装備品等の研究開発に関する訓令の実施について

装技計第76号
27.10.1
大 臣 官 房 長
各
各
局
幕
長
僚
長
殿
情 報 本 部 長
防 衛 監 察 監
防衛装備庁長官
(公印省略)
装備品等の研究開発に関する訓令の実施について(通達)
標記について、装備品等の研究開発に関する訓令(平成27年防衛省訓令第37
号)第17条の規定に基づき、別紙のとおり定めたので通達する。
添付書類:
別紙
別紙
装備品等の研究開発に関する訓令の実施について
第1
総則について
1
第2条第6号の装備品等の研究には、統合幕僚監部、陸上自衛隊、海上自衛
隊、航空自衛隊又は情報本部(以下「各自衛隊等」という。)が参画する運用
実証型研究(各自衛隊等にとって新しい機能を有する装備品等の原型を試作又
は考案する研究であり、かつ、当該原型をその運用者となると見込まれる各自
衛隊等の評価に供することで、じ後の装備品等の研究開発、調達などに資する
ための研究をいう。)を含むものとし、所要の細部事項は防衛装備庁技術戦略
部長が定める。
2
第2条第7号の「重要な改善又は能力向上」とは、次のいずれかに該当する
ものとする。
ア
改善又は能力向上のための相当な技術的困難性を有するもの
イ
改善又は能力向上後の装備品等の見積量産単価が旧装備品等の量産単価に
比べ、同一時点換算において2割以上異なると見込まれるもの
ウ
3
当該装備品等の機能又は運用に著しい影響を及ぼすと見込まれるもの
第2条第7号の防衛装備庁が行う試験及び各自衛隊等がその実用性の評価そ
の他の評価をするために行う試験は、当面の間、技術試験(装備品等の開発に
おいて試作された装備品等の性能が設計に適合するか否かについて評価をする
ために行う試験をいう。)及び実用試験(各自衛隊等が装備品等の開発におい
て試作された装備品等が使用目的に適合するか否かについて評価をするために
行う試験をいう。)から構成されることを基本とするが、研究開発の効率化及
び研究開発期間の短縮や防衛装備庁が技術的観点のみならず装備品等の創製に
ついて防衛装備庁が一元的に担っている観点から、技術試験及び実用試験の同
時実施も含め、各々の装備品等の特性に応じた適切な試験を行うものとする。
4
第2条第8号の「各自衛隊等が行う装備品等の軽易な改善及びその試験」は
、防衛諸計画の作成等に関する訓令(平成27年防衛省訓令第32号)別表第
1又は別表第2の研究開発事項若しくは情報業務の実施に関する訓令(平成1
8年防衛庁訓令第21号)第23条に規定する年度業務計画に記載されるもの
とし、各自衛隊等が参考品を購入し、必要に応じてその改修を行う試験研究を
含む。
第2
1
第3
技術に関する調査分析及び見積りについて
第6条の「所要の時期」とは、当分の間、毎年度10月末日とする。
研究開発に関する中長期の見積りについて
1
第9条の装備品等研究開発見積依頼の記載内容に関しては、当初の段階から
精緻である必要はないが、第10条の装備品等研究開発見積りとのやりとりの
過程で、精緻化していくものとし、最終的には、第11条の装備品等研究開発
要求とほぼ同等の内容になるように努めるものとする。
2
別表第1の「期待する量産単価」は、積算の前提となる数量を明記した上で
、それぞれその時点における見積りに基づき、具体的な金額で示すものとする
。
3
別表第1の「ライフサイクルコスト抑制のための考慮事項」は、第10条の
装備品等研究開発見積りにおいて、防衛装備庁長官が装備品等の開発の内容を
設定するに際し、装備品等の開発、調達、補給及び管理に要する費用の抑制を
図る上で考慮する必要がある事項を努めて具体的に示すものとする。
4
第9条第2項の「概算要求年度」とは、当該研究開発に係る最初の概算要求
を行う年度をいう。
5
第9条第2項、第10条第2項及び第11条第1項の「所要の時期」とは、
当面の間、それぞれ毎年度1月末日、毎年度2月末日及び毎年度3月末日とす
る。
6
第9条の装備品等研究開発見積依頼及び第10条の装備品等研究開発見積り
の文書名には、作成年度を付すものとする。
7
第10条の装備品等研究開発見積りでは、原則として、第9条の装備品等研
究開発見積依頼中の研究開発の名称を使用するものとする。
8
第10条の装備品等研究開発見積りの記載内容に関しては、当初の段階から
第12条第1項第2号の実施計画のように精緻である必要はないが、第9条の
装備品等研究開発見積依頼とのやりとりの過程で、精緻化していくものとし、
最終的には、実施計画とほぼ同等の内容になるように努めるものとする。
9
別表第2及び別表第3の「評価時点」は、次に掲げる時点を基準とし、各々
の研究開発の特性に応じ、適切に評価時点を設定するものとする。
ア
基本設計等の終了時点
イ
防衛装備庁又は各自衛隊が実施する試験の終了時点
10
別表第3の「見積量産単価」は、それぞれその時点の見積りに基づき、第
2項で記された数量を前提として、具体的な金額で示すものとする。
11
別表第3の「ライフサイクルコスト抑制のための方策」は、第3項の考慮
事項を参考としつつ、装備品等の開発の内容を設定するに際し、装備品等の開
発、調達、補給及び管理に要する費用の抑制に寄与すると見込まれる方法を具
体的に示すものとする。
12
第11条の装備品等研究開発要求において、10年以上の研究開発期間を
要すると見積られる研究開発について記載する別紙第1の「運用構想」及び「
装備構想」は、安全保障環境の変化や事業において得られる研究の成果等を適
切に反映させ適時深化させていくものとし、作成時点において努めて具体的に
記載するものとする。
13
第11条の装備品等研究開発要求の文書名には、作成年度を付すものとす
る。
14
第11条の装備品等研究開発要求に係る概算要求年度の業務計画審議や予
算要求過程での修正事項は、緊急を要しない場合には、翌年度の装備品等研究
開発要求に反映することを妨げない。また、装備品等の研究開発の進ちょくに
応じて、研究開発の実施段階においても、実施状況、情勢変化等に柔軟に対応
し、不断の見直しを行い、設計基準のうち要求することが必要と判断したもの
等の追加、定性的要求から定量的要求への修正等を行うものとするが、これら
についても、緊急を要しない場合には、翌年度の装備品等研究開発要求に反映
することを妨げない。
15
第1第3項の試験の計画については、別表第1、別表第2及び別表第3の
「その他必要な事項」に該当する試験項目、試験方法等の所要事項(告示の要
否及び周辺地域に被害を生じるおそれ等の見積もりを含む。)を記載すること
とし、防衛装備庁及び各自衛隊等で計画する試験について十分な準備及び調整
を行うものとする。
第4
年度業務計画について
1
第12条の「年度業務計画」の対象とする事項は、装備品等の研究開発、研
究用機械器具、施設等とし、同条第1項第2号の「実施計画」の対象とする研
究開発は、試作等を伴う主要な研究開発とする。
2
第12条の年度業務計画の各自衛隊等要求に係る研究開発の名称については
、第11条の装備品等研究開発要求中の名称を原則として使用するものとする
。
3
第12条第1項第1号の基本計画には、個別の装備品等の研究開発について
の研究開発目的、研究開発完了予定年度、研究開発総経費の見積り及び見積量
産単価その他の重要な事項を記載するものとするとする。
4
第12条第2項の実施計画の作成に関し、各自衛隊等要求の研究開発に係る
実施計画を装備取得委員会の審議を経ずに防衛大臣に報告する場合は、防衛装
備庁の装備開発官及び施設等機関その他の作成担当部署は、関係する各自衛隊
等の担当部署と予め文書で協議を行うものとする。
5
第12条第3項、第5項及び第14項の「防衛大臣の指定する研究開発」は
、社会的影響度の大きいものその他の政策的に重要な研究開発とし、プロジェ
クト管理との整合性を考慮した上で、原則として、第12条第1項第1号の基
本計画によって定められるものとする。
6
第12条第4項の見積量産単価に係る「重要な修正」とは、修正後の見積量
産単価が第12条第2項の見積量産単価に比べ、同一時点換算において異なる
場合とする。
7
別表第2の研究完了予定年度及び別表第3の開発完了予定年度については、
防衛省以外の機関と共同で行う研究開発である場合には、原則として、相手方
との共同で行う研究開発の完了予定年度に基づくものとする。
8
装備品等の研究開発の実施段階において決定された重要事項(技術審査等で
決定した事項等)については、逐次実施計画に反映し、実施計画の修正手続を
とる。ただし、緊急を要しない場合には、年度業務計画の作成と同時に修正を
行うことを妨げない。また、研究開発評価の結果を踏まえた修正についても実
施計画に記載し、実施計画の修正手続をとることとするが、この場合も年度業
務計画の作成と同時に修正を行うことを妨げない。
9
第12条第5項の「原則」とは、緊急を要しない場合等を指すものとする。
10
第13条の「年度業務計画の手続」については、防衛諸計画の作成等に関
する訓令第13条及び情報業務の実施に関する訓令第23条の規定によるもの
とする。
11
装備品等の開発の完了前に、やむを得ず、装備化に着手するための経費を
政府予算(案)に計上する必要がある装備品等については、第14条第3項の
規定に基づき、統合幕僚長、陸上幕僚長、海上幕僚長、航空幕僚長又は情報本
部長は、防衛装備庁の協力を得て、政府予算(案)決定前に、防衛大臣に対し
、当該装備品等の性能確認に係る成果等の報告(当該時期までに行った研究開
発で得られた成果を踏まえた、部隊の使用に供し得る性能の達成の見通しに関
する報告をいう。)を行うものとする。
第5
1
雑則
この通達に定めるもののほか、必要な共通的な細部事項については防衛装備
庁技術戦略部長が定める。
2
本通達は、装備品等の研究開発の成果を踏まえ、必要に応じ、見直しを行う
ものとする。