焼却灰を用いたキャピラリーバリアの設計・施工に関する研究

焼却灰を用いたキャピラリーバリアの設計・施工に関する研究
岡山大学大学院環境学研究科 西垣 誠
研究概要
成果及び今後の展開 (事業化の可能性)
従来型覆土
キャピラリーバリア型覆土
覆土内排水
表面排水
ごみ溶融スラグの最終
処分場での有効利用
表面排水
細粒土
粗粒土
○循環型社会への寄与
中国地方で年間約2万㌧処分されているスラグを有効利用
岡山県内の2006~2010年埋立終了予定施設数:10施設(5年間の潜在
廃棄物
的利用見込量:約6万㌧)
粘性土
廃棄物
降雨浸透水
ごみ溶融スラグは砂質材料と同等の性能を有することを確認
→最終処分場覆土への適用の可能性が見出せた。
廃棄物保有水
汚染水溜り
浸出水
○環境リスクの低減
廃棄物への浸透水を抑制することにより,浸出水の漏水による
汚染の可能性を低減(→より安全・安心な処分場へ)
浸出水
従来型覆土とキャピラリーバリア型覆土
降水
表面流出
表面 覆 土
砂層
側方排水
○水処理コストの低減
廃棄物への浸透水を抑制することにより,水処理コストの低減が
期待される。
例えば,年間300mmの側方排水,埋立面積1万m2の処分場であれば年
間3000m3程度の浸透水軽減が期待される。
礫層
降雨
古墳では,貴重品を納めた石室を礫や石材で囲み,
雨水の浸透を防いでいる
原理の応用例
浸透
Soil cover
廃棄物層
キャピラリーバリアのメカニズム
水島ごみ溶融スラグのキャピラリーバリア型覆土・砂材料への
適用性を物性試験・数値解析・室内大型土槽試験で検討
waste
waste
Leachate
Ground water
Pollution
遮水層のない処分場
遮水層のない処分場
Searing works
Discharge
Treatment
遮水層のある処分場
遮水層のある処分場
■解決すべき課題
最終処分場で実規模の施工を行い,実際の降雨に対する浸透
制御状況のデータを収集し,有用性を確認すること。
■実現性
適用現場に対して,即時に設計・施工が可能。