大腸がん1次スクリーニング検査の重要性と 精度管理の実態

大腸がん1次スクリーニング検査の重要性と
精度管理の実態
擬似便タイプの精度管理用試料「ヘモコントロール」
営業学術部
性別にみた死因順位別死亡数・死亡率
性別にみた死因順位別死亡数
死亡率
平成25年(2013年)
死因
総数
死亡数
全死因
平成24年(2012年)
男
死亡率
死亡数
女
死亡率
死亡数
1,268,432
1009.1 658,679
1077 609,753
悪性新生物
364,721
290.1 216,883
心疾患
196 547
196,547
156 4
156.4
肺炎
122,880
脳血管疾患
総数
死亡率
死亡数
死亡率
945 1,256,359
998
355 147,838
229
360,963
287
91 333
91,333
149 105,214
105 214
163
198 836
198,836
158
97.8
66,307
108
56,573
88
123,925
98
118,286
94.1
56,678
93
61,608
96
121,602
97
老衰
69,684
55.4
16,807
28
52,877
82
60,719
48
不慮の事故
39,435
31.4
22,998
38
16,437
26
41,031
33
自殺
26,038
,
20.7
18,146
,
30
7,892
,
12
26,433
,
21
腎不全
25,074
19.9
11,984
20
13,090
20
25,107
20
慢性閉塞性肺疾患
16,408
13.1
13,073
21
3,371
5
16,402
13
大動脈瘤及び解離
16 073
16,073
12 8
12.8
8 384
8,384
14
7 689
7,689
12
15 831
15,831
13
厚労省:平成25年 人口動態統計月報年計(概数)の概要
主な死因別に見た死亡率の年次推移
厚労省:平成25年 人口動態統計月報年計(概数)の概要
悪性新生物の主な部位別死亡率の年次推移
大腸がんは 男性 3位、女性1位
大腸がんは、男性
3位 女性1位 です。
です (人口10万対)
厚労省:平成25年 人口動態統計月報年計(概数)の概要
がん健診受診者数、要精検者数、がん発見数
平成24年度(2012年度)
発見がん
健診項目
受信者数
要精検者数
要精検率
精検受診率
人数
率
(人)
(人)
(%)
(%)
(人)
(%)
胃がん
2,426,903
196,169
8.08
79.8
2,553
0.11
肺がん
3,984,878
78,727
1.98
78.6
1,519
0.04
大腸がん
4,714,042
292,848
6.21
64.4
8,719
0.18
子宮がん
4 021 402
4,021,402
81 764
81,764
2 03
2.03
69 6
69.6
3 079
3,079
0 08
0.08
乳がん
2,030,258
176,584
8.70
84.6
6,477
0.32
厚生労働省:平成25年度地域保険・健康増進事業報告の概要
精検受信率は低いが、がん発見率は他のがんと比較して高い。
健診受診率と精検受信率を上げることが重要
(精検受診率の許容基準値:大腸がん70%)
がん生存率の推移
5年生存率の推移(%)
死因順位(2013年)
調査年
1997年
2001年
2005年
男
女
胃
70.6
70.5
70.3
2
3
大腸
67.1
74.4
75.6
3
1
肝臓
28.1
35.6
31.5
4
5
肺
35.3
38.5
41.4
1
2
乳房
85.2
91.1
92.7
4
子宮
79.1
79.0
78.2
6
前立腺
70.6
93.4
99.7
全部位
61 7
61.7
65 4
65.4
68 0
68.0
国立研究法人 国立がん研究センター
大腸がんは死因順位の高い他のがんに比べても発見後の生存率は高い
大腸がんは死因順位
高い他 がんに比べても発見後 生存率は高い
ので、がん発見が早ければ死因順位を下げられる。
大腸がん検診の目的
1.大腸がん死亡率の低下
2.早期発見、早期治療により医療費を軽減
主に無症状集団のがん死亡率を減らすことが目的
集団健診発見群の91%は無症状(1/2は早期がんで、
ほぼ100%完治する。)なのに対し、外来発見群では
88%が出血等の症状を有し 進行がんが多い
88%が出血等の症状を有し、進行がんが多い。
大腸検査
安価
高価
簡易
繁雑
多数例
簡易
精密検査
スクリーニング検査
少数例
全大腸内視鏡検査
精密大腸 線
X検査
簡易式大腸 線
X検査
状結腸内視鏡検査
直腸鏡検査
直腸指診
免疫学的潜血反応
グアヤック法
S
精密検査
大腸早期がん、進行がんの90%以上、大腸ポリープでも20~4
0%で便潜血検査は陽性を示す。→精密検査受診(出血源=内視鏡)
(「異常値の出るメカニズム」第4版
医学書院)
大腸がん健診
大腸
健診 スクリーニング検査
クリ
グ検査
スクリーニング検査における便潜血検査(便ヘモグロビン検査)の限界





腫瘍マ カ ではない。
腫瘍マーカーではない。
小さな病変などで出血がなければ拾い上げられない。
出血していない日では陽性にならない。
検査結果において過剰や僅少採取サンプリングの影響が
出やすい。
化学法や免疫法があ が 測定
化学法や免疫法があるが、測定原理、測定精度、検査対
測定精度 検査対
象、定性か定量かなどにおいて感度、特異性が異なる。
より精度の高い検査が求められる(検査診断精度に寄与)
検査精度向上への取り組み
精度向上を目指し検査の自動化 定量化が広が てきたが
精度向上を目指し検査の自動化、定量化が広がってきたが・・・

施設間差の現状と問題は認識されている。
広域コントロールサーベイ(実態調査)と標準化の必要性
広域
ト
サ
イ(実態調査)と標準化 必要性
多くの施設で検査されているが、サーベイを行って
いる県 地域は少ない
いる県、地域は少ない。
なぜ?
施設間差是
施設間差是正には検査キット間差含めて課題が多い。
検 キット間差含
課題 多 。
各検査キットで測定でき、安定した広域サーベイ用
試料を作成・配布するのが難しい。
標準化 現状(対 化学酵素項目)
標準化の現状(対生化学酵素項目)
項目
標準物質
測定系
日常の精度管理
酵素項目
便潜血
JC・
JC
・ERM
なし
JSCC勧告法
JSCC
勧告法
なし
管理血清
未実施または
液状コントロール
サーベイ実施状況 日臨技・日医・
地域によっては実施
地域サーベイ実施 日臨技
日臨技(H18)
(H18)開始
開始
精度管理への取り組み
各地区技師会単位でのサーベイ実施が増えてきた
(施設間差実態調査)
《背景》
○便ヘモグロビン検査の重要性
○施設間差是正の必要性
○施設間差是正への関心
○サーベイが可能な安定した
管理試料が製品化
ヘモコントロール
ヘモコントロールとは?
モコントロ ルとは?
1)糞便に近い性状の基材を用いたコントロール
2)検体とまったく同じ操作で精度管理が可能
3)便状であるため、各検査キット共通のコントロール
になる
4)採便からの精度管理が可能
よって
よって・・・・・
採便からの精度管理の利点①
内部精度管理では・・・
 機器判定施設
検体と同じ操作のため、機器の精度管理のみで
はなく、便潜血検査全体の精度管理になる。
 用手法施設
目あわせのために使用できる。試薬の性能確認
も出来る。
便潜血検査の精度保証ができる
採便
採便からの精度管理の利点②
精度
利点②
外部精度管理では・・・
 全ての試薬で使用できるので、外部精度管理が
可能となる。
 外部との比較でさらなる測定保証ができる。
(内部精度管理の客観的評価)
 施設間差の是正に繋がる。
便中ヒトヘモグロビン試料の調製方法 ①
1.試料1のバイアルキャップの裏に付着した粉末試料を
試料1のバイアルキ
プの裏に付着した粉末試料を
よく叩き落としてください。
2 試料1 容器にピペ トなどを用いて「溶解液1 を
2.試料1の容器にピペットなどを用いて「溶解液1」を
全量加え、 3分間静置します。
注)
注)混和の目安となる添加色素が虹色の縦縞で現われ
安とな
加色素が 色 縦縞
ます。
便中ヒトヘモグロビン試料の調製方法
便中
ト
グ
試料 調製方法 ②
3.試料調製用撹拌棒で添加色素が均一になるまで十分に
混合し、キャップをして30分間静置します。
注)混合時には、容器の上面および側面からだけでなく底面か
らものぞきこみ、試料全体が均一になるよう十分に混和して
ください。
ください
便中ヒトヘモグロビン試料の調製方法
便中
ト
グ
試料 調製方法 ③
4 30分経過後 もう一度よく撹拌します
4.30分経過後、もう
度よく撹拌します。
5.試料2に関しても「溶解液2」を加え、同様に試料
を調製します。
を調製します
6.溶解した試料は使用される検査試薬の説明書に従い、
便検体として日常検査と同様に採便容器に採取して
ください。
注)採取前に再度十分な混和を行ってください。
注)採取前に再度十分な混和を行
てください
採取後、30分放置してから測定してください。
濃度
濃度について
製品濃度規格
試料
ヘモグロビン濃度
(μg / g
g便)
便)
定性
A
0
(-)
B
30~40
(+)
C
120~160
(+)
調製後の保存安定性
測定条件 調整1.5mL各チュ ブに0.4gを小分けして家庭用冷蔵庫冷凍室に保存。
測定条件:調整1.5mL各チューブに0.4gを小分けして家庭用冷蔵庫冷凍室に保存。
測定試薬:OC-ヘモディアオートII、測定機種;日立7080
700.0
測定値
値(ng/mL)
600.0
500.0
A
B
C
400.0
300.0
200.0
100.0
0.0
0
10
20
30
40
50
60
日数
注)製品の取り扱い注意:調製後は当日中に使用してください。