に対するリツキシマブ追加多剤併用化学療法の国際共同医師主導臨床試験

臨床研究中核病院整備事業
独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター
小児高リスク成熟B細胞性リンパ腫(B-NHL)に対する
リツキシマブ追加多剤併用化学療法の国際共同医師主導治験
臨床試験の概要
基本情報
試験の枠組み
プロジェクト
責任者
森
試験物の名称
リツキシマブ
鉄也(聖マリアンナ医科大学病院)
試験の段階
開発コンセプト
小児高リスク成熟B細胞性腫瘍に対するリツキシマブ追加LMB療法の確立
(開発企業の意向により、日本は国際共同治験に不参加となったため、独自
に同一プロトコルによる臨床試験を実施し、アカデミアベースの国際メタ
解析によりエビデンス創出を行う。)
想定される
治療学的
ポジション
小児高リスク成熟B細胞性リンパ腫(B-NHL)
対象疾患
患者選択基準
(診断基準)
と
評価法
(効果判定基準)
【エンドポイント】
プライマリー:Event-free survival
セカンダリー:Overall survival、寛解導入割合 、急性及び長期毒性、
免疫グロブリン値及びリンパ球数により評価される免疫再構築
付加的評価項目:Minimal Disseminated Disease(MDD)と
Minimal Residual disease(MRD)、費用対効果、
PET-CT画像、QOL評価
【予定症例数】追加治療群 46例 標準治療群23例
【投与法】次頁図参照
【臨床試験の障害とその解決策(費用調達の見通しも含む)】
メタ解析を念頭においたデータ取得内容の共通化
医師主導臨床試験
区分
First-in-human 以外
【目的】
6か月以上、18歳未満の初発未治療進行期成熟B細胞性リンパ腫(B-NHL)患
者に対する標準LMB化学療法及びリツキシマブ追加標準LMB化学療法の安全
性と有効性を評価すること。また、海外の試験結果との類似性を確認するこ
と。副次的に医療経済的評価とQOL評価を行う国内において行うこと。
小児高リスク成熟B細胞性リンパ腫(B-NHL)
対象疾患
医師主導臨床試験
【主な適格基準】
(1) 病理組織学的にBL、B-AL、DLBCL、分類不能進行性成熟B-NHLと診断。
(2) 病期と血清LDH値:St. Jude分類病期IIIかつ血清LDH値 > 施設基準値の2倍、あるいは同病期IV。
(3) 同意取得時年齢が6か月以上18歳未満。
(4) 初期評価:治療前8日以内に初期評価を完了し病期を決定していること。
(5) 規定されたフォローアップ、および治療毒性の管理に対応可能であること。
(6) 患者、および/あるいは、両親または法定後見人からインフォームドコンセントを取得していること。
【主な除外基準】以下のいずれかに当てはまるものは不適格
(1) 病理組織診断:PMLBL、FL、MALTリンパ腫(Mucosa-Associated Lymphoid Tissue lymphoma)、節性辺縁帯B細胞リンパ腫(nodular
marginal zone B-cell lymphoma)と診断された患者。
(2) 先天性免疫不全症、染色体脆弱性症候群、臓器移植の既往、あらゆる悪性腫瘍の既往、血清検査でHIV(Human Immunodeficiency
Virus)陽性の患者。
(3) 妊娠中または授乳中の患者。
(4) 先行する抗がん治療歴のある患者(7日間以内の副腎皮質ステロイド剤投与を除く)。
(5) リツキシマブに関連する除外基準(腫瘍細胞がCD20陰性, リツキシマブを含む抗CD20抗体製剤投与の既往有, 重症活動性感染症な
どの存在, B型肝炎ウイルス(hepatitis B virus, HBV)キャリアもしくはHBV感染既往者)
(6) 他の治験薬の臨床試験に参加している患者。
(7) どんな理由であれ、法規に従うことができない人。
プロトコル
骨子
【評価】臨床所見、放射線学的画像所見、超音波エコー所見、骨髄所見などを基に評価する。
開発スケジュール
出口までの
実施項目
•
•
プロトコル/統計解析計画書などの作成
EDC作成
各実施項目のスケジュール及び責任部門
2013
研
究
者
事
業
部
2014
開発戦略・工程の確認
プロトコル等準備
開発戦略の検討
プロジェクト
支援体制検討
2015
研究開始準備
プロトコル作成、
施設選定、
必須文書作成
研究開始支援
(プロトコル・
解析計画作成
手順書等)
2016
2017
2018
研究遂行
症例登録、試験実施、患者追跡
データマネジメント
モニタリング
2022
登録
終了
患者追跡
論文化
統計解析
メタアナリシス
メディカル
ライティング
先行臨床試験成績
他者データ
小児のリンパ腫に対するリツキシマブのデータは非常に少ない。
• 再発症例に対するsalvage療法開始前にリツキシマブ単剤を使用するとい
う国際第II相試験では、フランスのみ3例が登録され、早々とリツキサンの
みの付加的価値は不十分であるとして、試験終了。
• COGは再発B細胞リンパ腫を対象に、それまでのICEレジメンにリツキシ
マブを併用する試験を行った。リツキサンの付加的効果が不十分で、20
例登録され、早期に試験終了。
• COGはパイロット試験 を行い、group B(stage3/4 , n=51)とgroup
C(n=46)の患者に対し、LMB型レジメンにリツキシマブを加え、その毒
性を評価する試験を行った。リツキシマブの追加による毒性の上昇は示さ
れず、薬物動態は成人と類似していた。
<3年EFS>グループB:95%(95%CI=80-99%), グループC:89%(73-96%)
<3年OS>グループB:92%(78-98%), グループC:86%(70-94%)
• BFM グループは、通常の化学療法開始前に5日間のリツキシマブ投与を
行った。87人中36人が治療反応良好(少なくとも1か所もしくは骨髄か
末梢血で25%以上の減少)であった(41.4%, 95%CI=31-52%)。
【スケジュール】
• -2015.5
プロトコル作成
実施体制構築
公的研究費獲得のための申請
• 2015.6-2022.5 医師主導臨床試験実施
試験の準備状況
臨床試験終了
までの見通し
• 2022 Q4
論文化
【実施場所】聖マリアンナ医科大学、名古屋医療センター 他
【役割分担】聖マリアンナ医科大学(診療科)、名古屋医療センター 他
…参加施設
名古屋医療センター(事業部)
…データマネジメント、
統計解析 など
【規制当局対応状況】
なし
2022年 論文化
国際展開
展開国・承認
状況等
リツキシマブ追加LMB併用療法の効果について、現在欧州(フランス、ベル
ギー、ハンガリー、イタリア、オランダ、スペイン)で医師主導治験を実施
中(NCT01516580)
試験の進捗状況
今年度の進捗状況
• プロトコル案、同意説明文書案を作成
• 統計解析計画書案を作成
• 予定されている国際共同治験とのメタ解
析計画書案の作成に着手