ネットワーク入院調整事業について

ネットワーク入院調整事業
1.目的
ネットワーク入院調整事業は,神経難病患者・家族が住み慣れた地域で安心して療養できるように,県
内のすべての地域での入院医療体制を確保することを目的とする。
ネットワーク入院調整事業は,短期,中期,長期入院の調整事業にわけられる。
短期入院の調整事業では,在宅療養中の神経難病患者の全身状態をチェックし,併せて介護者の休養
を確保するために短期間の入院を仲介することを目的とする。
中期入院の調整事業では,中期入院を確保し,同時に,在宅療養支援の評価と見直しにより在宅療養
への復帰をはかることを目的とする。
長期入院の調整事業では,患者家族の希望する地域での長期療養入院を確保することを目的とする。
2.対象者
この事業の対象者は,特定疾患治療研究事業の認定患者等のうち,人工呼吸器、気管カニューレ、胃
瘻カテーテルなど医療器具の管理や頻回の吸引などの医学的管理を要する患者で,かつ,在宅療養の
継続が一時的あるいは中長期にわたり困難な者とする。
3.事業の内容
3-1.短期入院の調整事業
在宅療養を行っている神経難病患者で,在宅療養の継続が主に介護者の事情などにより困
難になった者を対象とする。原則として,一般のショートステイ施設の利用が困難な者とする。
原則として入院期間は1ないし2週間とする。
付き添い不要を原則とする。
神経難病医療連絡協議会事務局(以下,事務局とする)は主治医を通じて依頼を受けたのち,
適切な病院の担当者に照会し,入院受け入れの可否を確認する。
入院が可能であれば,事務局はその旨を主治医に連絡する。
最終的には,病院の担当者と患者さんあるいは主治医が直接打ち合わせをして,入院日など
について決定する。
3-2.中期入院の調整事業
在宅療養を行っている神経難病患者で,在宅療養の継続が主に介護者の事情などにより相
当の期間困難になった場合に,中期入院を確保し,同時に在宅療養支援の評価と見直しによ
り在宅療養への復帰をはかる事業である。
原則として,入院期間は紹介先の医療機関と相談し決定する。
付き添い不要を原則とする。
事務局は主治医を通じて依頼を受けたのち,適切な病院の担当者に照会し,入院受け入れの
可否を確認する。
入院が可能であれば,事務局はその旨を主治医に連絡する。
最終的には,病院の担当者と患者さんあるいは主治医が直接打ち合わせをしていただき,入
院日などについて決定する。
3-3.長期入院の調整事業
患者・家族の希望する地域での長期入院療養を確保する事業である。
対象となる神経難病患者は,様々な理由により在宅療養の継続や開始が困難な者とする。
事務局は主治医を通じて依頼を受けたのち,適切な病院の担当者に照会し,入院あるいは転
院先を紹介する。
4.ネットワーク調整
4-1.申し込み
入院調整を希望する患者の主治医は規定の申込用紙に必要事項を記入し,事務局に FAX で
申し込む。
4-2.医療機関における病床の確保
事務局は事前に各医療機関における利用可能な病床の調査を行い,本事業における入院病
床の確保に努める。
4-3.調整
事務局は依頼を受けたのち,各医療機関の状況や患者の希望,住所などを勘案して,適切な
病院の担当者に照会し,入院を仲介する。
入院が可能と判断されたら,病院担当者と主治医あるいは患者との間で最終的な打ち合わ
せを行い,両者の合意の上で入院あるいは転院とする。この間,入院が困難と判断されれば,
事務局は次の候補病院を仲介する。
4-4.入院までの期間
短期入院の調整事業では,依頼を受けてから入院までの期間が2週間以内となるように
事務局が調整に努める。
中期入院と長期入院の調整事業では,その待機期間については当面は特に定めない。