炉辺会談 第1日 炉辺 - BSC Japan 矯正歯科研究会

第1日
炉辺会談
20:30∼22:30
仁木 俊雄
■ 略歴
1978年 4 月
1982年 4 月
同年 5 月
■ 略歴
1982年
同年
1990 年
2008年
2011 年
2014年
2008年より
東北歯科大学卒業
東京歯科大学矯正学教室研修課程修了
仁木矯正歯科開業
神奈川 げんかい歯科医院
日本大学歯学部卒
日本大学歯学部 小児歯科学教室入局
横浜市青葉区にて「げんかい歯科医院」開院
NPO 法人 口腔健康推進協会 サークルアイ 副代表
日本ヒト常在菌研究会 副代表
一般社団法人オーラルヘルスケア・ジャパン 理事
横浜市保育士研修会 講師
■ 最近の掲載文献
1)小児歯科臨床 2011年 10 月号∼ 12 月号連載
「歯科子ども学・考」口から子育てを考える
自立という観点から/運動という観点から/感覚という観点から
2)食べ物通信 2012 年 2月号『特集 無意識に口呼吸していませんか?』
3)キリスト教保育 2012 年 5月号・6月号
連載「口からのぞく子どものこころとからだ」
4)DH style 2013 年 増刊号 『口腔内の病変.異常に気づく観察眼を養おう』
「小児期 子どもの習癖異常」
5)恒志会会報 2014 年 口腔と脳 特集「口と触覚」
6)バイオプログレッシブ・スタディクラブ会誌 2014 No24
「口腔機能を発揮させる機序とは」
口腔機能発達メカニズムに対する考慮事項
私の矯正臨床を振り返って
矯正専門歯科医院開業から 33 年が経過しました。この間私の矯正臨床の支
えは BSC の教えを如何に忠実に実践するかでしたが、能力的不足、技術的未
熟によりその達成度は甚だ疑問のある処です。この間、矯正治療を取り巻く技
術の変化は目まぐるしく、治療方法、材料等の変化は皆様ご存知の通りです。
新しい治療方法が発表されると、臨床が楽になるのではと期待して指導書を手
私の臨床技術力の未熟さによるものと思いますが、それ以上に、リケッツ先生、
20:30∼22:30
元開 富士雄
埼玉 仁木矯正歯科
に入れ試みるも、満足出来るものを手にしたことはありませんでした。これは、
第1日
炉辺会談
運動発達の観点から口腔機能を考える
グジーノ先生、根津先生、永田先生始め BSC の諸先輩に教わった以上のもの
歯科矯正臨床において口腔機能の質を向上させることは、矯正治療を速やかに進めるためだ
が無かったのも事実です。私は、毎年のグジーノ先生の講習会は必ず何か一つ
けでなく、術後の安定性を得る上で大変重要であると認識されています。そうしたことから、
は受講し、また毎年のケースプレゼンテーションにケースを出してご指導戴く
ことを決め、此処までやって参りました。今回の大会の炉辺会談では、30 回
までのケースを中心にご覧戴き、皆様から忌憚の無いご意見を戴き、自身の明
口腔機能の問題を解決させるために種々のアプローチがなされています。しかし、その効果は
まちまちで、いつも満足のできる結果を手に入れられるとは限らないというのが現状ではない
でしょうか。
口腔機能を理解する上で大切なことは何でしょうか?
それは、口腔機能も全身運動の一つ
日からの糧にしたいとの思いと、若い先生が何か治療のヒントを掴めたらとの
であるということです。胎生期に始まる運動発達の中の一部として口腔機能の発達も行われて
思いでやらせて戴きます。昔の炉辺会談の様に、お酒を飲みながらワイワイや
いるのです。歯列や
りましょう。
合の成長に影響を与える口腔機能も、全身運動発達のなかで考えれば口
腔機能障害や口腔機能異常ではなく、口腔機能という運動発達の遅れと考えることができます。
そこで、今回は運動発達という観点から口腔機能を見直してみたいと思います。運動発達は、
意識の覚醒から始まりますが、機能発達が遅れる原因として意識の低下が考えられます。また、
口腔機能を作り出すものとして1口唇・頬、2舌、3軟口蓋、4下顎の4つの部分に分けて、
それぞれが運動するために必要な要素とこれらを運動させる上で効果的な指導についても考え
てみたいと思います。
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