「バクセル®」と抗がん剤の併用における 膵臓がん患者

報道関係者各位
2015 年 2 月 6 日
テラ株式会社
テラ株式会社の樹状細胞ワクチン「バクセル®」と抗がん剤の併用における
膵臓がん患者の予後予測因子について
がん専門誌「ANTICANCER RESEARCH」にて発表
テラ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:矢﨑 雄一郎、以下「テラ」
)は、2010 年 8 月に
学校法人慈恵大学 東京慈恵会医科大学附属柏病院消化器・肝臓内科と共同研究契約を締結し、進行膵臓
がん及び進行胆道がんを対象として、抗がん剤(塩酸ゲムシタビン)を併用した、新規ペプチドである
WT1 クラスⅡペプチド並びに WT1 クラスⅠペプチドを用いた樹状細胞ワクチン「バクセル®」※1 の安全性
及び有効性を評価するための第Ⅰ相臨床研究を進めてまいりました。この度、本臨床研究について、治
療前後の測定データを解析し予後予測因子の探索を行った結果が、がん専門誌「ANTICANCER RESEARCH」
(2015 年第 35 巻 555 頁)に掲載されました※2。
2014 年 7 月に「Clinical Cancer Research」
(2014 年第 20 巻 4228 頁)にて発表した論文において、
WT1 クラスⅡペプチド及び WT1 クラスⅠペプチドを用いた樹状細胞ワクチン「バクセル®」と抗がん剤の
併用が、病勢制御に寄与する可能性があることが示唆されています。
本研究は、抗がん剤を併用した、WT1 クラスⅡペプチド及び WT1 クラスⅠペプチドを用いた樹状細胞ワ
クチン「バクセル®」において、7 例の膵臓がん患者の治療前後の血漿中に含まれるサイトカインの量
及び樹状細胞ワクチンの表面分子の発現量を解析しています。
その結果、長期生存(生存期間1年以上)が認められた 3 例は、治療後の末梢血に含まれる好中球と
リンパ球の比(neutrophil/lymphocyte ratio、以下「N/L 比」
)が低下していました。さらに、樹状細胞
の HLA-DR(WT1 クラスⅡペプチドを用いるために必要とされる樹状細胞ワクチンの表面分子)及び CD83
(樹状細胞の成熟の指標となる分子)の発現量は、治療後に有意に増強されていました。また、生存
期間1年以下の 4 例は、血漿中の IL-6(炎症性サイトカインの一つ)濃度が上昇していました。
以上の結果から、抗がん剤と WT1 クラスⅡペプチド及び WT1 クラスⅠペプチドを用いた樹状細胞
ワクチン「バクセル®」を併用した際の長期生存に関連する予後予測因子が、治療後の N/L 比の低下、
樹状細胞ワクチンの HLA-DR 及び CD83 の発現量の増強であることが示唆されました。
テラは、今後も樹状細胞ワクチン「バクセル®」の更なるエビデンス(科学的根拠)の強化を図り、
より良い細胞医療の開発・普及に取り組んでまいります。
【※1】樹状細胞ワクチン「バクセル®」
本来、血液中に数少ない樹状細胞(体内に侵入した異物を攻撃する役割を持つリンパ球に対して、攻撃
指令を与える司令塔のような細胞)を体外で大量に培養し、患者のがん組織や人工的に作製したがんの
目印である物質(がん抗原)の特徴を認識させて体内に戻すことで、樹状細胞からリンパ球にがんの特徴
を伝達し、そのリンパ球にがん細胞のみを狙って攻撃させる新しいがん免疫療法です。現在、樹状細胞
ワクチン「バクセル®」は、がん治療用の再生医療等製品として薬事承認取得を目指しています。
【※2】「ANTICANCER RESEARCH」(2015年第35巻 555頁)
Prognostic Markers for Patient Outcome Following Vaccination with Multiple MHC Class
I/II-restricted WT1 Peptide-pulsed Dendritic Cells Plus Chemotherapy for Pancreatic Cancer.
【テラ株式会社について】
■社 名
テラ株式会社 [英名]tella, Inc. [証券コード]東京証券取引所JASDAQ 2191
■住 所
東京都港区赤坂一丁目12番32号
■電 話
(代表)03-5572-6590
■設 立
2004年6月
■資 本 金
1,332百万円(2014年12月末)
■代 表 者
代表取締役社長 矢﨑 雄一郎
■従業員数
46名(2014年12月末)
■事業内容
医療機関に対する樹状細胞ワクチン療法等、細胞医療に関する技術・運用ノウハウ
の提供
樹状細胞ワクチン療法等、再生・細胞医療に関する研究開発
■U R L
http://www.tella.jp/
【本リリースに関する報道関係者からのお問い合わせ先】
テラ株式会社 社長室 山口、山本 TEL:03-5572-6590