軽井沢渓谷の紅葉 「軽井沢渓谷? 軽井沢に渓谷なんてあったかな.」なんておっしゃる方も多いと思います. 小生も内田康夫氏の推理小説「軽井沢殺人事件」(だったと思いますが)で初めて知ったのです. 軽井沢でも,「西軽井沢」―当世流行の軽井沢のおこぼれに預かろうとして改名した,嫌な地名です. 昔の中仙道と北国街道の分岐点,「分去れ」のある「追分」のほうが,ああ,良かったなあ.小生高校生の 頃,今の「中軽井沢」,これも改悪地名で,昔は「沓掛」,に高校の山寮があって,毎年 1 週間ばかり滞在し, 「追分」にもたびたび自転車や徒歩でスケッチに訪れたなつかしい思い出の場所なのですが.堀辰雄や立原道 造などはどうでも良いのかな. とに角,軽井沢渓谷は,国道 18 号を軽井沢方面から行くと, 「分去れ」よりも手前,借宿交差点の次に西部 小学校前の三叉路交差点を左に入り,先ず左に信濃追分駅へ行く道を見送って進み,しなの鉄道(昔の信越本 線)をまたぐ陸橋を越して大きい二つ目の分岐点を左折し,森泉郷別荘地に向かう一本道を2kmほど南下す ると軽井沢大橋に達します.この橋は鉄橋ですが無粋にも両側が金網で囲われ,というのは橋の下の渓谷がい かにも誘惑的で,飛び降りる人が多かったからだそうです.したがって軽井沢渓谷の絶景は金網の間から覗か なくてはならないのですが.音立てて吹き過ぎる秋風に舞い上がり,舞い落ちる紅葉の眺めはなかなかのもの です.晩秋の侘しくも美しい風景とのレソナンスが憂愁の人を身投げに誘うのかも知れません.場所がちょっ と分かりにくいが,一種のオリエンテーリングの積りで,探訪されてはいかが? (2008)
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