3 か月したら、入院継続できない ⁉ 国は入院が長期化する高齢者に治療

今シーズンは高齢者の方もインフルエンザ等が流行し、身近に入院された方などもおられた
のではないでしょうか?そんな入院時に直面する問題について、今どのようなことが起きている
のか知っていただければと思います。
現在日本では急激な高齢化が進んでおり、大きな問題となっています。2014 年に 65 歳以上の高齢者が3269万人と
総人口の 1/4 なり、今後 10 年で団塊の世代が 75 歳以上になる超高齢化社会を迎えることとなります。そんな中病院
で亡くなる方が 8 割を占めると言われており、医療費の圧迫と病院のベッドの数が不足するという予測で国はそういっ
た状況を打開すべく、できるだけ入院期間を短くしたり、入院患者を少なくする対策をとっています。
3 か月したら、入院継続できない ⁉ 国は入院が長期化する高齢者に治療後速やかに自宅に帰っ
てもらうことで医療費の抑制を図っている ‼
3 か月したら強制的に退院させられると言うことを聞かれた方も多いかと思いますが、強制的ではないにしろ、病院か
ら 3 か月をめどに退院を勧められるのが一般的です。
これは高齢者において本当は退院できる状態なのに、介護や看護ができる人が居ない等治療目的以外で入院させ
ているようなケースを防ぐということがありますが、病院側としても入院保険の点数が 91 日目から減ることが最も大き
な理由とも言えます。
75 歳以上の高齢者が一般病院に入院すると、91 日目から後期高齢者特定入院基本料の断定が始まり、医療報酬は
2/3 以下に減額された上に、投薬や検査については 1 円も支払われないという状況になります。
新たな入院を必要とする患者を受け入れるためにベッドの空きを作ることも目的ですが、91 日目以降の入院に対する
保険点数が下げられてしまうため、そのまま入院をさせておくと病院が赤字になってしまうのです。そのため基本的に
重篤でない高齢者が 90 日以上入院する場合は他の病院へ転院するか、一度退院するかなどの流れになります。
90 日の入院期間制限が適応されないケース
◇別に定める重症の障害者、神経難病等の患者
◇入院基本料の重症者等療養環境特別加算を算定している患者
◇悪性腫瘍に対する重篤な副作用のある治療を受けている患者
◇観血的動脈圧測定を受けている患者
◇複雑なリハビリテーションを受けている患者
◇ドレーン法若しくは胸腔または腹腔の洗浄を受けている患者
◇頻回の喀痰吸引を受けている患者
◇人工呼吸器を使用している患者
◇人工透析を受けている患者
◇全身麻酔を用いる手術を受けた患者
以上のケース以外にも 90 日以上入院継続されているケースもありますが、一般的には入院を継続することは難しくな
ると考えられます。
今後は、病院以外での看取りの場、どこで最期を迎えるかということも考えていく必要があります。