国民全体の医療費を勘案した バイオシミラーの選択 ~インフリキシマブ

第30回日本臨床リウマチ学会
The 30th Annual Meeting of the Japanese Society for Clinical Rheumatology and Related Research
ランチョンセミナー 3
国民全体の医療費を勘案した
バイオシミラーの選択
~ インフリキシマブBSの治療経験も踏まえて~
日時
会場
2015 年 11月 21日(土)
11:50 ~12:50
3
第 会場 神戸国際会議場
401・2会議室(4F)
〒650-0046 神戸市中央区港島中町6-9-1
座長
東京女子医科大学 膠原病リウマチ痛風センター
リウマチ関節外科 教授
演者
国立病院機構 名古屋医療センター
整形外科・リウマチ科 医長
桃原 茂樹 先生
金子 敦史 先生
※本セミナーは整理券制ではございません
共催 : 第30回日本臨床リウマチ学会/
国民全体の医療費を勘案したバイオシミラーの選択
~ インフリキシマブBSの治療経験も踏まえて~
国立病院機構 名古屋医療センター 整形外科・リウマチ科 医長
金子 敦史 先生
ご略歴
平成2年3月
平成2年4月
平成4年4月
平成9年7月 平成22年9月
平成27年4月
国立浜松医科大学医学部 卒業
社会保険中京病院 嘱託臨床研修医
総合病院静岡厚生病院 整形外科リウマチ科
国立名古屋病院
(現 国立病院機構名古屋医療センター) 整形外科リウマチ科
名古屋医療センター 整形外科リウマチ科 医長
名古屋医療センター 整形外科リウマチ科 主任医長
主な業績
平成15年度~ 厚生労働科学研究
「関節リウマチ患者を対象とした多施設共同データベースの構築と疫学研究システム
の確立に関する研究」
分担研究者
平成19年度
日本リウマチ財団-ヨーロッパリウマチ外科学会 交換使節派遣医師
平成22年度~ 日本整形外科学会リウマチ委員会委員
日本リウマチ学会調査研究委員会 関節リウマチ超音波標準化委員会委員
認定医の資格
日本整形外科学会専門医、日本リウマチ学会認定医 ・ 評議員
過去10年、
関節リウマチ(RA)の薬物療法は、
生物学的製剤の導入によって、寛解が現実的なゴールとなり、高いレベル
で治療目標を達成することが可能となった。
しかし、
その一方で、
普及の一途を辿る生物学的製剤は高額な薬剤費による
影響でRAの医療費全体を押し上げている。
演者が属する厚生労働科学研究NinJaの概算では過去10年間のRA症例一人
あたりの抗リウマチ薬の年間医療費は、2003年度一人当たり推定5万1838円から最終年度2013年度では43万4513
円と直線的に増加していた。
一方、2015年5月厚生労働省は、基礎的財政収支を2020年度までに黒字化するとした政府の目標の達成に向けて、
焦点となっている社会保障費の抑制の方針を答申した。その一部で後発医薬品、いわゆるジェネリックの使用割合を
2017年度までに60%以上に引き上げるとした目標を1年前倒しし、
来年度までに達成したうえで、
5年後の2020年度まで
に80%以上に引き上げ、
1兆円以上の医療費を削減することを政策として公表した。
バイオシミラー (BS)は同等性/同質性
の点でジェネリックと異なるが先行品に比べ安価となる点は同様で政府の方針に合致することは、臨床医は認めなければ
ならない。
このような時代背景の中、
本邦初のRAに対するバイオシミラー、IFX-BSが昨年11月28日に市販された。薬価は100mg
1瓶あたり、先行品が8万9536円に対し、BSは5万9814円である。名古屋医療センターでは2015年春から先行品(IFX)
とバイオシミラー(IFX-BS)
を同時に採用し、
先行品の継続投与を受けているRA症例を対象に担当医、
薬剤部ならびに事
務方で先行品とBSとの患者自己負担の差をあらかじめ算出し、電子カルテに記録、来院時に担当医がインフォームドコン
セントを行い、先行品とバイオシミラーを選択できる体制を整えた。
今回はその中で演者が先行品で長年継続加療を行い、上記ICを実施、先行品とIFX-BSを選択させ、一部にBSを導入
した症例群を紹介する。2015年春、
IFX
(先行品)
を継続使用していたRA患者は16例(男性2例、女性14例、平均年齢64.2
歳、平均投与期間8.2年)
であった。
そのうちIC後IFX-BSを選択した症例は11例であった。現在全例が1回目のIFX-BSへの
切り替え投与を受けたが、特にInfusion reactionなどの有害事象は発生していない。本講演ではその後の切り替え群の
有効性、安全性、問題点について述べ、
演者のBSに関する考えを概説する。
本ランチョンセミナーでは、下記の単位を取得できます。
■日本整形外科学会
日本整形外科学会 教育研修講演の単位が取得できます。
(1受講につき1,000円)
・ 専門医資格継続単位(N) 1単位
必須分野 :[6]リウマチ性疾患, 感染症
・ または リウマチ医資格継続単位(R) 1単位
■公益財団法人日本リウマチ財団 登録医
日本リウマチ財団 登録医の教育研修単位 1単位が取得可能です。
(受講料 1講演につき1,000円)