三宮さん版 PDF

生田中学校区避難所運営会議環境衛生班マニュアル(案)
平常時の任務と活動 1.
(1)衛生管理の知識習得と啓発指導を行う。
1. 避難所では不慣れな生活が継続することから、避難者には様々なストレスが 加わり、
体力や病気に対する抵抗力の低下が考えられる。このために避難所生活では、特に感染性
胃腸炎などの消化器系感染症やインフルエンザなどの 呼吸器系感染症が発生しやすい。
2. 感染症発生の仕組みと感染症予防対策・拡大防止策
①感染源、②感染経路及び③感染症にかかりやすい人の3つの条件がそろうと感染症が発
生する。この3つの条件をそろえないことが感染症予防と拡大防止に重要である。
①感染源 : 細菌やウイルスなどが存在する場所や物のこと。患者自身や食品等を指す。
予防対策 避難所の清掃や、適切な食品の取扱いを心がける。
また、発熱や咳などの症状がある場合はすぐに申し出ることが重要。
②感染経路 : 細菌やウイルスなどを体内に運ぶ経路 のこと。手などを介す接触感染、咳
などを介す飛沫感染などがある。
予防対策 手洗いや、咳エチケット*について情報提供を徹底すること、また便や
嘔吐物などの排泄物には直接触れないようにすることが重要。
③感染症にかかりやすい人 :抵抗力が弱い人など感染 症を発症しやすい人のこと。
予防対策 手洗い、咳エチケット、予防接種などの健康づくりを心がけることが
有効。
*咳エチケット
集団生活では「咳・くしゃみ」からインフルエンザなどの感染症が拡がることがある。
「咳・くしゃみ」をする時に、家族や他の避難者にうつさないためマスクを着用するな
どの心配りを「咳エチケット」と言う。
• 避難所にマスクと消毒液を準備する
• 咳やくしゃみの症状がある時は、マスクを着用する
• マスクの準備が間に合わないときは、人がいない方を向き、ティッシュ ペーパーなどで
「口や鼻」を押さえる。使用したティッシュペーパー などはすぐに捨てる
• 咳やくしゃみをした後は石鹸で手洗いをするか、消毒液などを使用して手をきれいにす
る
(2)避難所内の整理・整頓・清掃のルールを作成する
1.換気の重要性
換気不足によって次のことが起こるおそれがある。
• ほこりや人の呼気に含まれる二酸化炭素のほか、屋内に生息するかびやダニ、イン
フルエンザや感染性胃腸炎の原因となるウイルスなどの微生物の屋内での増加
• 石油ストーブなどの暖房器具の長時間使用に伴う不完全燃焼ガス増加による一酸化炭
素中毒
このような状態を予防するため、1時間に1回5分間を目安に定期的に換気を行う。
2.屋内土足禁止
ほこりを吸引すると呼吸器系の障害や肺炎が生じやすくなる。
また、皮膚、目に付着して炎症がおこる可能性もあるので次のことを周知する。
• 屋内を清潔に保ち、清掃を容易にする
• 見た目の清潔さだけではなく、泥やほこりを屋内に入れない
3.寝具などの整理整頓
ダニやかびの発生を予防するために周知する。
• 定期的に寝具の日光干しをする
• 避難所に掃除機や布団乾燥機があれば、週1回の頻度で使用
4.避難所内の清掃を定期的に行う(共用部分・居室部分) 当番制
(3)季節対策の計画を作成する
・冷暖房対策 ・生鮮食品備蓄対策
1.暑さ対策
梅雨明け以降は避難所内の温度や湿度が高くなる。避難者は集団生活で体力が落ちて
いることもあり、暑さで体調を崩しやすい状態にある。避難者、運営者及び災害ボラ
ンティアの体調管理に配慮する。
• 避難所内では定期的に換気を行い、扇風機をかけて風通しを良くする
• 虫を侵入させないために出入り口、窓への網戸の設置
• 脱水症や熱中症の予防の呼びかけ
2.寒さ対策
冬季は避難所の温度が低くなるため、以下のような寒さ対策が重要になる。
・暖房器具、燃料の確保
・避難所内の温度を放送等で周知させる
・避難者全員に毛布が配布されているか確認する
・避難所の床にマットやダンボール、畳を敷く
・高齢者や乳幼児は、使い捨てカイロによる低温やけどに注意する
3.生鮮食品備蓄対策
・冷蔵庫確保のための要請をする
・食品を扱う際の知識(例えば以下)を担当者に周知
- 調理前やトイレの後、生の肉や魚などの食品に触った後や盛り付け前などは手洗
いを徹底する
- 流水が利用できる場合:流水・石けんでの手洗と消毒液※の利用
- 流水が利用できない場合:ウェットティッシュや消毒液※の利用
(※消毒用アルコールなど)
- 食品を取扱う担当者や災害ボランティアに体調不良(発熱、下痢や嘔吐などの症
状)がないか毎日確認し、体調不良がある場合には、食品を取扱う作業を休んでもら
う。
- 食品を取扱う担当者や災害ボランティアは、生ものなどの食中毒の原因となりや
すい食品を食べることを控え、十分に加熱調理された食事を摂る。 調理器具は、使
用後や作業が変わるたびに洗浄を行い、定期的に消毒液(消毒用アルコールや次亜塩
素酸ナトリウム※2など)を用いて消毒する。(※2塩素系漂白剤)
- 食品の賞味期限や消費期限を確認する。期限を過ぎた食品は廃棄する。
- 食品は期限までに消費するよう呼びかけ、残った食品は回収して破棄する。必要
以上に食料を配布しないようする。「次にいつ食事があるか分からない。」という
不安感を解消するために、食事の予定を避難者に伝える。
(4)入浴施設対策の計画を作成する
・入浴施設確保のための要請をする
・組み立て式シャワーの設置(案)
・ドラム缶風呂設置(案)-高さ対策用コンクリートブロックの確保
(5)仮設トイレの設置計画を作成する *総務班マニュアルより一部抜粋
・常設トイレの室内と便器に大きな破損がない場合
- 洋式の場合は、便器にビニール袋をかけ、用を足した後、凝固剤をかける形で1
回毎に処理する。
- 和式の場合は、組み立て式簡易トイレ(洋式)を個室内に設置する。この場合も
ビニール袋と凝固剤で処理する。
・常設トイレの室内あるいは便器が破損して使用不可の場合
- 運動場に簡易仮設トイレを設置する。
(6)バキュームカーの運用を含むし尿処理計画を作成する
排せつ物を入れたビニール袋の集積場を運動場の脇に設置し、市のゴミ収集が始まった
段階で収集してもらう。
(7)廃棄物置き場、分別、集積、回収等廃棄物処理対策(ルール)を作成する
・居住区域から離れた屋外にできるだけ閉鎖できる場所に設置する
- 定期的に清掃をする 当番制
・ゴミの分別・排出方法をポスターや放送を用いて周知させる
(8)生活用水確保・配分計画を作成する
避難者が開栓可能な給水栓場所の把握 使い方の説明を受ける
市の職員による開栓式の給水栓場所の把握
用途に応じて区別し、配分をする
・飲料・調理用
・手洗い・洗顔・歯磨き・食器洗い用
・風呂・洗濯用
・トイレ用
2. 震災時の任務と活動
(1)ボランティアを受入れ、救援物資の受け渡し等作業担当を決定する。
ボランティアは班のニーズに合わせて必要人数を要請する。
(2)情報広報班の協力を得て、避難所内の整理・整頓・清掃のルールを周知徹底する。
ポスターや放送によって周知する。
(3)計画に則り冷暖房の季節対策を行う。
自身の体調の変化に気づきにくい高齢者、幼児などは周りに協力を呼びかける。
(4)計画に則り入浴対策を実施する。
・避難所内に仮設風呂・シャワーが設置される場合
- 男女別に利用時間を設定し、放送やポスターで周知させる
- 定期的に清掃する 当番制
- 四方を囲み、囲いが風などで倒れないよう工夫する
- 排水場所の工夫
・避難所内に仮設風呂・シャワーが設置されない場合
- 公衆浴場、スポーツジム等の開設状況を把握し、利用を呼びかける
(5)仮設トイレを設置し、秩序ある運営を図る。
入浴、食事等とは違い、待てないので避難所開設と同時に設置する
・ 簡易仮設トイレを設置する際の注意点
- 避難者数に応じた数を男女別に設置する。
- 夜間照明の確保できる場所でかつ生活区域から離れた風下に設置する。
- 生活区域や給水・食品等を供給する場所と簡易仮設トイレとの位置関係に注意す
る。
・トイレの衛生管理
- 定期的に清掃をする 当番制
- トイレットペーパー,清掃用具、汚物専用容器の確保、管理
- 手指の消毒液などを設置
- 共用タオルや手荒いバケツは感染症をまん延させるおそれがあるため設置しない
- トイレ用の履物を用意す
- ポスターや放送でトイレの衛生管理について協力を呼びかける
(6)バキュームカーの運用を図る等、し尿処理作業を行う。
ビニールと凝固剤による処理
(7)廃棄物置き場を決め、分別、集積、回収等の処理ルールを徹底する。
ダンボール、ゴミ袋、ペン、ガムテープ、紙等を使い、分別しやすいよう工夫する。
ゴミの種類
・生ゴミ
・し尿
・ダンボール
・ビニール袋、プラスチック
・感染性廃棄物(注射器、注射針、血の付着したガーゼ等)
・缶、びん
(8)生活用水確保と入浴、炊事、洗濯等のため適切な配分を行う。