骨シンチグラフィ全身像における PACS 画像濃度統一化の検討

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骨シンチグラフィ全身像における
PACS 画像濃度統一化の検討
大阪市立大学医学部附属病院 中央放射線部 ○北谷淳次・山永隆史・片山 豊・對間博之
大村昌弘・下西祥裕
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胸椎
係数1.34
Fig.1 ROIの位置における係数値のばらつき
正常骨最大値→
250
200
150
100
y=1.6654x+12.378
R2=0
=0.8906
8906
50
減算閾値=1.67×(ROI内中央値)+12.38
0
20
40
60
80
100
中央値 →
120
Fig.2 中央値と正常骨部分の最大値の相関
正常時
高集積出現時
高集積出現時
(ROI内最高
(高集積減算
(ROI内最高
(
(
(
カウントで表示) 処理にて濃度調整) カウントで表示)
度数→
【背景】
骨シンチグラフィでは,左右,前後などの付帯情報の必要性
によりSecondary Capture(以下,SC)画像をPACSに配信して
いる.しかしSC画像では閲覧時に濃度調整が困難なことや,
オペレータによる濃度の変動が問題となる.それらの解決法と
して任意の場所(背面像の胸椎など)にROIを設定し,最高カ
ウントをUpper Levelで表示する方法などが用いられている.
【目的】
ROIを用いる方法において,読影に適した表示濃度の検討,
濃度変動の少ないROIの位置の検討を行った.また,ROI内に
高集積が存在する場合は, ROI内最高カウントによって表示
濃度を決定することができないため,高集積部分を減算する
処理(高集積減算処理)を考案し,有用性を検討した.これら
の検討を行なうことで,更なる画像濃度の安定化を図った.
【方法】
1.読影のための最適な表示濃度の検討
異常所見なしと診断された全身背面像33症例に対して,視
覚評価を行なった.観察者は核医学医師7名,核医学専門技
師6名で,濃度スケールのUpperのみを変化させて,最適な表
示濃度に設定し,Upper Levelの平均値をそれぞれの最適
Upper Levelとした.
2.濃度変動の少ないROI位置の検討
少な
方法1と同一症例に対して,頭部・頚椎・胸椎・腰椎・両肩・両
上腕・両仙腸関節・両大腿の計12箇所にROIを設定し,以下
の(1)式より係数の変動が少ないものを最適なROIの位置とし
た.
係数値 = 最適Upper Level / ROI内最高カウント ・・・(1)
3.高集積減算処理の考案と検討
胸椎に高集積のある15症例に対して,胸椎にROIを設定し,
高集積減算処理の減算閾値の検討を行った.最大値,平均
値,中央値,最頻値を測定し,ROI内の正常骨部分の最大値
との相関を求め,減算閾値の式を算出した.
また同一患者で,経過観察途中から高集積が出現した症例
に対し,高集積減算処理を用いて正常像と高集積像のSC画
像における濃度ヒストグラムの比較を行った.
【結果】
1.熟練された観察者によって,読影時に適した表示濃度を
決定した.また,その濃度にばらつきは少なかった.
2.濃度変動の最も少ないROIの位置は胸椎であった.また,
ROI内の最高カウントの1.34倍を表示Upper Levelとすることで
最適な表示濃度となった. (Fig.1)
3.ROI内正常骨との相関の高い中央値を,高集積減算処理
の減算閾値に用いることで(Fig.2),再現性のよい減算処理が
行えた.また,同一患者における正常像と高集積像のSC画像
の濃度ヒストグラムの比較では,正常骨部分の濃度ヒストグラム
が一致した.(Fig.3)
【結語】
正常症例では,背面像において,胸椎のROI内最高カウント
の1.34倍を表示Upper Levelとし,高集積症例では,高集積減
算処理を行なうことで,再現性が高く,更に安定した表示濃度
で出力できることが示唆された.
(同一患者)
階調→
Fig.3 SC画像の濃度ヒストグラム比較