ミラーニューロンと利他的活動 結論:ミラーニューロンの働き

 Vol 46
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ミラーニューロンと利他的活動
私どもの全家研5代総裁でDNAの世界的権威の村
上和雄先生は「利他的な遺伝子」がスイッチオンに
なったとき、人間は大いなる能力を開花することが
できるといわれています。
そこで、今回は人の能力をUPするために、最近発
見されたミラーニューロンという大脳の中にある特
別な脳細胞と利他的行動の関係性を解説し、能力UP
の方法について考えていきたい。
1996年にイタリアの学者によって発見されたミ
ラー(鏡)ニューロン(脳細胞)は、他人の行為を
鏡(ミラー)のように映し出す神経回路であり、こ
の神経回路は、他人の心を読み取ってしまうため、
家族や周りの人が喜ぶ姿を見ると、ミラーニューロ
ンが働き、自分の中に喜びが増していくのです。
自分が体験していなくても、ミラーニューロンが
働き、自己の精神の働きとしてコピーする神経細胞
であり、画期的な発見です。
この研究は始まったばかりであり、これからどん
どん研究が進めば、人間の能力の向上に役立つと考
えられます。
たとえば、ミラーニューロンの欠陥と自閉症との関
連を指摘する研究者もいます。一般的な子供では、
他者の動きを見て、自己の活動がミラーニューロン
によって調整され、社会的活動が同調されています
が、自閉症の子供ではこのような機能が見られない
等の現象が指摘されていますが、いまだ証明されて
いません。
一般的にミラーニューロンの働きは、テレビドラ
マや映画などの悲しいシーンを観てそれが演技だと
解っていても、感情がたかぶり涙が溢れることがあ
ります。
今月のテーマは「ミラーニューロ
ン」について特集しました。
人間の感性・意志を複写して、
自己に身につける神経細胞が見
つかりました。
また、格闘技やスポーツなどを観戦している
と、手に汗を握り興奮していることもあります。
これらはミラーニューロンの働きによるもので
す。
実際に自分が体験していなくても、それを見た
だけで、ミラーニューロンが活性化して、脳の中
で同じように再現します。
そして、実際に、それを体験するときに活動す
る細胞が、同じように働くのです。
さらに、まったく違う家庭環境で育った男女が
結婚して夫婦生活を続けていると、顔が似てくる
ことがありますが、これもミラーニューロンによ
るものだと言われています。
しかし、この細胞は善悪に通じ、積極、消極に
通じているため、愚痴をこぼしたり人の悪口を
言ったり暗い話ばかりをしている人と、多くの時
間を過ごしていると同じように暗くなってきま
す。
つまりミラーニューロンはものまね細胞、共感
する細胞と定義できます。
この神経細胞を活用して能力UPをはかるため
には、村上先生が提唱されている「利他的な遺伝
子」がスイッチオンになることが条件です。
つまり、利他の強い意志がミラーニューロンに
よって、自己の内面に強く共感されるからではな
いでしょうか。
つまり、ミラーニューロンそのものは他者の意
志、感性をコピーする細胞であるため、前向きな
意志が不可欠の条件であるといえます。
結論:ミラーニューロンの働きはまだよくわかっていません。
一般的に人間の能力を向上しようとする条件は、他者を尊敬し、利他しようとす
る生き方が中核になるのではないでしょうか。
ものまね神経細胞といわれ、共感する細胞が人間の神経細胞の中にあるという事
実は、大変な発見であると同時にこの脳細胞を活用する事により、大いなる能力の
創造がはかれます。
豊かな想像力、好奇心、さらに何ものにもくじけない忍耐力等の各種感性、意志
をあたかも複写するように身につける神経細胞が見つかったことはすばらしいこと
であり、人間の可能性をさらに大きく開くことができるのではないでしょうか。