研究開発戦略 世界レベルのイノベーションを推進し、 患者さんのアンメットメディカルニーズに応える医薬品を提供します。 取締役 チーフ メディカル&サイエンティフィック オフィサー(CMSO)アンドリュー・プランプ Dr. Andrew Plump 患者さんを中心とした研究開発アプローチ ます。これらは、タケダが強みをもち、パイプラインが タケダは、常に患者さんを中心に考えるとともに、 揃っており、将来的に革新をもたらすことが期待でき 引き続き研究開発組織における変革を推進してい るような領域です。また、研究開発組織は、 「オンコロ ます。患者さんに革新的な新薬をお届けするため、 ジー」 と 「ワクチン」のスペシャリティ ビジネスユニット 社外の画期的なトランスレーショナルメディスン ※1 および世界中の事業拠点と緊密に連携し、各地域特 の技術を積極的に取り入れています。また、バイオ技 有のニーズにも応えていきます。 術企業やアカデミア、コンソーシアム、患者支援団体 タケダは、過去数年間にわたり、研究開発生産性を などの外部研究機関との連携やパートナーシップに 大きく向上させてきました。そして、患者さんのアン より、社内の強みが活かせるような仕組みづくりも メットメディカルニーズに応えるとともに、タケダの新 進めています。 たな成長ドライバーとなる革新的な新薬を世界の主 ※ 1 基礎研究を実際の臨床応用に試みる医学研究 要国で上市しました。潰瘍性大腸炎・クローン病治療 剤「エンティビオ」 ( ベドリズマブ)、酸関連疾患治療剤 研究開発組織における変革 「タケキャブ」 (ボノプラザン)、悪性リンパ腫治療剤 タケダは、 リソースを重点疾患領域に集中させて効 「アドセトリス」 (ブレンツキシマブ ベドチン)、大うつ 率性を向上させることにより、患者さんのアンメット 病治療剤「ブリンテリックス」 (ボルチオキセチン)、2 メディカルニーズに応えていくため、2014 年 9 月に 型糖尿病治療剤「ザファテック」 (トレラグリプチン) 研究開発組織の再構築を図りました。改編された研究 などがその成果です。今後も引き続き、疾患メカニ 開発部門は、 「 消化器系疾患( GI )」、 「オンコロジー」、 ズムを明らかにするとともに、新たな治療法を生み出 「中枢神経系疾患( CNS )」、 「代謝性・循環器系疾患 すことによって、患者さんにもたらすベネフィットを ( CVM )」の 4 つの疾患領域別組織で構成されてい 探究していきます。 創薬におけるトランスレーショナルメディスンの活用 従来の標的探索アプローチ 1 新薬標的 2 新薬 患者さん トランスレーショナルメディスンによる新薬探索アプローチ ― 患者さんを第一に 1 患者さん 14 Takeda Annual Report 2015 2 病態メカニズム 3 新薬標的 新薬・バイオマーカー オープン・イノベーションの推進強化 タケダは、引き続きオープン・イノベーションに関す る取り組みを重点的に推進していきます。 2015 年 4 月、タケダは、 「 京都大学 iPS 細胞研究所 (CiRA ) 」と、さまざまな 疾患領域におけるiPS 細胞技 術の臨床応用に向けた10年間の共同研究契約を締結 ※2 しました。 「 武田 - サイラ共同プログラム ( T-CiRA ) 」 と称する本提携は、タケダの新薬創出に向けた取り 組みを強化・促進させるだけでなく、再生医療の実用 化への足がかりとなるものです。 日本だけでなく世界においてもトップクラスの研 究者と提携したことは、科学的観点からだけでなく取 り組みそのものとしても他に類を見ないものです。 CiRA T-CiRA はタケダの湘南研究所においてタケダの研 サイラ 究者たちとともに進められます。この前例のない産学 2010 年に国立大学法人京 連携の取り組みは、タケダが進める将来の革新性を 都大学内に設立された、世界 初の iPS 細胞に特化した研究 機関。ノーベル賞受賞者であ る山 中 伸 弥 教 授が所 長を務 め、iPS 細胞を用いた創薬研 究や再 生 医 療 の 実 現を目指 すさまざまな研究が進められ ています。 見越した仕組みづくりの好例といえます。このよう なネットワーク構築を通じて、タケダは患者さんに革 新的な医療をお届けしていきます。 ※ 2 T-CiRA: Takeda-CiRA Joint Program for iPS Cell Applications 写真左:クリストフ・ウェバー社長CEO、写真右:山中伸弥CiRA所長 参照 P.25 研究開発 研究開発の優先順位 1 2 3 最近発売した新製品 将来のタケダ製品 アドセトリス デング熱ワクチン エンティビオ アジルバ/イダービ & ノロウイルスワクチン ブリンテリックス イキサゾミブ コントレイブ ネシーナ タケキャブ Proof of Concept 前の パイプライン イノベーション ネットワークプログラム ザファテック Takeda Annual Report 2015 15
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