STB第15号

「スコーレ・テクニカル・ブリーフ」第15号
2012年1月
分野:振 動 解 析
テーマ:振動解析での「落とし穴」
【1】 「落とし穴」とは?
構造解析(強度解析)や伝熱解析の場合、解析モデルが対称形状の場合、対称境界条件を
設定して解析を行うのが一般的である(モデルサイズを小さくして解析時間の減少を図る)。
ところが、振動解析の場合、対称境界条件を使用すると、思わぬ「落とし穴」にはまる恐れが
あるので注意が必要である。
例えば、固有振動数解析(固有値解析)に例をとると、対称境界条件を使用したモデルでは
非対称モードを検出することが出来ない。
言われてみれば当たり前のことであるが、意外に見落としている場合があるので、基本的な
ことではあるがまとめた。
対称境界条件
フルモデル
(サイズ=A×B)
(外周拘束)
A
B
1/4対称境界条件モデル
「フルモデル」と「1/4対称境界条件モデル」
【2】 解析例
・
・
・
・
A=60mm、B=100mm、板厚=1.5mm(上図参照)
ヤング率=20,000(MPa)、ポアソン比=0.3、比重=3
解析ソフト:ANSYS
解析モデル:「フルモデル」及び「1/4対称境界条件モデル」(上図参照)
・ 解析結果(固有振動数と振動モード)を添付
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(有)スコーレ・ティー・エー・リサーチ
「スコーレ・テクニカル・ブリーフ」第15号:解析例
・固有振動数と振動モード
・モード数はフルモデルを基準
・5次以上は省略
固有振動数(Hz)
モード1(1次):1,338(Hz)
モード3(3次):2,908(Hz)
モード2(2次):1,904(Hz)
モード4(4次):3,373(Hz)
凸
フ
ル
モ
デ
ル
この数値は意味
を持たない
凹
1
/
4
対
称
境
界
条
件
モ
デ
ル
検出できない
検出できない
*「フルモデル」のモード2、モード4は非対称モードのため、「1/4対称境界条件モデル」では検出できない。
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