫腔 内 に eosin Y 10mg/kgを 注入 し,3時 間,6 時間,12時 間,24時 間,48時 間後 に腫瘍 を摘 出 し資料 とした。各群 の実験動物数 は 5匹 で ,eosin Yの 腫瘍 内 濃度測定 と螢 光観察 に供 した 。Eosin Yの 腫瘍 内濃度 測定 は螢光分析法 に よ り求めた。 また,腫 瘍 の螢光観 察 は光源 として アル ゴン レーザ ー (Spectra Physics 用 い,腫 瘍 か ら15cmの 距離 で 波長 514.5nmの 光線 を 出力400mWで 照射 し,536nln を ピー ク とす る螢 光 の50%を 通過 させ る フ ィル タ ーを 通 して行 った。 なお, コ ン トロール の組織 としては検 討 した 時間常 にて レーザ ー光照射 に よ り螢光 のほ とん Model 165,4Watt)を どみ られ なか った筋組織 とした。 2)Eosin Yの 急性 毒 性試 験 :7週 齢 の Wister系 ラ ッ トの 雄 (260∼300 g),雌 (170∼200g)各 10匹を用 い,生 理的食塩水 に溶 解 した eosin Yを濃度406∼875ng/kg(8段 階 は濃度 分割)を 静注 した。 そ して,投 与後 3日 間 の一 般症状 Wilcoxon を観察 し,ま た,累 積死 亡 数 か ら Lichlleld‐ 法 に よ りLD50値 を求 めた 。 結 果 !1)Eosin Yの 悪性腫瘍 内蓄積性 :Eosin Yに は腫瘍 内蓄積性 がみ られ,腫 瘍 内濃度 の ピー クは 投与 3時 間後 で あ った。 (表 1). 非投与 の腫瘍 内に も eOsin Yの 賃光 をみ るが,螢 光 分析法 を用 いた ことに よ り,組 織成 分中 に eosin Yと 同様 の螢光 パ タ ー ンを有す る成分が含 まれてい る もの と思われ る。 2)Eosin Yの 急性毒性 :最 少致死量 は 雄 では562.5mg/kg,雌 では437.5mg/kg,LD50値 は雄 600mg/kg,雌 560mg/kgで あ り,eosin Yャま極 めて低 吉 野 清 高 中 1 8 0 ) に おける e o s i n Y 組織内濃度 実験腫瘍 ( S ‐ ( ‖ 1 強 度 , ■ を軽 度 ) 担峰 内 ●osn Y占 投与 時的 対 142と 忠 3時 間 6時 □ 5, 239と 133 912と 400 101と 52 180と 48 122と 22 12時 間 299± 12f0 24時 m 337± 5_4 148と 00 185± 104 (n=4) 89± 32 48時 間 度 (ng/g) 88と 41 n=5 毒性化合物 で あ る と思われた。 考 察 : 近 年, 悪 性腫 瘍 に 対 す る h e m a t o p o r ‐ ー ー p h y r i n導 誘体 と ア ル ゴ ン レ ザ 光 照 射 に よ る Iン ) 。われわ p h o t o r a d i a t i o n t h e r a p施行 y が されてい る Licht Bchanlu叫 れ は,か つて eosin‐ ダに使用 された eosin Yを本治療法 の光感受性物質 として使用 し うる のではないか と考 え,実 験的 に腫瘍内蓄積性 について 検討 した。その結果,eOsin Yに は腫瘍内蓄積性 が あ り, レーザ ー光線 による励起光線 にて 肉眼的 に螢光が 認め られた。 また,急 性毒性試験 にて極めて低 毒性 の 化合物 であると思われた。そ こで,わ れわれ は eosin Y と ア ル ゴ ン レーザ ー光 照 射 に よ る phOtOradiation therapyは臨床的 に施行可能 で あ る と考 えて報 告 し 【 1. 亨 索引用語 :EOsin yellow 文 献 :1)Dougherty TJ,Kaufman JE,Goldtarb A et ali Photoradiation therapy for the treatment of naalignant tumors.Cancer Res 38:2628--2635, 1978 2 ) H a y a t a Y , K a t o H , O n o J e t flberoptic brOnchoscopy in the diagnosis of early stage lung cancer. Recent Results in Cancer Res 821121-130, 1982 3)Tappeicner H, und JeSinoek t Therapeutische Versuche mit auores_ zierenden Stoffen. Munch med Wschr 47: 2024--2044, 1903 AN EXPERIMENTAL STUDY ON FLUORESCENCE OF MALIGNANT TISSUES AND ACUTE TOXICITY FOLLOWING ADMINISTRATION OF EOSIN YELLOW Yasuhiro TAKASE, Susulnu SHIBUYA, Ytti Iヽ VASAKI and Kiyotaka YOSHIN04 Department of Surgery,Institute of Clinical Medicine,University of Tsukuba Departrnent of Phamacy,1」 niversity of Tsukuba HospitalⅢ < 1 9 8 5 年 3 月 2 日 受理> 別 刷請求先 : 高 瀬靖広 〒 3 0 5 茨 城県新治郡桜村天 王台 1 - 1 - 1 筑 波大学臨床医学系外科 a l : F l
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