回復期病棟における職員満足度調査結果からの報告

【はじめに】
回復期リハ病棟スタッフの業務や環境に対する意識を把握し「離職の防止」や
「魅力のある職場環境作り」に役立てたいと考えアンケート調査を施行したの
で、アンケート結果に若干の考察を交えて報告する
【対象】
4階回復期リハ病棟に配属のNs、CW、SW、PT、OT、ST、クラーク 合計68名
【調査期間】
平成27年2月9日~20日
【方法】
個人特定されないよう無記名回答とした
【アンケート内容】
①自分の病院の利用を親戚や知人に勧めたいか(職場推奨意向)とその
改善点
②職場の強み(自慢できる部分)
➂スタッフの社会人・組織人・専門職としてのレベル(1~10)と満足度(1~10)
1
【アンケート回答率】
回答者49名/全職員68名 = 全体の回答率72%
PT・OT・ST = 29名/31名(94%)
Ns・CW・SW・クラーク = 20名/37名(54%)
職種別の割合
経験年数別の回答率
男女別の回答率
無回答
Ns・CW・SW
クラーク
無回答
6%
女性
39%
41%
59%
PT・OT・ST
6年目以上
10%
55%
1~5年目
57%
33%
男性
2
① 職場推奨意向についての質問
質問内容:もしも身内や知人にリハビリテーション(入院)が必要になった場合
沖縄リハビリテーションセンター病院を勧めたいと思いますか?
利用を勧めたい
と思わない
無回答
22%
76%
利用を勧めたい
回答者 = 49名
利用を勧めたい
経
験
年
数
別
の
回
答
※
全
体
の
回
答
2%
37名(76%)
利用を勧めたいと思わない
11名(22%)
無回答
1名(2%)
経
験
年
数
無
回
答
者
3
名
を
除
く
利用を勧めたいと
思わない
4% 無回答
15%
81%
利用を勧めたい
1~5年目(27名)の回答
利用を勧めたいと
思わない
26%
74%
利用を勧めたい
6年目以上(19名)の回答
3
職場推奨意向の自由記載欄
質問内容:どうすればもっと身内や知人に 「勧められる病院になる」と思いますか?
回答結果
ハード面
・トイレを増やす 5人
・患者さんにとって浴室が使用しづらいので改善する 5人
・病院全体の設備の改善 4人
・浴室とトイレを清潔にする等、衛生面の改善(排泄ケア、トイレ) 3人
ソフト面
・職員の言葉遣い、礼儀などの接遇改善 11人
・患者、家族とのコミュニケーションや対応ができる時間的な余裕がもてるようにする 6人
・マンパワー不足の解消 5人
・キャストの専門性、技術の向上 5人
・情報共有強化、チームでの取り組みの向上 5人
・ナースコールの対応の改善 4人
※3名以上の回答があった内容のみ記載
4
② 職場の強みに関する質問
質問内容:他の医療施設で働いている知人に自慢できる 「当院の強みは」何ですか?
回答結果
・チームワークが良い、他職種連携が優れている、スタッフが協力的 18人
・リハの機器・環境が充実している 10人
・医師と話しやすい、相談しやすい 7人
・リハキャストが多い、リハ情報が豊富 7人
・ホールの雰囲気が良い、職員が優しい 6人
・職員同士の仲が良い、他職種と話しやすい 5人
・職員が多いので知識や技術を学べる機会が多い 4人
・勉強会が多い 4人
・職員が勉強熱心、向上心がある 4人
・リハビリ提供時間が多い、土日祝日もリハがある 3人
・ホールに活気がある、明るい 3人
・尊敬できる上司がいる。管理者の話しやすさ、対応が良い 3人
・色々な疾患を見ることができる 3人
・親切にクライアントと向き合っているから 3人
※3名以上の回答があった内容のみ記載
5
➂ 1~3の質問に対して、それぞれの主観的なレベルと満足度を調査
1 , ゆいんちホール職員の社会人( 礼儀、態度、言葉遣い、挨拶身だしなみ、等 )
としてのレベルはどの程度だと感じますか?
2 , ゆいんちホール職員の組織人( 自分の役割の認識している日常の業務を遂
行できる、報告連絡相談ができる、指示命令系統を把握しそれを守れる、決
められた会議や勉強会に参加する、等 )としてのレベルはどの程度だと感じま
すか?
3 , ゆいんちホール職員の専門職( 自分の専門の業務について高い能力を発揮
できる、専門職としての能力を高めるために努力している、等 )としてのレベル
はどの程度だと感じますか?
回答方法については
レベル ( 1を全くできていない ~ 10を充分で きている )
満足度 ( 1を全く満足していない ~ 10を充分満足している )
として主観的な数値で回答してもらった
6
各質問についてレベルと満足度の回答結果を 3群に分類
1~4=低い 5~6=普通 7~10=高い
全回答者数 = 49名( 社会人のレベルは 1名無回答 )
満足度
社会人、組織人、専門職としてのレベル
25
専門
組織
社会
20
15
専門
25
20
社会
15
組織
組織
専門
社会
社会
組織
社会
専門
組織
組織
専門
←
←
回
答
者
数
10
社会
回
答
者
数
専門
5
0
1~4
レベル→
5~6
7~10
10
5
0
1~4
満足度→
5~6
7~10
7
【 結果 】
今回のアンケート回収率は72 %
職場推奨意向では、親戚や知人に勧めたい職員が76 %で改善点としては
「接遇面の改善」「ゆとりある対応」が上位
職場の強みは「チームワークの良さ」「リハ機器の充実」「医師との話しやすさ」
が上位
社会人・組織人・専門職としてのレベルを高中低の3段階に分類した場合
「組織人のレベルと専門職のレベルを高」「社会人のレベルを中」と回答した
者が多く、満足度では「組織人を高」「専門職と社会人を中」と回答した者が多
かった
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【 考察 】
他施設との比較
職場推奨意向
全国1):自分の病院を利用したいと考える職員は37%。 自分の病院を利用することに躊躇していた
職員が60%以上
小倉記念病院4):自分の病院を利用したいと考える職員は57%。どちらとも言えない28%
利用したくない15%
当院:自分の病院を利用したいと考えている職員は76%。 利用したくないとい22%
経験年数別の満足度
全国2):新入職員のモチベーションは高く、2年目~10年目くらいまでの満足度が低い
年齢や役職が上がるほど満足度は高い
一宮西病院3):職場満足度は1年目と11年目で高く4~5年目で最も低かった
業務ストレスを感じている職員が多く原因は自分の能力
教育体制に対する満足度は1年目と8~10年目で高く、それ以外は低かった
当院:職場推奨意向 を経験(職種の)年数別で比較した際に「自分の病院を利用したい」
と考えている職員は「1~5年目群 81% 」 「 6年目以上群 74 %」
引用資料
1 ) TEAM APPROACH 2008年 秋号 通巻4号 発行日:2008年9月 発行人:玉井伸正 発行所:第一三共株式会社 制作:メディカルクオール株式会社
2 ) 若手コンサルタント・レポート 患者満足度調査・職員満足度調査の有効な実施方法の考察 発行:2010年12月 辰川 博子
3 ) リハビリテーション・ケア合同研究大会 長崎2014抄録集
4 ) 小倉記念病院職員満足度調査 2009年6月1日~6月16日
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【 まとめ 】
・「職場推奨意向」と「社会人・組織人・専門職としてのレベルと満足度」
は比較的高い印象であった
・職場の強みとして「現場チームワークの良さ」を感じている反面、社会性や接遇
面のレベルと満足度は他の要素に比べ低い傾向があった
社会人としての基本的な部分が今後の課題だと考える
・他施設の調査と比較すると、当院の満足度がやや高い印象があるが
アンケートの質問内容が施設により異なるため、きちんとした比較は今回の
調査内容では難しい
・今回のアンケート調査結果から得られた改善点・強みを強化し、今後のホール
職員満足度向上に繋げつつ、年度による経時的な変化を調査していきたい
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