所得 002( CPA 2015類) 問 A社の代表取締役P(日本の居住者)には

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所 得 002( CPA 2015類 )
問
A社の代表取締役P(日本の居住者)には,生計を一にする高校生の息子Q
( 日 本 の 居 住 者 ・ 17 歳 ) が い る 。 X6年 中 , Q が 稼 得 し た の は , ア ル バ イ ト で
得 た 給 与 所 得 の 金 額 10万 円 だ け で あ っ た が , そ の 年 の 12月 に , Q は P か ら 現
金 500万 円 の 贈 与 を 受 け て い た 。
以下の税務処理に関する記述につき,正しい場合には○,誤っている場合に
は×を,答案用紙の「○×欄」に記入しなさい。また,当該各記述に係る税務
処理が正しい場合はその根拠条文を,誤っている場合は正しい税務処理及びそ
の根拠条文を,答案用紙の「記述欄」に記入しなさい。
【税務処理に関する記述】
P の X6年 分 所 得 税 の 確 定 申 告 に お い て , Q は , 控 除 対 象 扶 養 親 族 と は な ら な
い。
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所 得 002
扶養控除
○×欄
【 重 要 性 : A 】【 難 易 度 : 易 】
記
述
欄
Q は , P と 同 一 生 計 親 族 で あ り , Q の 所 得 は 給 与 所 得 の 10万 円 の み で あ
×
り , 合 計 所 得 金 額 が 38万 円 以 下 で あ る た め , 扶 養 親 族 で あ る ( 所 得 税 法
第 2 条 第 1 項 第 3 4 号 )。 そ し て , Q の 年 齢 が 1 6 歳 以 上 で あ る た め , 控 除 対
象 扶 養 親 族 と な る ( 同 法 同 条 同 項 第 3 4 号 の 2 )。
消費税法 第6条(非課税)第1項
三十四
扶養親族
居 住 者 の 親 族 ( そ の 居 住 者 の 配 偶 者 を 除 く 。) 並 び に ( ・ ・ 省 略 ・ ・ ) 里 親 に 委 託 さ
れた児童及び( ・・ 省略 ・・)養護受託者に委託された老人でその居住者と生計を一
にするもの(第五十七条第一項に規定する青色事業専従者に該当するもので同項に規定す
る 給 与 の 支 払 を 受 け る も の 及 び 同 条 第 三 項 に 規 定 す る 事 業 専 従 者 に 該 当 す る も の を 除 く 。)
のうち,合計所得金額が三十八万円以下である者をいう。
三十四の二
控除対象扶養親族
扶養親族のうち,年齢十六歳以上の者をいう。
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所 得 002
解説
扶養控除
個人から贈与を受けた場合,贈与税の課税関係となるため,所得税は非課税
と さ れ る ( 法 9 Ⅰ ⑯ )。 従 っ て , Q が P か ら 受 け た 5 0 0 万 円 に つ い て は , 所 得
税は非課税となる。本問では問われていないが,法人から贈与を受けた場合,
例えば,応募した懸賞に当選して金品を受けた場合には,一時所得として所得
税 が 課 せ ら れ る 。 本 問 に 話 を 戻 す と , 結 局 , Q の 所 得 は , 給 与 所 得 の 10万 円
の み と な る 。 従 っ て , 下 図 に あ て は め て み る と , Q は , 合 計 所 得 金 額 38万 円
以 下 , P と 同 一 生 計 親 族 , 16歳 以 上 の 要 件 を 満 た す た め , P の 控 除 対 象 扶 養 親
族となる。
同
親
一
生
族
計
里子・養護老人
青 事
合計
所得
38万
以下
金額
38万
超
配 色 業
偶
事 専
こ の う ち , 16歳 以 上 が
扶
養
親
族
控除対象扶養親族
業 従
者 専 者
従
者
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所 得 002
解説
扶養控除
会計士試験の場合、あまり細かいところまでは問われないが、参考のために
示 し て お く と 、 Q は 17歳 な の で 、 P は 38万 円 の 所 得 控 除 を 受 け る こ と が で き
る 。 Q が 19歳 以 上 23歳 未 満 で あ れ ば 63万 円 、 ま た 、 P の 両 親 が 老 人 扶 養 親 族
に 該 当 す れ ば 、 さ ら に 、 48万 円 × 2 人 の 所 得 控 除 を 受 け る こ と が で き る 。
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