気骨のある日本の職人 戦後の日教組誘導の道徳教育不履行、不道徳教育推進のツケが日本の劣化させてい る。この教育で、自由、権利ばかりを教えられ、義務、自己抑制を教えない日本教育で、現 在の日本人の中高年、老人から日本の伝統と文化に根ざす倫理観が消滅してしまい、一流 会社と目されている会社も、不良少年並みの犯罪を犯すよになってしまった。まさに、自利 を求めず他利を行うが、自利を求めて他利を行わない日本人が日本列島に溢れかえってい る。 当座がよければ何でも犯してしまう。あとで直ぐバレることが分かっていて犯罪をやらかし てしまう。東洋ゴム、旭化成建材の不祥事事件はこの範疇の事件だ。 このような倫理観の全くない大人が、何故日本に生息するようになったかといえば、道徳 教育の欠如が原因といわざるを得ないだろう。 今日の産経抄に自分の矜持と愛国心から敢然と立ち上がった日本の匠の話が次のよう に紹介されていた。 【産経抄】 世界一の砲丸職人が遺したモノづくりの精神は… 10月16日 「たった1人の五輪ボイコット」。平成20年3月の小紙に、こんな見出しの記事が掲載され た。埼玉県富士見市の町工場で、陸上競技の砲丸を作っている、辻谷政久さんを取り上げ たものだ。 ▼外国メーカーは、コンピューターを使って鉄の鋳物を球にしていく。もっとも鋳物には、 他の金属も含まれるために、完璧な球にすると重心が中心からはずれてしまう。そこで辻谷 さんは、手動の旋盤を使って勘を頼りに削り、ピタリと中心に重心を持っていく。 ▼世界唯一の技術で、他のメーカーより1~2メートルは遠くへ飛ぶという。実際、アトラ ンタ五輪から、シドニー、アテネまで3大会連続で、メダルを独占する。つまりメダルを獲得 した選手すべてが、辻谷さんの「魔法の砲丸」を使っていた。 ▼北京でも偉業達成は確実だったにもかかわらず、辻谷さんは砲丸の提供を固辞する。 -1- 知人の工場で生産した製品から、粗悪な偽造品をでっちあげる中国への不信感からだ。中 国で開催されたサッカー・アジア杯で、日本代表にブーイングを浴びせる観客のマナーに も我慢がならなかった。 ▼記事には後日談があった。関係者全員が願っていた、ロンドン五輪での復活も、かな わなかった。体の不調だけが理由ではない。北京五輪で、「辻谷製」ではない日本製が出 回り、選手の信用を失ったことに心を痛めていたという。 ▼82歳で亡くなった「世界一の砲丸職人」の訃報を、昨日の小紙で知った。同じ紙面に は、辻谷さんを悲しませる記事が載っている。東洋ゴムによる、3度目の不正が発覚した。 横浜市内の大型マンションでは、くい工事を担当した旭化成建材がデータを転用し、建物 が傾いてしまった。日本のモノづくりは、本当に大丈夫なのか。 ”日本のモノづくりは、本当に大丈夫なのか。”ではなく、日本人の道徳感、倫理観は大 丈夫かと問うべきだろう。 -2-
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