地質環境調査のための 「地質環境単元」 設定 に関する基本方針

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東濃地科学センター 1研究5,」整グループ】
地質環境調査のための「地質環境単元」設定
に関する基本方針
1989年3月
動力炉・核燃料開発事業団
中部事業所環境地質課
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いo
〒319−1184 茨城県那珂郡東海村村松4番地49
恢燃料サイクル開発機構
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Inquiries about copyright and reproduction should be addressed to;
「Pechllical Cooperation Section,
「lbchnology Management Division
Japan Nuclear Cycle Development Illstitute
4・49M皿amatsu,TokRi・mura,Naka・gun,Ibaraki319−1184
Japan
本資料は、核燃料サ イ乎ル 開発機構の こ乍一〉てす。
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したがって、 その利用』は“艮ら鍵範 、そrの取扱当こは手・分
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特別の許可を必要としますのでY・一手記脇合ヰ楚下ざいo
の開発業脇亡進めるために1メ囲としており、
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核燃料サイタリレ開発機構
技術展開部 一技術愉力課
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(Japan Nuelear Cyele Developmont Institute)
地質環境調査のための「地質環馳単元」、没定に関する甚本方針
怠惣跡
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地陪処分技術の確立を目指した調査研光の一一環として、地質環境寺の適性を評仙するた
めの調査(地質環境調査)を実施している。この調査は地域を特定することなく全国規模
で行なわれるため、調査研究の効率性と合理性から、同一の地質環椀を持つと考えられる
単位(地質環境単元)に区分し、調査を進めて行くことが肝要である。
地質環境は地層の窒聞的拡がり,地質 E学恥1 巨,水理地質特性および地球化学的侍性等
によってその特性が形作られている。これらは岩石そのものがもつ各ト謄f性に加えて、過
去に受けた物理的,化学的条件によって現在の地質環境が形成されたと考えられ、それら
の指標である岩種、地質時代、地質構造区の3軸により具.元が設定される。
我が国に分布する地層は、そ夢水理機構や収着特性,岩石物性等の羊により「花淘岩類」
「斑レイ岩類」 流紋岩類」 「玄武岩類1「新隻r紀堆積岩」「先新第三紀堆積岩」「石
灰岩」 1結晶片岩類」の8r岩租1」に区分される。地質構造区は約2400万年前を境と
して大きな違いが認められ、新しい方(新第三紀)が4プロックに、占い方(先新第三紀)
が3ブロックに区分される。また地質時代では新第r系と先新第三系に人別され、さらに
先新第三系の「花商岩海創と「先新第三紀 唯禎をh」は2つに分類される。
この組み合せにより地質環境単元が設定されるが、時代や構造区によって存在しない岩
極があるため我が国の地質環境II1元は3 4単元となる。この区分は現在の知見に基づいて
いるた虻)、今後の地質環境調査の成果によっては、この区分が簡略になる呵能性もある。
* 中部事業所 環境地質課
目 次
はじめに
1
『
ヨ
…・
地質環境単元の必要匹
…………
2
4
2.
地質1罠境単元区分に関する考え方’
3.
地質環境単元の内谷 ……
23
4.
ま と め
35
5.
参イ文献
36
付衷 地鮮代表…
38
はじめに
地層処分の第2段階における調査研充では、地質環境調査は地域を特定すること
なく、全国規模で行い、それによって我が国の地質環境を把握する必要がある。こ二の
調査を進めるためには対象地域を旧一の地質環境を持つと考えられるある単位に区分
し・その各単位について調査し「1∼価していくことが効率的である・この単位は従来の
地質学や土木工学における単位ではなく、地層処分の地質瑛境特1生という新しい観点
力・らみた単位である必要力fある。
この服告は、この地層処分の観点からみた新しい単位一ここでは「地質環境単元
という新たな名称を提案したい
とその設延の基本的考え方について述べたものであ
るQ
尚、ここでは34の単位を提業しているが、これが現在の文献と地表調査に基づ
いたものであるため、今後の調査によってはこれが変わることがありうることと、こ
の単位があくまでも地質環境調 直α)ためのものであることを明記しておきたい。
地質学で用いられる岩石の名称は現在必ずしも糸ノ己一されているとは言い薙い。こ
こでは、地質調査所(1982〉をベースにし、必要に応じて広く川い嚇むている名
称又は用語を使うことにした。
一1…
1
1.地質環境単元の必要性
昭和59年度に終了した第1段階「》自効な地層の選定1の研究開発の糺果、
r我が回における右効な地居としては・未固結岩寺の明らかに適性の劣るも0)は別と
して・岩石の種類を特定することなく・広く考え得るものである」と結論された。
その結果を受け・第2段階の口標は、そのr有効な地層 1㈲を対象として[地質環
境等の適匹を評価するために調査をする」ことと設定されている。箆1段階における
,燗査研究では、その評価は地層・地域ぐはなく岩樋ごとに行われたが、箆2段階では
地質環境すなわち地居と地下水に対して評価を行う必要があるため、岩石試料による
調査のみではなく野外での地質環境そのものも謬、植査しなければならない。言い換える
と岩種の他にそ0)時間的,空間的分布についても考慮する必要がある。例えば、岩種
が同じ堆積岩でも ・般に時代の新しいものは軟らかく孔隙率が大きいが、時代0)古い
ものは硬く孔隙率が小さいため、そのノk理特性などが艮なることが考えられる。ある
いは岩種,時代が同じでも、それが分布する場所によって過去に受けた物埋学的,化
学的条件が異なり、それが収着特性などに反映される場合があり得る。
』般的に地層の分知には地質学的分類と土木 L学的な分類があり、地質学におけ
る分類はその成囚に着目したもイ 1砿物学的分類や地質構造発達史に対応した地1本構避
区分が用いられている。一方、土木工学における分類は岩盤の辱刎生を主とした⊥学的
データに基づく分類法であり、地層が生成された時の初生の性質にその後、各地質時
代に生じた地殻変動による応力や風化・変質によって形成された特性を分類したもの
である。しかし、このような現象は個別に生じるものでなく、あるまとまりをもった
単位として存在している。これらは地屠(岩石)の種類(岩種)、地質時代、地質構
造区と言った地質学的表現に反映されており、この3者を軸として再編することによ
り、地質環境特性からみた分類が可1彪である。この区分された単位に対して、ここで
は1
地質環境単元」という名称を新たに提案する。これは」 也質学や土木工学における
概念ではなく、地層処公の分野のみにおける概念である。
(*〉 有効な地層:「第四紀堆積石1「第四紀火山君」以外α)地層。但し「深地居1
に達しない程度の厚さ0)「第四紀堆積岩」1第四紀火山宕」に
被覆される場合もある。
この単元の設定は具休的にはI A E A(1983)による・次の地層処分を行う上
で地質環境に要求される基本的条件に基づいて行われる。
(1)土也1ヒ’0)空階」白勺」ノ[{カくり
(2)地質工学特性
(3)水理地質特性
(船地球化学特性
以ドにこの「地質環境単元」の設足の考え方について岩種と時代・地質構造区に分け
て述べる。
3
2.地質環境単元区分に関する考え方
(1)岩種
岩種の区分は・般には地質学の・考え方によるもので、それは主に成囚に基づいて
分類されている。地1、ゴ処分の観点からみた“宕1睡”の区分はこのような1也質学で川い
られている区分とは必ずしも
致しない。以下では、まず地質学における岩毬の区分
について述べ、次に地層処分の観点からみて、それを再構成することにする。従って、
この報告に用いられる“岩種》⊃(的の意味は地質学でいう右種の息味とは必ずしも一
致しない。
地球上に存在する宕石はその成囚から見ると、火成宕・土ll.積宕・変成rlの3極に
大別される。火成岩はマグマが固,詰してできた岩石のこ.とであり、堆槙君は水中又は
空気中でα)堆積作川によってできた岩石である。変成岩とは変成作用によってできた
看石、すなわちもとの石石が地下の深い所で変化してできた岩石のことである。
マグマが固鮎してできた岩石である火成岩は、固結した時の条件と化学成分の双
方における相異によって区分される(弟1教)。洞温の液体物質であるマグマが地下
深部で徐々に冷え固まると、結品が晶出し、最終的には全て結品の集合から岩石にな
る。このような岩石は、地下深部でできることから深成眉と呼ばれる。花醐岩がこの
代表的な岩石である。一方マグマが火山などで火口から溶岩となって地表に流れ山す
と、高温であるマグマは急玲され、液体部分は糸、!、晶化することができず、ガラス質の
岩石となる。その中には、一部既に結品化していた鉱物が斑品としてガラス質の基質
の中に含まれることもある、、このような岩石は火II 1から1㌧駐出してできることから火山
岩(又は噴出石)と呼はれる。安山岩や玄武岩がこの代衣的な岩石である。マグマが
地表へ噴出はしないが、地下の浅所や火口付近で冷え固まった肩石は深成岩でも火山
石でもない岩石ということから、半深成岩と呼ばれる、これは 一般に斑状の組織を示
し、花商斑君などがその例である、、
し
(*)以下では地層処分からみた岩種は「装、種1と特に「
毬と区別して用いる。
4
」をつけ,地質達におけ’る岩
岩石の化学成分は鉱物成分に対応している。石英,斜長石,正長石のような鉱物
はSi山,A1203,N&田,K20などの成分から成り、目色又は無色透明である。角閃石,輝
石,カンラン石などはFe[〕,Mgl〕,Sl脱などの成分を有するが、S田2の量は石英,斜長石
などより少なく、黒味を帯びた色を呈する。花1嗣看のような石央,正長石などの鉱物
が多い岩石はSio・にも富み明るい色を呈し、酬生冶と呼ばれる。角閃石,輝石,カン
ラン石などの鉱物が多い岩石はSiO・が少なく暗い色を呈し、塩基性(又はム鉄質)岩
と呼ばれる。玄武岩がその代我的なものである。酸性岩と塩!匡凱岩はSi山塩などによ
って公けられるが・その間に中性岩が区分されており、その境界は連溜売的である、、又
酸性岩である花商岩・流紋宕と中性岩である閃緑君・安II[岩との間にそれぞれ花醐閃
緑岩,デイサイト(石英安山岩)と呼はれる岩石が区分される(第1表)。
地層処分における地質環境‘団性からみても、基本的にはこれと同じ分類をするこ
とができる。火山眉と深成宕では構戊釣去物の粒度などその組織に差があり、弾性係数
や圧縮強度などの物性値が異なるため、両者を区分することが適当と思われる(第1図)
半深成岩の鉱物の粒度は低いが、組織などの類似性からその性質は深成岩に近いと思
オ)れるので深成岩の方に一括して分類する。
地層中の地 ド水の化学的性質は・それを含む岩石と反応してある 一疋の組成の地
下水になる傾向にある。実験の結果によっても酸性の花商岩と反応した水はCaやNa,K
に、塩基性の玄式岩と反応した水はM琶やCaなどにそれぞれ富むことが知られている
(嘉2図,Tamariしt al.,ig83)。さらに、火成岩を構成する鉱物の中で、黒去母な
どは核種を良く収着すると需われており、一般には黒{去母を普通に含む酸性百の方が
塩渕生岩より収着能が高い。従ってこのような地球化学特性に基づいて、酸[生岩と工1,{
基性冶に区分することができる、、中性宕は、その化学組成からいって塩基性岩に近い。
又、塩基性岩よりさらにSirbの少ない岩石として超塩基性岩があるが、これはその特
性からいって塩基・1生岩に近い。
従って、火成塩は酸性深成右,塩、基一1生深成岩,酸性火11 1岩,塩基性火山岩の4つ
に区分される。これらの代表的な岩石はそれぞれ第1表における花醐君,斑レイ宕,
流紋岩,玄武岩であるため、 r岩山としてこれらの名祢を用いることにする。上記
のようにここでは半深成岩が深成岩に、rl』1性岩が塩基性君などにそれぞれ区分される
ため、この分類によるそれぞれの名称に‘‘花簡占類”というようにr類」の文字を加
える。後述のようにこの地質環境特性に基づく分類では変成巻である片麻岩も‘‘花尚
5一
第1表
地質学における火成岩の分類と地質環境単元における「岩種」区分
(太字が地質環境単元における「岩種。名)
酸 性 岩
中性岩 塩基性岩
(苦鉄質岩)
1
深 成 岩
花闘岩 花商閃緑岩
閃緑岩 斑レイ岩
噛岩類」
r斑爵岩類」
あ
半深成岩
花商斑岩 花商閃緑斑岩
火 山 岩
流紋岩
デイサイト
(噴出岩)
(石英安山岩)r融岩類」
紛 岩 斑レイ珍岩
安山岩 玄武岩
嚇岩類」
【Q l
1⇔ ld)
l b)
弾性係数E剋Xゆ蝋陶耽m21
一軸圧縮強度σC l kq玩m2) 引張リ強度σf l kgf/cmη
ポアソン比y
0
1
刈
1
500 ,DOD I500 2㈱ 2榊 5㈱ 0 200 400 600
火山岩/萎雌
麟檬
変成岩一片 麻岩
第1図各岩石物性の平均値
(今津,1987を一部簡略化)
(化学組成がほぼ同一で、鉱物の粒度・量が異なる玄武岩と斑レイ岩,安山岩と閃緑岩
は弾性係数・強度において大きく異なる。又、花嵩岩と片麻岩はその成因が大きく異
なるにも係わらず、その各物性値は類似している。)
第2図 花嵩岩・玄武岩と地下水の化学組成との関係
80
20
60
80
40φ
の ナヘロ
4。吃
ン
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ぎ
♂ F、
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♂
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、/ A l ’ )、
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80
’、 B _■一■一一触 ,乙ノ
80
8Q 60 40 20
60
40
Co
(1)花崩岩試料のダイヤグラム
働玄武岩試料のダイヤグラム
④:花嵐岩地域の地下水・河川水
◎1玄武岩地域の地下水
のへ
(且):花崩岩,花嵩閃緑岩,長石
及び花崩岩質土壌・堆積物
¢):花嵩岩,土壌,堆積物を用いた溶脱試験
CG
20
トヘ
(三)1玄武岩
(う:玄武岩を用いた溶脱試験
Tamarietal,(1983)よリ
岩類”に分類されることにな1るが 、こ0)ような‘マ臼雌.着類”の忌味する「岩種」が一
般に地質学で用いられている内容と異なる場合があるので、ここでは特に「花醐麿類1
のような名称にさらにr lを加え、ここでのr石種1の名称として表わすことにす
る。従って火成岩は、次α)4r石種」に区分される。
l
(1)
「花崩岩類
(2)
I斑レイ岩類」
(3)
「流紋岩炎則
(4)
r玄武君類」
堆積岩の区分は都城・久城(1975)によれば大きく砕屑性堆憤岩と化学的
生物的堆積岩に分けられる(第2表)。前者は他の既存の岩石に含まれていた鉱物や
鉱物集合が固体の粒子として運ばれ、別の場所で堆檀してできた堆恒岩のことである。
これは粒度によって粗粒から細粒のものへ櫟岩,砂イ1,泥岩などに細分される。
後者は堆積した場所で化学的,生物デ的に生じて沈澱,堆積してできた堆仙岩で
炭酸塩を主とする石灰岩,シリカ質のチャートやアルミナ質のボーキサイ1・などがこ
れに区分される。
このような堆嶺君の中でも*、’度の異なる砂岩と泥岩などはその透水性において異
なるし、又チャートや泥君などはその化学,鉱物組成が昊なるため、収着特性に差が
ある。しかしながら我が匡1における堆柏君は、 一般に砂岩や洗岩など1極類の}ll栢宕
が処分場サイト0)母岩として必要とされる深地層まで連続していることはあまり多く
なく、砂岩や泥岩が繰り返し見られる0)が普通である、、しかし、その水理モデルなど
では両者を一括して取り扱うことが司能である。又、堆植岩に含まれる地下水はNaや
llCO3などに畠む傾lli]にあり(杉崎・柴川,1961),他のr岩{11」の中の地下水と区別
されることから、堆積岩は一括して他σ)r岩種」から区分することが可彪であると思
われる。
堆積岩は水中などで、堆桓物が次々と壷なり固結してできた岩石であり、その堆
積物が堆積岩になるプロセスの進行に伴って岩石強度などの増大といっ九者石α)諸性
質の変化がおこる(小島,/979/。一般に続成作用の進んでいない堆憤岩は固結度も
低く、水理モデル的にも多孔質妹体と呼ばれるものである。しかし古い時代の堆積岩
9一
第2表 堆積岩の簡単な分類
(A)砕屑性の堆積岩
(1) 葦肚粒(Z)もσ):{ダ嚇よ{樂宕, ∫自礫岩
(2)中粒のもの:例1、L砂者
(3)細粒のもの1例は頁宕,洗岩
(B)化学的=生物的堆積岩
(1)炭酸塩を主とするもの;例は石灰眉,ドロマイト
(2)シリカ質:例はチャート,ダイアトマイト
(3)鉄質:例は鉄釧、ゴ
(4) アノレミづ 質:但1具よオぐ一こ1ン’リ
イ 1・
(5)燐酸塩質;f列はフォスフォライト
(6)水溶性塩類:例は宕塩,石コウなどの、案発岩
(都城・久城,1975を一部改変)
l o
は新しい堆積岩に較べ続成作川が進んでおり、固結度が高く、岩石強度が“,jくなり、
刮れ目ができ易くなる。このような岩石は堆積岩であるにも拘らず、水理的には割れ
日系の岩石である結晶質右と類似の挙勤をする(〔hapman&MGKirlley,1987)。又、
地下深所では、温度一や』上力がかなり高い{直に達’することもあり、強い続成作月」を受け、
構成物質の種類が異なってくる場合がある。このようなプロセスの進行の差(詣時代
0)差)はそれぞれ岩盤α)強度・水理特14三・収着特性といった地層処分における性能か
らみて大きな差となるので、地質環境特性から見ると堆積岩については砂岩・泥巻と
いった岩相よりはむしろ時代によ一)て区分する方が重要である。日本の堆積省におい
ては、新第三紀と古第三紀以前の地層の続成作川に大きな差があり、これを境として
の地質塊境坪削生に大きな近いを生じているため、ここではこの時代をもって堆積者の
「岩種」区分とヨ
る。
なお、石灰岩は日本においても十分な規摸で分布する場合があり、又水理や収着特
性・地下水の化学組成など他の珂「積宕の持性と大きく異なるので、石灰岩は1つの「
岩種」として区分することが可能であろう。他の化学的一生物的堆積石である省塩,
石コウなどは我が国に存在しないか、視換が小さいためここでは占II愛する,、又同じ堆
積君である炭層は硯模が十分に大きく、その佐質も他の堆積肴と異なるが・一般に資
源の口」能性のあるものは地層処分の対象としては十分考慮すべき要因と考えられてお
り(1岨A,1982)、ここでは除外する。これら堆佃岩は火成岩とは水理地質や地球化
学特性において異なるので、痢1たな「岩種」の区分として
(5) 1新弟三紀堆栢岩」
(6) 1先新第読紀堆嶺岩」㈲
(7〉「石灰岩」
の3種をこここでは設定する。
(*) 「先新第三紀堆積岩」は「新弟三紀堆嶺岩tを含まず、それより前の時代の「
堆槙岩」を表す。
l l
火成岩や堆嶺岩(さらに変成暑白体)が変成作川を受けてできた岩石である変成
岩は、化学組成と変成度とその組織の面から分類されている。化ンセ組成は変成作川を
受ける前の岩石(原岩という)の化学組成がどういうものであったかによって決まる
(ある岩石が変成作用を受けて変成宕になっても、その岩石全体の化学組成は変化し
ない場合が多い)。変成度はその変成作用がどういう温度,圧力条件ドで起こったか
によって決定される(地下深所では温度,圧力が共に尚い)。岩石の組織はどの程度
の応力を受けたかによって決まるが、変成度とも関係する。
堆積岩・は前述のように砕屑性堆憤岩と化学一生物的堆績霜とに区分される。変成
岩の原岩としては、砕屑性堆積岩である砂岩と泥宕の化学組成 Lの差に大きな意味が
ある。共にSi帳が多いという点では共通だが、泥岩は砂石に比べると翫0,Al・〔」3に富
み、変成度など他の条件が同…でも異なった鉱物ができるので両者は分けて議論され
ることが多い。礫τ 起源の変成岩は極めて少ない。化罫
生物的ユll、櫨岩において、石
灰岩は、その成分の大部分が炭酸カルシウムだが、チャートはSi山に冨み・その組成
は砂岩に近い。火成岩はその組成上からは上述のようにSiO、に富む酸挫岩とSi山が少
ない塩基性(∼中性)岩に分けられる。このうち酸性岩は、粂成されるとSiO・の多い
鉱物である石英や長石から成るため、砂岩,チャート,酸性岩を起源とするものは、
合わせて石英長石質の袈成岩と呼ばれる。泥岩を起源とする変成岩は泥質変成岩と呼
はれ、K20,旧20、が多く板状の鉱物である去母を多吊に含む。従って、変成岩の起源
に基づいた区分では、我が国α)変成岩は一般に石英長石質,泥質,石灰(岩)質,塩
基1生の4種に分類される (第3表)。
変成作用とは地下深所に;おいて十分ノよ時i潤、ロ自i温、高圧条件ドにおカ・れ、新しい
糸、!i晶ができる(再結品化)ことである。従って、ごく細粒の粒子か旺)成る堆極イ4であ
る泥岩や地表に順出しガラス等の部分から Lとしてなる火山f量なども変成されると結
晶粒の大小はあるが、深成岩のような結品質な岩石iこなる。そ0)ため変成宕はほとん
ど全てが結晶質であり、地質環境/呂生の観芽、乱から変成岩を見ると、粒度よりはむしろ
変成岩のもう一つの特性である構造運動による岩石の紐織について考慮する方が重契
である。これに薯、彗づくと、片岩,片1、藤岩などα)眉型に区分されるが、大きく見ると、
後者の変成温度の方が高いと考えられている(都城・久城,1975)。しかし、この組
織は構成する鉱物の性質にも関係するので、そ0)原岩の化学組成に大きく影響を受け
る。例えば、r雲母のような砿物は板状であるため、それを多皐1に含む岩石は低温で
…i2
第3表
地質学における変成岩の分類と地質環境単元におけるr岩種」区分
(太字が地質環境単元における「岩種」名)
片状
石英長石質
(砂暑,チャート,
泥質
片麻岩
酸性君)
「花闘岩類』
千枚岩
雲母片岩
「結晶片岩類」
塩基性
緑色片岩
角閃岩
「斑レイ岩類」
石灰(岩)質
結晶質石灰岩
「石灰岩」
13
も片岩となりやすい、,泥質変成岩は変成度が低くても高くても雲母が多いため、高温
でも片麻岩ができにくく、片岩となる場合が多い。又、反対に石英長石質変成岩はそ
の組成 L雲母が少ししかできないため典型的な片岩になれない。従って低温でも片麻
岩になり易い」 (都城・久城,同L)。塩基性変成岩は低温では緑色片岩になり、高
温になると角閃岩になり易い・又、石灰質変成岩は結晶質α)石灰岩(又は大理石)と
ね二る (第3表)。
石英長石質岩石がなり易い片麻イ、に縞状描造はあるものの、花1,蛸岩類と比較する
と、岩石物性が類似していること(三木・古谷,1983)、その化学組成・鉱物組成・
粒度がほぼ同一であることなどから、前記の分類によるr花1謡,i岩類」に含めることが
可能である。又ミグマタイトも同じ理山でこα)r省種」に区分できる。泥質の片岩で
ある泥質片岩と塩基性の片岩である塩基性片岩は互いに全岩の化学組成は異なるが、
一方でそれぞれ雲母,緑泥石といった共に収着能が両いと思われる鉱物を含み・かつ
片状紐織があり、力学的にも異方性を有するという共通点をもつ。また、この両者は
1つの地域に互いに伴って産出する場合が多い。そのためこれらを火成措,堆積岩か
ら分け、 (8) 「紀品片宕類」として新しい1つのr岩種」として区分する必要があ
ると思われる。
変成度の高い塩基性変成岩である角閃宕はその構成鉱物や結品の大きさなどが
「斑レイ岩類1に酷似している。結品質石灰岩は石灰石が再結晶したもので組成も原
岩とほとんど同一であるため、「石灰岩」と同一に取扱うことが可能である。超塩基
セ1君の変成された岩石である蛇紋岩はその物性・収着特性から「糸1、品片岩類」に区分
されよう。
従って、この変成岩類では新たな1岩種」としてr結晶片岩類1を設定する必要
がある。これに含まれるのは泥質片岩,塩基性片岩,蛇紋岩で、他は上記火成岩,堆
積岩の中の「岩種」に区分される。
尚、こ0)他にエクロジャイト,グラニュライトなど高器,1,高圧でできる変成岩が
我が国においても存在するが、処分場の母岩となりうる柱の大きな岩体はない。又、
高苗、1のマグマが冷えて固まってできた火成岩体の周囲にできる接触変成岩である(片
状)ホルンフェルスは、局所的にしか存在しないこと、その原君が変成作川を受ける
前の岩石と同じ特性を有する場合が多いことなどから、その原岩と同じr冶秤1に区
分する。
14
以上まとめると、地致正漿境‘剛生から見たr岩極」は次の8捷に区分される。
(1)
r花商岩類」
(2)
1斑レイ岩類」
(3)
1流紋岩類」
(4)
r玄武岩知」
(5)
「新第三紀瑳積岩」
(6)
rう1己彩『賃;二i糸己上監牡1右I
(7)
r石灰岩」
(8)
「結品片岩類」
第4表に地質調査所(1982)による石石名をこの8r岩種」に対応させた結果に
ついて示す。
一一
15・一
第4表
「岩種」区分とそれに相当する岩石名
「岩種」
r岩石名」困
1. r花1、司者類」
花尚岩,花商斑岩,と1護斑岩,石爽閃緑岩,石英閃長后,文象斑君,瑳長岩,片麻石,
2. 「斑レイ岩類」
斑レイ老テ, L均糸求岩, 裟捌[レイ宕, 角1周岩,超塩基性岩(超苦鉄質岩)
3. 1 流紋岩類」
拐五紋岩, デイサイ ト
4。 「玄武岩類」
玄武岩,安11 1岩
5。「新第三紀堆禎眉」
砂岩,泥岩,礫岩,凝灰岩
6. 1 うセ来斤竿ニモ糸己耳[偵1岩」
砂者,泥君,礫岩,チャート
7。 「石灰岩」
石灰岩
8. r旨壱配1ナ・ヤ岩炎亘1
結品片岩,干枚岩,雲母片岩超垢、基悟看(超苫鉄質岩)(樹
(*)地質調査所(1982)l r地質アトラス」に基づく。 r有効な地層」を対象とす
るため・ここではr鮮新世一更幻Ill1HlllUi」とその上部の地層は除外する。同アトラ
スにある「片状ホルンフェルス」 炭層」については本文参照。,
(**)超塩厘性岩が変成してできた蛇紋岩がこの「宕種」に分類される。
一Hl
(2)地質時代・地質構造区
地質構造区を区分する構造線(帯)は規模の大きなものから小さなものまで鍾々
あるが、地質環境を広域的に評価をするという観点からは、第1級の構造線をその境
界として用いることが可能である、、
現在・口本列島において見られる地質構造区は各時代の構造運勤を反映している・,
ある時代の構造運動は、その前の時代の構進的特性に規制されることもあるが、それ
と無関係に新たな構造運動が起こることもある。我が国の地質構造発達史においては
r古第三紀と新第三紀の境目あたりに1つの大きなテクトークスの変化がある」(勘
米・橋本,1980)と言われており、地質構造もそれを境に大きく異なっている。例え
ば、本州中央部にある束北日本と四南日本を分割する第1級の断裂帯である糸魚川
静岡構造線は新第三紀(約240〔)万年前)以降にできたと考えられている(市川・』L村,
1978,勘米良・橋本,同上)が、これはd1央構造線を切り・それ以前の地質構造とは
無関係に生じている(第3図〉・そα)ため・我が国の地質構造区を考える場合、新第
三紀とそれ週前 (先新第三紀)の時代に区分し、各々0)時代で考慮すべき地質構造
区を設定することが適当であると思オ)れる。
ノ」、澤ほか(1985)によれは、古箆三紀まで0二)大きな構造線は棚倉破砕帯とq」央構
造線である。棚倉破砕帯による区分は火成活動の上からも地質構造のLからも極めて
重要な意味を持っているとされている(市川・北村,1司L)。火成活動の上では日亜
紀の酸性火成措類に対し、この破砕帯を挟み北東側では西南11111に比べ南北系の断層が
顕著で、火山君/花商岩の重比が低く、斑レイ岩/花岡岩の並比がl」iい(石原,1980)
などの特徴がある。構造的にもこの椀界の西側にある美濃
足尾帯や領家帯とその延
長と考えられる筑披措などが北東側には出現しなくなる。
中央構造線は西南日木外甫と内,1}を対照させる古典的大区分たが、これは東アジ
アに広く拡がる白亜紀
占第三紀酸性火成浩動戚の南限を画するものであり(市川・
北村,同上〉、又片麻岩一花岡岩を主とする領家変成ll}と結晶片岩を主とする三被川
変成帯を区分する境界である。従って、先新第三紀における地質構造区の区分として
棚倉破砕帯と中央構造線によってできる構造区を設定し、それぞれ北日本,西南・巾
部日本外帯,西南・rl1部LI本内措と命名する(第4図)。
一17
第3図
糸魚川一静岡構造線と中央構造線の関係(勘米良・橋本,1980より)
』
/
6
P
9
q
プ
』
9
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o
o
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’
ρ
ノ
b
ノ
ゆ
3も
、ダ’
ウ
糸魚川一静岡構造線
野
♂
4
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ダ じ
臼
、,〆
中央構造線
ノ
♂
’凪
ぢ 夕♂
φ
50 0 100 ∼oo㎏m
一18一
先の8r岩穂」のうち先新第三紀の7r岩極」についてはこの構這区分が適川さ
れる。このうち1 花陶岩類」とr先新第三紀堆頓岩」は地質環境特性から見て・さら
に区分することが可能である。石原(1980)によると、日木の先新第二紀花両者類は
その時代により、ジュラ紀以前,白亜紀
占第1紀の2つに大別され・このうちジュ
ラ紀以前の花岡岩類は圧砕作用を受けていることが多く、その物性において白亜紀一
古第三紀の花淘岩と大きく異なる(三木・古谷,/983)ため・この2つを地質時代に
よって区分することにする。
我が国の堆積岩から見出された最も古い化石は約4億年前のシルル紀のものであ
る(木村,1979)が、 r先新第三紀堆積岩」の大部分は二昼紀(約2億8千万年前)
以降の地層で占められる。我が国において中・占生居は大きな堆預区で生じた場合が
多いが、第三紀の地層は陸地に近いか又は陸地に囲まれた小堆積盆に堆積したものが
多いと言われる(木村,1983)。この堆預した場所の性格の差は地層の規模・固糸,ll度
などに反映されると考えられるため、この先新算⊇紀の堆極君をさらに中・τ早L代0)
ものと占第三紀のものに区分する。
新第三紀以降の大きな構這線は糸魚川
静岡描造線である。これらは、中。1∼日本
を南北に切る大きな構造線で、衷北日本と酉南日本を区分するものである。東北日本
の堆積盆は概して大規模であり、グリーンタフ地域、非グリーンタフ地域に係わらず
地向斜佐の海成層が発達している、、また火1II噴出も海面下で形成されたものが多い。
・方、四南口本のものは内湾性∼測沼性α)小上ll,積盆地に堆積した地層や陸域に墳出し
た火山岩が多いのが特徴的とされている。このように糸魚川
静岡禍造線を境として、
生成環境に大きな違いがあるノこめ、これを地質構造区の1つの境界と一する。
薪第三紀以降の日木列らにおいて大きな地質的イベントはいわゆグリーンタフ変
動である。グリーンタフ変動は東北目本のI l本海側を中心に海江嚢で起こった火山活動
であるが、その活動は北海道,東北目本0)i」本海側や酉南目木の口本海側において起
こっている。グリーンタフ地戚の火山イ」類は、緑泥石・絹工母・沸石類などの変質鉱
物を生じて淡緑色を示しており(宇井,成瀬,1980)、収着特性がグリーンタフ変動
を受けていない地域のものと大きく異なる。このため、両者をグリーンタフ地域,非
グリーンタフ地域として区分する。両{1は糸魚川一静岡構造線をはさみ、束北目木,
酉南日本の両側に出現するため、4つの地域に区分される(第5図)。
一
19
新第三紀以降は十分な規模のi斑レイ石類」r石灰岩」r結品片岩類」さらには
「先新箪二紀堆積岩」は存在しないため、 r花II封岩類l I流紋岩類」 「玄武岩」 「新
第三紀堆積岩」の4つの「岩種」が地質構造区区分の対象となる。
以上の「岩極」と地質時代・地質構造区との考えにより、「有効な地励は第5
表α)ように区分される。この中で1岩極」によっては地質構造区に存在しない場合が
あるため、 r地質環境単元1の数は合計34となる。尚、先新第三紀のr花商君類」
はジュラ紀以前と白亜紀
古∬三紀に分けられるが、第5表では前者をr中・古生代」
後者を「占第三紀」とそれぞれ表示する。
20
第4図
qo
地質環境単元に関する地質構造区
(先新第三紀)
!
o
σ
ワ
ρ
o
『
北日本
五
9
多
棚倉構造線
西南・中部日本内帯
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西南・中部日本外帯
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中央構造線
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5Q O
lOD 200km
9夕♂
一2!
第5図
東北日本
グリーンタフ地域
qo
地質環境単元に関する地質構造区
、
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(新第三紀)
、
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、 σ ノ’
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I
4
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東北日本グリーンタフ地域
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非グリーンタフ地域
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西南日本グリーンタフ地域
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糸魚川一静岡構造線
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西南日本非グリーンタフ地域
・、〆
ノ
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。クげ
ダ
一
50 0
100 ZOQ㎞
22
/
3.地質環境単元の内容
以下では34地質環境単元の内容について述べるが、記戴の繁雑を避けるため、r岩種」
ごとに記述する。理解を容易にするため、第5表と第6図∼第10図を合オ)せて参照されたい、、
(1) 「花闘岩類」
ジュラ紀以前の「花岡岩類」は11Li南・1/ 1部口本内帯の飛騨片麻岩,船淳花商肴と
北日本の竹貴片麻岩である。飛騨片麻岩は冨山,岐阜,石川の3県にまたがる飛騨変
成補の主要構成岩であり、その分布は能登半島を経て隠岐島後まで続く。飛騨変成帯
には船津花商石と呼ばれる岩体が広く分布しており、そα)主林は変成作川後σ)貫入に
よるもの(勘米良・橋本,1980)と考えられている。竹員片麻岩は阿武隈笈成帯の一
諾をなし、主に粗粒の雲IJl片麻者からなる。
白亜紀∼古第三紀の「花陶4類」は酉南・中吝1∼LI本外帯を除く日本の各地に分布
しており、その面積は花商岩全体の70%を占める・、棚倉破砕帯以西の酉南・中部日本
内帯の花謁岩類は磁鉱鉱やチタン鉄鉱寺の不透明鉱物の種知と重あるいは員入時期の
違いによって系列化されている(石原,1980)が、地質屋境特性に関しては一連の冶
体として取り扱えるためここでは区分しない、,これらの宕体は白亜紀にその形成が始
まるが・それが終了するのは占第三紀であるため、第5表では占第三紀に分類する・
北九州から中国地方にかけて
つの分布の塊があり、背振山塊を中心とする北九州,
1h口県から島根県にかけての画中国,広島から山陰に至る地域に、III陽帯花商岩と山
陰411花商岩と呼ばれるものが露1.Uする。次に中部地方,三重県北,。随中心として中央
構造線沿いに片麻石を含んだ「花醐岩類
が巾広く露出している。これらは、領家帯
花商冶類および領家片麻岩類と呼ばれ、一部刃『期花尚君を伴いながら愛知
長野県境,
三重 奈良県境,四国北部にかけて分布している。もう…つの塊は上越帯に点在する
1
花1鋤岩類」マ聾りHヨ・飯豊,三匡1地域に分布する。
一方、北rl本のr花醐岩類」は比較的まとまった分布を示し、北上山地と阿武隈
1LI地に集中する。これらは西南日本内帯のものと比較して「南北系断層が顕著である,
火山岩/花崩岩比が低い、斑レイ岩/花醐眉比が高い」始の特徴(石原,同上)を有
する。裏口本および北海道α)ものはいずれも小岩体であるが、ヒ1高山地の花商岩は片
麻岩とミグマタイトがドーム状構造を形成してひとつの岩体を成している(鈴木,19
80)。
23
新第三紀のr花岡岩菰則は西1判 1本の非グリーンタフ地域と束北H本のグリーン
タフ地域に分布している。酉南日本σ)ものは屋久島,大隈半島,尾鈴,熊野に独立し
た岩体として貫人しており、それらは黒去母花商岩,花醐斑眉,石英斑岩等からなる。
束北日本の非グリーンタフ地域には新第三紀の「花歯岩類」は存在しない。また、グ
リーンタフ地域に産出する花闘岩は概して小規榎であり束北日本の金峰山,谷川岳に
比較的大きな乞体(甲府岩体など)が蕗1bしているにすぎない。
(2) 「斑レイ岩類』
「斑.レイ岩一類」の葱出は少なく、酉1‘1・q」部1三1本内帯の夜久野・:1}と北口本の1」i−」
山地に比較的まとまった分布を示しているにすぎない。ひとつひとつの岩体の規模も
小さく、単一の岩体が10k“lx10kmを越えることは希である。
夜久野帯に分布する1斑レイ岩知」は夜久野塩基性岩と呼1よれる斑レイ岩が中心
である。これらは、若狭湾から広,島県束部にかけて分布する。北日本のものは、日両
山地のカンラン岩,斑レイ岩であり、この斑レイ岩体は我が国で最大の規模を持つ・
西南日本外帯の御荷金柚艸の斑レイ岩や箆三紀0)「斑レイ岩類」は小規模な貴入
岩であり、十分な規模を持つ岩体としては存在しない。
(3) 「5充紋岩斐貢」
我が国に分布する「流紋岩類」は白亜紀(先新第三紀)と新箆三紀のものに大別
される。
白亜紀のr流紋イ1類」は、酉ih H本内帯の北九州から羽越地域にかけて広く分布
し、高m流紋岩類,生野層群,濃飛流紋君類がその代衣的なものである。これらは塊
状,無層理の流紋岩∼デイサイト質の俗糸11i凝灰岩からなり全層厚は2000m以 Lにおよ
ぶ。中匡1地方のものは、花両岩類に貫ノ\されるためそα)分布は分散するが、濃飛流紋
岩はまとまった分布を示し、その露1Ll面恒は500(〕kIllに達9 る。酉南・中部1」オミ外41ゴの
石鎚山,北日本の久慈にも流紋イ、が分布するがいずれも十分な広さを有しない。
新第三紀の「流紋岩類」はグリーンタフ地蟻α)ものと酉南日本非グリーンタフ地
域の酸佐貴人岩に伴われるものに区分される。グリーンタフ地域のr流紋名類1は酉
南日本では山陰区に小規模に、北陸区では比較的まとまった岩体として存在しており
これらは主に斜長流紋岩,同質凝灰岩から成る。棄北日本では東北地方から北海道北
24
見地域までの広い範囲に分布するが、新第三紀の堆偵岩あるいは安山眉と整合,不整
合,断層の関係で温在している。これらは流紋宕,デイサイト,同質砕屑岩,同質凝
灰岩からなり、そのほとんどが変質作川を受けているのが特微である。
西南U本非グリーンタフ地域には、尾鈴,熊野酸性貫入岩に伴って、流紋岩およ
び溶結凝灰岩が小規模に露出する。また、瀬戸内火山系(至生など)にも流紋岩が、1忍
められている。
(4) 「玄武岩類」
「玄武お類」は、先新第三紀と新弟三紀のものに分けられる。先新第三紀0)「玄
武岩類」は中国山地を中心とした吉舎安山岩,作木火山冶と呼ばれる安山岩,秩父帯
中の緑色岩類,北海道口高・佐呂間地域に分布する空知層群中のスピライト質枕状熔
岩からなる塩基性火1 h噴出物等、多極多様であるが、いずれもその分布は小規模であ
る。
東北日本からフォッサマグナ、さらに山陰から北九州にかけて起こった新第三紀
のグリーンタフ変動の初期には玄武岩質の火砕流が大規模に噴出している。こα)時期
のものが我が国のr玄此岩類」大半を占めている、、グリーンタフ地域の「玄式岩類」
は四南日本が酉海区から山陰区,北陸区、束北日本では伊豆から酉関束(フォッサマ
グナ地域〉,上越,1 h羽,津軽』 ド北(羽越盆地),北見(北見
知床盆地)に至る
ほぼ全域に分布しており、中新世の火1 Llフー1ントを形成している。正反も広く「玄武肴
類1の分布する出羽地戚では、玄武岩∼安山君熔岩,集塊岩,火ll 1角礫岩,凝灰岩お
よび変質安山岩,など多種多様な岩石が、能登半島では中新Iltの安山岩を主とする火
山.岩類が露出している。
新第三紀の「玄武君類」は非グリーンタフ地域にも広く分布しており、南九州に
は中新世初期の変質した火山岩類やそれを覆う北薩・酌薩層群と呼ばれる女山岩およ
び火山砕屑岩が発遅している。また、北海道天塩地域にも稚内層に含まれる安山岩質
の火山砕屑岩が分布している。
25
(5) 「新第三紀堆積岩」
新第三紀の堆憤岩は糸魚川一註“岡構造線を1寛として東北日本にその分布が広く、
グリーンタフ,非グリーンタフ地域のいすれにも厚層の堆積君が露出している。
・方
四南日本では、独立した堆積盆の中に小規模な分布を示しているのが特微的である、・
西南日本グリーンタフ地域の堆傾后は北陸区に比校的まとまった分布を示してい
るが、その外は、目本海沿岸の山陰区,西海区に点在して、グリーンタフ変劫に伴っ
て形成された火山岩類と整合,イく整合,断甘α)関係で接している。非グリーンタフ地
1或の内帯側では第一1頼戸内と1呼ばれる占溺1戸内海(1頼戸内区〉に堆恒した備北層群や
瑞浪層群箸の地層とそれに続く箆二瀬戸内0)堆恒岩が散在し、外帯(南海区)には紀
伊,宮崎,南西諸島に先新第三紀の地層を不整合に覆って砂泥層が発辻している。
束北日本のグリーンタフ地域は北海道の北見一知床から渡島半島,津軽
下北,
出羽,会津,上越,信州を経て冨」=川にまで拡がっており、新箆三紀0)堆績岩の50%
以Lがそこに分布する。これらは、北見
知床盆地,羽越盆地,フォッサマグナ地域
に区分されている(市川・北村,1978)。こ0)時代の1i[預層序の標準とされる出羽丘
陵では、下部より火山岩と交錯する西男鹿層,台島層,西黒沢層と呼ばれる地層が先
新第r系を不整合に覆って分布し、そ0) L位に泥賀石を主とする女川層,船川層が編
き、更に鮮新統の砂泥岩よりなる天徳寺層が発達している。これらはいずれも数11)〔)m
∼10(1〔〕m以上の橿厚を持ち、最大層厚は数10〔〕(lm以土に及んでいる。
北海道釧路盆地,石狩
日高!〉地には厚さ数』i二mに及ぶ1層厚の堆積岩が沈降帯に
発達(高橋,1980)しており、東北日本非グリーンタフ地域0)代表的な地層をなして
いる。このような大きな枕降帯に伴われる堆積嵩 は’,白盤,秋父,房総(関東盆地)に
も扮各山している。
(6) 「先新三紀堆積岩』
1
目本列島の地質0)骨格となる ’1一い時代の地層群は西南・1 ロ部日本においては、顕
著な悟状分布を成している、,このうち中・古生代の地層は地』群の分布の連続性や地
負構造の類似性から同一地質構造区に区分されている。また、古算三紀の地1日は石炭
資源に深く係わっていることから、炭田鉱床区に対応される。古くから四万十帯に一
括され、白亜系とされていた四万十帯南帯は近年の調査の結果、1 ll』第三紀0)ものであ
ることが判1り1した(勘米良,1980)。
26
西南・中部日本外帯の中・古生界は囚西諸,鳴から九州,四国,紀伊半島, 河を
経て凶関束に至る秩父帯と、同じく西南諸島から九州,四国,紀伊,赤石岳を経て奥
多摩に至る四万十輪北帯からなる。前者は、二畳紀からジュラ紀までの地層で、砂岩,
粘板岩,チャートを主体とし、石灰岩,火山1㌧豊出物を挟む。後者は白亜系が主体をな
し、凝灰岩,チャートを扶むさまざまな厚さの砂岩頁岩互層からなる。内帯では酉よ
り中国滑,丹波帯,美振帯,
L越 足兄諒が配列し、他に和泉帯の地屠が小規模に分
布している。中国蹄の地層は白亜紀0)貫入岩や火山岩により地肩が分断されているが・
丹波帯,美濃帯には員入岩や新期の被覆岩が少ないため石体が広く露出する。いずれ
の地層もチャート,砂岩,粘板岩を主体とし・緑色岩,石灰岩を伴うが、その岩相の
彙比については地域性が強い。
北日本の中・古生層は北上目 1地力・ら北海道r1」・11111部に至るi也域に分布してま∫り、酉
方より北上帯(渡島半島部を今む),石狩
神居古潭帯,日高帯が帯状に配列してい
る、)看相については西南・中部日本のもとと基木的に同じであるが、層序,構造が異
なる。
西南・中部日本外帯σ)古第三紀の地層は四万十帯南替とll}Fばれるもので、泥質岩
相とフリッシュ相が帯状配列を繰り返す地居で牡徴づけられる。その分布は沖縄より
昆久島,日南,足摺,室戸,南紀ll垂岡を経て、房総南部に至っている。一方、内帯
および北日木の占第三系は白亜紀以前の地層を不整合に覆って堆恒する浅海∼瀕海成
堆積物、河川堆積物ならびに來炭層からなる地屠で特徴づけられる。内帯には宇部,
筑豊,唐津,三池,天草諸島に分布し、これらは九州炭田地域に一括される・対馬に
は砂岩,頁岩力・らなる対州1噂群力勺ムく露出するが、灰層は侠まない。
北日本では常盤炭11」,石狩炭田,釧路炭田に古第三紀堆債宕の大きな分布があり、
これらはいずれも淡水相から汽水,海水相に至る3つの大堆積サイクルの繰り返しよ
りなり、その間に数卜居の石炭層が挟まれる。
(7) 「石灰岩」
石灰岩は紡鍾虫や有孔虫などの示準化石を多量:に含むため層序,構造寿の研究が
進んでおり文献類も多いが、地質環境単元として十分な硯模を有するr石灰岩」の分
布は西南日本内甫の秋古,阿哲,伊吹山,北日本の安家地域に限られている。これら
は塊状無層理の単一大石体でカルスト地形を形成するが、一IBチャートや輝緑凝灰岩
一27
を挟むものもある。
なお、新第三紀の石灰君は・部の地域に露出するものの、その分布はレンズ状で
すべて小規模である。
(8) 「結晶片岩類』
我が国に分布する変成岩の而積は全休の約4%であり、片麻岩類を除くと更にそ
の比率はさがる。我が田の変成岩は中生代中期までの占い時代のものであり、古第三
紀以降にはグリーンタフ変動を除いて大規模な変成(変質)作用が認められていない。
広域の変成帯は酉前・中部11本外,i}の三被川帯,御何針h},内1停の三郡変成帯,
西彼杵帯などが代表的なも0)であり、北日本では分布規模の小さな御斎所,母体,神
居古’潭などの変成帯がある。三被川変成惜は我か国最大の変成帯で縦延長は1000km,
最大巾は30kmに及ぶ(勘米良・橋本,1980)。これは垢.基性の火成君及び凝灰岩,珪
質の堆積岩を原岩としており、変成,杣は緑色片宕相から緑れん石角閃岩相まである。
また、御荷鉾帯を構成するいわゆる御イ・!1鉾緑色岩類は原眉の大部分が塩基性火山宕類
とされている(武田ほか,1977)が、そのはとんどは緑色11右にな・〕ている。
三郡変成岩は中国帯の非変成古生層と漸移するため、その分布は不連続である。
主として緑泥石r枚君,黒色千枚占からなる。北海道ilIllしII部の宇lll居占潭変成帯には結
晶片岩の他、蛇紋岩が広く露出している。
一28
第5表
地質環境単元の区分と主な岩体(地域)
、 地質構造区時代・岩種
西 南 中 部 日 本
外 帯
北日本
内 帯
花 商 岩 類
飛騨片麻岩・船津花商岩
竹貫片麻岩
斑 レ イ 岩 類
夜久野帯
日高山地
流 紋 岩 類
高田流紋岩類,濃爪流紋岩類
中・古生代
玄 武 岩 頑
秩父帯
中国山地
北海道中部
中・古生代堆覆岩
秩父帯,四万十帯北帯
中国帯,丹岐帯,美濃帯.和泉帯,上越一足尾帯
北上帯,石狩一神居古潭帯,日高帯
秋吉石灰岩,伊吹山石灰岩
安家石灰岩
西彼杵変成岩、三郡焚成岩
御斎所変成岩,神居古潭変成岩
山陽帯,山陰帯,領家帯,上越帯
阿武隈山地,北上山地、 日高山地
九州炭田
釧路炭田,石狩炭田,常磐炭田
F
石 灰 岩
[、o
しつ
結 晶 片 岩 類
古第三紀
三彼川変成岩,御荷鉾帯
花 謹 岩 類
古第三紀堆積岩
匹万十帯南宰
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新第三紀
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瀬戸内火山系
山陰区.北陸区
玄 武 岩 類
南九州区
西海区,山陰区,北陸区
新第三紀堆積岩
瀬戸内区,南海区
西海区,山陰区,北陸区
東 北 日 本
非グリーンタフ地域
グリーンタフ地域
甲府岩体
羽越盆地北見一知床盆地
天塩区
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北見一知床盆地,羽越盆地フツサマグナ地域
北見一知床盆地,羽越盆地フッサマグナ地域
第6図
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4.まとめ
日本のr有効な地層」は地質環境特性からr8岩極」に区分される。これらは、空間的
拡がり,地質工学特性,水理地質特性および地球化学特姓等において各々の特有の性質を有
し・地層処分の調査・研究にと一)て基本的な分類とみなすことができる・さらに、我が田の
地質は過去に受けた物理学的,化学的条件の[1翻 目的,空間的分布の指標である地質時代,地
質構造区によって新第三紀の地層が4ブロックに、先新ゴ .紀0)地層が3ブロックに分けら
れる。また、先新第三紀1花商岩類」とr先幻r第三紀堆積者1はらさに2つの地質時代に区
分される。これらが地質環境調査の対象となる基本的な単元である。
上記の組合ぜとして多種多様なもσ)が考えられ、事実、地質構造の複雑な我が国には全
ての地質構造区(先新第三系3区,新第三系4区)に8岩種の大部分が分布する。しかし・
新第三紀には大規模な変成作川がなかったこと、石灰岩の堆偵環境が限られていたこと・大
規模な塩基性岩体の貴入がなかったことなどから、地質現境単元としての十分な規模を持つ
「結晶片岩類」「石灰岩」1斑レイ岩類」は存在しない。また、新算・三紀の「花岡君類」の
分布は四南日本の非グリーンタフ地成と東北口本のグリーンタフ地域の2地域であることな
どから・新錆三紀の地質環境単元は13単兀にまとめられる。
先新第三紀の地質環境単元は、西南・III部i 1本外,i}では「先覇第三紀堆積岩」 「結品片
岩」 「玄武岩類」の3右種のみの分布であるが、酉南・中部H本外帯,北口本ではほとんど
すぺての石種が分布する。この先新第三紀の地質罠境は21単元に区分され、その結果、口
本の地質環境は34単元に区分される。
一35一
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SymP・siumonWaしerR〔)GHntcra〔ILi・n(Exte・dcdAbstraGts),
Au呂ust29∼September3,1983,Mi$asa,Japiin,P472∼474.
一37
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第三紀
古第 三紀
始 新 1旦
暁 新 世
白 亘巨紀
中生代
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先
143247289367416446509575
三 畳 紀
新
二 畳 紀
第
石 炭 紀
古 生 代
紀
デボン紀
シルル紀
オルドビス紀
カンブリア紀
先カンプリア紀
年代の数字は地質調査所(1982);地質アトラスによる・但し、完新山:
更新世の
境界である1.1万年のみは地学団体研究会地学{}i典編集委員会(1970)1地学事典,平
凡社による。
一38