【初級】簡単な反応拡散:細胞外からの Ca 2+流入とそのバッファリング

【初級】簡単な反応拡散:細胞外からの Ca2+流入とそのバッファリング
概要:カルシウムイオン Ca2+は細胞のシグナ
ル伝達や機能維持に重要で、その濃度は厳密
に制御され、細胞内 Ca2+濃度は細胞外に比べ
て4桁以上低くなっています。細胞内の Ca2+
濃度の制御には細胞膜の Ca2+透過性チャネ
ルの開閉、細胞内での ER からの放出、Ca2+
バッファによる制御などいくつもの要因が
ありますが、ここでは細胞膜の Ca2+透過性チ
ャネルが開いたことによる Ca2+流入とその
バッファリングについて例を示します(図 1)。 図 1 Ca2+流入とバッファリングの模式図
ポンチ絵と A-Cell モデル:Ca2+とバッファとの結合解離反応についてポンチ絵を図 2 左に、
そ の A-Cell モ デ ル を 中 に 、 円 形 形 態 モ デ ル を 右 に 示 し ま す 。 Ca2+ 流 入 は A-Cell
の”Stimulation”でモデル化し、形態モデルの一番上の赤い 5 コンパートメントに割り付け
ました。Ca2+ のバッファ反応はすべてのコンパートメントに割り付けました。
図 2 ポンチ絵と A-Cell モデル
シミュレーション結果を図 3 に示します。t=0 から Ca2+が流入し、バッファ分子 B と反応
しながら細胞内を拡散します。Ca2+の拡散定数は 10-10 m2/s で、バッファ分子 B は拡散
0 ms
0.1
1
2.5
5
図 3 シミュレーション結果(Ca2+)
させていません。バッファ分子 B がない場合(これは同じモデル集の中の単純拡散です)
と比較してみて下さい。