計算値と境界標の関係Q&A(原始筆界編)

標準偏差と既存の筆界標の関係
Q&A
原始筆界編
(黒文字が質問です,青文字が土地家屋調査士
小野孝治の見解です)
はじめに別紙の「標準偏差の考え方」をご覧下さい。
地積測量図や公図等を現地に重ねるために、ヘルマート変換やアフイン変換をすると、
参照点の標準偏差が求まる、既存の筆界標が筆界として妥当かどうかを判断する基準につ
いて、私案を提起する。
1
標準偏差の求め方
ヘルマート変換やアフイン変換計算で、参照点の変換した座標と現地の座標差、ΔX2・
ΔY2 の合計を[ΔX2+ΔY2]・参照点の数をn・標準偏差をσとする
ヘルマート変換の場合
σ=√([ΔX2+ΔY2]/(n-2))
アフイン変換の場合
σ=√([ΔX2+ΔY2]/(n-3))
【見解】
二変量の標準偏差の解説は
別紙にしました,[ΔX2+Δ
Y2]
の総和は平均二乗誤差
の式で使われていますが標準
偏差の式ではありません。
n-2,n-3
で割るという考
えは変換の優位をどちらにす
るか考えられた時代もあった
ようですが今は“AIC”で判断
していきますので使っており
ません。
σ=√([ΔX2+ΔY2]/2(n-2))
の式は福永先生の本に出てきますが同一点をヘルマー
ト変換とアフィン変換で得られた場合の平均を求めるための重量として使うことが解説さ
れています,従ってバラツキを表す標準偏差ではないです。
2
モデルの設定
1
a-b が筆界特定申請のあった筆界である、これに関する筆界点の候補をどのように扱う
かを検討する。
参照点を基準した筆界点と、筆界点候補の差によって検討を行う。
【見解】
基本的には7点を準拠点(基準にする点)候補にし
t検定
で異常点を除いて座標変
換かけます。どの様な変換法が優位かは“AIC”で判断します。
準拠点(基準にする点)は最低 4 点以上が条件ですが理想としては 15~20 点以上あれば
問題は無いです。
図の場合,b が検定により異常点として除かれます(たぶん),除かれた点は公図(改祖
図・更正図)測量時の誤測かその後の大きな経年変化によるものと判断します。
原因が誤測と経年変化では対処の方法が違ってきます,誤測の場合は境界標等が筆界と
言えます,経年変化の場合は計算値が筆界になります,しかしどちらかを知ることは無理
がありますので経年変化として扱い,計算値を採用します。なぜなら境界標等が不動であ
ることを証明することは不可能といえるからです。
3
判断の私案
イ
σ>筆界点候補の差
外に有力な資料があり、筆界点でないことが明確である場合を除き、筆界点と判断する。
ロ
σ<筆界点候補の差>2σの場合
他の資料と合わせ検討して筆界点であるかどかを判断する。
2σ<筆界点候補の差>3σの場合
ハ
他の資料により、筆界点であることが確認された場合は筆界点と判断する。
ニ
3σ<筆界点候補の場合
筆界点でないと判断する。
【見解】
境界(筆界)はx,yの位置で表されますので二変量の誤差,標準偏差です。まず,二
変量の標準偏差を確認してください(別紙で説明),二変量の確率を確認してください,検
定によって異常点が無いか確認してあれば除いてください,結果がまったく違ったものに
なります。
筆界とは
そもそも地図(公図,地籍図,14条地図)作成においては占有の現況を確認し,その
位置に境界標または工作物を設置してお互いが認識した点にすぎません,従いまして筆界
の種類によって判断が異なることになります。
筆界の種類は原始筆界,後発的原始筆界,創設筆界とありますが別の観点から二つに分
かれます,①境界標等の占有界を実測した筆界
2
②換地図等の図面から作られた筆界です。
①の場合は原則,図面が作られた時から不動の境界標等が筆界です,②の場合,原則,計
算点が筆界です。あくまでも言い切らないで原則とします。
ここでは,公図(改祖図・更正図)の筆界復元についてのみ意見を述べます。
公図(改祖図・更正図)が作成された明治時代に境界標が有ったか,それは無かったで
しょう,占有界を確認してそこに木,竹,笹を地面に挿してそれを測った,その程度十分
だったはずです,それらのものはその後,朽ちてなくなり所有者,耕作者の意識の中で境
界の位置が残り,代々伝えられてきたと思われます。
昭和の時代,特に戦後になって土地が取引される時代になって境界の確認がなされ境界
標が設置されてきました。
問題は公図(改祖図・更正図)が作成されてから境界標が設置されるまでの間の占有界
の変化が重要なのです,つまり木,竹,笹を立てた位置に境界標が設置されていないので
す,残念ながらこの間の公的資料はありません,その他の資料は所有者個人が持っている
ものか所有者に代々伝えられた記憶しかありません。これも一つの経年変化ですがこれを
原始的経年変化と仮にしましょう。この問題は原始筆界特有のものです。
公図(改祖図・更正図)を基に復元したときの精度,標準偏差には公図(改祖図・更正
図)測量時の標準偏差,原始的経年変化と現在の測量時の標準偏差が含まれていると解す
べきです。
地域差とか所有者個人の真面目さとか様々な要因があるでしょうが測量時の標準偏差と
原始的経年変化の比を〇対〇とするかは非常に悩むところです。
仮にこの比を 2 対 1 とすれば,標準偏差が 0.200 と計算された場合の公図(改祖図・更
正図)の標準偏差は
√(0.200^2+0.010^2)=0.2002(0.010 は現在の実測の標準偏差
として), √(0.2002^2×2/3)=0.1634,原始的経年変化の量は 0.1156(√(0.2002^2
×1/3))
となります。
これを,法律家に説明しても理解しがたいと思って「計算された標準偏差(精度)より
高い精度で公図(改祖図・更正図)が作られていたと言えます」(最終ページ「同じ点を測った
。従って
場合の精度(標準偏差)の比較」で説明)などと説明します(他に方法が見当たらないので)
検定結果によって異常とされなかった点は現地の境界標が筆界です,異常とされた境界標,
境界標の無い点は計算値が筆界となります。完全ではありませんが。
検定作業を経た境界標で異常の無かったものは境界標そのものが筆界と言えるは原始的
経年変化が無い場合や無視できる程小さい場合に限ります,例えば国土調査,14 条地図作
成等の場合です。
仮に,原始的経年変化の量が推定できれば計算された点の評価ができます。
公図(改祖図・更正図)作成後の原始的経年変化 0.1156(仮定の数値です)を引いた 0.1634
について考察が必要になります。
3
境界標等を筆界と判断したが、境界標自体に原始的経年変化があり設置誤差があります
という解釈です,したがって次に示す幅の範囲の何処にあるであろうという考えです。
周囲の境界標の状況等から考えて多少は計算値から調整動かしていいのではないだろう
かというための指標と捉えて下さい。
1.5σ>筆界点候補の差(確率 68.3%未満)
イ
完全一致とする,境界標または境界を示すモノの位置(筆界点候補)を筆界とする。
計算された点のうち 68%はこの範囲内で調整出来る。計算点が 3 箇所あれば内に 2 箇
所は 1.5σ内にある。
ロ
1.5σ<筆界点候補の差>2.5σ場合(確率 68.3~95.6%=27.3%未満)
計算された点のうち 27.3%はこの範囲内で調整出来る。計算点が 3 箇所あれば内に 1
箇所は 1.5σ~2.5σにあってもよいとする。
一致とする,境界標または境界を示すモノの位置を筆界とする。
但し、原則,公図(改祖図・更正図)以外の図面によって証明できればその位置が筆
界といえる。
2.5σ<筆界点候補の差>3.5σの場合(確率 95.6~99.8%=4.2%未満)
ハ
計算された点のうち 4.2%はこの範囲内で調整出来る。計算点が 24 箇所あれば内に 1
箇所は 2.5σ~3.5σにあってもよいとする。
概ね一致とする,境界標または境界を示すモノの位置(筆界点候補)を筆界とする。
但し,公図(改祖図・更正図)以外の図面によって証明された場合は境界標または境
界を示すモノの位置(筆界点候補)を筆界とする。
3.5σ<筆界点候補の場合(確率 99.8%以上)
ニ
計算された点のうち 0.2%はこの範囲内で調整出来る。計算点が 500 箇所あれば内に 1
箇所は 3.5σ~にあってもよいとする。
計算点を筆界点とする。
境界標等(筆界点候補)が存在しない場合は計算値が筆界となります。
100回に 1 回体験するかしないかの確率99%は3σです,土地家屋調査士が扱うデ
ータ数はほとんどが100個以下ですから3σを限界値と考えてもよいのではないでしょ
うか。
と考えるのが妥当ではないかと思いますがいかがでしょうか。
実務上は Henkan プログラム(Book)を使用して、標準偏差が 0.163 未満になるまでラ
ンク1の準拠点(基準にする点)の○を順に消していき,○の残った点が
点
という判断でよい。
4
境界標=筆界
図面には現地を写したもので,それにはその当時の測量技術レベルの誤差が含まれてい
ます,現在の測量図面にも誤差が含まれますが筆界を問題にする場合,今の測量図面(公
図(改祖図・更正図),図解法による地籍図等)の誤差は微々たるものです,公図と実測図
の標準偏差が 0.200 とすれば現在の測量図面は 0.010 以下ですから公図の標準偏差は
0.2002(√(0.200^2+0.010^2)でまったく問題になりません。
区画整理図換地図のような図面の位置を現地に作成したものにもその当時の測量技術レ
ベルの誤差が含まれています,たとえば大正 13 年の関東大震災復興区画整理図の精度は,
標準偏差で 0.020 程度です,これを現在のトータルステーションで測れば当時の標準偏差
は√(0.020^2+0.010^2)=0.0224 で問題にする内容ではありませんが,トータルステー
ションが普及する以前のスチールテープで測っていた時代(昭和 63 年ごろまで?)の測量
精度は標準偏差で 0.020 程度になりますから関東大震災復興区画整理図の精度をうんぬん
することは出来なかったといえます。
後発的原始筆界の場合は計算値が筆界なのですが,準拠点(基準にする点)に誤差があ
ります,さらに制度上(地積測量図,官民境界確定図,地籍図等)は占有界(境界標等)
を筆界として扱ってきた関係で,ある程度の誤差を見ないと紛争が絶えなくなります。ざ
っくり言えば後発的原始筆界の場合は境界標の設置誤差で,創設筆界の場合は基準にした
点の測量誤差ですが。
長くなりますので後発的原始筆界,創設筆界については機会があれば質問ください。
同じ点を測った場合の精度(標準偏差)の比較
現地の測点が同じ条件で以前に測った成果を旧成果,今回測った成果を現成果として,
この二つの成果の関係は
①
旧成果と現成果の偏差から計算される標準偏差を m1,現成果の標準偏差を m2 とした
ときの
旧成果の標準偏差 m との関係式は
㎡=m1²+m2²で表される。
このとき旧成果が筆界創設時のもの,公図(改祖図・更正図),17 条地図,地籍図な
どの現地の境界認識点(境界標,認識した位置に印つけた程度まで)を筆界としたもの
とすれば m が筆界創設時の精度(標準偏差)と言える。
もっと具体的には旧成果と現成果の偏差を検定(t検定又χ²二乗検定などで)で選
ばれた点が筆界創設時からの点の位置にそのまま残っていると言える。
しかし,原始筆界では明治のはじめに認識された点に境界標が設置されるまでに長い
年月があり,その間の認識のズレをどの程度考慮するかが課題となる。
まあ!ざっくり言えば標準偏差²(分散)の 2 分の 1 と言ったところでしょう,つまり
0.2002²/2=0.142²
ということである。
プログラム(Book)を使った具体的な計算としては
5
①
Henkan プログラム(Book)で準拠点選択を完了する。
②
計算された標準偏差²(分散)の 2 分の 1
③
ランク「1」のある点の準拠点選択「○」を②の値以下になるところまで消す。
④
残った点が
⑤
それ以外の点は計算点が筆界点となる。
旧成果
を計算する。
から不動であった点=筆界点といえる。
後発的原始筆界,創設筆界ではこの方法と判断が異なる,なぜなら現地の境界認識点
を筆界としたものではないからです。
6
標準偏差の考え方
標準偏差にもいろいろ有りますが精度を表す標準偏差と計算重量等に使われるもの分け
られます。
さらに,データの構成が一変量の標準偏差,二変量の標準偏差,三変量の標準偏差とあ
りますが測量の世界は距離だけと角度だけを見る一変量の標準偏差と座標で見る二変量の
データとあります,とくに境界・筆界では二変量のデータを扱いますので高度な知識が要
求されます。
一変量の標準偏差
精度を表す標準偏差とは,ある二点間の距離を数十回と観測し,得られたでn個のデー
タから計算する場合と多角形の土地の辺長差,図面値と実測値の差をn個計算し,その差
の標準偏差を計算する方法があります。前者は観測の精度,後者は図面の精度を表します。
計算式は次式で表します。
測定値 or 残差
n
データ数
平均値
xi (i=1~n)・・・残差=旧成果と新成果のように2回の測定値の差
(i=1~n)
x
⊿xi=xi-x
標準偏差
(i=1~n)
σ
σx=√((Σ(⊿xi^2)/(n-1))
標準偏差は統計的指標ですから Excel などの関数で求められなくてはなりません,関数
で求められないということは何らかの目的で考えられた特別な標準偏差と考えられます,
この式の値は Excel 関数 STDEV(x1:xn)で求まります。(n-1)でなく n の場合は STDEVP
です。
一般的には Excel 関数 STDEV の式になります,この前提として誤差は正規分布に従う
ことが証明されていますので観測値 xi (i=1~n)の中に正規分布に従わないデータを除く
必要があります,これをしないと正規分布での確率の説明ができなくなります。
この手法を統計上の検定で行います,測量データで使用できる検定はt検定とχ2(カイ
ジジョウ)検定があります。t検定が解りやすいのでt検定の使用を進めます。
標準的な機器を使用して標準的な観測者が標準的な手法によって得られたデータには異
常値(検定によって除かれるデータ)はありません。標準偏差は標準的なレベルが高けれ
ば小さく,レベルが低ければ大きな数値として表されます,同じモノを観測した場合の標
準偏差はその観測作業全体の能力を表します。
求められた標準偏差の正規分布曲線に公差の幅を当てはめると公差内の確率がわかりま
す,確率の逆数が不良率です,確率95%といえば5%が不良率になります。公差の中心
値と平均値
x
(i=1~n)が同じであれば確率,不良率は正規分布の密度計算から簡単に
求められます。
でも公差の中
中心値と平均
均値に乖離が
があれば確率
率は下がり不
不良率はあが
がりま
同じ標準偏差で
す。
図1
0.0000±0.00
052 のモノを
を作ったとき
きの分布中心
心0,標準偏
偏差1の場合
合の不
図 1 は公差 50
ます,この図
図は分布中心
心と公差中心
心が一致して
ていますが実
実際には中心が一
良率を示していま
く図 2 の状態
態になります
す。
致することはなく
図2
布の中心が公
公差の中心か
から外れるこ
ことによって
て左側の不良
良率が小さく
くなり,右側
側にあ
分布
る不良
良率が大きくなり,全体
体の不良率が
が大きくなり
ります,この
の対策として
ては分布中心
心が公
差中心
心に近づくようにモノの
の狙い値を変
変える,或い
いは標準偏差
差を小さくし
して不良率を
を下げ
ることになります
す。
準偏差を小さくすることは品質を上
上げることで
ですからこれ
れは容易なこ
ことではあり
りませ
標準
んので
で前者の狙い
い値をコント
トロールする
る方法が取ら
られます。
公差
差があればそ
それから確率
率,不良率が
が求まります
すが意外と公
公差のないデ
データがあります,
次に公
公差のないデ
データの判断
断の方法につ
ついて考えて
てみます。
公差
差のないデー
ータへの判断
断
図3
図3は標準偏差
差の幅と確率
率を表した図
図です,左が
が正規分布図
図で右が標準
準偏差ごとの
の確率
算した表です
す。
を計算
通常
常扱うデータ
タ数を 100 個として確率
個
率で起こる回
回数を表示し
してみます。
0σ~
~>=1σ
68.3%
68/100
ほ
ほとんどがこの範囲で体験
験している
1σ~
~>=2σ
27.2%
27/100
4 回に1回ぐらい体験して
ている
2.5σ
1.0%
2σ~
~>=3σ
4.2%
3σ~
~>=3.9σ
0.29% 0/100
値)
1/100 1 00回に1回(通常作業での限界値
4/100
2 0回に1回ぐらい体験している
体
体験しない
とい
いうことにな
なります。
土地家屋調査
土
査士が 100 個のデータを扱
個
扱うことはま
まれですが 3σを
超える可能性は考
考えられない
いということ
とになります
す。
σの確率は 99.7%ですか
9
から 0.3/100 で 1 回も起こらないとい
いえます。
3σ
50%の確率は 0.68σ≒0.7
7σ
標準偏
偏差の 0.7 倍の数値が平均
均値といえま
ます,標準偏
偏差が
m とすれば 0.7×50=3
35mm が平均
均なバラツキ
キの数値とい
いえます。
50mm
100回に 1 回体験するかしないか の確率99%
%は2.5σです,土地
地家屋調査士
士が扱
うデー
ータ数はほと
とんどが10
00個以下で
ですから2.5σを限界
界値と考えて
てもよい。
我々
々が扱う座標
標値はx,yの二変量デ
データですか
から一変量の
の標準偏差を
を扱うことは
は有り
ません
んが二変量の
の標準偏差を
を理解する前
前提として知
知っていなけ
ければならな
ないことです
す。
ここで理解して
ていただきた
たいことは標
標準偏差の計
計算式と標準
準偏差の値と
と分布中心の
の値の
素が重要であ
ある,このこ
ことです。
2要素
ここからが境界
界(筆界)の
の位置誤差, 二変量関す
する説明です
す。
量の分布
二変量
二変
変量とは一つ
つのデータに
に対して二つ
つの変量をも
もつ,たとえ
えば人の身長
長と体重であ
ある。
これを散布図にす
すると図4の
のようになる
る。
の散布図から
ら身長は伸び
びれば体重も
も増加するこ
ことがわかる
る。
この
図4
図 5は国語の 点数と数学
学の点数を散
散布図にする
ると,国語の
の得意な子は
は数学も得意
意か?
関係は無い,その状態の
の散布図で表
表すと図5に
になる。
その関
図5
れを密度関数
数で表すと図
図 6 になる。
これ
図6
ちなみ
みに分布の円
円のつぶれ具
具合を相関係
係数で表しま
ます,相関係
係数0が円の
の状態,1は
は直線
の状態
態になります
す,相関係数
数は0~1の
の間にありま
ます。
相関係
係数0の状態
態の分布と確
確率が図 7 に
になる。
図7
二変
変量の確率と
と言う場合は
は図 5 の円 の状態をいい
います,1σ標準偏差に
に対する確率
率が一
変量で
では 68.3%に対して二変
変量では 39
9.4%で,異なります,こ
これは面積と
と体積の違い
いで,,
ここを知ることが
がポイントで
です。
常,座標値に
における二変
変量の分布の
の相関係数は
は0にはりません,必ず楕
楕円になりま
ます,
通常
これは
は座標値が測
測角と距離の
の混合計算を
をしているこ
ことに理由が
があります。
二変
変量の標準偏
偏差を理解す
する上で,ひ
ひとまず基本
本である相関
関係数0の状
状態で考えて
てみま
す。
値における二
二変量の標準
準偏差
座標値
図面
面値(以前の
の成果)は現
現地を測った
たものでこの
の図面には測
測量誤差が含
含まれます,実測
値(現
現在の成果)
)も現地を測
測ったもので
でこの図面に
には測量誤差
差が含まれま
ます。この二
二枚の
図面デ
データを比較
較していきま
ますが注意し
しなければな
ならないのが
が図面値の方
方位と実測値
値の方
位を一
一致させてお
おくことです
す。ヘルマー
ート変換,ア
アフィン変換
換では方位を
を計算でして
てくれ
ますが
が必ずしもそ
そのような変
変換だけを使
使うわけでは
はありません
ん,変換せず
ずにそのまま
ま比較
することもありま
ます。
準偏差は分散
散(バラツキ
キの指標)の
の平方値です
すから例え座
座標軸が任意
意座標対世界
界測地
標準
系座標
標であっても
も方位が一致
致していれば
ば変換無しで
で標準偏差は
は求められま
ます。
二変量の標準偏差は図面値対実測値の比較であって現地との比較ではないということで
す。図面値対現地の比較にするには実測値の精度を上げるのですがそれはここでは触れな
いでおきます。
以前の図面の成果(図面値とします)とこれに対応する点を現時点の標準的な機器を使
用して標準的な観測者が標準的な手法によって得られたデータ(実測値とします)とし,
その差(残差)を精度として計算していきます,まずx軸,y 軸の標準偏差を個々に計算し
ます。
x軸データの標準偏差
残差⊿xi=図面値xi-実測値xi・・・・一変量と同じ計算を行う。図面値と実測値は逆
でも同じ。
n
データ数
平均値
(i=1~n)
x
⊿⊿xi=⊿xi-x
(i=1~n)
標準偏差σx
Σx²=((Σ(⊿⊿xi^2)/(n-1))
y軸データの標準偏
残差⊿yi=図面値y-実測値y
データ数
n
平均値
(i=1~n)
⊿⊿yi=⊿yi-
(i=1~n)
標準偏差σy
Σy²=((Σ(⊿⊿yi^2)/(n-1))
σxy²=σx²/2+σy²/2+ρ×σx×σy
(ρ=相関係数,x,yに相関関係が無い場
合はρ=0 とする)
標準偏差の計算式自体は一変量でも二変量でも同じです,二変量の場合はσx,σy の二
つが計算されます,この二つの標準偏差を次の表のデータで計算してみます。
データの散布図を描きます。
Δx
Δy
-0.002
0.000
0.001
-0.001
0.004
-0.003
-0.003
-0.001
0.004
0.004
0.001
-0.004
0.001
-0.004
0.000
0.004
0.001
-0.004
0.001
0.001
-0.004
0.001
-0.001
-0.004
-0.002
-0.003
-0.001
-0.005
0.001
0.001
-0.004
0.000
0.000
0.004
0.004
0.000
-0.003
0.001
0.001
-0.002
0.001
0.001
0.006
-0.001
0.001
0.005
-0.001
0.001
-0.003
0.000
-0.002
0.005
0.001
-0.002
0.000
-0.004
-0.002
0.001
0.003
-0.001
0.000
-0.004
-0.005
-0.004
0.001
-0.001
-0.004
0.000
-0.001
-0.006
0.000
0.000
-0.005
-0.001
0.001
-0.001
-0.0022
-0.001
0.001
0.001
-0.0044
-0.001
0.0000
-0.001
0.001
-0.0044
-0.001
0.001
0.001
-0.0044
-0.001
0.001
0.001
0.001
0.0033
0.001
0.001
-0.001
-0.001
0.001
0.0044
-0.0022
-0.0033
-0.0022
-0.0033
0.0044
0.001
0.0000
-0.0033
-0.0033
0.0000
0.0066
0.0022
0.001
0.0044
0.0000
0.0000
0.001
-0.0033
0.0066
0.0044
0.001
-0.0066
0.0066
0.001
0.001
-0.001
0.001
-0.0044
-0.0044
0.0044
0.0000
-0.0044
0.001
-0.0033
-0.001
-0.001
0.001
0.0000
-0.001
-0.0055
0.0044
0.0022
0.001
-0.001
0.0000
0.0022
0.0044
二変量
量の 3σの確
確率は 99.0%
%ですからデ
データ数 99 個×0.990=98 個
がはいる
る円(円の中
中心はΔx平均値,Δy平
平均値)を描
描いてその直
直径を
読み取ります,その 半径が 3σな
なのでさらに
に 3 分の 1 が
が二変量の標
標準偏
差になります。
-0.0082~0..0087,yは
は-0.0087~
~0.0082
xは-
で
で平均が 0.0
00845
でその 3 分の 1 が 0
0.0028 です。
この値
値 0.0028 が 計算式から求
求めた標準偏
偏差の値と同
同じになれば
ばその
計算式は
はあっている ということです。
x軸だけの一
一変量分布図
図(左下)
,標
標準偏差=0
0.0028(STDEV でエク
クセル計算)
。y
。 軸
の一変量分布
布図(右下)
,標準偏差
差=0.0028(STDEV でエ
エクセル計算
算)となりま
ます。
だけの
一致
致しています
すので標準偏
偏差の計算式
式は合ってい
いるといえま
ます。
x軸ヒ
ヒストグラム
ム
y軸ヒストグ
y
グラム
変量の分布が
が円であれば
ば一変量の標
標準偏差と二
二変量の標準
準偏差は同じ
じ数字になる
るので
二変
す。
準偏差とはバ
バラツキの指
指標,分散の
の平方値です
す,図面値の
の座標系と実
実測の座標系
系が違
標準
ってい
いても図の方
方位が一致し
していれば座
座標変換しな
ないで残差⊿
⊿xi,残差⊿yyi から計算
算でき
きます
す。
表の実
実際の分布は
は次のとおり
りです。
分布中心
心
σm
m
0.002
283
σn
0.00279
Xav
-0.0002
Yav
0002
0.0
相関係数
数
-0.01 3
二変量
量の標準偏差
差の計算式は
は
二変
変量標準偏差
差σ^2=(x
x軸標準偏差
差σx^2+y
て,和
和の平均と言
言うことです
す。
以上
上が相関係数
数が0または
は0に近い場
場合の説明で
従い
いまして,標
標準偏差には
は様々な公式
式があります
に使わ
われるようで
です,偏差の
のバラツキ具
具合を判断す
式を使
使います。
対象
象となる点,
,全部の場合
合は(n)で割 る,一部のデ
で割るのが一般的
的です。
ヘルマート変
変換とアフィ
ィン変換を比
同じデータをヘ
知数の不公平
トは((n-2)でアフィンは(n-3)で和って未知
くなると意味を持
持たなくなり
ります,今で
では AIC を
準にしていま
ます。
る基準
基準
準点測量の考
考え方と境界
界(筆界)測
測量の考え方
測量で
では過去の成
成果は正しい
いものとして
ていますから
基準点
点標識が地殻
殻変動等で動
動いたと考え
えます。
それ
れに対して境
境界(筆界)
)測量では過
過去の測量成