農業用 水 合 理 化対策事 業 の 評価 に関す る研究 ( I ) 長 束 目 勇 ィ 次 I 序 論 一一 農業用水 合理化 対策事 業 正 余 剰水形成方 法論 1.余 乗J水の形成 メカ ニ ズ ム 2.余 剰水形成 へ の動機 付 け (以下 ,次 号以降掲載予定) III 地域 的便益最 大化 モ デ ル 1,一 般 モ デ ル 2.小 只川 下流地域 へ のモ デ ル適 用 IV 水 資源再配分 にお け る費用負担 1.費 用振 分 け の方 法 2.小 只川下流 地域 合理化 事 業 にお け る費用振 分 け V 結 論 お よび今後 の課 題 1.解 析結果 の ま とめ 2,現 行事業 に対 す る評価 3.今 後 の課 題 I 序 論 ―一 農業 用水合 理 化対策 事業 (1)背 景 農業用水合理化の問題 は,主 として急激な都市化が進行 しつつある都市近郊の農業 長束 :農業用水合理化対策事業の評価に関する研究(I) 15 用水 に とつて,避 けて通れ ない現 実的要請 として,す なわ ち用水転 用 とし て 現 わ れ た。 そ の背景 には,都 市化 に伴 う水需要増 ,地 下水汲 上 げ規制 による流水 へ の水源転 換,水 資源 開発費 ・補償費 の高騰 等 による新規 水 資源 開発 の困難化 とい った事情 が あ り,都 市 にお け る水 需給 の逼迫 か らの農業用 水転用要求 な ので あ る。農業用 水 の都市 用水 へ の転用 は,水 資源 とい うひ とつ の稀 少 資源 の再配分 過程 として とらえ られ るこ とがで き るのであ る。 当然 の こ となが ら,転 用 が経済的 に必然 とな る条件 とは,双 方 が転 用 にメ リッ トを もつ こ とで あ る。農業側 につ い て考 えてみ る と,都 市化 の始 ま った地 域 では,ス プ ロ ール が激 し く進行 し,用 水路 の末端 で の維持 管 理 の不行 き届 きや水 路 そ の も の の 荒 廃,農 地転用 に起 因す る受 益地 区 の脱落 に よる水 利費徴収範 囲 の減 少, さ らに,都 市 下水等 に よる水 質 の悪化 も加 えて,農 業水利秩序 は次第 に崩 壊 しつつ あ る。 そ こで, "こ “ とがで きれ ば,そ 農業側 は農業用水 の需要減 少分 を余剰水 として都市 側 に 売 る れ によ って農業 用水施設 の維持 管 理 の確保 ,土 地改 良区 の経営改 善,組 織 の再編維持 な どを行 な うこ とがで き るので あ る。 さ らに,現 状 維持 だけでな く, も っ と積極的 に 都市近郊農業 の近代化 の基盤 を確保す るこ とも可能 となるであ ろ う。 一 方,都 市側 で も,ス プ ロー ル 現 象 にあ るにせ よ,都 市規模 の拡 大 はす さま じく都 市用水 の需要 を急増 させ てお り, これ に対 す る供給 の方 は前述 した理 由等 に よ り,対 応 で きな くな ってい るの が 実状 であ るので,大 量 の水 を新規水資源 開発 コス トに比 し て安 く, しか も工 期的 に も短 か く早急 に得 るこ とが で き る とす れ ば願 って もない こ と な の で あ る。 (21 農業用水合理化 の意義 ・ 農業 用水 につい ての合理 化 とい う言葉 は,多 様 な意味 内容 を こめて使 われ て い る が,大 き く二つ の 見方 に分 け られ る と思 われ る。 一 つの 見方 は,農 業生産 力 を視 点 にお い て農業用 水 をみ てい る もので あ り,新 しい 農業 生産 に照応 す る用排水 施 設 の改 造 を図 る と共 に,用 排水 の管 理 につい て も新 しい 秩序 を創造 しよ う とい うこ とであ る。 これ は,ど こまで も農業側 か らの 方 向 で あ っ て,仮 にそれ が農業用水 として節水 の条件 につ なが る として も,そ れ は,農 業 用水 の 安定,農 地 の拡張 とい った形 で の考 えで あ って,合 理化 の結果節 水 され た水量 を他種 用水 に転用 しよ うとす る ものではない。 他 の見方 は,水 需要 の社会的増大 を背景 に,水 資源 が経 済財 として の性格 を強 めて い るこ とを基礎 として,水 資源 の合 理 的配分 とい うもの を考 えてい る見方 で あ る。 こ れ は,最 大 の水需 要者 であ る農業用 水 も, これ まで と同 じよ うな形 で の水需要形成 を そ の まま続 け るこ とをや め,効 率的 で経 済的 な利 用,節 水 を農業用 水 の側 で も課題 と す るよ うに求 めた もので あ る。 16 (倒 現 行 の農業用水合理化対策事業 農業用水余剰水 は,現 在 の水利用状況下 で は,な かなか顕在化 せ ず潜在 的 な形 で存 在 し,都 市用水 に転用 で き る形態 にはな らな いの が常 で あ る。宅地 化 に伴 って流量 の 上 で は余 剰 にな った として も,水 を分配す るための位置 エ ネ ル ギー につい ては,ほ ぼ ー 従 来 どお りの ものが必要 で あ り, も し機械 的 に流量 を減 ず れ ば位置 エネ ル ギ を失 う こ とにな り,水 の分配 そ の ものが全面的 に困難 にな る とい うシステ ムで あ るか らであ る。 また,都 市排水 の農業用 水 へ の混入 によ り,水 質上希釈水 が必 要 とな ってい る場 合 もあ る。 したが って,潜 在約余剰水 を都市用水 に転用 で き るまで に顕在化 させ るた めには,農 業水利施 設 の整備 が不可欠 であ り,そ の よ ケな農業投資 を行 な うこ とが用 水転用 の前提 となる。 農業 用水合理化対 策事業 以上 の こ とを踏 まえ,現 行 の事業 は,昭 和47年 7月 13日 「 1)に よ り発足 した もので あ る。 そ の 目的 は,「近年 の著 しい経 済 の発展 お よ 実施要綱」 び都 市化 の進展 に対処 し,都 市近郊 の農業 地帯 にお いて農業 水利施設等 の整備 を行 な 水 の確 うこ とに よ り,地 域農業 の近代化 を図 る とともに,こ の結果 生 み出 され る余乗」 保 を し)都 市用水等 に転用す るこ と」 として い る。す なわち,農 業用水 の都 市 へ の転 用 とい う協 力体制 が強 く打 ち出 され てい るの で あ るが,あ くま で)土 地 改 良法 の制約 下 にある補助事業 で あ り,市 街 化 区域 内 の受益 地 にかかわ る工 事 は補助 の対象 とな っ てい な い。 また,農 業振興地域分 につ いて も,農 業 お よび新 規利用者 の妥 当投資額 割 等 に よ って費用振 分 けを行 な った農業持分 の み補助 の 対 象 とな ってい る。 この こ と “ ル は,農 業水利施設整備 を行 な うの は都市近郊 の 農業 地帯 で あ り,市 街化 区域 の農 業用水 は都市 に譲 り,そ の代 わ り農業 地帯 の整 備 を行 なお うとす るこ とを意味 し)都 市計画 にみ られ る都市 と農業 との分離 の発想 が 明確 に投影 され て い るの であ る。 に)水 資源対策 上 の位置付 け 長期水需給計画」 の 中 では, 農業用水合理化対策事業 は,昭 和53年 8月 の 国土庁 「 ―― 一 農業用水使 用 の合理化 )と 総合 的 な水 需給対策 の展 開 の 環 (節水型 社 会 の形成 して位置付 け され てい るが,よ り明確 には,国 土庁 によ って策定 され,昭 和 54年 3月 6日 ,閣 議決定 され た 「利根川水系お よび荒川水 系 にお ける水 資源 開発 基 本 計 画 」 (通称,利 根川水系 フル プ ラ ン)に お い て示 され て い る。 この水 系 に各種 用水 を 依 存 す る見込 み の都県 は,茨 城,栃 木)群 馬,埼 玉 )千 葉,東 京 お よび神奈川 であ り,そ の 昭和 60年度 にいた る間 の水 の用途 別 の新規需要 見 とお しお よび供給 の 目標 は,お お むね 次 の とお りであ る。 水道用水 約 95m3/scc 農 業用水 約 50m3/scc 工 業 用水 約 50m3/scc 供 給 目標 約 195m3/scc 上記 の供給 の 目標 を達成す るため必 要 な施設 の うち,利 根川水 系新規利水量 約 151 長東 :農 業用水合理化対策事業 の評価 に関す る研究 (I) 17 第 I-1表 た 着 工年度 利 水 者 備 上 水 2.666 2,010 43 埼 玉 県 1.487 3,118 48 ″ 〃 0.261 1,124 津 山 市 〃 埼 玉 県 〃 領 1.384 3,887 佐 野 0.108 358 ″ 泉佐野市 1,925 51 692 54 福 井 市 い わ き市 0.819 0.641 49 ″ 手 福 井 ・芝 原 用 水 ・四 時 福 島 考 ( 百万円) ″ 大 玉 ・幸 阪 ・泉 事 業 費 〃 埼 玉 ・葛 西 用 水 埼 玉 ・権 現 堂 岡 出 ・津 山 東 部 埼 ヒ 区 皇> 旦 c 水 e ︿口 3 m 期r 地 農 業用水 合理化対策事業実施状況 (注)葛 西用水 のみ県単事業,他 は補助事業。 m3/scc,荒 川水 系新 規利 水量約 14m3/scc,合 計約 165m3/sccの 確 保 を 目途 として施 設 の建 設 を行 な うこ とにな ってい るが,残 り約 30m3/sccに つ い ては,「都市化 の著 しい …… (中略 )… …,必 要 な措 置 を講 ず る もの と 地 域 にお け る農業用水 の合 理化 お よび ・ す る」 とな って お り,農 業用水合 理化対策事業 の水 資源対策 上 の位置付 けが され て い る。 また,重 要事項 として も 「 近年 の著 しい経 済社会 の進展 に伴 う土地利用 お よび 産 業梼 造 の変革 に対応 し,既 存水利 の有効適切 な利用 を図 るほか)都 市化 の著 しい地 域 にお い て農業水利施設等 の整備 を行 な い農業 の振興 に資す る とともに,水 利用 の合 理 化 を促進す るため の措置 を講 ず る もの とす る」 とされ てい る。 なお,施 設 の建 設 プ ロ ジ ェク トの 中 に も,す で に現在施 工 中 の 合理 化対策事業 が含 まれ て い る。 (5)動 向 2)に よ り,事 業化 に 向 けて の調 昭和 46年 9月 ,「農業 用水合理化対策調査 実施要綱」 査 が かな り行 なわれ て きてい るが (昭和 53年度 まで の調査地 区数 , 29地 区),事 業化 され た の は事業実施 要綱 が 出 され て以来 7年 が経過 した の にかかわ らず 6地 区 にす ぎ ず,な かなか思 うよ うに進 んで い ない とい うのが実状 であ る。 昭和 54年 まで の事業実施状況 は,第 I-1表 の とお りで あ る。 しか し,都 市計画 法 に基 づ く線 引 き に よ り,大 量 の農 地 が市街 化 区域 内に と りこ ま れ てお り)市 街化 区城 は,お おむね 10年以 内 に市街 化 を促進 す る ところ と唱 われ てい る ところ の もので あ るか ら,市 街 化 区域 内 の農地 は,い わば農業用水合 理 化対策事業 の 主 た る対象地 区 と考 え られ ない こ ともな い であろ う。 も し,こ の市街 化 区域 内 の農 業用水 をす べ て都市用水 に転用す る と仮 定す るな らば (水収支 上 の 問題 を無視 す る), 以下 の よ うな合理化可能水量 を得 る。 18 (市街化区域内 の水田)(水 稲栽培期間中に水 田で心要 とされ る水量) 16万 ha × 200 cm =32億 m3 この32億 m3/yearとい う量 は,明 示的 に示す と,昭 和60年にお け る関東地域 の生活 用水 の需要量 に匹敵す るだけの量, とい うことにな り,今 後 の農業 用水合理化対策事 業 の推進 の大 きな可能性 を示す もので あ る。 (6)問 題 点 の抽 出 農業用水 の合理化 を考 える上 で考慮すべ き ことは,主 として,次 の よ うな ことであ る。 (ω 社 会的公正上 ・ ・ べ わが国 の水道供給事業 の原則,す なわち,水 は,清 浄 豊富 低廉 である きであ る, とい う考 え方 は,現 在 の水資源状況 においては不適 当であ り,都 市 における水消 費 の あ り方 を,ま ず再考す べ きであ る。 lb)農 業構造問題 わが国 の農業水利 をめ ぐる前近代 的構造 は,近 代的 自営業 の 自立 過程 で形成 された の農業生産 分散錯 園制 を前提 とし,村 落 の集 団的機能 の媒介 によつて,は じめてlEl々 が安定的 に継続 し得 るとい う,小 農 の生産力水準 が基礎 とな ってい る。 したが つて, 合理化問題 を考 える際 には,変 貌 しつつ あ る農業構造 の あ り方 そ の ものの検討 が必 要 である。 し)地 域用水 として の機能 の事前評価 農業用水 は,狭 い意味 での農業 にのみ利用 され て きたのではな く,い わば地域 の水 として利用 され て きた ものが多 い。農業用水 の もつ,生 活用水機能,貯 水機能,地 下 水酒養機能 ,自然浄化機能等 について も配慮 し,これ らを事前 に評価す る必要がある。 は)排 水義務量 べ 合理化地域 の もつ水利権 の 中には,そ の下流地域 で利用 され る き水量 も含 まれ て い る可能性 がある。合理化 され る水量 が, も し下流 地域 で利用 され る水量 に, しわ よ せ され て生み出 された とすれば,そ れ は将来非常 に大 きな問題 とな る。水収支上 の還 元量 のチ ェ ックが必要 である。 し)不 特定利水 農業用水 の水利権流量 は,農 業用水 自体 の投資 によ る もの と公共投資 の結果 による ものである。 したが って,合 理化 の際 の清算処理 は,権 利的取 水が不特定利水 に どれ ほ どおぶ さってい るかを考 えるべ きである。 (f)費 用額お よび費用負担 の確定 合理 化事業 の規模 ない し整備水準 か ら決 まる費用額 とそ の負担額 は,関 係主体間 の 折衝 ・協議 ・妥協等 を経 て調整 が図 られ てい るもので あろ うが,行 政 の効率上,そ れ 長束 :農業用水合理化対策事業の評価に関する研究(I) 19 らの確 定 につ いての理 論的根拠 を明確 にす べ きであ る。 lgl 都市計画 との関係 都市計画 にお ける線 引 き と余剰水形 成 には密接 な 関係 が ある。 真 に,都 市側 は 開発 す べ き水 が必 要 な らば,水 収支 の 内容 を も考慮 した,用 水 を一 つの基準 として の都 市 計画 を作成 す べ きで あ る。 また,市 街化 区域 内農地 に対 す る農業投資 は,必 然的 に無 駄 な投 資 にな る可能性 が あ るが,過 渡的移行措置 を含 め た都市計 画 との調整 が不可欠 で あ る。 側 農 業 内部 にお ける用水 需要増 農業 内部 にお い て も,必 要水量 が増加す るこ とを考慮 してお くべ きであ る。 そ の増 加要因 は種 々 考 え られ るが ,都 市側 へ の水転用 が,将 来 の農業 生産拡大 の制約条件 に な る可 能性 が あ るので あ る。 (i)そ の他 都市側 の財 政負担能 力,冬 期水手 当,水 質問題 に対す る検討 が必 要 である。 ところで,本 事 業 の推進 上 ,も っ とも基本 的 な問題 は,“ Vヽ か にすれ ば,既 得 水 利 権者 に対 す る事業参加 へ の動機付 がで き,協 力 して も らえ るか。 ど うすれ ば,余 剰 水 "。 形成 が可能 な のか と,い うこ とであ る。既 得水利権 者 に とっては, 余 乗1水を生 む ために,自 己負担 まで して農業 水利施設 の整備 をす る必 要性)緊 急性 は乏 しいので あ り,農 業水利施設 の整 備)農 業水利秩序 の再 編 は,当 該地域 の農業 生産 ・農業経 営 の あ るべ き方 向 と密接 に関連 してい るか らであ る。 本論 文 の 目的 は,こ の もっ とも基本 的 な問題 に対す る検討 を通 じて,主 として,問 題″ 点(f)の 解 明 へ の手掛 りを示 す こ とにあ る。 なお,そ の他 の 問題 点 につい て も,結 論 に至 るまでの過程 の 中 でふれ るこ ととす る。 (注) 1)47農 地 D第 402号,事 務次 官通達。 2)46農 地 C第 413号,事 務 次官通達 。 工 余 乗l 水形 成 方 法 論 1 ・ 余剰水 の形成 メカ ニズム 本節 においては, 水 谷正一 氏 の論文1 ) を余剰水 の形成 メカニズム解明 の方法論 とし て引用す る。 ( 1 ) 農 業用水 の需給関係一一 取水量関数 の設定 20 通 常 ) 農 業 用 水 の 用 水 地 区全 体 の 全 取 水 期 間 の 需 給 関 係 は, 次 式 で 表 現 で き る。 Q*十 Er*=N*十 O*十 十 Q, Q*=Q。 C (2-1) Er, Er*=ErO十 N*一 N。 十 N, 0ネ =00+0, C=COA Q : 地 区全体 の農業用水取水量, E r i 地 区全 体 の有効雨量合計, N : 地 区全体 の純用水量, 0 : 地 区全体 の管理用水量, C ; 代 掻用水量, C O : 単 位代掻用水 量, A i 用 水地区面積 は植付期, 無 印 は養 生期 の各量) ( Q , E r , N , 0 の * 印 は全 取水期間, 。F 日 こ こで , ・ ( 2 2 ) Q O = C , E r O = 0 , N O = 0= ,0 O 。 め と仮定す る と , ( 2 - 1 ) 式は, 以 下 の よ うに書 き直す こ とが で き, 用 水全体 の養 生期 の 需給関係 を得 る。 (2-3) QttEr=N+O そ こで, 純 用水量お よび管理用水量 を規定す る要素 を抽 出 し, 取 水量関数 を設定す ることとす る。純用水量 は, 水 田の一筆減水深 と水 田面積お よび地区全体 での反復利 用度 の高低 によって決定 され る。関数 で表 わせば, N=名 (①H,① A,oR) (2-4) 簡単化 して, A・ (1-R) N=H・ = h ・ I n ・A ・ ( 1 - R ) H:一 筆 減 水 深 の全 期 間 合 計 (2-5) (畠 ht),h:一 筆 減 水 深 ,Ini取 水 日数 ,R:地 区 全 体 の還元率 管理用水量 は,送 水損失水量 と配水 管理用水量 か ら構 成 され る。 そ こで,送 水損失 水量 は,水 利施設 の機能 によって,配 水管理用水量 は,水 管理労働量 と水源水量 の多 寡 によって規定 され る もの と仮定す る。 O一 島 (OP,OLa,① Ws) 6) (み P:水 利施設 の機 能 (近代的施 設量),La:総 水 管 理 労働量 ,Wsi総 水源水量 そ こで ,(2-3)式 を,養 生期 の単位面積 。日当 りの需給 関係 に書 き改 め る と, q ttCr一島(h,R)十 f。 (p,la,Ws) q=QIA・ In, Cr=ErlA・ In, p=PIA, la=LalA・ (2-7) In, Ws=や VslA・ In となる。 t 2 ) 純 用水量 の算定一一 C B 法 の導入 純用水量 は, 前 述 の要素 によつて規定 され るが, 都 市化 に伴 って明 らかに変化す る め 要素 は水 田面積 である。そ の逆 にほ とん ど変化 しない要素 は減水深 である 。反 復利 長東 :農業用水合理化対策事業の評価に関する研究(I)21 第 正-1図 ブ ロ ック単位 の水収支 │I L 一 ― 十 一 gl 十 1 │ _ キ_ _ g ′ │ │ │ │ │ 1( ― ― 一 ―一 │一 g2 │ 第 正- 2 図 地 区全体 の水収支 Dl 牟 G │ ↓ G l ︲︲ ︱ R ド← L ︲I ︲ = + → 用度 は,地 域 の条件 が決 め る もので あ り, どち らともい えな い。以下 では,減 水深 を 一 定 とみ な し,水 田面積 と反復 利用度 が変化す る 場合 につ い て CB法 (CAdCal b10ck 法 )を 導入 して考祭す る。 CB法 は,水 利調整研 究会 と岡本 雅美氏 によ って 開発 され た もので,用 水 の反復 ・ 再利用 に基 づい て,対 象地 区 の水 田を RB,CB)NBと ぃ ぅ三種類 のブ ロ ック に 分類 し,各 ブ ロ ック面 積 か ら用水 の必 要水量 を求 め る とい うもの で あ る。。 さて)CB法 を利用 す る と,純 用水量 と還元量 が連続 的 な水 収支式 として表現 で き る。 い ま,そ の内部 で反復利用 が一 切行 なわれ てい な い ブ ロ ックを単位 に して考祭 す る と,第 H-1図 の よ うな, また地 区全体 を考祭す る と,第 正-2図 の よ うな水収支 モ デル が想定 され, h ttgl=Cvttrd ttg′十g2+lg Dl+Gl― EvttD2+G′ 十G 2 + L g (2-8) (2-9) なる水 収支関係 が成立す る。 ここで,地 下水位 の高 い沖積平担部 の水 田地 帯 を対 象 に す れ ば, gl g2=g′ =0,Gl― G2=G′ =0 (2-10) 22 ー 第エ 1 表 用 水 諸 量 の 変 化 地表水流入量 (必要水量 ) Dl NB G B RB △A2・ h △Al。 (cv+lg) 0 l 地下浸透量 L △Al・ 1宮 △A2・ lg i △A 3 ・ 1 宮 蒸 発 E △Al・ cv △A2・ CV i △A 3 ・ c v 0 △A2・ (h lg一 ev) 散 地表水流 出量 (遠 元 量) D2 ― △A3・ (lg ttCv) とな り, 地下 水 流 入 量 と地 下 水 流 出量 が バ ラ ンス して い る とみ な され るか ら,(2-8), ( 2 - 9 ) 式は , h=cv ttrd+lg (2-11) D]一 EvttD2+Lg (2-12) は,こ の (2-11)式 と (2-12)書式 を結合す る ときに利用 され る。 ブ ロ ック判定 の結 果,RBの 水 田面積 が Al,CBの 水 田面積 が A2,NBの 水 田面積 が とな る。 CB法 A3,地 区全体 の水 田面積 が A。(=Al+A2+A3)と 計算 され た とす る と, 1の ・ と よ │ 口 v十り 挙 を手 2孔 卜 士 作 な る関係 が導 出 され る。 ここで,地 表水流入量 Dlは 純用水量 と,地 表水 流 出 量 D2 呂;亘 貸i[十子と1子食号tttiF耳 は地 区外 へ の還 元量 と読 み替 える こ とがで き る。 さて,都 市化 によって水 田の潰廃 が進行 した事 態 を想定 してみ る。反復利用 の形態 に著 しい変化 が起 こる と,は じめに判定 され たブ ロ ックの種類 が変 わ るこ と もあ りう る し,ま た反復利用 が従前 の まま継 続 され る として も,ブ ロ ック内 の水 田面積減少 の 程 度 に よ り,同 様 の こ とが起 こ りうる。 水 日潰廃後,改 めて行 な われ たブ ロ ック判 定 の結果 ,RB,CB,NB,各 △A O ( = △ A l + Δ A 2 + △ A 3 ) だ 々の水 田面積 は △Al,△ A2,△ A3,地 区全体 の水 田面 積 は け 変 化 し た とす れ ば , D l , E v , L g ) D 2 の ― 容 量 は, 第 正 1 表 に示 す変化量 となる。第 ■- 1 表 は, 次 の事 を意味す る。 ( 的 純 用水量 には もっぱ ら R B , C B の 面積変化 が寄与す るが, N B は 全 く無 関係 で あ る。 ( 0 還 元量 は C B , N B に 依存 し, 特 に N B の 減 少 は還元量 を増加 させ る。 し) 地 区全体 が C B で あ る場合 を除 け ば, 水 日の減 少量 に対 し純用水量 , 還 元量 と も一 律 に計算す るこ とはで きな い。換言す れ ば, 将 来 の水 日面積減少量 が予 測 で き る として も, そ の空 間的配 置や反 復利 用 の変化 が特定 され な い 限 り, 純 用水量 と還 元量 は不定 で あ る。 (3)CB法 の小 貝川 下流地域 へ の適用 5), 以 の 下 小貝川下流地域 を, 本 論文 にお け るケ ー ス ・ス タデ ィ地域 として採 用 し 長東 :農業用水合理化対策事業の評価に関する研究(I)23 第 正- 2 表 小 貝川下流地 区 にお け る農 地 転用 の動 き ( 単位 : m 2 ) 50 51 53 ︲ 52 面計 49 用累 48 転積 47 │ 7,2421 15,133 83,433 51,17d 183,421 │ 314,665 398,551 474,530 601,443 871,764 1,117,187 ︲ ︲ ︲ ︲︲ ︲ 6 8 0 3 9 8 7 56 2 4 4 3 ︲ 矧﹁甥 4︲ 8 46 01 用面積累計 卿 45 ︲ 5︲ 4 6 4 44 ︲ 5 8︲ ︲ 2︲ 3 7 2 43 1転 ︲ 0 42 転用面積 │ 判判 判 9 糾 9刻 8 0淵 潮 , , , , , , , , , , , ︲, 2, 7 2, 9 2 2 4 ︲ 7 5 7 3 も ︲ 6 乳 3 2 2 5 2 5 孔 4 乳 5 2 2 2 4 41 用 ︲ ︲ ︲ ︲︲ ︲︲ 5 3︲ 3 952 40 ︲ ︲ 2 0渦 温 掛 判 判 卿 判 4 8耐 潮 淵 判 判 馴 嘲 判 , , , , , , , , , , , , 面計 , , , , ︲ 1 ︲ 5 3 7 5 0 0 3 2 8 0 2 8 5 8 3 ︲3 3 6 5鈍6 2 6 ︲■3 8︲ 0 6 6 4的3 7 5 8 ︲2 44 2 7 99 4 39 9 一 9 一 38 転積 37 , , , , , , ,7,︲, ,9,6,2,︲,3,3, 0 5 7 3 4 5 ︲ 6 ︲ ︲ 6 5 1 6 5 9 4 2 5 11 ■ 6・1 61 本3 9 7 抗 句 地 昭 和 3 5 年度 36 ︲ ︲ ︲︲︲︲ ︲︲ 5 0 3 4 4 4 8 0 7 8劉淵矧棚協調 嘲引 3釧3 7 5 50 6 0 船0 3 7 0 90 転用面積 1,365,514 1,219,067 1,587,826 筑9 , 9 8 引 356,840 1,786,877 406,469 1,868,140 427,909 1,983,377 479,055 2,107,547 501,233 2,186,384 528,5241 2,258,707 5 5 1 , 0 2 d 2,375,014 │ (出所)岡 堰土地改良区賦課面積台帳 よ り作成。 各章 にお い て検討 を加 えるた めの基礎量 となる純用水量 を,CB法 こ とにす る。 によって算定す る ゴ (→ 小 只川下流地域 (岡堰 用水地区)の 概要 岡堰用水 は,第 ■-3図 に示す よ うに,茨 城県南部 に位置 し,利 根川 と小只 川 下 流 部 によ り囲 まれた約2,000 haの農地 を受益 とした農業用水 である。近年 ,こ の用水 内 にあ る取手市,藤 代 町 の都市化 の拡大 によ り,第 H-2表 のご とく,農 地 は 年 々減 少 してきてい る。 こ うした状況 の下,農 業 用施設 の近代化 を含 めた農業用水 の合理的利 用お よび再編 が指向 され,合 理 化事業化 に向けての調査 が,昭 和53年度 か ら昭和55年 度 までの予定 で関東農政局 によ り行 なわれ てい る。 の適用手順 昭和54年 8月 ,岡 堰用水土地改 良区お よび土浦土地改良事務所 の御協力 を受 け,約 lb)CB法 24 -3図 第正 小 只川 下流地域 ( 岡堰 用水 地区) 位置 図 ン 長束 :農業用水合理化対策事業の評価に関する研究(I)25 、 ヤ かヽ 1 十 %! 辮 解 凝 q 骸翌 ド品ヽザ続い︲ r れ出n 鋤 26 ﹂ ギ一 ↑﹂ 〓一 生 一 茎 業 雲 〓 、主 ホ 中‖だ じ‖ ‖ ‖ ︵ 尽ぷ 華 士 く 雲隷 ぷ 韓士 く 雲爵駅! 、 ヽ ″■ ︿ 一 ﹀ 、 b Z ヽ色 ︶ ︵ 日 ふ ん再 EEOや ﹁ 〓︶ヽ ト 石 0\ み電 EEO∞ = 〓 ヽ 、 一 ﹃\ ︼ ︲ にヽ\EEめへ, i ︼ ︹ 卜存 〓≡ヽ ト ︻ 0回 ︹ ︵4 ︶ ︲ ︲ ︱ ︲ ︹ 卜億 O同 十 四 ︲ ︲ ︱ 生 ︲ ︲ ︲ 出 ︲ は 0向 \ ︱ 凹 ︲ ︲ ︲ ・ ′ ︲ ︲ ︱ ︱ 一 日 ﹂ ヽヽ に “向 代 ︲ ︲ 山 ︲ ︲ へ 禅ぶ Щ ∞貯酬 震撃︶図 ふ本出へ螺 厳誌 眠く 喪即 E 区 ギ︲母斌 長束 :農業用水合理化対策事業の評価に関する研究(I)27 -3表 第正 昭 和 5 4 年 8 月 現 在 ・現 況, 用 水別 ブ ロ ック種別面積 (単位 :ha) 用 水 名 NBブ C B ブ ロ ック RBブ ロ ツク 40mmlda引 30mmlda引 25mmlda ロ ツク 裏 郷 用 水 五 ヶ村 用 水 0 245。1 241.4 205.7 240.6 0 89.9 120.6 0 0 表 郷 0 180.5 0 0 用 水 水 用 ・ 千拓 反復利用 根 /_■ 日 比 計 計 932.8 210.5 565.0 114,8 86。9 182.8 0 195,0 20.9 0 0 0 0 171.5 171.5 671.8 313.5 m91乳 防 51 215.9 7 l ヵ 月間 の現 地調査 お よび 聞 き取 り調査 を行 な い, 算 定 に必要 なデ ー タを収集 した。 CB法 の適用手順 は, 以 下 の とお りであ る。 ① 用 排水 お よび反復利用施設 の把握 ② 用 排水 系統 図 の作成 ③ 都 市計画設定状況 の把握 ④ 地 域 内農地転用動 向調査 ③ 計 算諸元 の確定 ⑥ ブ ロ ック区分 の確 定 ④ ブ ロ ック面積 の求積 ⑥ ブ ロ ック判定 お よび作 図 に) ブ ロ ック区分 お よびブ ロ ック判 定結果 ブ ロ ック区分 とブ ロ ック判定 の結果 を第 エー4 図 に示す。 また, 用 水 系統別 に R B , C B , N B の 面積 を整理 したのが, 第 正- 3 表 で あ る。 は)普 通期 (養生期)最 本純用水量 計算諸元 か ら,CBに ついては,減 水深40 mm/day,30 mm/day,25 mm/dayが 全 体水量 へ の寄与 となるか ら,本 地域 の昭和54年 8月 現在,現 況 における普通期最大純 用水量 Nは , 40mmldayブ 30mmldayブ ロ ック 515.5× 104m2×40× 10-3mlday=206)200m31day ロ ック 671.8× 104m2×30× 10 3mlday=201,540m31day ロ ック 315.5× 104m2×25× 10-3mrday= 78,375m31day とな り,合 計 48万6.115m3/day,す なわち 5,626m31seCであ る。 25mmldayブ C)結 果 の検討 ー 昭和53年 における本地区 の半旬別取水実績 は,第 エ 4表 に示 す とお りで あ る。以 28 -4表 第正 昭 和 5 3 年岡堰 用水 地 区半 旬別取水量 (単位 :m3/半 旬) 8 3 7 7 4 7 9 0 7 │ │ 6 4 1 094) 11 旬 │ │ 4 7 5 152) │ 2 7 2 081. 0 8 3 4 竹 L 月 3 ・9 8 3 686, 7 3 6 2 000, 9 8 4 6 月1 半 162, 1 6 172, 旬 9 9 1 1 , 335, 5 5 397ぅ 2 │ 376) 旬 3 3 3 5 1 2 2 9 9一 ︹ 9 ︲1 4 048, 6 卜 3 251, 月 月 2 385, 畔6畔23456畔2345 5 月1 半 水 1半 旬別 1表郷用 裏郷用水 │ 1 1 2 6 ︲ 8 3 甜 叶鰍到鍋銚剣洲, 5 ︲ ︲︲ ︲ 2 8 4判 70 4刻 淵 醐 0 8 4 9 刻棚鋼 6 8 . , , “ . t , ン , ン , 7 6 6 2 2 4 4 0 0 3 6 6 63 ︲ ︲ 1 ︲ 7 48 3 3 孔 ﹂︲ 34 4脇 4 4脇 既9 ︲材 ︲2 ︲6 鯛9 伍0 2 2 4 月4 半 , ,,ノ, ,, , ︲ 7 0 8 4 9 8 4 0 4恥0 4 3 ︲ 阻7 ︲鈍地3 2 地句2 59 半 旬別 1表郷用水 ‖ 4 487 裏郷用水 │ 1 , 0 1 4 , 4 61)637,946 引 587,555 364,0681 3 1,000,9441 1,596)278 407 1,513,6921 2,425,099 54 868 322 783,0721 1,272,620 1,417)1401 2,311,008 989,226 608,9041 692 1,964,0161 3,236,708 203 886、8961 1,461,099 202 1,137,8881 1,876,090 655 464,7781 1 , 2 1 2 , 4 3 3 213 1,005,552 1,714)765 421 1,922,760 3,069,181 〈 出所)昭 和53年度農業用水合理化対策調査,小 貝川下流地区調査報告書 よ り作成。 3半 旬, 5半 旬 は植付期 の取水量, 7月 6半 句は, 日取水量 に換 算す ると, 6月 4半 句 よ り小 (注)5月 さVヽ 。 下,こ の取水 実績 との比較 を行 な う。 第 エー4表 よ り,昭 和 53年 にお け る普通期最大 取水量 (粗用水量 )Qは , 6月 第 4 半旬 の309万4,738m3/半 旬,す なわ ち,7,164m3/sccで あ る。 そ こで,CB法 求 めた純用水 量 Nと この粗用水 量 Qか ら,管 理用水率 ROを 求 めてみ る と, によ り R。 =(Q一 N)IQ=0・ 215 とな る。 この管 理用水率 RO=21.5%と ぃ う値 は,他 の地 区 にお け る既計算結果 と比 6),cB法 で 一 得 られ た純 較 して,開 水路 の場合 の 般 的 な値 で あ る と判断 で き るので 用水量 Nは ,適 正 な値 で あ る と判断 で き る。 また,地 区全体 での還 元率 Rを ,用 排完全分離 時 の純 用水量 N′ を算定 して求 めて 7)。 み る と,以 下 の とお りであ る N′ =686,400m31day=7,944m31scc R=1-NIN/=0.292 ( f ) 将 来 の純用水量 と還元量 の動 向 さ らに, 本 地域 にお け る将来 の純 用水量 と還元量 の動 向 をみ るために, 次 の よ うな 各 ケ ー ス を想定 して試 算 を行 な って み るこ とにす る。 ① 与 件 1+ 水 田の空 間的配置 長束 :農業用水合理化対策事業の評価に関する研究(I)29 第 正-5表 ブ ロ ック面積 の変化 (単位 :ha) NB 40mmlda引30mmlda 25mmlda 2 7 ・ 代 、 、 、 、 ■ 官 一一 な動 行 の 味 部 刀 、 一 分用 全純 一 充の 、 依 デ 残 存ガく││l llli千 〔 ・ / 1,900 5 / 2,000 7 / 2,100 6 一 , 一 5 純 用 水 = リ 早サ l にう こ全分 離 を行 な う 場 合 の 札 用水長: の動 き // ・ m3/seC 2 第 エー5 図 純 用水量 の動 向 7 ケー スブ ロック図よ り算出。 ・ 368.81 5 436.61 7 (出所)各 市街化 内全面潰廃 439.3‐ ハ も 分離型 S.50。 10.日寺″ 点 S.54.8.現 況 7′ Q ︶ 全 8 3 0 7 6 2 8 8 8 完 ・ 313. 市街化 内全面 潰廃 5 313. 計 6 316.21 8 7 6 2 6 │ 6 9 5 7 5 7 9 9 1 字′ ,/ ,′ 6 1 8 8 7 2 6 6 6 7 5 5 1 1 8 5 5 4 0 0 0 0 0 0 0 孫 陛続型 S.50.10.日 寺,点 S,54,8.現 況 9 〇 9 0 抑 ,抑 , 一 2 ⋮押09,0 ︲ ︲ ︲ ︲ ︲ ︲ 0 陀 ⋮ ! ⋮ 十 ⋮ G B .︲︲︲ ︱ ︲︲︲︱ ︱︱ 1︲ ︱ 上T . 0 0 , 工 . ・ 5 = 鞘 淋 8 ↓ 第 ﹁ 料 い 30 6 図 粗用水 量 の動 向 「 用水量 上 完全分離型 の米 H用 水量 (+21.5%) 継続打!の米 2,100 継統! 1〔の純用水 景 / 2,000 1,900 ha ,完ィrガく││キ Ftti千 表 0 昭 和5 0 年1 0 月時点 での状態 ○昭和5 4 年8 月 時点 での状態 〇市街化区域 内水 日の全面積潰廃状態 ② 与 件 2-一 反復利用 の変化 ○継続 型十 現 在 の反復利用 システ ムがそのまま継続 され る状態 O完 全分離型 十 ブ ロ ック間 での反復利用 が全 く行 なわれず,用 排 が完全分離 その算 出結果 を第 エー5表 に示す。 ー の 第 正-5図 は,各 ケ スの計算結果 か ら,純 用水量 Nの 動 きをみ よ うとした も で ー あ る。純用水量 の変化 が どのよ うな軌跡 を とるかは,水 田潰廃 のス ピ ドや,用 排水 分離完全実施 の時期,そ の事業 の進捗度合 等 によ り異 なるであろ うが,い ずれ にして も QIと QIで 下限,上 限を画 され た範囲 の任意 の点を移動 してい くもの であ る。 ここで,概 略 の傾向 としては,図 中 に破線 で示 したよ うに QⅡ に漸近 してい く形 で 長束 :農 業用水合理化対策事業 の評価 に関す る研究(I)31 -7図 第正 m3/seC 還 元水量 の動向 完全 全 分 離型 離: 子 J 完 く 一 ー 理 起 九 フ十 日 E // ホ 売1」 ネ1送 「 R面 積 残 存 /1く 推移す る もの とす る と,水 田面積 が減少 してい くにもかかわ らず,そ の量 に照応 した 純用水量 の減少 は望 めず ,か え つて用排水 の分離 が進行 し,反 復利用度 が低下 してい く継続型 か ら完全分離型 へ の移 行 の局面 では,当 初 の純用水量 よ りも増加す る とい う ー クを越 えては じめて,完 全分離 となることと相 ま 状態 が発生す る。 そ うした後)ピ って,残 存水 田面積 の減少 とともに減 量 してい くよ うになるので ある。国場整備事業 後 の純用水量 が増加す るの は,排 水改良 による単位減水深 の増 と,こ の用排分離 に起 因す る ものである。 また)第 エー6図 は粗用水 量Qの 動 きをみ よ うとした もので あ る。ただ し,こ こ で は管理用水量 0は ,用 排水路 の完全分離 が行 なわれ るまでは,水 を分配す る位置 エネ ル ギー を確保す るために,現 在 と同量必要 で あ るとい う仮定 を採用 し て Vヽる。図 に は,継 続型 の場合 の粗用水量 として,21,5%の 管理用水量 の場合 と,そ れ よ り5%多 い場合 を示 したがめ, 粗 用水量 の動 きとしては,破 線 の よ うになると思 われ る。 ここ 32 -8図 第正 の形成 と転用可能量 余 lll水 水 量 取水 量 ガく本町 ど 塾L ine 1経済こ ヽ と レ 的隅 下 流 地 区 へ の追 元 水 景 下 流 地 区 へ の r l l l水給量 r 排水 義務量 Line Al (注)Al時 A2 0 残 ☆ 存水 田而汗 点 か ら転用可能。A2時 点か ら補給必要。 で,転 用可能量 は,水 利権流量 Wrと この粗用水 量Qと の差 とい うこ とにな るが,合 理化 事業 の水利施設 の整備 による転 用量 の生 み出 しとい うの は,△ Qに 当 る量 と考 え て よい と思 われ る。 一 方,地 区外 へ の還元水量 も,第 エー7図 の よ うに,用 水量 とほぼ同 じよ うな 変 化 パ ター ン を示す。反復利用 の低 下 に伴 って,還 元水量 の増 す局面 は,上 下流 の水利秩 序 を維持 す る とい う立場 か らは,安 全側 へ の動 きであ り,問 題 はないが,こ れ が減 少 に転 じた局面以後 にな る と,排 水義 務量 とのかかわ りあい が生 じ,転 用可能量 に関す る問題 が 出 て くる。 この点 につ い て,明 示的 に見た のが第 正-8図 であ る。 この図 は, 今 まで破線 で示 してきた変化 パ ター ンの後半部 を一 般 的 な形 で取 り出 した も の で あ る。 この よ うな図 を実 状 に合 わせ て作成 す れ ば,転 用可能水量,排 水義 務 量 を満足 さ せ るための下流地 区へ の補給水量 が,残 存水 田面積 の各段階 に応 じて把握 す るこ とが 可能 であ り,ま た,合 理化 問題 をかか える地 区 は,当 然,把 握 す べ きで あ る。 “)都 市計画 との 関係 前掲 の純用水量 ,還 元水量 に関す る水谷 氏 の 3っ の指摘 (22頁(引∼仲)参照 )は ,都 市計画 との 関係 にお い て,非 常 に示 唆 に富 んで い る。 都市用水等 は,原 則 として,全 て新 たな る水 資源 を開発 した上 で な い と河川 水 に害J り込 んで の利用 はで きな い, とい うこ とは,水 利権上明確 で あ る。 しか し,用 水 を 1 長束 :農業用水合理化対策事業の評価に関する研究(I)33 ー 第 エ 6表 線 引 き位 置 の違 いに よる各 ケ ー スの ブ ロ ック面積 と転用 可能純用水量 (単位 :ha,m3,scc) 可 r台 ヒ 30mmlda 40mmlday ″ 313. 〃 613. ″ 298, nジ 529.1 0 343. 5 506. 5 313. 2 628.7 00 43 55 45 8 8 8 7 4 4 0 4 0 4 9 4 0 4 3 4 338. 0 1 3 4 5 8 4 況 代 手 間 現 藤 取 中 A B C D 0 純用水 量 25mmlda 0 。2 9 1 ¶ 0.397 0 。6 3 7 0.715 (出所)各 ケー スブ ロック図よ り算出。 (注)各 ケー ス,潰 廃面積 は 188.5 ha(昭和54年 8月 現況農地面積 の9.0%)。 つ の基 準 として の都市計画 は,行 なわれ 難 い の も通常 で あ り,都 市化 が膨張 して,一 定 の域 に達 しては じめて水 問題 ,水 条件 が提起 され るのが現 実 であ る。そ の確保 の た めの鉾 先 が,都 市化 によ り潰廃 した周辺農地 に対 す る農業 用水 の合理化 に向 け られ る の も, 自然 の成 り行 き ともい えよ う。 ここで,注 意 しな けれ ば な らない こ とは,農 地 が都市化 によ り潰廃 し,面 積減 とな って も,こ れ と対応 した量 だけ,余 剰水 が形成 され るのではな く,反 復利 用 の状況 , 管 理用水量 に対 す る都 市化 の影響等 を充分考慮 した上 でない と,節 水 で きな い とい う こ とであ る。 ここに,地 域全体 の土地利用計画 が,都 市 へ の水転用可能量 に多 大 な影 響 を もつ ので あ る。 一 今 )ケ ー ス ・ス タデ イ地域 であ る小只川 下流地 域 での場合 を検討 してみ る と,同 0)で って あ も,転 用可能量 には大 きな差 がそ の位置 によ って存在 す 面積 の農 地 の潰廃 るこ とが,第 エー6表 か ら明 らか で あ る。 なお,水 量算 出は, 前 述 の CB法 による。 そ の一 例 として,第 正-9図 を示す。 また,こ こで,「現況」 とい うの は,昭 和 54年 8 月,都 市計画 の線 引 きの 変更 に よ り,市 街 化 区域 に干 拓地付近 の農 地 が住宅 団地 とし て取 り込 まれ た現 実 の ケ ー る の結果 であ り,「藤 代 」 とい うのは,こ れ と同面 積 の 市 街 化調整 区域 内 の農 地 が,藤 代市街地近郊 で新 たに市街化 区域 内 に取 り込 まれ た場合 の想 定ケ ー ス,同 様 に,「取手」,「 中間」 とい うの は,お の お の取手市街地 近 郊 ,藤 代 と取手 の 中間付近 で 同面積 の市街化調整 区城 内農地 の転用 が行 なわれ た場合 の想 定 ケ ー スの結果 であ る。 1め 本地 区 にお け る水資源 開発計画 による開発 コス トは,13.09円 /m3で ぁ る か ら , casc Aと casc Dの場合 の差 は,実 に約 1億 7,500万円/yCarに も達 す る。す なわ ち, 水 資源 開発問題 の み に限 ってい うな らば,都 市計画 の線 引 きの差 によ って,本 地 区 は 潜在 的 に 1年 間 に 2億 円近 くの損失 を して い るこ とにな る。 34 童 く 妥 て ■ど す 一勢 一 一 ケ 単 ご︵ モ 士 く 軍煮 照 一 爵 本引 ギ やじ 〓 一 ︵ ︵ 一 ︲ ″電 ん宅 EE こ宮 O∞ ︹一 卜 ︲︱ ︱1 11 1 ︲ ○ ︲︲ ︲ ︲ ︲ ︲ Φ ︲︲ ︲︲ ︲, ︲凹 [︲ ︲ ︲ ︲︲ ︲ ︲ 車 ︲︲ 1周 f ︲] 的︲ く ︱ 四 岡︲ ︱ ︱ ︲巾︲ ︲︲ 1巾] 巾︲ は めャ ︲ 一 、 一︶ ヽ , へ 庁 ”︻ ︶ 、 崎へ = 二 一 ヽ \!砥 / ヽ ヽ ヽ ヽ︼イ ・ 米 ミ 一卜 に や 名 〓 二 〓 車F rヤ ミ 一 ュ マ 一 モヽ 再ヽ ︱ 、 EE み電 O 寸 ︲≡ 一︶ 卜 o R ︲ 卒只 ︶ モヽ 卜 は宮 、 、 B4 ︲ し い 卜 ヽ、 一 〓 的 と ] 巾 中 [ ︲ 図 ふ ヽ 臣へ Q ﹁ ゼ 機 的 材ミユ 図 01目賦 長束 :農 業用水合理化対策事業 の評価 に関す る研究(I)35 ( 5 ) 取 水量 関数 の重 回帰 モ デル 化 本 節, ( 1 ) 項にお い て求 めた ( 2 - 7 ) 式 q ttCr=名(h,R)十 島(p,la,Ws) にお い て,取 水量 qお よび有効 雨量 Crは ,外 生変数 で あ り,島 (h,R),島 (p,la,Ws) は,以 下 の よ うな外生変数 の 関数 で表現 で き る。 名(h,R)=h。 (1-R) =(Cv ttrd+1。 (2-14) )・(1-R) h:一 筆減水深 ,R:地 区全体 の還元率 ,Cv:日 蒸 発散量 ,rdi日 還 元水量 , 18:日地下 浸透量 ここで,lgに つ いては,養 生期 間 中,冠 水農 法 を とる水 国 では一 定 とみ な し得 り, rdお よび (1-R)は ,面 的 工 事 が大幅 にな され,一 定期間 (3∼ 4年 )経過 した後 で な い 限 り,ほ ぼ一 定 とみ な し得 るので11),純用水量 関数 転 は,Cvの み の 関数 と み な せ る。 さ らに,Cvは ,取 水期間 中 の無 降雨率 nrの 線形 関数 であ る とす る と,純 用水 量 関数 転 は, ′ nr 島 = ∝ 。十 αl ′ (2-15) > 0 ) 1 ′ ( ∝ と表 わせ る。 ま た, 管 理 用 水 量 関数 島 も, p , l a , W s の 線 形 関数 に よ って表現 で き る とす る と, 〃 f 。= α O 〃 l a 十∝3〃W s 十 αl ″ (α l 〃< 0 , ∝ 2 〃< 0 , α も > 0 ) ( 2 - 1 6 ) p 十 ∝2 〃 ) とな る。 ( 2 - 1 5 ) 式 お よび ( 2 - 1 6 式 を (2-7)式 に代入 して, 定 数項 を整理 し, 係 数 を再 定 義 す る と, 3<0)(2-17) 4>0,α 2,α 4'WS(α .,α 3・Ia ttα qtter=∝ 0+αl・nr十∝2・p ttα なる重回帰 モデル式 を得 る。 (2-17)式 の意味す る ところを再度整理 してみ ると,次 の よ うな ことで あ る。 農業 生産 に必 要 な水 は,取 水量 qと 有効雨量 Crに よって供給 され るが,そ の必要 供給量 は,需 要量形成 に深 い関係 を もつ要因,無 降雨率 nr,水 利施設機能 p,水 管理 労動量 la,水源水量 の多寡 ysに よ つて決定 され るだろ うとい うこ と で あ る。 さら に, もっ と具体的 には,晴 れた 日が多 ければ,水 管理が杜撲 になれば)余 裕 をもって 水 が使 えれば,需 要量 は増 え,水 利施設 が近代化 され送水 ロスが減 れば,需 要量 は減 るで あろ うとい う仮定 であ る。以下,こ の仮定 に対 し,検 討 を加 える。 6)取 水量重回帰 モ デルの検討 【 一 第 エー10図は,利 根大堰 とい う同 地点 か ら取水 している, 4っ の用水地区 につい ての単位供給量 USP(=q tt Cr)に関す る時系列変化 をみた ものである。K用 水地区 は,昭 和43年か ら現在 も引き続 き合理化事業 を実施 してい る地区であ り,M,F,H用 12)。 水地区 では,ま だ合理化事業 は行 なわれ ていない 36 - 1 0 図 USPの 時系列変化 (利根大堰取水用水) 第正 USP K用水合 理化 事 業着 エ ーーーーー M用 水 地区 0 / P、 、 、/ ′ ` 」 H用 水地区 R ` \` /' ▼ F 用 水地区 │ 1968 │ │ 69 │ │ 70 │ │ │ 71 │ │ 72 │ 73 74 75 76 77 78 そ こで, 農 地転用等 で受益面積 に著 しい変化 のあ るK 用 水地区 とM 用 水地区 につい て, ( 2 - 1 7 ) 式 を使 って重回帰 モデルのあてはめを行 ない, 式 自体 の妥 当性 と 説 明 13)。 ただ し, 水 利施設機能 p 変数 の有為性 についての検定 を行 な ってみ ることにす る につい ては, デ ー タ入手不能 のため, 検 定 か ら除外す る。 なお, K 用 水地区 とM 用 水 一 地区 とは, 取 水 の動向, 同 地点取水, 隣 合 わせ に位置す るとい う観点 か ら, K 用 水 地区合理化実施以前 において は, 両 地 区 は同等 な地区 で あ った と判断 できる。 -0.01555Rws (2-18) KUSP==0,06290-0.00982nrK 31.42 1la′ 7 2 勢 . 9 1 鋤 (1・ c.83の は 長束 :農 業用水合理化対策事業 の評価に関す る研究 (I)37 R 2 = 0 . 7 3 4 , S = 0 . 0 0 1 9 0 , D . W . = 2 . 1 95 6 , S M P L 主 脱正 U S P = 0 . 0 1 3 5 2 + 0 . 0 1 3 2 0 n r M - 1 2 . 8 8 0 1 a+′ 0 。0 0 5 6 2 0 R w s (2-19) (2.594) (3.848) (3.178) 2 = 0 。9 3 6 , S = 0 . o o o 6 2 , D e W , = 2 . 3 6 0 , S M P L = 1 0 良 USP=q ttcr,la′=La′IIn,14)Rws―wslWsmaX :単位労働時間,Lat単 位 USP:単 位供給量,q:単 位取水量,Cri有効雨量,〕a′ 面積 当 り米 生産労働時間,Ini取 水 日数,Rwsi相 対水源水 量,Ws:単 位水源 水量,Wsmax:異常年を除く最大単位水源水量,貯 :自由度修正済決定係数, St重 回 帰 式 の 標 準 偏 差 ,D.W.:DURBIN一 数 , た だ し, 添 字 K , M は ,各 々 K,M用 WTSON値 ン プ ル ,SMPL:サ 水地 区 の値 K 用 水地 区 につい ての n r K , R w s の 両推 定係数 は, 有 為水準 5 0 / 。 にお い て も有 為 で 15),M用 の係数 について, な い ため 水地 区 につ いての係数 との比 較 はで きない が, l a ′ 両用水 地 区 の係数 を比 較 す るこ とに よ り, 次 の こ とが い える。す なわ ち, 合 理 化事業 実施 地 区 の方 が, 単 位 当 た りの労働投 下量 を増 す こ とに よって, 非 実施地 区 よ りも, よ り取水量 を節 減す るこ とがで き る とい うこ とであ る。 この こ とは, 以 下 の 式 に よ り, l a ′の弾 力性 を比 較 してみれ ば, よ り明 らかであ る。 6569 1og(la′ log(KUSP)=-8,8073-0.2700 1og(nrK) 0・ )-0・4900 1og(Rws) (1.134) (5.230) (1.880) (2-20) R 2 = 0 . 7 5 6 , S 0= 60 8。5 , D , W V . = 2 . 4 0 0 , S M P L = 9 10g(MUSP)=-6.6182+0。 3463 1og(nrM)-0・3818 1og(la′ )+0.2479 1og(Rws) (1.904) (3.695) (3.017) (2-21) ア .=1720,SMPL=10 R2=0.921,S=0.0365,D品 また, 自然条件 によ り決定 され る nrや Rwsの 係数 が,事 業実施 地 区 にお いて有為 でな い こ とは,事 業実施 に よ り自然条件 を考慮 した水 管理 が行 なわれ な くな った こ と を意 味す る。す なわち,こ れ は,水 利施設 が近代化 され,便 利 にな ったために,水 管 理 に手抜 きが生 じて い る結某 で あ る と判 断 され る。 , Rwsょ さ らに,渇 水年 ダ ミー ,豊 水年 ダ ミー を導入 して,説 明変数 la′ り USPを 推 定 した結果 は,下 記 の とお りで あ る。 KUSP=0.02367-17.3781a′ +0.01475Rws+0.00510Dl-0,00469D2(2-22) (5.333)(2.875) (4.421) (7.302) R 2 = 0 . 9 7 7 , S = 0 . 0 0 0 5 5 , D . W , = 1 . 8 0 4 , S M P L = 9 MUSP=0.02176-17.5691a′ +0.00797Rws+0.00062D.-0,00119D2(2 23) (3.091) (1,359) (0.379) (1.011) R2=0.865,S=0.00090 ,D.W.=2.660,sMPL=10 D.:渇水年ダ ミー (S.48 ,S.53),D2:豊 水年ダ ミー (S.49) 38 ー K 用 水 につ い ては, 両 ダ ミー が有 為 に効 いてお り, M 用 水 につ いては, 両 ダ ミ と も有為 には効 い て い ない。通常 ) 渇 水年 にお いて は, 節 水 の努 力 を して, 取 水量 を押 さえ る方 向 に水 管理 が行 なわれ, 逆 に, 豊 水年 にお いては, 水 管 理 をそれ ほ ど綿密 に 1° 行 な う必要 はな く) 取 水量 が増 え る方 向 にな る と思 われ るが 。 K 用 水地 区 の場 合 に 一 は, 明 らか にそ の逆 であ る。 この理 由は, 二 通 り考 え られ る。 つ は, 水 管 理 が手抜 きされ て い るため, 渇 水年 には, 有 効雨量 の相対的減 以上 の取水 がな され, ま た, 豊 水年 には, 有 効雨量 に対 す る過 度 の期待 か ら相対 的 に取水量 が減 少す るこ とに よる も ので あ る。他 の一 つ は, 農 業用 水 が地 区必要水量 限度 まで転用済 であ るが ために, 渇 水年 には,他 の用水地区 の よ うに,そ れ以上地区内 であ節水 が不可能 なた めに,必 然 的 に取水量 が増 え,豊 水年 には,事 業化 によつて,水 利権 が慣行水利権 か ら許可水利 権 に切 り換 え られてい るので,他 の地区の よ うに,取 水実績 を重視す るよ うな行動 を 17)。 取 る必要 がな く,必 要以上 の水 を取水 しない ことによる もので あ ると考 え られ る 一 方,K,M両 地区 とも経年的 な傾向 として,単 位供給量 U SPは 増加 してい る。 この理 由は,K,M両 地区 とF,H両 地区 との,農 地面積 の動向 の比較 か ら明 らかであ る。すなわち,K,M両 地区 では,農 地 のスプ ロール 的潰廃 が進 み,経 年的 な経営規模 の縮小過程 におい て,配 水 の た めの位置 エネル ギー確保 とい った,絶 対的 に必 要 な管 理用水量 が増加 してい ることによる もの と判断 で き る。 2.余 剰水形成 へ の動機付 け 前章 の(6)(20頁参照)に お いて指摘 したよ うに,余 剰水 を生むた めの既得水利権者 一 に対す る事業参加 へ の動機付 けが,余 乗J水形成 へ の第 歩 となる。動機付 けの具体的 内容 としては,水 利権,市 場性 の運用,費 用負担,農 業用水 の維持管理等 の問題 が上 げ られ る。以 下,次 章以降 のモデル化 に対す る準備論 として,各 々 についての検討 を 加 えることとす る。 (1)農 業 水利権 に対す る考 え方 過去 の水利調整 の例 の うち,成 功 した とい えるものは必 ず とい っていい ほ ど,既 得 水利権者 の既得権 を充分尊重 して水 利調整 を行 な った もので あ る, とい われ る。す な わち,合 理化 の際 も,農 業用水 の既得権 を尊重 しなければ)決 して転 用 は円滑 には進 行 しない, とい うことを示 唆 してい る。 では,農 業水利権 とは何 か, とい うことになるが,農 業水利権 とは,農 業 生産 の た めに河川,湖 沼,た め池,そ の他 の水 を利用す る権利 であ り,そ の 中 に は,潅 概用 水,畑 地潅概,水 車,農 作物 を洗 うための雑用水等 が含 まれ る。 また,農 業 水利権 の 中 には,慣 行水利権 と許可水利権 とがある。慣行水利権 は,水 利用 の事実 が反復継続 され,そ れ が合理的であ り正当な もので あ るとして,社 会的承認 を受 けてい る水利慣 長束 :農 業用水合理化対策事業 の評価 に関す る研究 (I)39 行 をモ メ ン トとして成立す る農業 水利 に関す る権利 であ り,許 可水利権 は,1日河川法 18条,現 行河川法23条の規定 に基 づいて,許 可 を受 け ることによつて,農 業用水 とし て利用す る権利 が成立 した もので あ る。 さらに,両 者 の性格 的な相違 は,前 者 は,個 別 の取水量 を規制す るよ りも上流 と下流 の水需要 の関係 を規定 してい る もので あ り, "的 “ 性格 であ り, 上 下流 の 後者 は取水 口で何 m3/sccと か とい う あ とは知 らない よ 連携 を完全 に分断 してい る もので あ る)と い うところに見 い出 され る。許 可水利権的 性格 は,い かに動機付 けが必要 だ とい って も,合 理化事業地区 に反映 され てはな らな い もので あ る。 一 方,法 的解釈 として,慣 行水利権 は,慣 習法上 の物権 であるとされ る。 しか し, 水 に対す る所有権 といった抽象的支配権 ではな くて,水 を利用す る とい う具体 的用益 “ 権 である。 つ ま り,無 制限 に支配す る権利 ではな く,利 用者 の必要 に応 じて そ の必 "の “ "利 定義 が問題 用す ることができる権利 である。 ここで 必要水量 要 な分量 だけ "が “ となろ うが,農 業水利権 に も 弾力性 存在す る と考 え られ る。農業用水 には,安 ・ 定 して取水す るための余裕 が必要 であ り,水 路 の改修 節水努力等 で余乗1水を生み出 つ す ことがで き ることがあるので,農 業水利権 にも伸 び幅 があると考 え られ る。 ま "を “ 小 さく り,今 ,本 論文 で検討 してい る合理化事業 は,こ の農業水利権 の 弾力性 18)。 この す ることによって,水 を生み出 し譲渡 しよ うとしてい る事業 で あ る とい える 譲渡す るとい う考 え方 が,既 得水利権者 の合理化 へ の動機付 けに どうして も必要 であ る。 さらに,農 業水利権 の主体 が どこにあ るか,を 明確 にしなければな らない。前述 し たよ うに,農 業水利権 は,水 を利用す るとい う具体的 用益権 であるか ら,そ の主体 は 19)が 水利権 の 農業 当然利用者 であるべ きであ る。現行 にお いて,農 業水利事業 の主体 主体 で あ る とい うの は,論 理上疑間 である。 いずれ に して も,既 得水利権 の一 部譲渡 が前提 であ り,権 利主体 で あ る利水者 もメ リッ トを受 けなければ,余 剰水形成 な どおぼつ かない もので あ る。 “ ー 2の 他方 ,慣 行水利権 の統計上の イメ ジ か ら 日本 の農業水利 は,旧 河川法以前 と い う前近代的 な ものが永 く寿 命 を保 って今 日まで存続 し,そ れがなお支配的 である。 ル したが って,今 後 も合理化 がむず か しい体質 で あ る とぃ ぅ位置付 けをなされ てい る 面 があるが,こ れ は静態的把握 で あ る。戦後 の土地改良事業 は,公 共投資 の裏付 けを もって大規模 に展 開 され,農 業水利 を明確 に変 えていったのであ り,合 理化 がむず か しい体質 では決 してない。土地改良事業 は,単 な る農業水利 の技術的整備 ではな く, 水利用合理化 に対応す る農業水利 の構造的再編 を行 な う社会 的手段 にな ってお り,そ うい う意味 で,土 地改 良事業 は合理 化 のための基本 となるもので あ る。 (2)市 場性 の運用 40 農業用水合 理 化要求 は, 志 村氏 のい う “開発 コス ト上 昇期 2Dャこ しかか った , さ 時 明確 に発生 し)十日水利 か らの譲 水 の期待 が表面化す る。 また,1日水利 にお いて も,譲 一 水条件 の如何 によ って は応 じて も よい, とい う立場 を とるよ うにな るのであ る。 般 に,開 発 コス トの上昇 を うな が す経済的要因 として は, 働 物 価 の上 昇 (b)用 地 費 お よび補償費 の上 昇 に)環 境問題 に対す る配慮 の必要性 の発生 ld)後 発 の水資源開発 における限界的投入量 の上昇 (a qualityの変化 な どが考 え られ,農 業用水 の合理化 に目が向 け られ たのであ る。一 方,農 業用水側 の 内部 にお いて も,施 設,用 水 の末端 における維持管理機能 の喪失 に端 を発 し,そ れ に 伴 い土地改良区 による直轄管理 範囲が拡大 し,そ の財政負担増 をカバ ー し,水 利 施設 の更新投資 に伴 う特別賦課金 の軽減 を計 ろ うとして,非 農業側 に費用 を負担 させ よ う とす る動 きが広 が りは じめたのである。 ここで,水 資源 の商品化 お よび市場 での流動性 の増加 は必至 となろ うが, この動 き “ "と い う枠組 の中では対処 しがたい もの とな って しま う に対 して,従 来 の 公水管理 の である。 しか し,水 資源 の有効利用,最 適配分 を進 めるためには,市 場性 の運用 は 避 けて通れない ものであ る。 この市場性 をい かに運 用す るかが問題 で あ り,逆 に市場 性 に頼 りす ぎて,土 地問題 の よ うな轍 を踏 む こ とは避 けるべ きである。 以上 につい て の経済学的分析 は,志 村氏 の,論 文 「 現代 における土地改良区 の行動 につ い て の 試 22)に お いて検討 され てい る。 論」 ところで補足 となるが,水 には 自由な水市場形成 へ の制約条件 が存在す ることを考 慮 しておかねばな らない。それ は,水 なる資源 の地域配置 の特殊性 に起因す る もので あ る。 つ ま り,慣 行水利権 によって,特 定地域 の水 を他 の地域 は受益 できないのであ り, さ らに,現 在 の施設は,特 定 の限定 された範囲 の地 域 のみに供給す るよ うに造成 配置 され て しまってい るのであ る。 自由な水市場形成 をなす には,地 域問,産 業間 の 再配分 を可能 とす るよ うな,さ らなる莫大 な社会資本 の投入 が必 要 である。 (3)費 用負担 費用負担 問題 を論ず るには,ま ず,ダ ムによる水資源開発 と農業用水 の合理 化 によ る水資源 開発 との,費 用面 での相違 を明 らかにす る必要 がある。 ダム開発 の場合 には,そ の水生産 の費用 は,建 設費等 のいわ ゆ る生産経費 (expenSCS of production)で 表示す ることが可能 であるが,合 理化 の場合 の費用 は,生 産経費 の み によっては表現 しきれ ないので あ る。合理化 の場合 におい て対象 となる水 は, ま っ た く自然資源 ではない。す でに開発 され,利 用 され て きてい る水 なので あ る。 もちろ 長束 :農 業用水合理化対策事業 の評価 に関す る研究(I)41 ん,開 発 された当時 にお いて は,前 のダム と同様 に,そ の開発費 は物財費等 か ら構成 され た生産経費 として表示 す ることが可能 で あ った, とい うことに異論 はない。土地 改良区の賦課金 は,こ れ ら建設費,す なわち生産 費 か ら導 き出 され てきた貨幣的表現 としての水 の価格 の一種 であるが,こ れ は短期的な価格 である。 この短期的な価格 の 他 に,年 賦 金 の償還 が完 了 して後 の期間 も含 めての長期 の価格,す なわち長期供給価 格 が存在 しなけれ ばな らないので あ るが,こ の長期供給価格 は,現 実 には明示的 には 表 わ され ていない し,ま た,表 わす こ とは困難 である。 したが って,生 産経費 も明示 的 には存在 しないので あ る。 この理 由については,農 業 用水 には減価償却 が行 なわれ てい ない ことな どが上げ られ よ う。 いずれ に して も,農 業用水 の合理化 の費用 は,生 産経費 のみでは表 わせないの である。 それゆえに,合 理化 のご とき水生産 の場合 の費 用 を,建 設費 な どの物財費 として求 めることは妥 当性 を欠 き,妥 当性 を欠 く費用 で も って新 しい水資源 開発,す なわち水生産 を行 なお うとす るな らば,資 源 の ミス ・ア ロ ケー シ ョンになるといえる。 一 方〕合理化 で生み 出 され た水 は,市 場価格 で表示 し うる可能性 が与 え ら れ て V` る。 この市場価格 は,水 資源 開発 としての性格的同一性,最 適技術 の採用 の仮定,代 替原理 の作用,隈 定 されたあ る地 域内 における市場 の成立 の 4っ の前提条件 を満足す るな らば2め ,限 界 生産費 に一 致す るか ら,合 理化 による開発 の水 の計算価格 は,ダ ム による開発 の限界 生産 費 と同額 と考 えてよい であろ う。 ところで,こ の隈界生産 費 とは,水 資源開発 の場合 いかに把握すべ きかが問題 とな る。水 としての商品価値 は,農 業用水 として も,上 水,工 水 に して も, l m3の 水 を 生産 す る生産費 を仮 に計算す ることが可能 であ って も,そ れ は l m3の水 を連続 的 に 長期 に渡 って,利 水者 に供給 し得 るとい うことが確認 され ては じめて もう も の で あ る。 そ して,供 給者 が l m3の水 を連続的 に,す なわちフ ロー として 確 保 できるため には声それ を連続 して供給 し得 る一連 の施設 を,連 続 され た もの として考 える必要 が ある。す なわち,そ れ らの施設 は不分割性 をもつ。 したが って,水 の場合 の限界生 産 2り 一 費 は,プ ロジ ェク ト単位 で表現 しなければな らず,結 局 これ は身替建設費 に 致す る。 この身替建設費 によるところの生産 費 と,現 実 に施 設 の建設 お よび管理 に要 した と ころの費用 との間 には差額 が発生す る。 この差額 を超過便益 と呼 ぶ な らば,さ らに問 題 は,こ の超過便益 の帰属 をいかに決定す るか とい うことである。すなわち,そ の帰 属 の主体 とその帰属す る量 のいかんによって,そ の主体 に とつての生産費 が左 右 され るので あ り,こ の配分 が費用負担 問題 につ ながるので あ る。 余剰水形成 円滑化 へ の動機付 けの問題 は,農 業用水 の もつ種 々 の広汎 な機能 を考慮 した上での,こ の超過便益 の帰属 において,い かに農業用水 のこの事業 へ の貢献度 を 的確 に,公 正 に評価 してア ロケー シ ョンを行 な うか,に かか つてい るので あ る。 42 に)農 業用水 の維持 管 理 働 (19頁参照 )に お い て述 べ た よ うに,我 が 国 にお け る伝統 的水管 理 シ 前章 の(6)の ステ ムは,分 散錯 圃制 に起 因 して,個 人 が個別所有 水源 お よび用水 路 を持 つ こ とを不 可 能 とし,集 団 で一 つの水利施設 を用益 し利用す る とい う,個 と集 団 の調整 によ つて ・ 成 り立 って きた。 これ が水禾け贋行 であ り, こ の前提条件 は,農 業経営 農家経 済 の等 質性 ・均質性 であ った。 ところが,村 落集 団内 にお け る農業経営 の専 門化,兼 業 の深 化,混 住社会化 を背 景 として,そ の等質性 ・均質性 が解体 し,共 同管 理 とい う原理 が 崩 れ,末 端維持管理 システム の空洞化 が現 われ た ので あ る。空洞化 したシ ステ ムの 中 で顕著 に現 われ る現象 は,集 約的 な水管理 を放棄 した,1水を浪 費す る掛流濯概 の 出現 であ り,必 要水量 を取水 して い るのにかかわ らず末端 区域 で の用水不足 の 発 生 で あ り,あ るい は,こ の水不足 に対 す る苦情 が 直接土 地改 良区 に 持 ち 込 まれ るこ とで あ る2 5 ) 。 こ う した現象 は,た とえ伝統的 な配水 システムを廃 し,近 代的 な配水 システ ム,た とえばパ イプ ライ ン化,を 構成 して も,い や,す れ ばす るほ ど多発 す る もの と思 われ る。「ち ょっ とひねれ ば,い つ で も水 が出 る」 あ るい は,「維持 管 理 費 を払 ってい るの ……」的発想 が,近 代化 システ ム に よる “農 民 と水 の分離 "の 促進 に よ り,起 だか ら・ こって くる と思 われ るか らであ る。実際 ,新 利根 地 域 (茨城県 )に お け るパ イプ ライ ン化 による用水 不足地 区 の発生 が実例 として上 げ られ てい る し,前 節に)で検討 した と お りであ る。 こ うした こ とが起 こ るのであ るな らば,合 理化事業 を行 な って も,事 業 の意 図す る 目的 は,到 底達成不可能 であ り,こ れ に対 す る施策 を講 じるこ とが絶対 必 要 で あ る。 これ に対処す る方策 としては,料 金制 の導入 が考 え られ るが,現 在 の状況 か らみ て す ぐに実行す るこ とは不可能 であ る。現実的対策 は,個 別水管理 をや め,営 農集 団 な り土地 改 良 区 に地 域 の営農 用水 の面的管 理 を委託す るこ とで あ る。 そ の メ リッ トは, 粗放化 した無秩序 な水管理 の発生 を防 止 して,節 水 を可能 にす るこ とに とどま らず, 需 要集 中 の拡散,あ るい は,線 的管理 と面的管 理 の斉合性 の確保 ,ひ い て は,現 実 と あ った水 計画 の樹 立 が可能 とな り,農 業用 水 の合 理 化 が可 能 とな るの であ る。 ここで も,そ の費用負担 の問題 が発生 す るが,t合理 化 を確 かな もの とす るためには,補 助金 制度 な り,都 市側 の負担 が考 え られ て も良 い はず で あ る。 (注) 1)「 都市化 と農業用水 」参考文献 4,pp.285∼ 305。 2)植 付期 の取水実態 お よびそ の期間 の長 さを考慮 す れ ば,こ の仮定 は妥 当 で あ る と思 われ る。 3)状 況 によ り変化す る場合 もあ るが,こ こでは変化 しな い もの とす る。 長束 :農 業用水合理化対策事業 の評価に関す る研究(I)43 の特徴 は,ブ ロ ックの種類 によって必要水量 に寄 与す る原単位 が異 な る こ と,反 復利 用 に変化 が起 これ ば改 めてブ ロ ックの判 定 を行 ない新 たな必 要 水 量 が 算定 で きる こ と,ブ ロ ック の単位 を大 き くとれ ば必要量 は安全側 とな る こ 4)CB法 とな どで,従 来 か ら用水量 の決 定方法 として使 われ てい る減水 深 法,あ るい は 水 収支 法 に比 し,反 復再利 用 の状況 を うま く考 え られ る方法 であ る。 ただ し,タ イ ム ラグを見込 む必要 があ る地 域 で の適応 は問題 とな る。 ちなみ に,減水深 法 と は,地 域全域 を CBと み な した場合 で あ り, し たが つて,こ の方法 で求 め られ た 用水量 は過大 とな る。水収支法 とは,地 域全域 を RBと み な した場合 で あ り, したが って,こ の方法 で求 め られ た同水量 は過 少 とな る。 なお詳 し くは,参考文 献 2,pp.598れ 608,参 考文献 32,pp.155∼ 165等を参照 の こ と。 5)本 地域 をケ ー ス ・スタデ イ地域 に選 んだ理 由 は,合理化事業 が行 なわれ る必要 性 が高 い こ と,デ ー タ収集 の都合 上便利 であ るこ と,で あ る。 6)も ちろんあ る程度 の幅 を もってい るもので あ る。 待矢場両堰 用水 19∼34%, 東西用水 18∼26%。 7)40 mm/day区 分面積 795.2 ha,30 mm/day区 分面積 863,9 ha,25 mm/day区 分面積 436.6 ha。 8)施 9)都 設管理 の程 度 に よ りこの程度 は ncxiblcに動 き得 る と思 われ る。 市計画 の線 引 きに よる農 地 か ら市行化 区域 へ の移行 を意味す る。 10)計 算根拠 は,第 4章 の費 用振 分 け試 算計算書 ,現 行事業 にお け る方法 参 照。 11)詳 細 について は,参 考文献 51,52,53,54を 参照 の こ と。 なお,後 にお いて こ のモ デル を適用す る K地 区 につ いては,線 工 事 が先行 してお り,そ の後 面 工 事 が徐 々 に行 なわれ て い るが,そ の年月 はまだ浅 い。 12)M用 13)デ 水地 区 は,近 々,合 理化事業実施 予定 であ る。 ー タお よびデ ー タ加 工 につ いて は,添 付資料 4を 参照 の こ と。 14)la′ は,単 位 水管理労働時 間 laとパ ラ レル に推移す る もの と仮定 した。 15)t5(0・ 05)=2.015 ゴ ー 水地 区以外 の用水地 区 にお い ては, そ の よ うにな ってい る (第 エ 10図参 16)K用 照)。 17)他 の用水地 区 の水利権 は慣行 水利権 で,利 根 大堰 か らの取水 は暫 定期間 中 で あ る。 18)も ちろん,慣 行水利権 が物権 であ る性質上 ,自 由に譲渡 で き る と考 え られ る。 河川 法 の34条 の考 え方 は,農 業水利権 が物権 で あ る以上不合 理 で あ る と 思 わ れ る。 19)国 )水 資源 開発 公 団,県 。 20)慣 十 明 治 29年以前 の もの 79.5 行水利権 の大部分 は旧河川 法以前 か らの もの 44 %,大 半 が小 さい規模 の もの 一一 受 益面積 50 ha未 満 68.8%。 21)新 規利水 と十 日利水 の価格 ギャ ップが顕在化 した時期 の意。 参 考 文 献 3,pp. 66津70参照 の こ と。 22)参 考文献 42の1978,pp.29∼ 51参 照 の こ と。 23)今 日の 日本 にお け る水利用 の現状 は,こ の前提条件 を満 足 して い る と考 え られ る。 24)後 述 す る単独事業費 と同様 の概念 である (第IV章参照)。 25)も とも とは,末 端 の村落水利 団体 内部 で処理 して きた ので あ る。 *参 考文献 ,資 料 は最終 回 に掲載 す る予定 で あ る。ゴ (経済学修 士,農 林水産省 ,地 域計画 課)
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