私の昼読書(通算27)平成27年7月に読んだ本から 校長 川瀬 徹 本校は7月 21 日の夏季休業始めと同時に読書月間に入ります。私は、一人一人が日頃の 昼読書(読書活動)をさらに充実・発展させて欲しいと願っています。 ところで、人間は長い間ある地域に生活していると自然条件や地域文化に順応する性 格・体質をもつようになり、地域性を身に付けていきます。今月は、日本には歴史的に2 つの大きな文化と政治の中心として存在し、上方(かみがた)と江戸の名で呼ばれていた ものが、今でも尾を引いていることに着目した本から1冊をご案内します。 地域文化理解に役立つ本 [書 名] 関西と関東 2014 年刊・底本は 1966 年刊 [著 者] 宮本 又次(みやもと またじ) 敬称略 1907 年生まれ、1991 年没。 昭和時代の経済史・経営史学者。研究分野は多様で社会史・地域史・文化史・風俗史・芸能史 など多方面。日本学士院会員。文化功労者。大阪大学名誉教授。 [解 説] 井上 章一 敬称略 [内容紹介~各章で注私が注目した「言葉」を掲げます] 第一章 関西と関東の概念と境界 「三関(鈴鹿・不破・愛発) ・坂東・関東・畿内」 第二章 風土および風土心理から見た関西と関東「淀川・加茂川・隅田川」 第三章 災害史から見た関西と関東 「火事・地震・治水」 第四章 食物史から見た関西と関東 「すし・うどん・そば・汁とダシ」 第五章 服飾史から見た大阪と江戸 「いき・いなせ・いさみ」 第六章 芸能史から見た関西と関東 「三都・人形浄瑠璃・義太夫節・清元節・舞い」 第七章 方言から見た関西と関東 「大阪さかいに、京どすえ、兵庫神戸は何ぞいな」 第八章 気質から見た大阪と江戸 「負けるが勝」 [併読した本] 今月は「上方と江戸」 「関東と関西」にこだわって、昼読書(読書活動)を展開しました。上記 の本と併読した書名を記します。 『関東人と関西人 二つの歴史、二つの文化』樋口 清之(ひぐち きよゆき) 著 ことば 上方(かみがた) 地方から都に行くのを上る、都から地方へ行くのを下るというように、上方の「上」は皇居のあっ た都に対する尊称である。この呼称はすでに中世末に用いられていたようであるが、江戸時代に なると・・・京・大坂を中心とする畿内およびその周辺地域をさすものであった。しかし、時に は関東に対して五畿内以西の全地域をさす場合( 『武家厳正録』 ) 、または東海道筋・中国筋・四国 筋・西国筋・北国筋などのすべてを上方筋という場合( 『地方凡例録』 ) ( 『国史大辞典』第3巻 p.570「かみがた 上方」より)
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